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2006年6月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【はじめに】
ことし2006年は、長い長い梅雨に悩まされています。各地では悲惨な雨に関係する被害が報じられています。被害に遭われた方には謹んでお見舞い申しあげます。
そして、海の季節へ。知多半島を南下する道路は、また酷い渋滞が始まるのでしょう。生活道路も渋滞の中に入ってしまい身動きが取れなくなることでしょう。朝夕の通勤ラッシュでさえ住民は困っているのに、夏期は終日にわたり混乱が続くことでしょう。車洪水はまったく改善される気配はありません。
国政の長が秋に交代するニュースで騒がしいこのごろではありますが、爽やかな大気を吸って、和やかに過ごすことができるよう願うのみです。
それでは、6月投稿分の発表です。
さらに次のあなたの佳品をお待ちしております。

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《入選》概ね到着順に掲載されています。

佳作 サプライズ人事で希望くれた主婦
あの名優はいつの間にやら天国へ
ち び 丸
  【作者】 給600円から社長になり、私たちに希望をくれた田村三兄弟や、ファンファンなど、名優がいなくなり残念です。
  【選者】 人は生き続けられるものではなく、それだけに生き方が問われることになるのでしょうね。名優、惜しまれて心に生き続けるのでしょう。
 
佳作 儲かっている堀川の屋形舟
城在ってお堀の舟が客寄せる
竹内すみこ
  【作者】 小さな城下町・松江では、第三セクターとか、いろいろと試行錯誤。スキー場やゴルフ場も閉鎖。いま儲かっているのは、お堀の屋形舟だけなんだって。市長さん、税金の無駄遣いしないでね。
  【選者】 流行のように、施設を作れば人が入り、お金を落としていった時代は終わったようです。名古屋でも、屋形紛いの舟があるとか。この町〔松江〕の紛いではね。
 
佳作 六月よ父と出掛けた蛍狩り
噴水の意外な動き影光り
園部志津代
  【作者】 名古屋市内でもホタルを見ることができる、というニュース。遠い遠いむかし、近くに流れる山崎川へ父と出かけたことを懐かしく思い出しました。
  【選者】 もう自然に棲息する蛍は早晩見えなくなるでしょう。地元で、ぼくが見たのは、かれこれ小10年前になりますか。川沿いの田圃道を歩いていたときのことです。いまの住まいにまで入り込んできたこともあったのですが。
 
佳作 なでもエエ そんなメニューありません
翌日のカレーの旨さ褒められる
久保 眞二
  【作者】 会社を退職してから、三食自宅。なに食べたい、なんでもええわ。なんでもと言ったメニューはありません。では、これ食べたいと言えば、美味しく作るだけの腕前か、私が一番良く知っています。
  【選者】 ああ言えばこう言う、の部類の内容でしょう。口語調の作品は、リズムを壊しがちになります。
 
佳作 銀シャリが憧れだった親を持つ
大企業 バスのルートさえ変える
ふゆのゆふ
  【作者】 いまでこそ、玄米だ雑穀だと、もてはやされていますが、ほんの十数年前まで銀シャリの威力はたいしたものでした。私は、雑穀の中に黒米が入っていると、お赤飯みたいで嬉しいです。
  【選者】 さよう、わざわざ雑穀を売っている時代です。しかし、いわゆる銀シャリは、やはり美味しいですね、そう言えば、作者のご両親は、ぼくとは同年代だとか。
 
佳作 雨だれもわたしの歌もヘ長調
曇天の隙間から母顔を出す
児玉 浪枝
  【作者】 子どものころ育った家の台所の屋根は、青いトタン張りでした。雨粒がトタン屋根を叩くと、それは賑やかで、パランポロンパラポロ、雨だれの狂奏曲が始まります。〈洗濯物とりこんでや〉と、内職に精を出す母の声が響いてくるようです。
  【選者】 過去の安らかな時間が、ある日あるとき、ふっと甦ってくることがあります。懐かしくも優しい時間ですね。
 
佳作 高波の十メートルで沈む計算
じわじわと地震が迫るのに笑い
内田 順子
  【作者】 ふるさと高知での話題が、地震のことになりました。ここも沈んでしまうと言われても、そんなことになったら困るなあ、と思うだけで、お尻は少しも上がりません。病院は着着と準備しているようですが、病院までどうやって行くのでしょう。ボートでも備えておくべきでしょうか。まあ、そのときはそのときという結論になってしまいます。
  【選者】 東海地方へも迫ってきている地震です。独りだけ生き残る考えは毛頭ありませんが、なるべく高所の強固な地盤のところ、集落にも近いところ、交通機関の要所、などが、ぼくの住まい設計以前の要件です。安いから、面倒だからと、安易に建売住宅を購入するのは考えものです。
 
佳作 緑陰を探すどこにも見あたらぬ
スリッパは真夏日に向け駆けている
春日井五月
  【作者】 梅雨寒だったという言葉が信じられないこの暑さです。せめて涼しげなスリッパでもと思いましたが、普通の夏物しか我が家にはありませんでした。お財布と相談するからいけないのですね。
  【選者】 スリッパがあるからこんがらがるのですよ。ぼくはスリッパ類は履けないので、揃えてくださったり、用意してくださらなくて結構ですからね。
 
佳作 雑草と呼ばれて土のそばにいる
朝だけはライオンになる 猫じゃらし
ふゆのゆふ
  【作者】 朝、散歩しようと外へ出たら、猫じゃらしの穂が光っていました。なんど引っこ抜かれ、除草剤を撒かれてもめげないタフな草。
  【選者】 草は、すべてひっくるめて雑草。それらが混然とある我が家の小庭。もうすぐ膝の辺りにまで伸びる草が一面に。ぼくは草の隅で暮らしています。猫じゃらしもありますよ。
 
佳作 玉虫を追って男が飛んでゆく
年輪の途中乱れた跡がある
大野たけお
  【作者】 かなり前に。法隆寺の玉虫の厨子を作った男の物語が教科書に載っていた記憶があります。中学か小学校の後半のことです。夏になると蝶や甲虫を追いかけていました。玉虫は大抵がネズミ色のうばた玉虫がほとんどで、緑に輝く玉虫に出会ったときは、天にも昇る気持ちでした。
  【選者】 少し人生の哀感を思いました。男は作者かもしれませんが、どこへ飛んでいくのでしょうか。意地悪のようですが、乱れた跡を見たい思いです。
 
佳作 世辞言わぬ友が私のこと褒める
去った人くさす女が庭先に
ふゆのゆふ
  【作者】 好対照な二人。どちらが人の好感を持つかは、私には明瞭なんだけれど、ほかの人の反応が玉虫色。くさされるのが怖いのかな。
  【選者】 さあ、どっちもなにか意味ありげですね。世辞イコール虚言ではないですが、悪口にも人間性が見えてくるし、まず自分がしっかりした価値判断を持つことでしょう。
 
佳作 行く先を問われて進む 通りゃんせ
ホテルだってお気軽ランチABC
渡辺 鞠子
  【作者】 どこ行くの、と擦れ違うと必ず言われます。あなたはどこへ、と言わなければ、なかなか言えませんね。
  【選者】 どこへ行こうと勝手じゃん。噂話の蒐集に余念のない街角のみなさまです。ホテルの料理より、下町の丼物屋や昼定食に興味あり。
 
佳作 世は末と思う悪事の華しきり
お金って あるところにはたんとあり
Y・G・美保
  【作者】 日銀の総裁にとって、一千万は端金なんですね。辞めれば良いと言うものではありませんが、けじめはつけてほしいですね。殺人事件は日常茶飯事のように勃発しています。人の心が飢えているのでしょうか。
  【選者】 悪事を華というのかしら。厳しい発想のわりに言葉が揺れてるよ。〈お金などあってもなくてもお騒がせ〉。
 
佳作 雨が好き だれのことをも気にしない
雨が好き雨は嫌いな六月生まれ
尾崎志津子
  【作者】 雨は好きです。十代の終わりころ、季節は忘れましたが、雨の降る御所を今出川から丸太町まで雨と一緒に歩きました。小鳥以外には、だれにも会わないで。
  【選者】 雨が好き、独りが好き。雨が嫌い、独りが嫌い。六月生まれは繊細なの。
 
佳作 夏到来 手帳の真ん中あたり
日常の儀式をこなすアメーバのごと
泉  繭子
  【作者】 梅雨が明けて、朝がきて、夜になり、そしてまた朝がやってきます。ときどき、じわっと生きている私です。
  【選者】 手帳の真ん中あたりは、ぼくにしてみたら、どのあたりになるのかなあ。玄関の床タイルの目地の切れたところあたりかな。アメーバは活発そうですね。
 
佳作 雲垂れて朝顔空を探しだす
疚しくて雨と曇天繰り返す
香田 裕子
  【作者】 年を取って畑仕事もできなくなった母を手伝いにいきます。野菜の作り方を教えてもらったりするのですが、畑には百足が出ます。百足が出ると休憩したり、本日の作業を終了することにしています。作業は捗りません。
  【選者】 疚しく感じているのは、誰なのでしょうか。社会か、それとも。作者、あるいは知人だとしても、さらに踏み込んで、具体的に書けばよかったのかもしれませんね。
 
