第14回 センリュウ トーク

◎主 催 川柳みどり会
◎後 援 朝日カルチャーセンター/朝日新聞社/愛知芸術文化協会
愛知川柳作家協会/水脈の会
◎日 時 2005年9月24日(土)〔13:00開会/16:30閉会〕
◎会 場 朝日新聞名古屋本社15階 朝日ホール
【第1部】 トーク《川柳作品を読み味わう……》
●パネラー 荻原 裕幸(名古屋)/石部 明(岡山)/峯裕見子(大津)/丸山 進(瀬戸)/
徳永 政二(守山)/東川 和子(伊勢)/吉田三千子(名古屋)/渡辺 和尾(愛知)
 ■トークの内容:
 短詩型文学のひとつである川柳。川柳を書き、川柳を愛好するものたちとして、パネラーの方には、今回は主催でもある川柳みどり会の同人誌『緑』近号から作品を取りあげていただきました。それら作品を当日参加の方にも参考資料として配付。『緑』薔薇園作品を中心として、その作品を読み味わうという主旨のもとにトークを展開しました。

【事前投句の部・雑詠入選作品抄】
◆荻原 裕幸・選 ・天位   ここまでは水でここから私です 徳永 政二
・特選 無花果の匂いがしたら右折せよ 堀  恭子
赤とんぼが留まった人から消えてゆく 尾崎志津子
桟橋の向こうへ暗示受けにいく 赤松ますみ
・佳作 万博が終わった後は どこに行く 勢力 愛子
よくわかるように机になっている 徳永 政二
手も乾いたし本当のことを言う 重森 恒雄
標準に満たないけれど秋になる 春日井五月
百円のパンツの柄を選っている 墨崎 洋介
この先の短い人もする貯金 渡辺 妙子
ゆっくりと歩き私の道にする 竹内すみこ
火を点けたまんまで母が居なくなる 中村みのり
引っぱってほしいと紐が垂れている 堀  恭子
ややこしいので馬肉だと言っておく 丸山  進
 
 
◆石部  明・選 ・天位 引っぱってほしいと紐が垂れている堀  恭子
・特選 無花果の匂いがしたら右折せよ堀  恭子
人を降ろした夜の自転車立ち並ぶ吉田三千子
梟を追い出してから考える東川 和子
・佳作 フランスパン斜めに切って文化の日いまいまい
黒ずんだバナナの皮に遺恨あり白藤  海
こめかみを押さえ市民は考える吉田三千子
めし粒でシェイクスピアがくっついた墨崎 洋介
体から縞馬の縞 脱走す堀  恭子
連判状書いても書いても豆ですよ石田 柊馬
廃船を曳っぱっていく昼下がり堀  恭子
ややこしいので馬肉だと言っておく丸山  進
おっぱいのにおいがみちる月の下堤  文月
だるまさんがころんだ ふっと死の気配斎藤 早苗
 
 
◆峯 裕見子・選・天位キリンの首たのしいはずがないでしょう石田 柊馬
・特選家軋むガッツポーズで前進し香田 裕子
父の子で足をぶらぶらさせている吉田三千子
なんでやねん 三回言うて湯に沈む尾崎志津子
・佳作子が二人いる淋しさで子を思う松田 悦子
そらあんた国は人命より重い伊藤  健
萩という秋のことばに火をつけよ石田 柊馬
なにごともなかったような野菜室泉  紅実
鎖骨です むかし港があった場所 斎藤 早苗
子ら帰る 水泳教室夜の部に吉田三千子
東京バナナ 東京を揶揄してる恒川和左子
大阪の地図にはかなり泣かされた春日井五月
鼻声にネジ山全部つぶれてる丸山  進
痛かった 虫に刺されたようだったいとうていこ
 
