綿毛5月号 昴 一人一句抄   選・渡辺 和尾

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パソコンでお喋りをして花曇り児玉 浪枝
不機嫌が増殖をする花曇り堀  恭子
喧しい窓 小学校は昼休みいまいまい
換気扇 回り続けて独りの食卓水野亜希子
想い出という厄介を断ち切って恒川和左子
豚まんはレンジの中に忘れ果て柳田みずき
春だから待合室は騒がしい春日井五月
計画のように物価も上下する内田 順子
小さな靴を並べてやっと家らしく吉田三千子
お花見の田楽までも値上げして堤 亜美子
お蒲団をはたけば黄蝶舞い上がり尾崎支朱子
緑色の虫のあしたを待っている園部志津代
若坊主老僧見ながら鈴を打つ渡辺 妙子
待つ身には時間なかなか進まない川嶋 翡翠
街灯に抱かれて早咲きのさくら深谷  歩
お隣が広げた新聞覗き込み関本 満美
爺婆もディズニーランド楽しみに石川 照子
先ほどの賑わいもなし風とおる後藤 峯子
寒桜 自分勝手な愛し方上地 弘子
頭からかぶりついてるカルシウム奈尾はるか
桜の木 花屋さんからよく見える東川 和子
メンバーが増えると窓が狭くなる西川ほしみ
初節句 家族写真が届きそう木野すみゑ
入学式に確かに桜咲いていた林  昌子
よく食べてよく飲み笑った友が逝き竹内 英子
  
桜からなにが始まる 期待せり渡辺 和尾