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投句のページ 優秀作紹介

       

2007年9月の優秀作:渡辺和尾 選評

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【前書き】

2007年9月は、あっと言う間に過ぎ去りました。この稿の執筆すら予定日を越えてしまいました。大慌てで時間と格闘している、ただいまなのです。
秋は吟行会の花盛りの季節です。綿毛の会などでも、企画しているとのことで、会員外からの吟行会参加もよろしいとのことですので、不明のところは、堀 恭子<ky-hori-10@mtj.biglobe.ne.jp>会長宛てにお問い合わせを。
9月も暑く、10月初旬も、ときにまだ暑く、過ごしにくい日が続いています。お体には十分注意してくださいね。そして、秋の行事の成果などを作品へのステップ資料とされませんか。 第16回センリュウ・トークは、2007/9/29〔土〕に、名古屋市中区の朝日ホールで開催され、無事終了しました。たくさんの佳品が発表されました。この成果は『緑』2007/10月号に掲載予定です。お待ちくださいね。

それでは、入選作品の発表にまいりましょう。次月分も、なるべくお早めにご提出ください。締切日と締切時間は厳守です。内容の充実へと、お互いに努力してまいりましょうね

渡辺和尾からのお願いです。名前・雅号・住所は、二度目からは省略しても構わないというルールですが、なるべくお書きくださるようお願いします。発表の際や、粗品をお送りする際、書庫からの閲覧に手間取りますので。住所などの詳細は、外部に配信されるものではありませんので、煩わしくてもご協力をお願いしておきます。

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【入選】↓順序は、下部から概ね先着順です↓
佳作 日の丸を背にフィールドで背伸びし
躍動の陰に鍛えるアスリート
内田 順子
 【作者】 世界陸上大会が大阪で行わました。テレビ画面には、鍛えに鍛えた筋肉が躍動していました。しなやかで美しいと思いました。もっとも惹かれるのは、スタートに向け精神を集中していく選手の顔でした。それを見せてくれるメディアもたいしたものです。日本人の成績や結果など、もう関心はありません。
 【選者】 世界陸上は見る機会がありませんでした。日本選手の無様さを知るにつけ興味が失せたのかもしれません。
 
佳作 数十日の大臣揉めるだけだった
渡り鳥 次はどういう作戦か
ち び 丸
 【作者】 小池さんは、アナウンサーのときから好きでした。しかし、いろいろと政治の中に入ると問題があるようですね。残念です
 【選者】 国会議員の資質の低下はもう誰も疑わないでしょう。大臣経験者また同じでしょう。いったい日本はどこへ行ってしまうのでしょうか。
 
佳作 遠雷に怯える犬よもう十月
臆病な犬が町内一回り
園部志津代
 【作者】 九月も過ぎ、猛暑日からやっと脱出です。なにか良いことがありますように。
 【選者】 犬二句ですが、野良犬なのでしょうか飼い犬なのでしょうか、どちらにしても犬にも良いことはなさそうですねえ。
 
佳作 幸せは泡みたいです波頭
秋の蓋開ける青空また高し
香田 裕子
 【作者】 台風が日本列島を舐めていきました。まだまだ天気ははっきりせず、蒸し暑い日が続きました。しかし、秋空はどうなっているのでしょうねえ。
 【選者】 台風が梅雨の時季にと一緒に来たり、暑すぎる夏が長く横たわったり、これからどうなっていくのでしょうか。
 
佳作 繰り返し脱皮をしても百足は百足
寄附をした花火が威勢よく揚がり
竹内すみこ
 【作者】 年金はうやむやですが、花火はドーンと空に揚がっています。私たちが幼いころ、花火は商店の寄附金で賄われていました。大きな店がマーケットに負けて、店を閉じていき、いまは市民の寄付金で花火が揚がるようになりました。空しい音がします。一瞬の夢なのですが、近ごろではあまり見ていません。
 【選者】 百足には思いが深いようですね。そう言えば名古屋の空地で蝗虫を見ましたが、なぜかホッとしましたよ。
 
