中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集 |
【80】 『緊張と、どう付き合うか 全3回 その2』 2007.10.20 (1)イメージトレーニング
今回は、『自分を緊張させる方法』の第2回目、(3)(4)である。 (3) 時間を決めて(1)を実行する
通し練習を、長時間色々練習した最後にやってみて、『うまく弾けた』 としてもそのような演奏は本番では出来ないと思うこと。指や体がその曲を弾くのに適した状態になっているし、今まで練習していたわけだから頭の中は活性化していてうまく弾けるのは当然。難しいことは、頭も指も使っていない状態から、ピアノに触れずに実際に演奏できる状態に持っていくことなのである。その意味で、次の方法を薦める。 (4) 環境を変える いつも自分が練習している部屋の環境を、出来るだけいろいろ変化させる。
●その1:〈照明〉
●その2:〈響き〉 他にもあると思うが、このように色々工夫して、慣れてしまった環境を、弾く毎に違う環境になるように変えてほしい。 これまでの方法で、演奏前に自分を緊張状態にすることが出来、またその状態での演奏をすることになるはず。これを本番1ヶ月前くらいから、週に2度位のペースで続けていくのだ。(1)から(4)までを同時に全部やる事が大変だと思う場合は、毎回どれか違った2つ位を組み合わせて実践してもよい。初めてこの方法を実践すると、思いがけず「ガタガタ」になり、演奏途中で自分を見失うような事にもなるだろう。弾き終わって「あ〜ぁ、今まで練習したことが全く出来なかった。途中で立て直そうとしたけれど、頭が真っ白で……。」という事が必ず起こる。『自分なりに90%くらい仕上がっている』と思っていたときに、この現実を突きつけられたときのショックは大きい。しかし、これでよいのだ。膿は練習のうちに出してしまおう。
演奏には「自信」も必要だ。 次回へ続く。(H. N. )
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