昴  綿毛の会7月一句抄   選・渡辺 和尾

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使い捨て容器に花を植えている内田 順子
乗客は私一人で落ちつかぬ恒川和左子
訃が続く六月雨の日曜日水野亜希子
週末は新幹線で看病に堤 亜美子
梯子かければ猫なにごとと立ち上がる堀  恭子
雷雨来てまた席に就く喫茶店いまいまい
心揺さぶるものは台風の風ぐらい柳田みずき
奈良線へほんの一駅乗り替える関本 満美
黒飴を噛み砕くのが好きなのよ児玉 浪枝
こんなときどうして膝が痛くなる春日井五月
灰汁抜きの仕方を教わる方言で渡辺 妙子
きょうはここまで 枝豆に誘惑され尾崎志津子
半月で閉店をする街角ファイル吉田三千子
ポケットの夢を出さずに洗うシャツ石田 穗實
雨音で目覚めて温泉卵食べる園部志津代
気に入りの帽子に会えぬまま夏に深谷  歩
集める気はないが診察券が増え川嶋 翡翠
約束の時間に雨が降りそうだ後藤 峯子
二軒分の梅辣韮漬け大団円石川 照子
犬を抱く 温もり伝わる梅雨の朝長谷部じゅん
南は明るく私のところは土砂降りよ上地 弘子
ジョークでも飛ばして肩の力抜く奈尾はるか
仏壇に到来物の枇杷ふたつ東川 和子
いくつかと娘の歳を聞かれる日西川ほしみ
この雨じゃ傘があっても同じこと林  昌子
裏道を歩いた友の訃報聞く竹内 英子
川の水音 聞こえそうなカレンダー木野すみゑ
  
雨後の匂い スーパーまで小走りで渡辺 和尾