綿毛 2007年1月号 昴

縦

二階から見れば確かに枇杷の花  堀  恭子
歯医者から解放されて冬の街  児玉 浪枝
急行の止まらぬ駅は美しい  いまいまい
金鯱が下りてきたような公孫樹  恒川和左子
掃除ハキライ デモ雑巾ヌッテイル  尾崎志津子
新しい帽子で歩く初冬へと  園部志津代
同窓会なぜか男性老けて見え  渡辺 妙子
ますますの河馬の大口 枯葉散る  吉田三千子
回覧板師走に入り重くなる  春日井五月
蒸かし芋 ほとんど私が食べている  水野亜希子
薔薇の実がたわわな空き家の庭の前  深谷  歩
要するに過労ストレス人疲れ  内田 順子
切れ味の落ちた鋏に日を当てる  柳田みずき
朝の八時に剪定鋏の音がする  関本 満美
車窓から見ている過去に住んだ街  西川ほしみ
ジャムですかバターですかと早口で  後藤 峯子
半生を語る小さな饂飩屋で  東川 和子
穏やかな人との出会い 豆乳鍋  奈尾はるか
ここにきてなにもかもどっと押し寄せる  川嶋 翡翠
声に出し大丈夫だと我に言う  上地 弘子
このごろのマスク次第に大きくなり  竹内 英子
手を白く 丸くまるくとお餅つき  木野すみゑ
  
闇夜から匂いくるもの冬の花の  渡辺 和尾

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