 
◆丸山  進・選・天位キリンの首たのしいはずがないでしょう石田 柊馬
・特選少しまだ君が残っているチューブ徳永 政二
フランスパン斜めに切って文化の日いまいまい
イヤイヤを一番先に覚えた子いまいまい
・佳作蒟蒻を馬鹿にしていて好きである墨崎 洋介
流れ弾 きっと私のほうにくるいまいまい
真面目だが結構無茶する鬼頭さん西川ほしみ
削ぎ落とす ほんとに気持ちのいいことね武山 文子
ゲシュタポかポタージュなのか聞き漏らす阿住 洋子
役立たず役立たずという埴輪の目吉田三千子
さとうきび 君とこの世にいるふしぎ伊藤  健
標準に満たないけれど秋になる春日井五月
総務課のゴムの鉢植え退職す峯 裕見子
なんでやねん 三回言うて湯に沈む尾崎志津子
 
 
◆徳永 政二・選・天位日本全国押入れはスーと開く墨崎 洋介
・特選鎖骨です むかし港があった場所斎藤 早苗
シュークリームの中は昼の月である天谷由紀子
キリンの首たのしいはずがないでしょう石田 柊馬
・佳作限界はありますと言うふくらし粉天谷由紀子
さてと子どもたちには恋人がいる東川 和子
ハンガーにひょいと人生かけてみる三上 博史
まあだだよ これから生まれにゆくところ尾崎志津子
三日月を配達されて押すハンコ峯 裕見子
生きてゆく 瓶の口にも笑われて山部 牧子
ひまわりを逃がしてあげる非常口堀  恭子
火を点けたまんまで母が居なくなる中村みのり
バスタブのカーブ私をダメにする丸山  進
おっぱいのにおいがみちる月の下堤  文月
 
 
◆東川 和子・選・天位壺覗くなにかが満ちてくるようで竹内すみこ
・特選さかさまにすればゆっくり動きだす徳永 政二
おつかいのとちゅう地球のとちゅうなり酒井 暁美
この辺で挨拶しとこ紙オムツ丸山  進
・佳作さよならと言ったからにはジェットコースーター 尾崎志津子
あくいにはあくび あくびにはあせび白藤  海
卓袱台の足は上手に畳まれる香田 裕子
ゲシュタポかポタージュなのか聞き漏らす阿住 洋子
ゆく夏の鞄の中のおてもやん天谷由紀子
ストローの中を通ってくれと言う徳永 政二
つぶつぶがあってあなたはお母さん徳永 政二
銀婚のころからずっと工事中丸山  進
連判状書いても書いても豆ですよ石田 柊馬
引っぱってほしいと紐が垂れている堀  恭子
 
 
◆吉田三千子・選・天位ようやくに壺は青磁を志す白藤  海
・特選覚悟した人といっしょに押す扉泉  紅実
頬杖をついては砂を湿らせる赤松ますみ
やや老いて欲しがる甘く煮たかぼちゃ峯 裕見子
・佳作天高くひとりぼっちも悪くない尾崎志津子
骨盤を海月が抜けるそんな夢尾崎志津子
写真では写らぬ良さがある私ほりべよしゆき
鎖骨です むかし港があった場所斎藤 早苗
たどりつくための大きな声である徳永 政二
ロボットが 進軍ラッパ吹きそうだどうけきよし
総務課のゴムの鉢植え退職す峯 裕見子
はがき一葉むかし愛せし金魚の死神平 狂虎
傷つける忘れられない人となる 山本知佳子
不意打ちの萩の花から母の声水野亜希子
 
 
◆渡辺 和尾・選・天位袋の中逃げてゆくのがよく見える墨崎 洋介
・特選ここまでは水でここから私です徳永 政二
コンビニが飛び火のように町外れいまいまい
咳をして一人ラーメン食べている松本 玲奈
・佳作ももいろのあくびをしてるプールサイド堀  恭子
少し暗いね 水の中だね つめたいね徳永 政二
画用紙の端がすこうし反っている天谷由紀子
粗食にてぐるりと秋を迂回する尾崎志津子
ジジババが焼き肉好きの孫を待つ深谷  歩
母のいた部屋に三年猫が住む西川ほしみ
靴下になったら苦労するだろう徳永 政二
水分をバッグに詰めてバスに乗りいまいまい
偽ものか本ものなのか触ってみる渡辺 妙子
ハンサムな同級生が亡くなった武山 文子


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