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投句のページ 優秀作紹介 |
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2008年1月の優秀作:渡辺和尾 選評 ** ** ** ** ** ** ** ** |
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【前書き】
2008年 あけましておめでとうございます。 それでは、早速入選作品の発表にまいりましょう。次月分作品の募集は、この発表と同時に開始いたします。締切日と締切時間は厳守ですのでお間違えないように。微力ながら、今後共、内容の充実へと努めてまいりたいと思います。 ■渡辺和尾からのお願いです。名前・雅号・住所は、二度目からは省略しても構わないというルールですが、なるべくお書きくださるようお願いします。発表や、粗賞などをお送りする際、書庫からの閲覧には手間取りますので。住所などの詳細は、外部に配信されるものではありませんので、煩わしくてもご協力をお願いしておきます。
** ** ** ** ** ** ** ** 【入選】↓順序は、上部から下へと、概ね先着順になっています↓ | |||
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ひさびさに相撲のニュース前を向き 食品の日にちばかりが目に留まり |
ち び 丸 | ||
| 【作者】 | ことしはいろいろありすぎた相撲界でしたが、悪いことばかりでもありませんでした。食品は、期限切れはないかと、ラベルなどの記載を見てしまいます。 | ||
| 【選者】 |
さもありなんと思った相撲界のさくねんの体たらくでした。国技が、見て聞いて呆れた一年でした。食品製造日といっても、いまのような、煩雑複雑複合の時代では、どの時点で、なにがどう加えられたのかも、私たちには判りませんしね。 | ||
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ワイナリーの純粋の味 天に舞う 動かざる山のごとしと年末に |
内田 順子 | ||
| 【作者】 | 無添加という葡萄ジュースをワイナリーで買いました。絶妙の味でした。独り占めしました。ところで、無添加とはなんだろうかと、添加されそうなものを考えました。まずもって浮かんだのは、防腐剤でした。そして染料や甘味料、はたまた化学調味料でした。 | ||
| 【選者】 |
動かざる山は、食品偽装の問題だったり、政治や経済の裏側だったりして、そんな膿が、さくねん末に一気に噴き出してきたようでしたね。ことしは、後始末の年になるのかもしれませんね。 | ||
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傷ついた私を包むラップだよ 味噌汁のキャベツの固さ柔らかさ |
乙黒 初音 | ||
| 【作者】 | 年金の範囲で生活をしなければならず、切り詰めているのですが、どうしても食費はかかってしまいます。野菜を食べようとキャベツの固い部分も刻みます。大根や人参の皮は、キンピラにします。老眼鏡を作ったりして、お金はどんどん出ていってしまいます。お洒落も少しはしたいのですが、いまは高望みの現状です。 | ||
| 【選者】 |
いろいろあっても、いまが一番と思って、カラリと暮らしていきましょうよ。たしかにキャベツもハクサイも、なぜか固くなってしまいました。そればかりか、美味しさも薄らいできました。暮らしも生産も、もっと自然に戻り、自然に順応しなければと思う近ごろです。 | ||
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しじみ貝 お椀の中でやかましい 喪の葉書 賀状の筆を鈍らせる |
樋爪 良紀 | ||
| 【作者】 | 11月の【震える DE 賞】をありがとうございました。よもやよもやと思っていただけに、感動です。さて、ことしもお身内の方の逝去を知らせるお葉書が舞い込みました。賀状を認めている筆も、滞っている毎日です。頑張ってきた人、これからを懸命に生きる人たちの思いが綯い交ぜとなる月ではありますね。 | ||
| 【選者】 |
蜆貝が椀の中で喧しいという作者。面倒ですが美味しい貝ですし、ざわざわ騒がしくても辛抱しましょうよ。喪中葉書は、目に留まりますが、救いは友人当人のものが少なかったことです。自分自身の老いにも目を向けないといけないのでしょうね。 | ||
