昴  綿毛の会9月一句抄   選・渡辺 和尾

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父さんに似たところから影になる尾崎志津子
ノックしてください秋が来たならば児玉 浪枝
母がいて窓のガラスが美しいいまいまい
マンションの窓が開いてほうほたる堀  恭子
ありふれた木ですぐ伸びて嫌われる水野亜希子
森に行くときの電車はゆっくりと内田 順子
お向かいのアンテナいまに落ちそうだ堤 亜美子
クシャミの種をかき混ぜる扇風機春日井五月
弟は双子の孫をもつ予定恒川和左子
飛行機は夕方に飛ぶ鳥もまた吉田三千子
もう一枚買い足している夏の服園部志津代
背の丈を抜かれたころから頼りにし 関本 満美
閉店セール来年用の下着買う渡辺 妙子
お墓にも紅白で咲く百日紅川嶋 翡翠
珍しい蝶に二人の目が停まる柳田みずき
除草剤使ったらしい駐車場深谷  歩
恐竜が工場を破壊そしてスコール石田 穗實
携帯を持っていません化石です山本 数子
海に泳ぎ 体いちめん癒やされる上地 弘子
夏風邪で命の洗濯しそびれた鈴木 栄子
地下街を並んで歩く盆休み奈尾はるか
残暑お見舞い 素麺だけはよく食べた東川 和子
ストレッチ体の疲れ取れましたか本田 博子
約束のデパートは臨時休業石川 照子
親を看る私も大事 息を抜く後藤 峯子
犬を頼りに生きている我が人生長谷部じゅん
繰り返し囁いている ダイジョウブ林  昌子
高原の冷たい水で湿らせる木野すみゑ
昼食にマックを食べて議論する竹内 英子
一度には事が済まないややこしさ西川ほしみ
いい匂い樹の匂い空気の匂い高田 初江
   
鈍い光を発した指を見詰める日渡辺 和尾