佳作 老松に格差社会の翳りかな
ファミリーの絆は花の雫とも
笹 さやか
  【作者】 弱者への風当たりは、ますます強く心細くなるばかりですね。嘆いていても仕方がありませんね。それよりも、このたび嬉しいことがありましたよ。文章を学ぶ鳥影の集いのお仲間だった竹内美代子さまの遺稿集『花の雫』が上梓されました。長患いにもめげず、常に前向きで優しかったお人柄や、ご家族の愛情が偲ばれます。
  【選者】 老松も価値あるものとして眺めて、未来を明るいものと信じましょうよ。そうでもないと寂しいよ。弱者と言われる人の芯の強さを示したいものですね。
 
佳作 どんな色 惚けた人の住む世界
手拍子で軍歌を歌う看護士さん
渡辺 妙子
  【作者】 姑が老人ホームに入所したので、施設で働く若者を目にするようになりました。ニート族とか、また犯罪者とかでニュースになる若者が多い近ごろ、老人介護の場で働く若者たちの真摯で優しい態度に感動させられます。
  【選者】 その色教えます、鮮明なんですよ。惚けはポーズで、そういう態度を見せることで、どう自分が見られているかが理解できますね。軍歌を歌う人のほうが、あるいは要注意なのかもね。
 
佳作 資産家の狙われている柿肥る
老人に行くところなし夏の雨
吉田三千子
  【作者】 かなり早くから鳥が鳴いています。午後四時ころの薄暗い時間から盛んです。鳥がときどきベランダにやってきて遊んでいきます。直線的に横切っていくのもいます。夏を迎える朝の、明けるのを待ちきれないように忙しく鳴いています。あと数週間で蝉が鳴き出すのでしょうが、ことしは大丈夫なのでしょうか。
  【選者】 鳥に奉仕していた我が家の甘柿の木は、あるとき切り倒してしまいました。桜の木も、花梨の木もしかりでした。資産のない者が、花や実でもないと思いました。行くところなし、と書いて、行き着くところを暗示しているようです。
 
佳作 ピーマンの緑 今夜は涼しそう
婿さんが来るちょっとだけ裏返る
東川 和子
  【作者】 結婚して間もない娘夫婦がときどきやってきます。そして我が家で一緒に食事をして帰ります。もう一人息子ができたような婿さんの存在は、なかなか楽しいものです。姑の私は、弾むあまり、ときどきとんでもない声を出してしまうのです。
  【選者】 ふっと、ホームドラマのタイトルを思いついた。『姑は婿さん好き』、いえいえ、作者のことではありません。きのうテレビで田村正和主演の番組を見たせいなのかもしれませんが。メニューにはピーマンを加えましょうね。
 
佳作 梅雨空に思い遣りさえ重くなる
我を通す加減どころを覚えたり
恒川和左子
  【作者】 思い遣りを無意識に押しつけているときがあります。お互いに老いた証拠でしょうか。いっぽうでは、おのおの我が強くなりましたが、話題を早めに変えて、気まずくならないようにしています。
  【選者】 ここは後には引けないと思うところを掴み取ろうと努める作者。子の努力を軽い人は、頑固ねえ、の一言で片づけてしまいがちです。
 
佳作 信号の多い街から逃れくる
煩わしいものの一つにご親切
堀  恭子
  【作者】 ときどき独りでいたいときがあります。声のしない、暗くて、音のない世界にボウッとしていたいと思います。
  【選者】 そっとしておいてほしいときもあるのよ、と言う作者。周辺がお節介すぎるのか、親切めいた行為が多くなりました。本当に大切なこと、必要なことを見据える心を養っていきましょうよ。信号の句も、この思いの延長。
 

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【終わりに】
凄い湿気で、朝から除湿をかけていますので、寒いくらいです。除湿を切ると、蒸し暑く息苦しくなります。一年で最も過ごしにくい6月も、きょう限りです。
テレビなどでは、サッカー騒ぎも終わり、テニスや野球、さらには格闘技に移りました。忙しいことですが、ぼくらは、他人ごとで右往左往する前に、自分の作品を残すように努めましょうね。
この発表を読まれた〈あなた〉の作品をお待ちしています。老いも若きも、性別や柳歴も無関係で、語り合い楽しむコーナーです。

それでは、次回の発表まで。
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※こんげつの呈賞〔堀川で賞〕は、次の作品に決定――。

■儲かっている堀川の屋形舟   竹内すみこ
□この町〔松江〕は、試行錯誤の末に、堀川巡りを町興しにして成功しているのでしょう。柳の下に、もう泥鰌はいないようですね。よく似た話が常滑などにもあります、が……。

――作品を印刷し、選者の直筆の新作作品をお添えします。さらに粗賞をお贈りいたしますが、期待をしないで、ね――

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また、来月お会いしましょうね。
以下に、近辺の募集案内を添えておきます。ご参加をお待ちしています。
………… 【渡辺 和尾】──2006-06-30 11:4

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2006年5月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【はじめに】
さあ梅雨の始まりです。こういうときは、句作には最高だと思うことにしましょうよ。雨に咲く花、雨に唄えば、雨雨降れ降れ、と唄っていた頃もありましたよね。
雨を漠然とテーマに据えて、数十句も書いていくと、おのずと作品の内容は多岐に亘っていくことでしょう。そういうきっかけや発展を見つけることも必要でしょうね。

パソコンを利用する人も増えてきたようですが、仕事場での義務感のような使い方が、まだ多いようです。ぜひとも自己の発表の手段や作品の保存の手段に使われるようお勧めします。そうすれば、将来それらを資料として活用するシーンも生まれることだろうと信じます。《ピッポ DE センリュウ》の書庫〔たとえば、楽しくセンリュウ、の過去の書き込み〕など、その例で、きっと貴重な資料になると思います。

次月へも、あなたの佳品をお寄せくださいますように。

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○概ね到着順に掲載されています。

佳作 母の忌が巡って眩しカーネーション
コロッケとトマトサラダで母の日を
園部志津代
  【作者】 子として母を思う。母として五月の記念の日を迎える。いろいろなことが巡る5月でした。
  【選者】 そして、6月は我が誕生月で、雨の月。6月もまた、硬軟取り合わせて諸事が押しかけてくることでしょうね。
 
佳作 駅を出た濁流やがて街に消え
気がつけば日向ぼっこの路地がない
大野たけお
  【作者】 約五十年も前、九州の片田舎から夜行で大阪に着き、梅田地下での電車の人並みに足が立ち竦み、ショックで動けませんでした。あのころの友や僕は、どこへ行ったのでしょうか、いまでも懐かしく思い出します。
  【選者】 駅を出たのは作者でしょうし、そこに広がる街の風景に濁流を重ね合わせたのでしょう。これは、コメントがあって、初めて理解できることです。一句の中にすべてを入れ込むことの難しさと、楽しさを思います。
 
佳作 二両目でナイチンゲールを読む少女
よく喋るオバサンたちが三両目
今井 妙子
  【作者】 下鉄で、小学4年生位の少女が、伝記『ナイチンゲール』を読んでいるのを見かけました。それから3か月ほどたって また同じ少女と一緒になりました。こんどは『エジソン』を読んでいました。この少女は伝記ものをずっと読み続けていたのでしょうか。
  【選者】 読書にもっと親しむとよいのに、活字離れは加速しているようです。みなさんも、このコーナーに参加して、新しい伝達の方法に親しむようにしていただきたいと思います。
 
佳作 外出し ゴールデンウィーク無駄遣い
体重にも変化が起きた連休だ
ち び 丸
  【作者】 結局外へ出ては、買わなくていいものまで買ってしまいました。ケーキの無茶食いして、凄く太ってしまいました。
  【選者】 踊るポンポコリン、って歌があったっけ。作者ににとっては、結構な食欲のゴールデンウイークでしたね(*^_^*)
 
佳作 優しさはこういうことね 花水木
さくねんの日除け帽子をまた被る
春日井五月
  【作者】 お天気でよかったね、とゴールデンウイークの人出をテレビで紹介。毎日家にいるのに、毎年この連休の長さを新しいカレンダーを手にするたびに見てしまう習慣があります。
  【選者】 サンデーマイニチの僕は、連休は痒くも羨ましくもないです。ただ、えんえんと渋滞の中を行く姿は、日本全国、道化じみていますね
 
佳作 ゆっくりと歩めば見える風の色
ひらひらと散る桜にも鬱気配
久保 眞二
  【作者】 以前は五月病とか言いましたが、このごろではニート引き籠もりだそうです。どうしてそんなに人生急ぐのでしょうね。ゆっくり行けば、いろんなものが見えるのにね。
  【選者】 風の色は見えませんが、心を鎮めれば見えるような感じがするのですね。桜すら鬱の感じがするというのは、見ている人の心に感じるものがあるからなのでしょう。
 
佳作 六月の雨を慕って雨になり
雨の匂いのするところには人が群れ
児玉 浪枝
  【作者】 きょうも雨、だあれも会いにも来てくれません。洗濯物を部屋に吊して、ジメッとした空気の中で音楽でも聴きましょう。♪雨が止んでた黄昏の街 あなたと会った始めての夜……♪ そう、雨の街には素敵な出会いが待っていそうです。
  【選者】 雨の歌はたくさんあります。悲喜こもごも、あなたの好きな雨の歌のメドレーを。
 
