『綿毛』4月号 一句抄 《昴》  選・渡辺 和尾

縦
なにごとかと思えばロケット大空へ春日井五月
ワクチンを打ってもやっぱり引いた風邪渡辺 妙子
戦争が始まりそうな町の角児玉 浪枝
ねえあなたどの桜まで行きましょう尾崎志津子
月光を盗むマンションまた一つ恒川和左子
マンサクも梅も咲いてるころだろう吉田三千子
飛行機に乗らない人が飛んでいる内田 順子
バリアフリー頷いているカバ ライオン園部志津代
よく笑うおばあちゃんいて枝垂れ梅柳田みずき
本当のことを言ったら破裂する水野亜希子
チャーハンは一人分なら上できに関本 満美
どこでどう間違ったのか包丁二本堀  恭子
トランプの表も裏も春休みいまいまい
歯医者さんのお腹の虫が鳴ってます深谷  歩
紫の缶 上等に見えてしまう川嶋 翡翠
ゴミ出しの隣のご主人ニコニコと後藤 峯子
閉店セール こんなにも人が来る東川 和子
ストレスを吐きだしているパンの生地奈尾はるか
寝ていても春一番はやって来た上地 弘子
満開の河津桜に癒されて木野すみゑ
私の財産二人の子どもです西川ほしみ
公園のベンチで鳩も日向ぼこ堤 亜美子
生き残り 郵便局にもコンビニが竹内 英子