昴  綿毛の会5月一句抄   選・渡辺 和尾

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お喋りな なんて五月蠅い庭の千草尾崎志津子
健康な人に囲まれ泥の指高田 初江
風あらし 揺れて狂ってバラが咲き木野すみゑ
午後三時 切り花持って病院へ林  昌子
絶好調の三歩手前で引き返す西川ほしみ
不祥事の連続ドラマ 五月雨吉田三千子
忘れないように描き足す丸い眉児玉 浪枝
地下鉄の出入り口までお見送り堤 亜美子
雨模様見て雛菊を植えてゆく恒川和左子
永遠に平和を祈る孫を抱き竹内 英子
留守電の四件ぜんぶ同じ人水野亜希子
藪を突付くと蛇もでる金もでる 柳田みずき
毛布洗う定期預金の満期日に東川 和子
夕焼けに調子はずれの草笛がいまいまい
体重が同じになった姉と私深谷  歩
葱坊主澄ました顔で立っている 山本 数子
カメラ付き猫に小判のわが夫鈴木 栄子
旨味甘味塩の魔力に感心し川嶋 翡翠
家族分貰った春の時刻表渡辺 妙子
野すみれが光を生んでくれました上地 弘子
ほろ苦い春を食べてる茶懐石奈尾はるか
違反です後ろを振り返ってみても内田 順子
じゃあまたと軽く交わして家路へと関本 満美
ストレッチ筋肉老化再生中本田 博子
四股踏んで娘が出ていくよ新学期園部志津代
ゴロゴロと鉛筆転がる古い家 長谷部じゅん
ぎっしりと天井までも古本屋堀  恭子
目で追えば小虫いつしか幻に石田 穗實
うそつきを見透かしている猫を抱き小林 朋恵
リモコンのおもちゃを孫に譲られる石川 照子
玄関に訃報通知の回覧板春日井五月
生ぬるい体温のよう蔓の草社本 蛙子
独創で父生きてきた山に雲後藤 峯子
歳聞かれ自称年齢三つある阿部 信子
  
雨みどり 明るい雨もありぬべし渡辺 和尾
雨あおく 街も間もなく雫する 渡辺 和尾



2002年5月15日 綿毛の会・吟行会

 五月十五日、『センリュウ・オリエンテーリング・イン・小幡緑地』と題して名古屋市守山区の小幡緑地公園で吟行会を開催。《とんぼの大時計》から出発し、昼食後、地図に書かれた第一ポイント《森の館》へ。森の館で規定の用紙と喉飴を受け取る。課題の【なんじゃもんじゃの花のイメージ】を作句しながら散策。作品は十五時までに、第二ポイントの《竜巻池の浮身堂》で提出するというコース。
 公園内の木の敷きつめられた木道は、空中回廊のよう。池があり、湿地があり、鳥鳴き、花咲き、リフレッシュするひととき。山桜?の実がびっしり実り、黒いのを選って食べると、ほの苦さのなかにチェリーの味も。桑の実なども懐かしく味見した。
 コバンソウを見つけた人もいて、お金持ちになれるかも。
 池に釣り糸を垂れる人がいて、退屈そうなので声をかけたら、コイやフナを待っているのだという。〈釣れないのがいいのです〉とか。
 十五時までに全員が作品を提出。流れ解散となった。


高架バス森へ着いたら降りましょう五月
暗闇に灯りをともす緑の木英子
異論反論 とうとう負けている昼間初江
笹舟が少女の思い乗せて浮く志津代
緑濃い森の木立の中の花じゅん
イチョウもそう 外来品種元気です
花の香を抜けていつもの銀行へはるか
地上はうにゃむにゃの埃だらけです和左子
青春のドラマのように花の下まい
集合場所分からずみんなで探し合い翡翠
犬も猫もわたしも初夏の橋の上浪枝
あんぱんもサンドウィッチも草の上恭子
そのときだけはちやほやと忘れられ照子
なんだろうみんな集まる木の下でみずき
遠くから見れば雪のような花妙子
さくらんぼびっしり実る並木道亜美子
花の時季過ぎてフツーの樹の姿順子
心臓の音する 蛙の声もするほしみ
影は濃く存在理由を明確に三千子
土からのみどりの封書配ります志津子
小さいのがあんなに咲いて生意気に昌子
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