佳作 早朝のベル なにごとならん 友の声
足痛が治り目眩に悩まされ
竹内すみこ
  【作者】 春は、ものみな浮き立つ季節なのに、私そうは参りませんでした。足の痛みに三か月、やっと良くなったと思ったら、こんどは立ち眩みがするのです。松江は改札口は改札係の鋏によりますが、その改札口で、思わず目を瞑ってしまい、後ろの人に縋ってしまいました。駅員にも心配をかけてしまいました。困ったねえ。
  【選者】 僕は、腰痛です。立つとき、座るとき、歩くとき、つまり体のバランスを取ろうとして力が入った場所が酷く痛むのです。健康な方には理解できない痛みが走ります。自分の体の状態と仲良くつきあうより、方法はないようですね。
 
佳作 シンプルに料理仕上げるフライパン
ご褒美に舞い上がってのまた投句
渡辺 鞠子
  【作者】 九年カルチャーへ通っています。
  【選者】 フライパンにも種類多く、使いこなすのは調理する人の経験などによります。ご託や、責めより、実行あるのみです。それが溜まって、力になるのでしょう。
 
佳作 街路樹はなんじゃもんじゃでなんなんじゃ
目眩する どなたか地球留めとくれ
尾崎志津子
  【作者】 まだ小さい木ですが、街路樹のなんじゃもんじゃが白い花を咲かせています。だから、なんなんじゃ、五月からは居直って生きていくことにしましょう。
  【選者】 別段、格別に美しくも珍しくも感じないなんじゃもんじゃ。多分に愛称が気をひくのでしょうね。作品も、一人歩きをするものが、ときとしてあります。
 
佳作 こんなにも明るい朝に捻挫をし
パチンコ屋 店主の息子内科医で
新茶入りのビスケットがコンビニに
午後からは憂鬱になる空模様
ふゆのゆふ
  【作者】 新茶を入れれば良いってものでもありませんが、このビスケットは美味しかったです。またあすも雨でしょうか。パチンコ屋を取り壊して内科ができるという我が家の斜向かいです。これまでバスで苦労して通っていたので、良い内科医だったら乗り換えようかと思っています。捻挫に関しては接骨院が向かいにあります。
  【選者】 病院に便利な自宅、というのには、申し訳ないですが微苦笑しています。つまりは、人口密度が高いということでしょうね。低気圧は概して鬱の大敵、日本列島は、梅雨の真っ盛り。
 
佳作 新米の姑の貼るバンドエイド
バルコニーからお婆ちゃんと呼ばれる
東川 和子
  【作者】 式年遷宮のお木曳き行事で、いま伊勢の町は賑わっています。息子夫婦に娘夫婦、東京からは弟夫婦もやってきて、新米の姑は大忙しでした。慌ててしまい、新しい包丁で指を切る始末に。洗い物は、お嫁さんにお願いすることになってしまいました。
  【選者】 大賑わいの部屋の声が聞こえたようですが、次の世代へ引き継いでいく儀式でしょうか。神宮の祭事を実感したいものです。
 
佳作 新装という そんな中身は中古品
駅前の新装ホテルいよいよね
内田 順子
  【作者】 塗り直し塗り直しして、外観は若く保ちつつ、割れ目や裂け目が進行中の気配。そんなビルが揺れて崩れてきたら、ひとたまりもないでしょう。……などと思いながら、ビルの谷間を行き来して暮らしています。
  【選者】 売れるようで売れていない、流行っているようだったのに店じまい。景気動向も胡散臭い。我が利用駅の前のホテルも、リニューアルオープン近し。なんとか騒動の建物の一棟。いまだに政治は知らん顔です。
 
佳作 事故のニュースに老女あって六十歳
感情をぶつける相手あり楽し
Y・G・美保
  【作者】 老男と書かないのが不思議です。偉い女の人も、年齢を書かれるのがお嫌だというエッセイもありましたが。女心は複雑なんですね。ある年齢を越えると、感情を抑えることが多くあります。そのほうが無事なのですが、ついついそれを忘れてしてしまい、しまったと思うことがいまだにあります。修養ができていない私ですね。
  【選者】 愚痴は聞く耳は持たないのですが、意見を聞く耳は持っています。ただ、多くは、聞くだけ損、損、てなことが多いのですが。
 
佳作 この土が呼吸している この山も
吐けば放たれていくみどりいろ
泉  繭子
  【作者】
  【選者】 森の中でゆっくりと息を吐く。息を吸う、息を吐く、ゆっくりと……。コメントも忘れずにね。
 
佳作 家系図の順に咳して万緑へ
きのうは寒く あすは暑い 薔薇に雨
香田 裕子
  【作者】 喫煙と駐車違反の取り締まりが厳しくなったそうです。もっともだと思う反面、本当にこんなことで良いのだろうかと思ったりします。人間のモラルって、どうなってしまったのでしょうか。罰金制にしないと、人に迷惑をかけても知らんふりしているのでしょうか。淋しいねえ。
  【選者】 僕は、煙草は吸いませんし、車の運転はしません。いまの取り締まりは確かに世の中の大切なことには手を触れていないような気がします。
 
佳作 騒音を美声にすべく努力中
掃除機をかけて発声練習を
田村 敏江
  【作者】 その人がいるだけで明るくなる。そんな人っていますよね。その存在の大きさは計り知れない。掃除機に聞かせていてもいいじゃない。
  【選者】 人に聞かせるなんて、ぼくはとてもとても。担任などは、音楽専門の先生が多かったのですが……、そして音楽を聴くのは嫌いではないし、作詞紛いのことも経験しています。歌唱テストなんてのもありましたが、その日は、嵐になって学校休みになれって思っていましたよ。
 
佳作 我が敵は本能寺なり私見る
運命の犬はのんびり昼寝する
ぽ ん た
  【作者】 NHKのドラマを中心に、私の生活が回っています。いま放送中の土曜ドラマには、我が家の犬と同じゴールデンが出演しているので、どうしても力が入ってしまいます。我が家の凡犬は、運命の犬ではありませんが、いつも家にいて、家族のさまざまな行動を知っています。きっと人間は、どうしようもないなと呆れていることでしょう
  【選者】 凡犬や凡人のほうが、むしろ犬らしく、人らしく、親しめます。テレビドラマや小説は、奇なりで売るのでしょう。
 
佳作 尺蠖よ自分の歩幅でいいんだよ
夢多し 五月の空をカンバスに
笹 さやか
  【作者】 雨の多かったことしの五月でした。たまさかの青空は心弾むものでした。尺蠖〔しゃくとり〕の健気さと、夢多き少女のころを、ふと想いました。
  【選者】 僕が川柳の世界を囓り始めたころの大先輩に、渡辺尺蠖という雅号の方がおられました。ふっと懐かしく思い出しました。
 
佳作 拘っている人同士 詰め将棋
柿青葉 神社は町にも田舎にも
吉田三千子
  【作者】 取るに足らない小さなことに拘り続けるのが人なのでしょう。その拘りを生涯の仕事にした人たちは沢山おられます。雨の日に書棚に並ぶ詩集や小説の背表紙を眺めていると、つぎつぎにそんな人が現れてきます。
  【選者】 賭ごとや勝負ごとに、あまり関心のないぼくは、ものごとには拘らないほうなのかもしれません。碁や将棋やトランプなど、野球や相撲やサッカーなども、楽しんだ記憶はありません。
 
佳作 少子化の時代 燕は四つ児生み
我が店子 燕親子と白い猫
渡辺 妙子
  【作者】 燕も猫も早起きです。そして主人もです。私も朝寝などしていられません。朝食を待っている猫と主人のために……。
  【選者】 燕が店子とは風流な。そう言えば、幼いころの家の、玄関から勝手口に通じる土間を燕が往復していたっけ。
 
佳作 飛んでみてごらん 空は青いから
鳥になったら飛ぶのは怖いと言うだろう
堀  恭子
  【作者】 梅雨の晴れ間のような数日です。やっと気象庁は東海地方にも梅雨入りを宣言する気配です。それにしても、ことしは、長い長い雨の季節にになりそう。
  【選者】 この稿を仕上げている部屋は、もう真夏の感じです。急激な気候の変化に体調は自己管理が不能に。ぼくは、5月の末から、悲しくも切ない腰痛に苛まれ始めました。♪夏が来る前に……♪ です。
 

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【終わりに】
月末に、この稿を纏めて、ちょうど、いま書いている辺りにまで到達すると、稿の完成が見えてきます。毎月、また毎年、こうした作業の繰り返しで、ぼくもここに立っているわけです。一日は、とても短く、また一月も、そう思うようになりました。それが、一年の長さを言うようになるのが、間もなくなのでしょう。仕事を、作品を書いているときは心が充実しているので、あまり気にしない長さなのですが、65を過ぎたら、極めて加速度的に気になるようになりました。そう言いながら、昭和15年〔皇紀2600年〕6月6日生まれの僕は、西暦2006年6月6日には、満66歳になります。足したり並べたりすると、6がいくつも並びます。その日の夜は自粛〔自祝〕の宴でも、一人で開くことにしましょう(^_^;)

では、次回の発表まで。
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※こんげつの呈賞〔早かったで賞〕は、次の作品に決定――。

