昴  綿毛の会11月一句抄   選・渡辺 和尾

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億と兆 でかいばかりで喜べぬどうけきよし
人と人 どの性格もユニークで波多野美津子
肩寄せて人の温もりあった町香田 裕子
新しいお札で買った葱と大根春日井五月
気の抜けたソーダ水とお昼のテレビ柳田みずき
あの人をトンチンカンにしてしまう堀  恭子
紙の札増やして富を軽くさせ内田 順子
真っ先に呆けて銀いろ芒花渡辺 妙子
十二月 猿の根付が見当らぬいまいまい
美しく屋敷を囲む金木犀堤 亜美子
すり切れた時計ベルトまだ使う西川ほしみ
真実も意外に変わりやすいもの恒川和左子
百円の物干しすぐに壊れそう児玉 浪枝
拡大鏡と老眼鏡を使い分け水野亜希子
ゴムの木に夕陽が届く葉裏まで吉田三千子
押し花を鞄の底で作ってきた後藤 峯子
塩味を控えた分はレモンかけ川嶋 翡翠
新しい洋服店の眩しいネオン深谷  歩
突然に思い出すこと公孫樹の下園部志津代
この町を歩いたことを思い出す尾崎志津子
一駅も乗れば深まる秋があり関本 満美
珈琲飲んで薬の名前言い合って東川 和子
オードリー展寄らずに帰る人疲れ奈尾はるか
不揃いの花びら揺れてお茶の花上地 弘子
天気よく老いも若きも健康まつり木野すみゑ
秋風に行き着く先を聞いてみる竹内 英子
  
月末の街灯 鈍く点いている渡辺 和尾