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投句のページ 優秀作紹介 |
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2007年5月の優秀作:渡辺和尾 選評 ** ** ** ** ** ** ** ** |
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【前書き】
2007年5月下旬は、各地で気候気温が急変しました。梅雨に入る前に、もう雷も耳にしました。風邪を引かれた方も多いと聞いていますが、お大切に。
旅先で、テレビや新聞で、いくつもの奇異な政界などのニュースを知りました。四国の地にまで、常滑の遊具事故も報じられておりました。 それでは、入選作品の発表にまいりましょう。次月分も、なるべくお早めにご提出ください。締切は厳守です。内容の充実のために、お互いに努力してまいりましょうね。 ** ** ** ** ** ** ** ** 【入選】順序は概ね先着順です。 | |||
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私が鏡の中にいない朝 試着室 鏡の意見尊重し |
今井 妙子 | ||
| 【作者】 | 明るい朝は、鏡の中の朧な私を探すのがやっとのことなのです。店員さんに、とてもお似合いですと言われて試着室に入って見ましたが、鏡が本当のことを言ってくれたので止めました。 | ||
| 【選者】 |
いえ、心が鏡に映らなくても、あなたは存在するのです。間違いなく今朝の顔をして。そのいまの顔に真向かうことが大切なのでしょう。 | ||
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もう要らぬと思いながらも待つ夕刊 隣家へも電話で済ますお付き合い |
樋爪 良紀 | ||
| 【作者】 | 誘われるようにして投稿してみました。〈感じたことを率直に〉という、どなたかの言葉に励まされたとはいえ、我ながらの稚拙さに躊躇いつつという心境です。 | ||
| 【選者】 |
稚拙かどうかは作者が決めることではありませんので、弁解がましいことは、もう必要ありません。夕刊を購読する家庭が激減しているそうです。金銭の問題より活字離れのようなのです。つまり夕刊の問題は、書籍全般にも言えるのでしょう。ぼくは〈返礼もメールで済ますお付き合い〉ですが、いまはこれすらしない人も多いのですよ。 | ||
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雨の日は雨の話の長電話 笑ったり泣いたり夏はもうそこに |
児玉 浪枝 | ||
| 【作者】 | この夏は、猛暑とかの予報が出ています。雨も少なく、水不足の恐れもあるらしいです。年と共に気温が上がり、暮らしにくくなるばかり。そう思うと雨は恵み、雨の日も楽しや、です。 | ||
| 【選者】 |
内容も表現もいささかの軽さがあります。よくいう動く可能性があるのです。作者の姿の見えないのも、やや気がかりです。 | ||
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おばあさんは行方知れずになったまま お隣のおじさん座る石がある |
水野亜希子 | ||
| 【作者】 | 東隣のおばあさんは、ここ二年くらいお顔を見ていません。どこかの施設で元気にしておいでとかの噂。西隣のおじさんは、ことしに入って、おばさんを亡くされ、表の石に腰掛けて終日過ごされています。できるだけ話しかけるようにしていますが、私にできることは他に見つかりません。 | ||
| 【選者】 |
おばあさんとおじさんの対比を、表現の愉しさで描いています。内容は深刻なのですが、軽いタッチで描かれているので救われます。 | ||
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雨傘の中も黄緑深緑 息吸って吐いて薔薇色薔薇の花 |
堀 恭子 | ||
| 【作者】 | 一日中雨の日でした。木の葉や草が輝いていました。あすは晴れて、薔薇は、いっそう薔薇色になることでしょう。 | ||
| 【選者】 |
薔薇色とあっても、本当の色は分からないのです。しかし、黄緑深緑とか、薔薇色薔薇の花とか、表現が妙ですので、分かったかのような錯覚に陥らせてくれるのです。 | ||
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手作りの餌 涎が催促し 雨上がり新緑の中 同化する |
柳田みずき | ||
| 【作者】 | 雨上がりの新緑がことのほか綺麗でした。高速道路の事故で、28歳の息子さんのお母さまと涙を流しあったのは、きのうのことのよう。雨に涙を忘れそうになり、ハッとしました。 | ||
| 【選者】 |
新緑に同化していくような作者の心、きょうの美しい緑を見ていたひとときが窺われるようです。 | ||
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既往症 はしかと書いて句会へと 水無月という名の菓子に母思う |
園部志津代 | ||