――作品を印刷し、選者の直筆の新作作品をお添えします。さらに粗賞をお添えしてお贈りいたします――

■母の忌が巡って眩しカーネーション   園部志津代
■コロッケとトマトサラダで母の日を   園部志津代
作 者:子として母を思う。母として五月の記念の日を迎える。いろいろなことが巡る5月でした。

□早いことは概ね歓迎すべきことです。まだまだ、というのは忘れてしまう傾向がありますからね。僕が言うのですから、確かですよ(*^_^*) ……渡辺和尾
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また、来月お会いしましょうね。
以下に、近辺の募集案内を添えておきます。ご参加をお待ちしています。
………… 【渡辺 和尾】──2006-05-30 20-30

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2006年4月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【はじめに】
 日本国中ゴールデンウィークが始まりました。ぼくは書斎で《ピッポ DE センリュウ》の作品と快い格闘中です。書き上げたら、どこへ行きましょうか、と思っても、足のない身です。やはり閉じ籠もり症候群の一員として、この連休はたいした成果もなく過ごすのでしょう。だとしたら、作品を書くよりないなと諦め、覚悟を決めましょうか。

 先月も申しましたが、川柳作品に季節感をあまりに取り込んでしまうと、発表時期とのズレでピントがずれてしまうことがあります。人間性を描くことに力を心を注いだほうが効果的と思いますので、これからは、その辺りもお考えの上お願いいたします。
 きょうは、これからパソコンの調整に入りますので、大急ぎで作業を終えようとしています。行き違いやミスなどありましたら、お詫びいたします。取り急ぎ以下を進行させていきます。どうぞよろしく。
次月へも、あなたの佳品をお寄せくださいますように。

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《入選》
佳作 ベースボール 押しも押されず世界一
医療費は家計費半分を圧迫し
ち び 丸
  【作者】 どうなるかと思いきや、最後はとてもいい結果になりました。手術を一か月に2度もすると大変ですよ。
  【選者】 病気や入院や手術と、精神的にも肉体的にも経済的にも大変ですね。なにか身の上に大事があったとか。でも野球の世界一を語る明るさがあれば、大丈夫と思っていますよ。
 
佳作 BGMの曲が変わって三拍子
あちこちの防犯カメラに私いる
園部志津代
  【作者】 きょうは忙しい一日でした。
  【選者】 防犯には効果がある街中のカメラ、私の肖像権って、守られるの。
 
佳作 ケータイが掛かってくるのを待っている
めいっぱい遊ぼ 私の春だもの
児玉 浪枝
  【作者】 暖かくなると、遊びの誘惑のなんと多いことか。引っ込んでいた心に羽が生えてきましたよ。ルルルルーンと電話が鳴ったら、すわっ大事ね。
  【選者】 ぼくのケータイは極めて事務用、ほんの数秒で用が足りる。秒単位で料金が上がる通話は貧しい僕には恐ろしい機器です。
 
佳作 摘まれずに花を咲かせた蕗の薹
ジャムも噂も煮つめないほうが良い
竹内すみこ
  【作者】 庭の隅の蕗の薹に花が咲いていました。よく生き伸びてきた思います。ままならぬ世の中も、気象も、なんとなく落ち着かぬ春でした。
  【選者】 我が家も蕗の薹は芽が出て食卓に。狭い庭には雑草ばかりですが、蕗の薹も、どこかの土手から自生のものを移植したのです。
 
佳作 友だちのメール 音楽写真入り
春の日に退化しているわが知能
春日井五月
  【作者】 いつの間にと思うようなメールが届き、みな進歩しているのだと反省。もっと楽しむことを覚えなくっちゃと思ったり、難しいことを先延ばししたりの繰り返しです。
  【選者】 メールは確かに便利、そこだけに填っていないで前向きに活用することね。犯罪に活用しているヒトも結構多いという暗いニュースも。
 
佳作 さだまさし好きだと君のプロフィール
市議選が近い いつのも人が来る
久保 眞二
  【作者】 初めて投稿します。すでに投稿されている方より紹介を得ました。柳暦二年弱。人様から今一番川柳が面白い時期でしょうと言われますが、必死で頑張っています。どうぞ宜しくお願いします。
  【選者】 選挙は人を近づける、なんてお笑いね。日ごろは、僕のところへなども、押し売り以外は来ないのにね。どうぞ川柳に親しむことで仲良くしましょうね。さだまさしの句は新鮮。
 
佳作 春の日の捜し物ならご自由に
花の下 句碑に佇む人がいて
東川 和子
  【作者】 あれがない、これがない、どこへ行った、おうい……。物が返事するわけがないのに、呼んでみたくなる気持ち。最近、探し物に追われる時間のなんと多いことでしょう。あああ、探し物してるうちに、人生終わってしまいそう。
  【選者】 所詮、人生は捜し物のついでに首を出しただけですよ。忘れ物や忘れごとは、後になると、かえって愉快になりますよ。自分を、責めない責めない。
 
佳作 母の日の前に命日が巡りくる
思い出の細部は淡く高曇り
内田 順子
  【作者】 つい先日が母の命日だったのに、母のことを思っていたのに、気づいたのが翌日でした。目の前のガス器具の不具合に気を取られていたら日が過ぎていたのです。長期展望ができることは若さに繋がるのだと思っていますので、希望を持って計画を立てておきましょうか。夢は実現すると言われます。秋の予定表を埋めています。
  【選者】 ドリカムという歌手の名が頭から離れません。夢なんて儚いものとも思いますが、またなければ虚しいもののようにも思われます。当面は、秋に夢を。思い出よりあすを。
 
佳作 とりあえずスーパーに寄る夕間暮れ
寡黙なり苺を潰すその時間
泉  繭子
  【作者】 仕事帰りに、買うものがなくてもついスーパーに寄ってしまいます。食いしん坊の私は、食材をあれこれ眺めるのが好きなんです。
  【選者】 あなたも苺は潰して派なんですね。ミルクと混ざり合った潰し苺の味は絶品ですよね。スーパーは散歩の場所としても、食材などの知識や流行を得る場所として最適です。
 
佳作 強風に空を舞ってるレジ袋
黒スーツの不安げな顔 春の駅
渡辺 鞠子
  【作者】 強い風の日や、ポカポカ陽気のある日の街の風景です。
  【選者】 川柳は、素材をつかむことが、まず大切。街を歩いているだけで、沢山のヒントに出くわします。川柳は人のいるところから生まれてくるのですね。
 
佳作 まず心育てば未来ついてくる
転んでも命取られる訳じゃなし
ぽ ん た
  【作者】 心が言葉についていかなくても、唱えていればその心境に近づけるのでしょうか。本当に心は厄介な代物です。でもこの感受性を、楽しむことができるか、辛くなってしまうかは、自分自身かもしれませんね。
  【選者】 少し考えすぎたようですね。もっと気楽になりましょうね。〈心など放っておけば育つもの〉〈転んだら手の骨 足の骨を折る〉など、やや方向や視点をお遊戯的に変えてみました。
 
佳作 花便りテレビと携帯いい勝負
朝市の野蒜に目がゆく里の味
柳田みずき
  【作者】 風がないのにヒラヒラ散った花びら。懐かしい野蒜を見つけて早速に買いヌタに。山椒の芽を刻む。強い香りに満ちる。筍と合わせ旬をいただいた。
  【選者】 ケータイやテレビでの花便りもいいですが、まず自分の五感で季節を知りたいものです。この目や舌の感覚を大切にね。
 
佳作 花が咲いたが春の寒さに震えてる
草に芽が一寸法師の声がする
一生懸命電車の揺れに耐えている
水分が足りなくなると軽くなる
香田 裕子
  【作者】 冷凍マンモスが豊橋動物園で展示されています。我が家から一番近い動物園なんです。車で三十分ほど走れば着く距離です。でも、近いからいつでも行けると油断すると、見ないうちに終わってしまうかもしれません。出不精の私の運命やいかに。ことしは黄砂が凄いそうです。なるほど近くの山も黄色っぽく霞んで見えます。吸い込んで肺や気管支は大丈夫なのか心配です。私は気のせいか、眼がごろごろしています。
  【選者】 小さなものにも目がゆくのも春のこと。春らしからぬ四月が過ぎ、浮かれる連休へと。行楽の連休を過ぎると雑草は伸びきっているのかも、ね。
 
佳作 タバコなど吸わない友が肺癌に
風に耐え野の花みんな傾いて
Y・G・美保
  【作者】 ご主人がヘビースモーカーですが病気にならず、その奥さんが肺癌になられるとは、複雑な気持ちの私です。タバコなんて百害の元、部屋は汚れるし、カーテンにはヤニがつくし、なにかいいことがあるのかしら。私には理解できません。
  【選者】 タバコに益があるとすれば、売り上げがあまり落ちない煙草産業よね。たしかに百害あってだと思いますよ。
 
佳作 春が来て二階をエイと飛び降りる
私を丸ごと信じたのは燕
大野たけお
  【作者】 こんにちは。はじめて投句させてもらいます。友人からPIPPOのページのご紹介いただき、覗いていたのですが、なにか見るだけでは済まない魅力を感じ、自分を省みず思いきって参加してみます。1940生まれの初心者です。
  【選者】 ご参加いただき嬉しいです。ここはあしたを見据える広場です。これからもよろしくお願いします。二階をエイと飛び降りる、は穏やかではありませんが、心意気として拝見しました。
 