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石蕗の花は枯れても天を向く 寒くても犬の散歩は止められぬ |
竹内すみこ | ||
| 【作者】 | どんなに寒い日でも、犬は元気満満です。松江市堀川の屋形船に炬燵が出るようになりました。橋の上から見ていると、とても暖かそうです。それを見ているほうは、冷たい北風に肩を竦めています。暑い暑いと言っていたのが、嘘みたいな気がする季節の変わりようですね。 | ||
| 【選者】 |
石蕗の花は作者の心根のように思われます。天を向いている姿が爽やかなのですね。犬につられてでもかまいませんので、これからも散歩を続けられますように。散歩しているだけで、季節や風景の変化が判ることでしょうからね。 | ||
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落ちる落ちる知力体力記憶力 新しい手帳に記すクラス会 |
園部志津代 | ||
| 【作者】 | 暖かい年末で気分が出ませんでしたが、新聞屋さんにいただいた2008年のカレンダー。それを見ていたら、干支の先頭になるんだと気がつきました。クラス会の案内がきたので、出席の返事をしました。 | ||
| 【選者】 |
落ちるもの、参加力・行動力・実行力。スピードは落ちるいっぽう、さて長命になったというこれから、作者の言う知力体力記憶力を含めて、どう対処していけば良いのしょうか。年の始めは、気力が低下しないような努力をしたいものですね。 | ||
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パソコンのゴミ箱整理 新年へ あれこれと思うばかりで新年へ |
春日井五月 | ||
| 【作者】 | 毎年のことと知りながら、家事や清掃は切羽詰まらないと駄目でした。それにしても(光陰矢のごとし)です。誰かこのスピードを止めてください、と願うばかりです。 | ||
| 【選者】 |
時間のスピードは変わらないと思うのですが、頭の切り替えや、行動の合理化がいくぶん遅くなるのでしょうね。パソコンにデータを保存するのは合理的な手段ですが、必ず外部記憶装置にもコピーしておき、不測の事態に備えましょうね。 | ||
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木枯らしが心細さを感じさせ このごろは埃の中で鐘を聞き |
香田 裕子 | ||
| 【作者】 | 公孫樹の黄葉がとても綺麗な年末でした。ある人は、武者震いだと形容していましたが、私はシャンソンを歌っていると言ったら、笑われてしまいました。裸木になった森も庭も閑かな感じです。ふと、我に返った気がしました。 | ||
| 【選者】 |
枯葉からの連想はシャンソンでも正解でしょう。でも、この作品にしても、木枯らしは心細さを助長する道具立てにも感じます。除夜の鐘を聞かなくなって、また聞きにいかなくなって、もう50年にもなります。除夜の鐘を聞くと、良いことがあると期待したいですね。 | ||
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ごめんねと言って一年過ぎていった 抱負などなくて蒟蒻ぷるんぷるん |
児玉 浪枝 | ||
| 【作者】 | 私の歳になると、年末が来ても、新年を迎えても、若いころのようにはしゃぐ心は薄らぎます。むしろ、長いこと夫婦をしている一番身近な人に対しての感謝の心も忘れてしまいそう。強情っぱりの私を反省しながら新年の膳で夫婦向き合って。 | ||
| 【選者】 |
作者があまり見えないですね。報告だからでしょうか。ぷるんぷるんの蒟蒻は少なくなり、最近の野菜のように固くなりました。新しい年こそ、反省の上に立って前進しましょうよ。 | ||
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サラ金のティッシュが溜まる交差点 伝言はありませんねと無機質に |
泉 繭子 | ||
| 【作者】 | ものの言い方一つで印象はずいぶんと変わります。嫌な思いをさせられたときは、自分は気をつけようと思うことにしています。そう思うと腹が立ちません。限りある人生ですから、愉快に暮らしたいものです。 | ||
| 【選者】 |
街を歩くと、数日分のティッシュが溜まります。嬉しくも儚くも、広告が添えられています。それらには目を留めずにいただいておきます。応対はお互いを認め合ってこそでしょうね。このコーナーの〔作品・作者・選者〕の関係にしても、しかりですね。 | ||
