昴  綿毛の会3月一句抄   選・渡辺 和尾

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菜の花が消えたからって好きな町児玉 浪枝
母子孫みんな安産願ってきた恒川和左子
鍋焦がす犯人 強力換気扇渡辺 妙子
節ぶしが痛む 電動ノコギリ音堀  恭子
マッチする硫黄の匂い火山の匂い柳田みずき
一日分の薬残して回復し水野亜希子
激しくて目が痒くなる春の風内田 順子
ケータイと鍵と財布と桜雨吉田三千子
梅香る境内のチャボ消えているいまいまい
待つときは悪戯電話かからない春日井五月
蓑虫のごとく包まれ安眠中堤 亜美子
もうなにも残っていない蔵がある園部志津代
洗濯を篭に残して飛び出した関本 満美
夫だけ冬河豚食べて春になり深谷  歩
春闘も死語になりゆき春一番石川 照子
落ち着かずコーヒーお代わりしてしまう後藤 峯子
眠る町 ひらりひらりと春が降る上地 弘子
こんなときパソコン打って紛らわせ川嶋 翡翠
懐かしい想い出辿るお雛さま奈尾はるか
春光に老眼鏡の傷無数 東川 和子
捨てられてしまうものなど恋しくて尾崎支朱子
消音でサッカー中継見る息子林  昌子
春きても慌てん坊は治らない西川ほしみ
折り紙も元気になれる雛飾り木野すみゑ
めっきりと掲示の増えた肉売場竹内 英子
  
それ以上言うこともなく口ごもり渡辺 和尾