佳作 掛けた絵がどこでもドアになりそうで
鳩避けて私オドオド脇道へ
田村 敏江
  【作者】 大きなポスターを部屋に掛けたときの心境です。所かまわず、我が物顔に歩いてる鳩です。近くまで寄っても動じないので、鳩を踏まないように避けて通っています。
  【選者】 鳩も鴉も街に溢れるようになりました。生息場所の変化でしょうか、食べ物の関係でしょうか。どうも人間の影響が絡んでいるようですね。
 
佳作 嘘つくなコロコロコロと豹変し
雨よ降れ必要な量だけ降ればよい
いとうていこ
  【作者】 昨今は、なんでも多すぎたり少なすぎたりで、気味が悪い。ほどほどということがないのですね。
  【選者】 とは言え、人間は嘘をつく生き物、雨は人間のために降るものにあらず。程よいは個人により違うのも難しいところよ、ね。これからは田植えの季節に。
 
佳作 遅ればせながら我が家にコウノトリ
ジジババも孫の未来を共有し
渡辺 妙子
  【作者】 やっと我が家にも孫ができることになった。辛うじて細切れの未来があっただけの老夫婦にとって、丸ごと未来のような……。そんな仲間入りにパッと未来が広がりました。
  【選者】 それはそれは、芝居の台詞にもありましたよね。ことしは春から演技が良いのですね。僕にも喜びを分けてくださいね。
 
佳作 きみとわたし 割印の仲でした
割印を押すには力不足です
恒川和左子
  【作者】 割印を押した経験のない私です。二度も失敗をし、最後には夫頼みとなった次第です。
  【選者】 割印って、不動産の売買や、大金の借用証とか、手形とか、僕には縁のないことばかりのよう。きっと決心をされたことがあったのですね。
 
佳作 この茶碗歪んでいるから好きになる
手に馴染む歪なものやでこぼこや
堀  恭子
  【作者】 友だちの家に遊びに行ったとき、出されたお茶碗は、どう見ても歪で不格好でした。でも手に取ってみると、意外にも手に馴染んで、飲み心地もよいものでした。手作りだと聞きました。
  【選者】 不合理や不条理も包括されているのが世の中なのでしょうね。世の中の善し悪しも方程式を解くようには行きませんよね。湯飲みは、さらにそういう要素は強いのでしょうね。
 
佳作 動物園に日没がくる河馬の耳
電気屋の旗翻る 五月晴れ
吉田三千子
  【作者】 穏やかな春の夕暮れをベランダから眺めています。西は夕焼けで、眼下の運動場ではクラブ活動をする学生たちが歓声をあげています。あすはまた雨の予報。大型連休で街は活気づくことでしょう。
  【選者】 商店街の浮沈、むしろ沈没を目の当たりにしています。サービスの低下や近代化や専門化などへの力を抜くと、即座に沈没する時代です。動物園もしかり、僕らの暮らしもしかり。現状打破への努力をいつも忘れてはいけないのでしょう。ね。
 

∞∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞∞ ∞∞∞
【終わりに】
〈手のほうが先に出ているお買い物〉〈ライオンの昼寝歌にもなっている〉〈凸凹はむかしの僕の頭です〉〈少子化の時代に孫が五人いる〉〈親指姫と一寸法師見合いする〉などと、みなさんの佳品を拝見しながら、僕も楽しみに書いてみました。楽しみながら作品が描けるなんて、幸せな時間です。
この《ピッポ DE センリュウ》が、毎月の初めに皆さまのパソコン画面にお届けできるよう、いつも時間調整をしています。
お休みした方も、次の締切までには、忘れずに投稿しておいてくださいね。多くの方の多くのバラエティーに富んだ作品が、この広場を楽しいものにするのだと信じています。見学の方も、遠慮されずに書き残していってくださいね。

こんげつの呈賞は保留とし、次月に繰り越しさせていただきます。どうぞよろしく。
また、来月お会いしましょうね。
以下に、近辺の募集案内を添えておきます。ご参加をお待ちしています。
*  *  *
………… 【渡辺 和尾】──2006-03-30 20-30

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2006年3月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【はじめに】
 桜の開花と共に、この4月の《ピッポ DE センリュウ》発表です。柔らかく優しい作品に恵まれて、あなたの横顔に触れるように春風は流れていくでしょう。

さて、作句の時期と発表との間には、少しズレが出ます。時事をうたった作品や、時節を詠み込んだ作品には、とくにその傾向が強いようです。雪が降った、桜が咲いた、だけでは単なる報告に終わってしまい、あまり深みがないものになってしまいます。そこへ作者自身の暮らしが見えるように、感想や感激が加えられたら、素敵な作品になることでしょう。
次月へも、あなたの佳品をお寄せくださいますように。

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 ※《特選》は末尾に。【呈賞は、粗品と和尾直筆カード】
 

《入選》 【到着順】
佳作 はるがすみ 景気いかにと万華鏡
深く反省 やはり煽てに乗りやすい
園部志津代
  【作者】 お雛祭りは、一日浮き浮きしていました。母が作ってくれたちらし寿司が懐かしく、同じようなものを作りました。白酒は、いつも家族に不評なので白ワインにしました。夫が買ってきた外郎製の菱餅もなかなかでした。
  【選者】 景気やいかにと言っても、財布の中身が増えるわけではないし、景気の不安材料が桜とともに解消するとは思えないのですが。
 
佳作 イナバウアーやってみるけど決まらない
人生はメダルの色で左右され
ち び 丸
  【作者】 なんど見てもいいですね。格好だけでも真似して、なりきっていますができません。同じメダルなのに、やはり金では感激が深まりますね。みなさんお疲れさまでした
  【選者】 流行の言葉は、いつまでも通用しないのですが、往時の声援の様子を視聴していた人には感動が甦りますね。
 
佳作 からだぢゅうを吹き抜けていく春嵐
靴の紐 しっかり結ぶ身構える
児玉 浪枝
  【作者】 春一番が吹くと一気に春へと。寒い間、お世話になったぶ厚いコートは、いきなり邪魔物扱いに。縮んでいた腕も足も心も、空に向かってぐいっと伸びていく。悪戯好きの妖精が耳に囁いてきます。
  【選者】 春嵐はおさまり、春寒もおさまりそう、さあ、心もしゃんとさせ、あしたに向かいましょうね。
 
佳作 殺人をしても刑罰十三年
花盗人 罪悪感は持たないの
Y・G・美保
  【作者】 殺伐としている世の中であるがまま生きるのは至難のわざですね。首相の遣り方に不満は累積していても、いま文句の持っていく場所はありませんね。年金にも税金が科せられる世の中、せめて心を綺麗にして周囲を明るくしたいです。
  【選者】 愚痴を言い始めたら止まりそうもない世相の乱れがあります。でも、ぼくたちは、心身をシャンとさせて、きょうを、あしたを前向きに行動しましょうね。
 
佳作 肉まんを頬ばり歩く中華街
人波の一人になって活気貰う
春日井五月
  【作者】 さすが食は中華にあり。街の人通りと独特の色彩が観光客の私を満足させてくれました。不思議な、元気な一角を訪ねて、我が地の近くの商店街をふと思い出してしまった。
  【選者】 肉まんを食べながらの中華街はナウかったですね。この二句を旅のお土産としていただきました。
 
佳作 冷たさよ光の中は夢があり
南向く黄色い花が咲いている
香田 裕子
  【作者】 花粉症になるまでは、春は楽しいものでした。花粉症になってからは、憎い春、怖い春、春籠もり、春を罵ってさえいます。まだまだ、私の心の狭さを反省しています。
  【選者】 春はいいなあ、という風情の二句。黄色い花が南を向くと見えるなどとは粋な表現ですね。
 
佳作 聞か猿になりたい午後の路線バス
ばあちゃんの大きいおはぎ 懐かしい
ふゆのゆふ
  【作者】 ばあちゃんは、おはぎを作って待っていてくれました。一個が大人の拳くらいなので、子どもには食べきれないほど。その大きさが嬉しかった。
  【選者】 午後のバスは元気なおばさんたちの会話で充ち満ちているのでしょう。作者も大きなおはぎを作ってみてはいかがでしょう。
 
佳作 自転車で行きましょ 春の野原まで
自転車の速度で菫咲いている
東川 和子
  【作者】 どこへ行くのも自転車の私。自転車から見える春景色をことしも楽しんでいます。
  【選者】 菫が咲く春は、作者の漕ぐ自転車の行き先まで続くのですね。存分にハイキングを楽しみましょうね。
 
佳作 花の色追いかけて池一巡り
ぞろぞろと花見だ花見 うらうらと
田村 敏江
  【作者】 あちらこちらで満開の花を見かけます。桜も満開になることでしょう。花見シーズンとなりました。近場でも近所の人がのんびりと花見。名所まで枝垂れ梅見物に出かけたところ、駅から花見客が列をなして歩くのに出会い驚きました。蝶や鳥や蜂が花に引き寄せられるように人も集まるのですね。
  【選者】 花見を楽しんだら現実に向かおうね。書いて書いて書き疲れたら、また花を見に行きましょうよ。
 
佳作 風を嗅ぐ馬のまなざし母に似て
新しき自転車 四月の風を切り
笹 さやか
  【作者】 待ち遠しかった春の日射しが誘います。風と光りと草木の芽吹く母なる大地、新しいなにかを見つけ出しましょう。
  【選者】 春風を待つ馬のまなざしが母上に似るという表現には、唸っています。表現者としての香しさに包まれます。
 