| 【作者】 | 熱があり、赤いボロボロの顔で、姉妹並んで寝ていたときのことを思い出しました。いつの季節だったのでしょうか。まだ入学前だったと思うのですが、父も母も麻疹だからと、大して心配もしていなかったようでした。 | ||
| 【選者】 |
たくさんの伝染性の病があります。よく効く薬や治療法により、発症の実例が少なくなってきました。気を抜いていると、突然のように大流行が起こるようですね。身構えて予防に努めなければ。 | ||
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改装の借金済むころまた改装 スーパーより安い銘酒の直販店 |
恒川和左子 | ||
| 【作者】 | 自営の酒屋さんは、店の改装費に追われているようです。改装すると、お客の入りが良いとのことです。直販店では、銘酒がスーパーより安価です。対面販売でむかしからの人情があり、四十余のお付き合いの店です。 | ||
| 【選者】 |
サービスとはなんだろう、かと思っています。改装して商品の回転をよくするのは結構ですが、商品の卸しや小売価格などの利益率のことを思ってしまいます。客は、なんにでも値引き交渉をすべし、だと感じた次第です。 | ||
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番号で呼ばれて入る診察室 銀行で待ってる手には番号札 |
渡辺 妙子 | ||
| 【作者】 | 久しぶりに、近くの県立病院に行きましたら、患者を名前ではなくて、番号で呼んでいたのにはびっくり。プライバシー保護のようです。他の病院では様付けで呼ばれたこともあります。 | ||
| 【選者】 |
病院はまだしも、銀行の番号札は、お客無視の感じがします。銀行側の窓口担当を増やし、プライバシー保護と、サービスをスピードアップすれば、お客を待たせずに対応できると思うのですが。 | ||
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顔中が口に見えます燕の子 |
ふゆのゆふ | ||
| 【作者】 | ]燕の子は餌をもらうために口が目立たねばなりません。 | ||
| 【選者】 |
作者はどこから、燕を見ているのだろうかしら、と。 | ||
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初夏の風邪五臓六腑に吹き渡る この晴れに本二冊分の微熱 |
尾崎志津子 | ||
| 【作者】 | 気紛れな気温のせいか、風邪を引いてしまいました。頭がぼんやりすると思っていますと、喉が痛み、鼻づまりに。鬱蒼としてきた庭には、もうホタルブクロが咲き、ドクダミの白さが目を引くように。 | ||
| 【選者】 |
風邪と風をかけて、愉快に仕上げています。でも、あまりにお遊びが強いとオーバーな表現にも。二句目は、本二冊分の微熱程度で幸いでしたね。 | ||
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北向きのテラス 小さな薔薇が咲き |
ふゆのゆふ | ||
| 【作者】 | 梅雨前に薔薇の季節が。あまり花のない中で、咲き誇っているかのようです。 | ||
| 【選者】 |
北向きテラスって、なにかなあと、かつての建築屋は首を傾げました。時代の流れを思うばかりです。 | ||
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事故のニュース事件のニュース繰り返し 有名になった地名よ万博後 |
春日井五月 | ||
| 【作者】 | これでもかと嫌な事件を報道するマスコミ。地図や名前が頭の中に定着してしまいます。 | ||
| 【選者】 |
二句とも、ただいまは理解できるのですが、数か月を経ると、意味不明になってしまうでしょう。特に二句目は、長久手発砲殺傷事件を言っているのですが、愛知以外の方には、すでに万博はむかし話です。ぼくなどのように、万博に足を運んでもいない愛知県民もいるのですから。 | ||
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いいもんだ季節の変わる匂いだな |
香田 裕子 | ||
| 【作者】 | よい天気が続いています。我が町も田植えの季節です。傍らでは麦が実っています。気のせいか、麦の丈が長いような気がします。暖冬で伸びすぎたのでしょうか。麦畑の真ん中辺りでは、麦が倒れています。楕円形で宇宙船の着陸した跡みたいでした。 | ||
| 【選者】 |
季節の変わる匂いは素晴らしいと言う作者。そのとおりだと思います。しかし、ぼくにとって、この変わり目は、苦しい時季でもあるのです。良し悪しは人それぞれなのでしょうね。 | ||
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子も親もたまにはボケて忘れたい 団塊世代 年を取っても議論好き |
ぽ ん た | ||
| 【作者】 | 中年世代は、親と子からの双方のストレスを抱え生活しています。たまには、すべてを忘れてリフレッシュしたいものです。新緑の町に出ましょう。 | ||
| 【選者】 |
中年も団塊世代も、耳障りな言葉だと思います。一括りにされない、されたくない人は多いことでしょうね。 | ||
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遅咲きの桜のみどり確かめる 一望す 牡丹ばかりの島にいて |
