水脈の会 葡萄狩り

石田農園にて 2008年8月27日

 雨が心配されましたが、ときどき陽も射す葡萄狩り向きの天候に恵まれました。葡萄棚の下で甘い葡萄をいただきながら、お喋りや作句に時の経つのを忘れました。石田農園さんから、この農園で穫れる品種の試食もさせていただきました。

全員1


◆川柳  選評・渡辺 和尾

葡萄棚の下で一年ごとに会う
日照り続きの巨峰の甘さ喉に咽せ
吠え立てる犬を宥めて靴を履き
柳田みずき
暑さ負け葡萄は少し渋くあり
白い袋破れば巨峰現れる
弁当も葡萄も腹に落ちていく
香田 裕子
甘い渋い品評会のぶどう狩り
大粒を探したいから腰屈め
指先を染めて葡萄を平らげる
後藤 峯子
葡萄の影が薄くなったら雨模様
お昼寝は自由にどうぞ葡萄棚
一年に一度は来たい葡萄狩り
水野亜希子
葡萄園の地下からの水清らかに
試食する葡萄いろいろ赤や青
友だちの弾む鋏の音色聞く
園部志津代
葡萄にも猛暑の疲れ少し見え
笑い声弾け葡萄房解け
曇天を吹き飛ばし来たぶどう狩り
恒川和左子
お土産のぶどう重さは覚悟する
全視界 葡萄の袋 葡萄の葉
大粒が揃い二房食べきれず
春日井五月
ポリフェノール一年分をいただこう
頭上の葡萄に見詰められ二房も
ぶどう狩り森岡の風にまた会った
いまいまい
葡萄狩り少し渋みの新品種
傾斜地のぶどう下に秋の風
ことしまた品定めする粒の色
内田 順子
桃よりも傷つきやすい葡萄だよ
完熟の巨峰に逢いに来たのです
おにぎりを三個と巨峰二房を
児玉 浪枝
よく冷えた葡萄に舌がよく回り
木漏れ日に笑顔笑顔で葡萄食べ
爪染めてぶどう一房たいらげる
奈尾はるか
満腹にまだ詰め込んで葡萄狩り
涼風の楽園にいる葡萄狩り
沈む気をふっ切り葡萄狩りにいる
川嶋 翡翠
葉音風音 葡萄晩夏に揺れている
視力の落ちたこのごろの葡萄棚
雲行きが険しくなればすぐに秋
吉田三千子
鳥が啼く虫が鳴く葡萄園
品種改良 葡萄の形 葡萄の色
甘い甘い葡萄を食べて夏終わる
堀  恭子
朝食を抜いて備える葡萄狩り
一つ覚えて一つ忘れる葡萄の名
灼熱を浴びて葡萄の甘いこと
深谷  歩
汗が噴くほどではないが葡萄狩り
座ったら食べるばかりの葡萄狩り
葡萄園飛蝗が語りかけてくる
眠くなるくらいの暑さ 葡萄園
渡辺 和尾

――丘陵地から見下ろす緑は快い。そこから見上げる青空も快い。ただこの時季特有の蒸し暑さを除けば。
――2008-08-28←和尾
…………
◆50字エッセイ  選評・渡辺 和尾
◇熱帯夜続きの一か月、葡萄園の葡萄も喘いでいたに違いない。透けて見える空が、例年より多いようだった。内田 順子
◇葡萄園に飼われていた孔雀は雄一羽になってしまい養護施設に貰われていったという。見てくれる人は大勢。内田 順子
◇大府の駅では笑顔の仲間が迎えてくださった。申し分のない快晴で一日楽しめそう。葡萄園の犬は元気かな。園部志津代
◇新品種の葡萄の試食した中に、ゴルビーという赤い大粒の葡萄があった。ふっとゴルバチョフを思い出した。園部志津代
◇水玉の傘を日除けにして葡萄棚の下に集う。自分の手でもいだ巨峰は、とても甘く美味だ。夫へのお土産を。児玉 浪枝
◇恒例の葡萄狩りにはなんど参加しただろうか。現地で食べる甘さと、仲間たちとの集いの甘い雰囲気に酔う。児玉 浪枝
◇かつては高貴な果物とされた葡萄だったとか。庶民が口にできなかった時代を越え、新品種を口にするいま。吉田三千子
◇JR大府駅から車で二十分弱で石田農園に。大府と言えば、かつては遠い遠い土地だった。いま葡萄狩りを。吉田三千子
◇葡萄狩りの前夜にするのは、冷凍室を空け葡萄を冷やすための氷を作ること。少し冷やした葡萄の甘いこと。深谷  歩
◇葡萄の葉陰で育つ薔薇の花。生き生きとして色鮮やか。ほかの薔薇の花よりもいつも元気だと来るたび思う。深谷  歩
――2008-08-28←和尾


up