佳作 春いろが溢れて街の眠たさよ
美しいひとの欠伸よ通勤電車
泉  繭子
  【作者】 春はどうしてこんなに眠いのでしょう。常識とやらを纏い、横並びに一斉にスタートするからでしょうか。
  【選者】 通勤電車に欠伸する美形の女性を見たとき、まんざらラッシュも悪くない、愉しいものだなと思いました。
 
佳作 子も我もアップダウンの春うらら
晴れ姿 亡き父代わり桜咲く
篠原 順子
  【作者】 小学校の卒業式でした。卒業生の中には、さくねん父親を亡くした知り合いの息子さんもいました。卒業式が終わると、母親の実家がある大阪に移り中学生になるそうです。命あるからこその悩みかも。桜の季節には、いつもひんやりとした風が似合うのですね。
  【選者】 子も我も〈僕〉もアップダウンの春ですね。桜の色は、ことし色濃く、あるいは淡く感じましたか。
 
佳作 再会の前に尻尾を洗いましょ
恥ずかしく桜の下に畏まる
吉田三千子
  【作者】 いよいよ花の季節に。なかなかすっきりとしない鼻や喉を引き連れて郵便局まで行くとき、桜の枝はちらほらと咲き初めていました。律儀やなあと感心。早く体調を整えて、桜の下へ急がねば。
  【選者】 体調不良は精神一到とやらで追い払いましょう。体調が良ければ、ではなく、いつも良好に保つよう努めましょうね。
 
佳作 まるごとでハマチを買って骨までも
野に遊ぶ 調べてみればセリ ナズナ
内田 順子
  【作者】 舗装道を逸れて田圃道に入れば、小さな花が咲き始めています。ポケットカメラに写し、帰って名を調べるのも夫婦の楽しみになりました。いままで植物に関心がなかった夫ですが、突然に変化することもあるのですね。ブログに載せるのだとか言っています。
  【選者】 新鮮なハマチなどは、確かに丸ごと買い、丸ごと調理し尽くし、食べ尽くしてしまう、まさに、骨まで愛して、ですね。
 
佳作 文集のところどころに春雷の
春霞にただぼんやりと漂いぬ
尾崎志津子
  【作者】 さくらが咲き始めました。ひたすらぼんやりと過ごしたい気分のときもあります。では、天然桜色の『第四次元』に漂ってきます。
  【選者】 文集は、文章を学ぶ鳥影の集い新刊文集を言うのだと思います。興味がある方は、お問い合わせを〔笑〕。
 
佳作 春彼岸過ぎて風花舞ってくる
手紙からさくら花びらはらはらと
堀  恭子
  【作者】 いっときは霙から雪に変わって吹雪いた日も。風の強い寒い一日も。桜が咲いてからの雪は、なんねんぶりでしょう。ごたごたのあった友だちからの手紙を開くと、さくらの花びらが零れ落ちました。泣いているみたいでした。
  【選者】 桜の花びらに思いを託すなんて、春の季節にしてのもの。押し葉や押し花、スケッチや絵手紙、心を伝えるたくさんの手段。
 
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《春で賞》 【粗賞と、和尾自筆カード】
呈賞 熟睡の時間が長く怖くなる
開かない開けない窓に雨雫
恒川和左子
  【作者】 熟睡している筈なのに、目覚めが遅くて悪いのは、自分でも不思議。これも脳細胞が少しずつ壊れていく前兆なのかと思うと空恐ろしくなります。
  【選者】 どうコメントしようと、作者には叱られそうですから、そういうときは誉め倒すに越したことはありません。あ、そうか、無理に誉めても叱られそうでした。
 

∞∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞∞ ∞∞∞
【終わりに】
 桜を見たら、次はどこへいきましょうか。なにをしましょうか。後は言うまでもなく、《ピッポ DE センリュウ》への次へのご出句を、まずお忘れなくね。
*  *  *
………… 【渡辺 和尾】──2006-03-30 20-30

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2006年2月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【はじめに】
 寒い日と温かい日とが交互にきて体調を崩しがちな三月に入りました。ほんの少し先には軟らかく爽やかな季節の訪れですね。気力体力振り絞って春へ春へと向かいましょうね。
 二月の終わりの日に、『綿毛』の仲間と会食する機会がありました。春の吟行会の行く先などについての話題になりました。ハッとするような場所は案外近隣にもあるだろうと思っています。常識から一歩か二歩踏み外すと、素敵な風景も見えてくるような気がします。

 やがての桜、風景も明るくなります。新しい夢や希望をふくらませましょうね。  それでは、3月の作品を楽しみながら鑑賞していきましょう。

∞∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞∞ ∞∞∞

 ※《特選》【呈賞は、粗品と和尾直筆カード】 作品と選評は、入選作品の作品の末尾に。
 

《入選》 【到着順】
佳作 やわらかい友だちの声春待つ日
ピアニストの指から春の歌零れ
園部志津代
  【作者】 旧い友人が里帰りしてきました。久しぶりにお喋りをしました。この冬は寒かったね、寒かったねと。春にまた会いましょうということになりました。
  【選者】 友だちはよきかな。利害関係のない距離だったことも幸いしたのでしょうね。左手だけで見事にピアノを弾く方がいます。ぼくも左しか使えませんから、感動を覚えながら感じいっていました。
 
佳作 きさらぎの雨降らせたのは私です
きさらぎを短いほうの蛇の名に
尾崎志津子
  【作者】 如月やたまには早く提出を! そう思うと、もう雨が降っていました。これからずんずん日脚は伸びて、そうして2月はきっとすぐに過ぎてしまうでしょう
  【選者】 そうよ、もう3月ですよ。あるあると思うなよと、2月は28日まででした。
3月からは、《ピッポ DE 50字》始まるよ。川柳17音より、少し長いけれど、少し感興も違うことを味わおうね。
 
佳作 湖の白魚の目が眩しいよ
降る雪に身を寄せ合って蜆貝
蟹が着く まだ動いてる生きている
島に住む友思いおり風吹く日
竹内すみこ
  【作者】 雲の中から雪が湧いて降り、湖に吸い込まれるのです。雪は溶けて白魚になると言われます。透明な白魚の目。躍り食いする惨い私たち。寒の蜆は殊の外、味がいい大和蜆。隠岐の島まではフェリーで四時間もかかります。着くまでに疲れてしまいます。松江から船着き場まで一時間近くかかり、考えただけで気が重くなるのですが、住めば都とか、魚は美味いし、人情は厚いし、良いところだと友は言います。勧められた蟹は、熱熱を食べて美味かったよ。
  【選者】 自然がまだまだ残るという宍道湖近辺、これからも白魚が、蟹が、蜆が獲れるよう願います。
 
佳作 梅桜以後も耐え抜く腕組んで
なんぼでも忙しくなる年度末
内田 順子
  【作者】 年度末は、どうして忙しいのでしょう。とりわけ寒く、雪に覆われた2006年初頭、道で転倒する人たちの映像を見ていました。仕事だから出かけなければならないだろうが、転倒は自己責任。ともかく転ばないで3月の声を聴きたいもの。第15回朝日中部川柳大会へ元気に向かうためにも、ね。
  【選者】 朝日中部川柳大会も、3月25日には15回目を数える。ぼくにとっても大切な歴史のコマとなっています。振り返って、これまでの佳作などの収穫を纏めて大会資料とします。歴史にあなたも残っているはずですよ。
 
佳作 プリオンの恐ろしさまた知らされる
想定外の始まりだったホリエモン
ち び 丸
  【作者】 牛肉 牛丼が、また食べられないことになるとは残念。ホリエモンの行いは、日本ではなく、宇宙でならば、よかったかもね。先取りをし過ぎたのかもしれませんね。
  【選者】 社会や法律はかなり動くようです。肉も野菜も危ないと言われ、政治や経済活動にも裏表・想定外など、奇想天外があるようです。常識人の面白味のなさを思います。
 
佳作 血圧のグラフの記入直ぐ忘れ
思ってること半分も言えず鬱
Y・G・美保
  【作者】 血圧を気にしているのに、少し調子が良いと忘れてしまいます。脈拍の多いのを結構気にしているのに。心の中の鬱積したものを全部投げ捨ててみたいです。
  【選者】 血圧を気にしなくてはいけないのはぼくなんです。高血圧から出血を起こしたのはもう11年も前のことです。血圧はたいてい長期間のストレスにより悪化します。ストレスを減らすには見ざる聞かざるになることでしょうが、それは感情を捨てることにもなるのでしょう。悩みや不安は、率直に川柳作品にぶつけてみてはいかがでしょうか。
 
佳作 さびしんぼ寄ってきたので握手する
きさらぎの3人席で豆を食う
東川 和子
  【作者】 子どもたちが結婚し、義母と私たち夫婦の三人暮らしになりました。七人家族四世代同居の時代もあったのに、もう、むかしばなしなのでしょうね。
  【選者】 人は孤独なものです。3人席なら満足したほうがよいのかも。
 