佳作 からっぽの頭で秋を感じてる
キリギリス 夏の名残の影のよう
香田 裕子
 【作者】 やっと、ほっとするような涼しさが感じられます。耳を澄ませば、キリギリスが喧しいくらいに鳴いています。あの小さい体で喧しく鳴くなんて不思議なほどです。秋が深まると、もっともっと不思議なことに出会うかもしれません。!
 【選者】 名残は影、そこに現れたキリギリスも、また影のように。からっぽの頭は、確かな秋を感じ取ったのでしょうね。
 
佳作 ポーチェリカ最後の力絞り咲く
一日に二キロを歩く幸せよ
吉川美保子
 【作者】 先日のことです。名古屋駅の階段を降りるときに、手摺に掴っていた私を大勢の若者がわっと押して危うく転倒しそうになりました。手摺にしっかり掴まっていたので転倒は免れました。荷物は落としてしまいましたが。怪我もなく済みました。転ばぬ先の杖で、いっそのことピンクの杖を持って、私はここにいますから気をつけて、とアピールしょうと思いました。
 【選者】 晩夏には、花さえ力を振り絞って咲いていたようです。その美しさの感動にみんなは酔うのでしょうね。
 
佳作 満月を穴のあくまでじっと見る
月の周りを蠅が飛んでいる
尾崎志津子
 【作者】 月周回衛星『かぐや』が打ち上げられました。じっと見ていたら、見えそうな気がするのですが。満月には、地球の海だけでなく、我が海もまた引っ張られているのでしょう。
 【選者】 穴を開けられたら、月は苦しいと叫ぶことでしょうね。月と蠅との対比は愉快ですね。
 
佳作 枕干す夢を吸い込み重いから
胸を裂き蝶の紅闇に舞う
ぽ ん 太
 【作者】 むかしは、ジャズを歌い、いまは演歌を口ずさみながら、どうしてもコブシを回せない自分に悩んでしまいます。どうせ、都はるみにはなれないので、川柳の中に気持ちを込めてみました。
 【選者】 演歌ってヤツは、ですね。ジャズから演歌へと、歌を忘れなくてよかったですね。
 
佳作 意地っ張り同士でいいの秋の空
犬がいるから穏やかな台所
児玉 浪枝
 【作者】 昭和に流行った歌謡番組をテレビで見ながら、若かったころを思い出している二人です。あのころは優しかったね、とお互いにいまの厭味な部分を認め合い反省しています。こんな私にだれがした、などと。
 【選者】 それも、お互いさまなのでしょう。それと、昭和は長かったので、戦前生まれか戦後生まれでは、ものの考えは違ってくるのでしょうね。
 
佳作 朝の風富まざるものにも吹いてくる
キーボード打てなくなった小指持ち
ふゆのゆふ
 【作者】 朝の涼しい風は無料です。早起きはしてみるものですね。小指が痺れてキーボードが打てなくなり、変則フォームで打っています。
 【選者】 【選者】〈朝の風富まざる者に吹いてこぬ〉これが現在の格差社会の愚痴になるのかもしれません。
 
佳作 朝夕がやっと涼しくなり彼岸
名月を観ましょう秋が来ましたよ
春日井五月
 【作者】 諺通りに、やっと朝夕涼しくなりました。暑い暑いと言ってばかりのことしでした。いろいろ行事が待っている秋です。部屋の中まで斜めに入ってくる太陽は澄み切った光で、時間を追い立てるようです。
 【選者】 季節臭が強く、いま少し人間臭の方向へ向くことを望みます。
 