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領域を侵犯 枯葉風に乗り 西窓に裸木になった木の影が |
渡辺 妙子 | ||
| 【作者】 | 八重桜に始まって、最後はエゴの木まで、落ち葉掃きが日課でした。風に舞った落葉が、お隣の玄関前や車庫に。お付き合いがあれば、〈すみません〉で済むことも、交流が少ないと、気を遣うことになります。やっと落葉も終わり、我が家の木たちは、冬の眠りについています。 | ||
| 【選者】 |
領海侵犯の表現は愉快です。意志のない枯葉にも心を乗せて楽しんでいますね。西の窓は、作者の家のことでしょう。古くから日本では、西にはあまり窓をつけませんでした。西日が射し込むことを嫌ったからでしょう。近年では、それも自由化されたようですね。 | ||
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ときどきは肉饅 道で食べている 我慢できぬ フライドチキンを立ち食いし |
ふゆのゆふ | ||
| 【作者】 | 立ち食いはみっともないと言われています。がしかし、肉饅とフライドチキンの類はとても匂いが魅惑的で、食欲のほうが勝ってしまうことがあります。 | ||
| 【選者】 |
立ち食いの流行を作っているのは商戦なのでしょう。購買者は、それに乗っかるだけでなく、我慢も批判も冷静さも必要でしょうね。フライドチキンだったら、自宅でもできるのではないでしょうか。ただし、良質の油を使ってくださいね。 | ||
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長寿願望 延命願望底知れず 罪なこと 光るクローンネコ誕生 |
恒川和左子 | ||
| 【作者】 | 人の皮膚から万能細胞を作り、再生医療に役立てる日も遠くないと伝えられました。先日は、暗闇で全身が光るクローン猫が誕生し、元の猫と比較対象された写真を見ました。どちらも一つ転べばSFの世界になりそうで、少し不気味に思えました。 | ||
| 【選者】 |
長寿延命やクローンネコは結構なことですが、問題は、手段を選ばず、お金にものを言わせて、底知れず、にあるのでしょうね。万能細胞の技術は、まだ乗り越えなければならない多くの問題点がありそうな気がします。 | ||
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岐路に立つかのごとき身を嘆くなり いっときの平安 やがて不安へと |
石川 順一 | ||
| 【作者】 | 現在の心境、および状態を一句に認めてみました。 | ||
| 【選者】 |
コメントは借り物でないものをお願いね。人生はいつも岐路に立っていると思えば心安らかに。平穏も不穏も、裏返しのようにいつもあるのでしょうね。なにがあっても、揺るがない心を養っていきましょうね。 | ||
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リクエストする30年前の蜜柑ゼリー よく転び左手異変の青い傘 |
柳田みずき | ||
| 【作者】 | お正月に蜜柑ゼリーのリクエスト。子どもが幼いころはよく作りました。蜜柑の果汁をゼリーにして、半分に切った蜜柑に戻して固めます。そして櫛形に切り、お重に入れるのです。大変なのですが、孫の喜ぶ顔を思い浮かべています。雨の日には、積もった落葉に足を取られ転んでしまい、家の中では、数センチの段差でも、よく転んでしまいます。 | ||
| 【選者】 |
転ぶは危険、危険は骨折、骨折は寝たきりに。でも、転ばないようにするには、とくに足腰を鍛えなければなりません。鍛えるには、たくさん歩いてと、堂堂巡りです。蜜柑ゼリーは思い出の品、当時の形や味が再現できましたか。 | ||
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一月のしろいうさぎと戯れる チュウと鳴き軽く一年駈け抜けよう |
尾崎志津子 | ||
| 【作者】 | 名古屋にも初雪が。大人になっても、雪うさぎには心惹かれるものがあります。雪の日の静けさを思いながら、慌ただしく新年が始まりました。 | ||
| 【選者】 |
メルヘンチックな白いうさぎ。おりしも名古屋以北の地では降雪・積雪の報が。ホワイトクリスマスならぬ、雪やこんこんお正月ですね。チュウと鳴くのは、干支のネズミの鳴き声。ことしは多くの男子も、きっと泣き暮れることでしょうね。 | ||
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一つを許し二つを許し夜になる 規則正しく正月へ注連縄飾り |