佳作 水仙 蝋梅 早春いまも香ってる
春が来ている寒い寒いという日にも
春日井五月
  【作者】 つーんと黄色い色で香る冬のこの花は目の前に春が来ていることを教えてくれる、と現実を逃げ少女チックになってみました。
  【選者】 作品に季節を鏤めると、かえって川柳らしさから遠くにいってしまうのかも知れません。人事に目を向けましょうね。
 
佳作 すき焼きの肉がもうっと泣いている
家揺れて身も心も静止する
香田 裕子
  【作者】 友だちの家に行ったら、シクラメンがとても奇麗に咲いていました。我が家のシクラメンは、ややお疲れ気味です。春まで、もっと可愛がってやらねば、ね。
  【選者】 すき焼きの肉はぎゅうっと泣くのではないですか。
 
佳作 春が来た 私の翼整える
囀りに合わせて歩く白い靴
児玉 浪枝
  【作者】 三寒四温を繰り返しながらも確実に春は近くまで来ました。寒い間、閉じ込めていた冒険心や悪戯心がむくむくと膨らんできて、春の雲といっしょに大空を飛んで見たくって……。
  【選者】 夢とか望みとかがあるうちは幸せというのでしょう。翼をどう整えるのか、楽しみに拝見していましょう。
 
佳作 いつからが 旬というのかイチゴ買う
ごめんなさい 色紙ですが雛祭り
水野亜希子
  【作者】 自分のためのお雛さまを買う中高年の女性が増えているとか。分かる気がします。色紙のお雛さまでも、せめて雛あられは飾り、3月3日には苺ケーキでも買いましょう。
  【選者】 自己愛のようで、少し現代版雛の節句でしょうか。ぼくは、6月6日生まれ、ぼくの自己愛の日です。お忘れなくね。
 
佳作 リストラにあって花粉症治り
手探りで足のつめを切っている
ふゆのゆふ
  【作者】 以前、夫は花粉症で大変でした。職場を変わって、いまは花粉症になりません。不思議なことですが、治まってよかったです。目が悪いので、足の爪がよく見えません。おまけに、小指などには申し訳程度にしか爪がないので、切りにくいです。
  【選者】 人には長所短所があるようです。他人と比較しないで、すべては自分の特徴だと思いましょうよ。入院中とか、病室までこのページ届けよ。
 
佳作 雛飾る 子らが育った六帖間
雛御殿組むにいささか老いたりし
笹 さやか
  【作者】 あかりをつけましょぼんぼりに/おはなをあげましょもものはな……。女性にはいくつになっても惹かれる雛祭りです。名古屋独特の雛菓子〔おこしもの〕でも作りましょう。
  【選者】 季節を忘れないように、思い出を忘れないようにいろいろな節句はあるのでしょうか。我が家のお雛さまは娘の家に転居しました。
 
佳作 雨がふる犬も散歩は嫌らしい
子が育ちやりこめられて泣き笑い
ぽ ん た
  【作者】 いままでは、痩せる体質をいいことに暴飲暴食をしていましたが、決心して21時からは食べないことにしました。いつまで続くやらと自分でも思いますが。もう若くはないので決心しました。
  【選者】 犬の散歩は、自分の散歩。やりこめ、やりこめられるは世代間の繰り返し。21時からと言わずに、間食は一切しないことにしたら……。
 
佳作 国会の質疑応答週刊誌レベル
及ばずや二大政党夢の夢
恒川和左子
  【作者】 立て続けの不祥事で離党する議員続出の党が。がさネタと一笑される質疑など、二大政党を夢見たのが阿呆らしくなってきました。
  【選者】 社会も政治も、春の嵐のように吹き荒れています。嫌だねえ、せめて自分の身辺くらいは春風のように穏やかにありたいと願っています。
 
佳作 寄せ鍋の鮟鱇の肝水袋
根菜のスープ煮作る春仕立て
堀  恭子
  【作者】 もうお鍋の季節も終わりですね。春野菜の出まわる前のいまの季節、玉葱や人参・蕪・じゃがいもにベーコンを入れて、塩味のスープ煮を作る。なんとなく春めいてくるころの温まる料理です。モヤシのヒゲを取って、ホウレンソウ、セロリなどのサラダを。さて、メインはなににしましょうか。
  【選者】 春のころの調理は楽しそうですね。季節の野菜をふんだんに使い自分にもおもてなしを。
 
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《大安で賞》 【粗賞と、和尾自筆カード】
呈賞 うっかりと転んで冬の冷たさよ
全国的に雨だと言う大安吉日
泉  繭子
  【作者】 全力で走っていた時のことです。アスファルトの窪みに足を取られ、顔面をしたたか打ち付けてしまいました。みるみる膨らんでいく私の唇、ウッソー、4〜5倍はありそう。
  【選者】 冬は、もう終わり。雨降って春に、雨降って梅雨に。雨降って嵐に。人生このごとし。でも、きょうは大安吉日。
 
《無理で賞》 【粗賞と、和尾自筆カード】
呈賞 ひらひらとぷわぷわとろり春めいた
三回転 到底無理な誕生日
吉田三千子
  【作者】 ふらりと出かけた街で、無性にパフェが食べたくなって店に入りました。あなたは、そんなことってないですか。恥ずかしい気持ちもあったけれど食べたかったのです。運ばれてきたパフェのテッペンが意外に高くて、思わず立ち上がって口のほうを運びました。おばちゃんの変な姿を笑わば笑え。
  【選者】 3回転を少し控えて金メダル獲得した女性あり。彼女の好きなものは……。笑わば笑え。
 
※  ※  ※
◆特選は2作品に。粗賞はのんびりとお待ちください。よく忘れますので、なんねんも着かなかったらお知らせくださいね(^_^)/~

∞∞∞∞ ∞∞∞ ∞∞∞∞ ∞∞∞
【終わりに】
 こんげつの終わりのお喋りは手短に。
 新しく《ピッポ DE 50字》が始まります。毎月20日締切で、その後なるべく早く発表します。二編までを当月課題に添って、おおよそ50字程度でお寄せください。不明のところは選者の和尾までお問い合わせを。
       *  *  *
次月用の作品をメールでお送りください。 パソコンにまだ馴染めない方は、当面は、メール環境にある方を通じてご応募ください。

………… 【渡辺 和尾】──2006-02-28 23-30

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2006年1月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【はじめに】
 雪が降ったよ、寒風が吹き荒れたよ、と寒暖の差がはっきりしている近ごろの気候ですが、それらに負けてはいられません。予定通りに行事や原稿をこなしていき、あしたへ繋いでいきたいと思います。
 さくねんも、ことしも、責任逃れや、責任の他人への転嫁が花盛りです。近ごろでは、身障者無視の事件が続いています。偽装や偽装の花盛り、ただし汚い花というものがあるという現実を見据えてのうえです。花というイメージも毀れてしまうような近ごろです。
 せめて、春に向かって、これからは美しいものをいっぱい眺め、優しいことにたくさん触れ、その上で力靱いことの花盛りの社会になるようにと願い、また、そうあるよう行動したいものですね。
 春の扉が開くという立春です。〈鬼は外、福は内です〉ね。

 《ピッポ DE センリュウ》のコーナーには、あしたへの活力が湧いてくるようなユーモアに溢れた作品を期待したいですね。
 それでは一月中にご応募いただいた作品から、二月の扉を開く語らいを始めてまいりましょう。
 また、次回の作品は、締切を待たず、どうぞ、いますぐにでもお寄せください。反応の早い方から、抽選の上、粗品呈上の準備もしています。

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 ※《特選》【呈賞は、粗品とカード】 作品と選評は、入選作品の作品の末尾に。
 

《入選》 【到着順】
入選 お年玉いくつになってもほしいもの
あと5枚購入してれば500万
ち び 丸
  【作者】 この年齢でも元旦はお年玉がほしい。そして迎えた宝くじはやっぱり駄目。500枚買えば当たると、いつも言う売り場でしたが残念。
  【選者】 年賀状の籤すら当たらないぼく、せめて1シートくらい頂戴したいものです。500万円も2億円も、別世界のハナシです。
 
佳作 新しい鞄もすぐにいっぱいに
買い換える靴 紐なしになっていく
内田 順子
  【作者】 靴擦れしないようにと、夫は靴下を2重にはいて靴を合わせようとしました。なかなか合いません。足の形とは違う変なところに皺ができて、違和感になります。一枚にしたら合うのがありました。過保護はいけませんね。
  【選者】 小中学校のころの我が足もとのようです。布製のズックを靴底のゴムがすり減ってしまっても、まだ履いていた記憶があります。よ〜し、お金を儲けて素敵な革靴を買うまではと、ささやかな少年のころの願い。いまになっても、まだ合成革のお値打ち品です。
 
佳作 年を取り横柄になる子と犬と
暖を取りいちにち昼寝 犬の年
外は雪 部屋で居眠り犬も子も
夜も更けて残雪心にこびり付く
ぽ ん た
  【作者】 ことしは、ずいぶん手抜きのお正月でした。ぼろぼろと用意を忘れて、それでも新しい年を迎えました。ことしは、戌年。我が家の凡犬を見ていると、犬時間というのがあって、それはそれは時が穏やかに流れています。ことし一年、犬時間のようにと祈るのみです。ことしの冬、初めて雪が積もりました。犬は喜び駆け回るので散歩が大変。雪の風景を楽しみながら暖かい春を夢見ています。
  【選者】 雪も降ったし嵐も来たし、自然と同様に社会にも激風が激震がありました。穏やかな春が待ち遠しいですね。春になったら、どこへ出かけましょうか。
 
