【掲出時期】 【句と作者】
No.56 2003年12月
 ほら朝が牛乳瓶に満ちてくる 尾崎志津子
 牡蠣フライ冬の支度を始めましょ 石田 穗實
 クラス会帰りに提げるお惣菜 恒川和左子
No.55 2003年11月
 コマーシャルまで真剣に見てしまい 春日井五月
 シャッター通りここは本屋と呉服店 園部志津代
 星型に割れた無花果かぶりつく 石田 穗實
No.54 2003年10月
 ビデオデッキ買えばテレビが古くなる 恒川和左子
 たましいは帰る家なきトンボかな 尾崎志津子
 梨や桃 こっそり食べる不味いもの 吉田三千子
No.53 2003年 9月
 セメント工場の向こうで夏の声がする 児玉 浪枝
 緑葉に風船蔓の揺れるさま 木野すみゑ
 日曜日 父の匂いの鉋屑 いまいまい
No.52 2003年 8月
 心揺さぶるものは台風の凪ぐらい 柳田みずき
 灰汁抜きの仕方教わる方言で 渡辺 妙子
No.51 2003年 7月
 高架橋 未来は近く切ないぞ 春日井五月
 父帰宅 金魚に泥鰌もう眠り いまいまい
 豆を剥く青い匂いに噎せている 石田 穗實
No.50 2003年 6月
 躊躇っていれば引っ繰り返ります 渡辺 和尾
No.49 2003年 5月
 春が来た 左右違った視力にも 春日井五月
 一日中しゃべらない日は口渇く 後藤 峯子
 今週もとろけ具合はチーズほど 尾崎志津子
No.48 2003年 4月
 翌日は晴れの予想の蕾かな 内田 順子
 冬が去る前の夕食牡蠣フライ 吉田三千子
 火曜日は天丼鰻丼特売日 児玉 波枝
No.47 2003年 3月
 菜の花がひと足早い長距離電話 いまいまい
 そよ風が好きなケータイストラップ 児玉 浪枝
 誕生日 ピアスはずした耳触る 石田 穗實
No.46 2003年 2月
 冬という景色を身の内に移す 渡辺 和尾
No.45 2003年 1月
 懐かしい音に餅つく杵の音 渡辺 妙子
 冬の雲 人懐っこい顔をして 深谷  歩
 塩か砂糖 遠い記憶を舐めてみる 恒川和左子
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