吉田三千子 | ||
| 【作者】 | 近ごろ気になるものに、音楽や映画があります。これから、もっと親しくなることでしょう。そして、なんに気づき、なんに目を凝らしていくのでしょう。人生後半期は、まだまだ捨てたものではありません。 | ||
| 【選者】 |
自分を許すのか、他人を許すのかは判りませんが、ニュアンスとしては自分自身ではないかと思います。注連縄など、新年を迎える準備や心構えは、大切なのかもしれません。私は、それどころではなく、この原稿と向き合っているのですよ。 | ||
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それぞれがふっと黙って除夜の鐘 苦なくば開かれなかった瞼あり |
ぽ ん た | ||
| 【作者】 | 岩城宏之が大晦日に行っていたベートーベンの全作品コンサート。それを2007年は小林研一郎が。ベートーベンは、全作品が一体だと言っていましたが、一度通して聞いてみたいものです。 | ||
| 【選者】 |
なにもかも放って出掛けたら、聞いたらいかがですか。ことしの除夜の鐘を聞くときに、また後悔をしないためにも思ったことは行動に移したほうが良いでしょうね。苦あり、決心あれば、また楽ありですよ。 | ||
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夕焼けに間に合うように急ぎ足 一年を反省しているダンゴムシ |
水野亜希子 | ||
| 【作者】 | お正月の行事も一段落するころ、日差しが伸びてくるのが実感できるようになります。本当の春は、まだまだ先ですけれど、庭の緑も少しずつ濃くなります。そんな季節が大好きです。新しい年を迎えて、反省もしなくては、などと思っているダンゴムシです。 | ||
| 【選者】 |
反省は纏めないほうが気が楽ですよ。ダンゴムシのままで新年を迎えるのは楽しくないですよ。夕焼けに間に合うようにどこへ行くのでしょう。虹を追いかけても近づけないように、夕焼けもまた。いっそ、逆転の発想でもいかが。反省はしない、とか。 | ||
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痛みなど知らない人の語気迫る 怒るなら関西弁にしてください |
吉川美保子 | ||
| 【作者】 | お説教はありがたく頭を垂れて聞きますが、あまりにもきつい語調で言われると、顔を背けたくなるのです。子どもも同じだと思います。最も、現代っ子は黙ってお説教なんて聴きませんし、反発にたじたじになるのがオチです。沈黙は金ですか。 | ||
| 【選者】 |
作品としては、関西弁の句は愉快なのですが、説得力や緊迫感にやや欠けます。本当らしく語気強く怒るのは、一つの方法なのですよ。ものごとには、逆転の見方もあるということです。本当は言葉ではなくて、伝える側の人間性が理解されれば良いとは思うのですが。 | ||
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葱貰い鴨の来るのを待ちわびる 棒鱈も身欠き鰊も買い損ね |
堀 恭子 | ||
| 【作者】 | お節料理をもう止めようかと思いますが、やっぱり作り続けています。最近は、孫たちが、ことしの一品を持ってきてくれたりします。とり松風だったり、玉子の厚焼きだったりします。 | ||
| 【選者】 |
葱も鴨も、棒鱈も鰊も着かなかったのですが、新年明けてしまいました。お節料理らしいものが膳に載らなくなって、かなりになります。むろん、日ごろの生活パターンと変わらないほうが、体も心も楽なのですが。訪れる客人とていない当家なのですよ。 | ||
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□2008年 DE 賞 〔こんげつの粗賞〓和尾直筆カードつき〕
□今月〔新年号〕の粗賞は、上の作品に決定しました。12月分と、この1月締切分は、呈賞の方を増やしております。
□今後とも、たくさんの方のご参加をお待ちいたしております。 ■□■□■■□■□■ ■□■□■■□■□■ ※《ピッポ DE センリュウ》《ピッポ DE 50字》《ネット50字〓kzmidori@ma.mediasu.ne.jp》などへのご投稿を随時受け付けています。奮ってよろしく。 ………… 【渡辺 和尾】──2008-01-01 00:00
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