竹内すみこ | ||
| 【作者】 | 花も葉も忘れたころに、ひょっこりと立つ山桜。このごろ気にかけています。なん十年も忘れていたのですが、とても愛しい気がします。小さな島で、牡丹のころになると句会があります。百人以上も集まります。人間は我が侭なもので、花の咲くときだけ大切にするみたいですね。 | ||
| 【選者】 |
一島が牡丹で埋まるとは素敵でしょうね。牡丹の花のない季節はどういう情況なのでしょうね。 | ||
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草を食べ草と語れば縄文人 道端にしゃがめばそこも大宇宙 |
泉 繭子 | ||
| 【作者】 | 人間の都合で、野草・薬草・山菜・雑草などと呼ばれている草。人間に邪魔にされている雑草も、よく見れば〈なんて可愛いのでしょう〉という発見も。自然に任せて力強く生きている雑草を見ていると、〈人間はちっぽけだなあ、どうしてこんなにどろどろしているの〉などと考えてしまいます。そんな私をも、雑草たちは笑って見ているでしょうね。 | ||
| 【選者】 |
草を食べ、と言ってしまうと牛などと誤解されそうですが、たしかに我らの祖先の暮らしはそうだったのかも。二句目は、〈立ち止まれば宇宙〉と、ぼくは山頭火ふうに書いてみました。作者の瞳を思い遣っています。 | ||
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わたしの句 一人でいいの理解して ニコニコの笑顔の裏にある悩み |
Y・G・美保 | ||
| 【作者】 | ラジオの人生相談で、お偉い人が〈悩みのない人はこの世にいません。全部吐き出して、すっきりしてください〉なんて言われているのを聞きました。人に打ち明けると、たちまち解決するなんて信じられません。最後は自分の決断あるのみでしょうから。私は、生きているから悩みもあるし、喜びもあるんだと思っています。 | ||
| 【選者】 |
人の痛みや悩みが解らないのも、やむを得ないのかもしれませんよ。また、笑顔の人には、悩みがないなどとは、きっと多くの人も思ってはいないと思いますよ。 | ||
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よりかかるカートで人を押しのけて 柿の花探す ことしは外れ年 |
内田 順子 | ||
| 【作者】 | スーパーのカートは真っ直ぐ進みたがるので、混んでいるときは、用心しなければ、ぶつかってしまいます。特売のチラシが人を呼び、そんな活気に身を置く高揚感もあり、つい衝動買いをしてしまいそう。我が家は二人しかいないのに、ね。 | ||
| 【選者】 |
カートは、たしかに凶器にもなりそうです。便利そうなものでも、安全策は幾重にもしてほしいもの。柿に限らず、果物の花には郷愁もありますよね。 | ||
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雨になる葉桜以後の暗がりへ 叱られて遠い日暮れを思い出し |
吉田三千子 | ||
| 【作者】 | 子どものころは、納屋とか納戸とかに入って、古い道具や箪笥や着物を見ているのが好きでした。いま思えば、ひにゃりと湿ったような空気が、なんとなく心地よかったのでしょう。そうした心の自由を見つめる、ほの暗い場所が少なくなりました。 | ||
| 【選者】 |
5月から6月の鬱蒼とした森に入ると、納戸や小引き出しの暗さを感じます。叱られた日暮れの雰囲気もよく似た思いですね。 | ||
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風薫り 大名庭園 鯉幟 大楠よ懐かしいこと祖母のこと |
園部志津代 | ||
| 【作者】 | 近くにある徳川園を、このごろ森林浴場として利用しています。明治の時代からも子どもたちの遊び場になっていたそうです。大樹の下を歩くとき、木登りをするガキ大将の姿が見えるような気がします。 | ||
| 【選者】 |
名古屋市東区にある徳川園に出かけてみて、従前の落ち着いた雰囲気が消えていて驚きました。大名の髷も黄色に染まっているように感じられました。大楠から祖母を思い浮かべたのは、作者の家系を感じました。 | ||
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雑誌にも余裕ができてファーストレディ お財布も連休明けには軽くなり |
ち び 丸 | ||
| 【作者】 | いろいろとご活躍の総理婦人、最近はファッション雑誌にも頑張っておられます。私は、連休についついお金を使ってしまい、後で困っています。 | ||
| 【選者】 |
連休の前にも、すでに、ずうっと財布は軽い選者です。川柳には、軽みも大切、いえこれは、意味が違っていましたね(*^_^*) 。 | ||
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□怪気DE賞 〔こんげつの粗賞〓和尾直筆カードつき〕
■□■□■■□■□■ ■□■□■■□■□■ ※今後とも、佳品をどんどんお寄せくださいね。 ………… 【渡辺 和尾】──2007-05-31 18-00
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