綿毛 昴  2008年10月号   渡辺 和尾・選

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頭には芒揺らして満月旅行  尾崎志津子
水草の揺れに金魚も揺れている  吉田三千子
懐メロの笑えば面影残る歌手  渡辺 妙子
トンカツ屋 潰れ癒し屋になった  内田 順子
夏草の繁る線路に錆があり  恒川和左子
それはもう化粧水では治らない  児玉 浪枝
寂しいか暗闇で鳴く小虫たち  水野亜希子
夏痩せは願望だけで終わるなり  深谷  歩
くじ引きは真ん中を引く癖がある  いまいまい
お化けは避暑地にいったきりで秋に  柳田みずき
納戸から秋刀魚の皿を出してくる  園部志津代
蜂蜜をかけて土曜の朝のパン  春日井五月
艶やかな背中を見せている秋刀魚  堀  恭子
記念写真オレンジジュースを前にして  後藤 峯子
五輪中継 箸は口元で止まり  川嶋 翡翠
恩師まで振込み詐欺に引っかかり  東川 和子
一日の終わりに聞いているシャンソン  奈尾はるか
玉葱の皮だ悲しみなんてもの  上地 弘子
足の爪綺麗に切れば巻き爪に  西川ほしみ
暑い夏 野菜のできがいま一つ  木野すみゑ
  
健全な精神があり総裁に  渡辺 和尾


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