佳作 いつの日か積もった雪が水となり
よく転ぶ母は私の未来形
香田 裕子
  【作者】 あまりの寒さに、庭の花も項垂れ、玄関内の幸福の木も凍ててしまいました。驚いたことに暖かい日射しがやってきました。嬉しいが複雑な気持。初雪は少し嬉しかったが、〈もういいや!〉というのが本音です。
  【選者】 転ばないよう手摺りにも頼りましょう。老いも若きも油断はしないようにして行動しましょうね。
 
佳作 ウサギ小屋建て税金がどっと来る
IH 思ったよりも便利です
Y・G・美保
  【作者】 税金は取りやすい弱者から、打ったくるように毟りとるんですね。でも、しぶとく生きていかねばならないんですね。本当に草臥れてしまいますねた。
  【選者】 兎小屋はどのくらいの広さかなあ。一度ツアーを組んで遊びにいかなくちゃね、いつにしましょうか。IHなんて、いいなあ。
 
佳作 雪三日 雪に埋もれて暮らしてる
犬の目に癒やされている 雪の日は
竹内すみこ
  【作者】 ほどほどの雪は美景ですが、数十センチ積もると美景ではありません。足を捉られて外出もままならず、東北の今冬の雪は想像もつきません。犬は、いつも同じ目をして私を見ています。信頼されていると思うのでしょうか。人間なんて不信の固まりみたいで、全く当てにならないのにね。
  【選者】 知多の里でもかなりの雪が積もった今冬です。例年雪の多い地方では、大変だったことだと思います。雪を喜ぶ犬の姿が伝わってきます。
 
佳作 粉雪と過去が空から降ってくる
どの橋を渡って春は来るのだろ
児玉 浪枝
  【作者】 スーパーには節分の豆が山積みされ、春の訪れを感じさせています。でも、現実はまだまだ寒い日が続きます。雪のための野菜の高値も続いています。春よ来い、早く来い!
  【選者】 〈過去〉と、簡単に、曖昧に放り出されると、いささか困ります。〈どの橋〉についても、しかりです。作者を色濃く顕されることを望みます。春よ来い、早く来い!
 
佳作 人生は楽しんでこそなんぼでしょ
苦しみも享受し長く生きている
恒川和左子
  【作者】 長く生きて身についたのか、苦しみを苦と余り感じなくなりました。代わりに、楽しみや喜びを一入幸せに感じるのです。
  【選者】 みんな、喜怒哀楽を乗り越えての現在なのでしょう。人生を楽しむのは、作品から読めるように、苦しみを享受してこそなんでしょうね。
 
佳作 山茶花も椿もニュース聞いている
大寒は蕾のままの山茶花よ
春日井五月
  【作者】 年が変わっても、大きなニュースが続きますね。山茶花や椿は、このニュースをどう聞いているのでしょうか。
  【選者】 山茶花も椿も、素材として捉えるまではよいのですが、それをどう作者と同化させるのかが、これからの作品の向上への鍵でしょうか。
 
佳作 誇らしい顔して白菜キャベツなど
高いねえとガソリンスタンドの店員と
泉  繭子
  【作者】 この冬は本当に寒いですね。それに野菜や灯油の高値。春よ早く来てね。
  【選者】 白菜やキャベツが貴重品になってしまいました。ガソリンも高値を更新。原因や理由はともかくとして、インフレになる様相が見えてきました。庶民は防衛に努め始めました。おお、寒っ!
 
佳作 約束を忘れていました 寒波くる
一月は食べてばかりよ鍋の蓋
水野亜希子
  【作者】 寒い寒いと言っていても、確実に日が長くなってきました。テレビでは、ロウバイの花が映っていました。なによりも日射しに力が籠もっていくのは分かるのが嬉しいことです。もう少しで、そんな日が続くようになりますね。
  【選者】 食べてばかりの人は幸せ。新年にご馳走を食べるのは、古からの動物的な知恵だったのでしょうか? 約束と寒波の関連が、やや希薄のような気もしますが。
 
佳作 目眩して檸檬の輪切り思い出す
みんなして悪者にしてお終いに
吉田三千子
  【作者】 新しい年を迎えているのに、事件ばかりの報道です。ことしは新聞をしっかり読もうと思っています。社説は面白いです。活字文化を信頼したいと思うのですが、映像に叶わない部分もあります。心を落ち着かせる意味でも書き物は大切にしたい。
  【選者】 目眩から檸檬の輪切りを引き摺り出していますが、成功かどうかなあ。悪者にして……、は社会批判として、まずまず。本当の悪者は、隠れているぞ、と。
 
佳作 水仙が雪の下からこんにちは
気がつけば蝋梅の香に包まれて
田村 敏江
  【作者】 花や空や鳥などの自然の美しさに目を留め、風の音や鳥の囀りを聴くゆとりを持つ大切さに気づくこのごろです。庶民の私は、億単位の美術品や絵画を持てないことを嘆くより、また数万円の演奏会や観劇に行けないことを悲しむより、美しい光景、自然の音に触れることのできる五感を自慢したいと思っています。
  【選者】 あることをそのまま書くことを写生と言いますが、その写生は、とても難しいことです。本質を、まず見極めておいてからの写生には、作者の心がすでに投影されていると思いますよ。
 
佳作 やすやすと馬齢を重ね女正月
紅を引く風邪の癒えたる唇に
笹 さやか
  【作者】 風邪を引いて5日ほどプイにしてしまいました。立春です。シャンとしないといけませんね。まだまだ寒い日があります。皆さま、油断されませんように。
  【選者】 一日一日、毎年毎年は、時間に長短はないはず。あるように感じるのは作者の反省、謙遜かなあ。口紅のノリで、風邪が治ったかどうか確認しているのでしょう。
 
佳作 あそここを彷徨っている転た寝て
猫のひと伸び 私大きくふたつ伸び
堀  恭子
  【作者】 寒さが続いている。そんな日日に、ひょっこり10℃越すような日があると嬉しい。転た寝をし、伸びをし、まあ願望でもあるのだけれど。
  【選者】 元気を回復しようと、伸びをしたいという作者。転た寝のうちも彷徨っているという作者。心の揺れは、作品にぶつけようよ。
 
佳作 城跡と見知らぬ町の薄氷
自転車で戦国時代の城辺り
尾崎志津子
  【作者】 愛車が自転車保管場所に連れて行かれていました。寒風吹く日、1500円と鍵と身分証明書と印鑑を持って、トボトボと引き取りに行きました。その帰り道。守山城跡に。大永六〔1526〕年、今川氏縁の連歌師・宗長が、松平信定新知行祝の千句連歌会を催し、〈花にけふ風を関守山路哉〉と、守山を詠込んだ発句が『宋長手記・下巻』に記されている。これが〈もりやま〉が〈守山〉と記された初見だということです。へえ〜。ここらは、尾張織田氏と三河松平氏の争い激しかった場所で、家康の祖父・松平清康〔1535〕が尾張攻略に守山城まで攻めてきたが、宿営中に家臣・阿部弥七郎に暗殺されてしまったのだそうだ。これも、へえ〜。
  【選者】 自転車は置き去りにしないでね、作品のように煩わしいことになってしまいます。でも、そのお陰でコメントが面白かったよ。出かけたついでに散策したのは儲けものと考えておきましょうね。
 
佳作 桜には桜なりの筋肉痛
松の木が運ばれてきて大変だ
東川 和子
  【作者】 子どもたちの結婚で、我が家は世代交代の季節です。季節の変わり目には、いろいろ気遣うことも多く、サロンパスをあちこちに貼り付けています。
  【選者】 作者も櫻もお疲れの様子。松の木は、我が家の前のお宅にもデンと植えられていますが、少し違和感があります。
 
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《福は内で賞》 【呈賞とカード】
呈賞 いい歳をしてまだ腕を組みにくる
怒り買うことが分かってゆくバカさ
どうけきよし
  【作者】 これからもよろしく願います。
  【選者】 腕を組むことが人間の性なのかも。独り勝ちが犯罪と認定される時代です。結局、貧しいものが貧しいままに腕を組む構図は、これからも変わりそうもありませんね。
 
※  ※  ※
◆《福は内で賞》は、後刻記念品をお送りいたします。しばらくお待ちください。

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【終わりに】
 ぼんやりと過ごしていたい、と思う日があります。
 東横インの身障者無視の態度がいま問われています。このホテルに限らず、こういう傾向は、列車などの交通機関でも、集会場などでも、公道でも、公園など野外施設でも見られます。もちろん、改造が追いつかないということもあるのでしょう。問題が表沙汰にならないと、法整備はできていても、実行が伴わないという嫌いがあります。
 時事川柳は、社会の問題点を建設的に書き示すことで、改善への一助になるものと信じます。批判のためだけの作品のみでなく、未来を拓くための作品を、たくさんお寄せくださいね。

 もう一度、新春からの期待と展望を込めた作品をお待ちいたします。
       *  *  *
 次月用の作品をメールでお送りください。 パソコンにまだ馴染めない方は、当面は、メール環境にある方を通じてご応募ください。

………… 【渡辺 和尾】──2006-01-30 16-00

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