昴  綿毛の会2月一句抄   選・渡辺 和尾

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背広の集団がやって来るラーメン屋吉田三千子
そよ風が好きなケータイストラップ児玉 浪枝
これだけの人と分かれば許しもし 渡辺 妙子
高僧はえらそうなこと言いません 恒川和佐子
夫が貰った美しいチョコレート  水野亜希子
クシャミにて悪霊不意に消散す  尾崎志津子
嗄れた声に呼び止められた出札口 堀  恭子
百貨店店舗が売りに出て久し内田 順子
いつものモーニング食べ老夫婦柳田みずき
菜の花がひと足早い長距離電話いまいまい
お見舞いの義妹たちはよく喋る春日井五月
値下げしたタワーズなのに人気なし堤 亜美子
還暦の雛人形もいとおかし園部志津代
誕生日 ピアスはずした耳触る石田 穗實
廃業の美容師からも年賀状石川 照子
寒風を背中に受けて露天風呂関本 満美
友人と病んでる母の話など深谷  歩
あの自信に満ちた声はどこから出る川嶋 翡翠
暖房が効きすぎている頭痛する後藤 峯子
犬が寝そべる戦争が起こりそう長谷部じゅん
ラベンダーの芳香剤に酔わされる東川 和子
うつむいて歩けば冬はなお暗い上地 弘子
ゆっくりと時間をかけてほどく糸奈尾はるか
恋愛の能力レベル1である山本 数子
着ぶくれて道いっぱいにおばさんが竹内 英子
温もりの残る手 夢を叶えそう西川ほしみ
カルタ取り 息子二人に負けちゃった林  昌子
通り雨ドーンと淋しくなる時間高田 初江
年度末どの道通ろう工事中木野すみゑ
  
お日さまの眩しいときの懐かしさ渡辺 和尾