佳作 こんばんは 安倍しちゃおうかと出前取り
面倒なこと引き受けて朝の駅
泉  繭子
 【作者】 面倒になったら放り出せばいいのです。理由なんて、後からいくらでもつけられます。こんな世の中になっていくのでしょうか。
 【選者】 なんでも、安倍しちゃうのですね。安倍さんも、懲りずにまた、安倍しちゃうらしいという報道も。
 
佳作 エコバッグお洒落になって人目惹く
ソバカスで垂れ耳だけど愛犬です
柳田みずき
 【作者】 エコバッグ、さてデパートはどうなるかな。日本の包装紙は綺麗で、包装に日本独特の持ち味があり、それが廃れるのも寂しいことです。過剰包装を止め、スーパーからエコバッグが広がればゴミの削減にはなりましょう。
 【選者】 エコバックなどという表現は大嫌い。街で、垂れ流しのように消費するガソリンのほうが問題のようにも。
 
佳作 観月会 荒む世間の慰めに
漆黒の塔の肩には満月が
恒川和左子
 【作者】 木曽三川を眼下に建つ寺で、行灯の明かりの中で昇る月を静かに待った記憶があります。ことしは、八事山興正寺に。声明の後に薪能があり大変な人気でした。老若男女の押すな押すなの盛況振りで、そうそうに退散。自宅の縁側で、お芋を食べるころ、真天上に満月がありました。
 【選者】 荒んだ世に、静かで豊かな観月会。漆黒の塔は、八事山興正寺にあるのでしょうか。
 
佳作 留守詫びる笹蒲鉾をお土産に
リンゴ飴舐めた舌先 夕日落ち
堀  恭子
 【作者】 お隣さんは、仕事の関係でときどき仙台へ行かれます。帰ると笹蒲鉾をお土産にいただきます。これがまた美味しい笹蒲鉾なので、ついつい、またを期待したりして。
 【選者】 名産や土産にに美味いものなし、とも言われていますが、その逆もあるのですね。要するに、探すこと、見つけることでしょう。
 
佳作 新築の横で解体旧病舎
病院にホテルのようなレストラン
渡辺 妙子
 【作者】 通院中の病院が新築されました。玄関の壁には、ステンドグラスや銅版画が飾られ、受付などの横には、洒落たカフェもできました。いくら綺麗になっても、病院に行きたい人はいませんよね。
 【選者】 ぼくのかかりつけの病院も、目下新病棟を建設中。銀行や郵便局などのカードコーナー、あるいはミニコンビニなどもあります。病院も多角経営の時代なのですねえ。
 
佳作 月丸く 猫じゃれ合って走りゆく
インフルエンザの予約状況 神無月
吉田三千子
 【作者】 センリュウ・トークには遠い地からのお客さまも到着され、無事終わりました。川柳に関わってからの時間と、残された作品群を改めて振り返っています。幕が開くと、興奮が走りました。そして、やがて緊張の解れていく快さもありました。
 【選者】 猫も月の丸さに酔うのでしょうか。インフルエンザには縁のないぼくでしたが、齢を重ねたいま、ぼつぼつ気をつけなければいけないとも。でも、予防注射は痛いでしょうしねえ。
 
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□二枚看板 DE 賞 〔こんげつの粗賞〓和尾直筆カードつき〕

■病院にホテルのようなレストラン     渡辺 妙子
□二枚看板 DE 賞 へのメッセージ。
病院の暗いイメージが払拭されつつあるようですね。せめて食事くらいは、ときに豪華に、ホテルのような装飾のもとで、ひととき心豊かに、ですね。安らかな雰囲気の中でひとときも大切ですね。

□今月の粗賞は、上の作品に決定しました。今後とも、たくさんの方のご参加をお待ちいたしております。締切まで待たずに、いますぐ、どうぞ。お誘い合ってのご参加をお願いいたします。〔和尾〕

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※来月も《ピッポ DE センリュウ》《ピッポ DE 50字》などへのご投稿をよろしくね。
………… 【渡辺 和尾】──2007-10-03 12-00



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