エレオノーレ弦楽四重奏団
 ELEONORE STRING QUARTET

《後期ベートーヴェン/シューベルト》シリーズ Vol.V

eleonore

2005年11月25日(金)19:00(開場 18:30)
電気文化会館ザ・コンサートホール


シューベルト:弦楽四重奏曲 ト長調 D.887
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.135


【全自由席】一般 4,000、学生 2,500
【予約、お問合わせ】スタジオ・ルンデ TEL:052−203−4188

●東京公演:11月28日(月)19時 津田ホール
【全自由席】一般 5,000、学生 3,000
 古めかしい言い回しだが、四半世紀にわたってその演奏を聴かせてもらってきた岡山さん夫妻を形容しようとする時、「琴誌相和し」という言葉がまず思い浮かぶ。
 いつのまにか岡山さんの髪は自さを増し、芳子夫人は楽譜を見るのに時折メガネを使うようになったが、二人は美しく年輪を重ね、流れ出る音楽はいよいよ深みを増している。
 ベートーヴェンの後期、そしてほぼ同時期に書かれたシューベルトの弦楽四重奏曲を組み合わせたこの6回のシリーズも、今回を含めてあと2回。まことに名残り惜しく、それだけにじっくり心落ち着かせて聴き入りたい。
 考えてみれば、「琴琵相和し」という漢語は、そのまま弦楽四重奏の奥深い世界に通ずるではないか。最近は、とかく派手な効果をねらったり、時に神経症的だったりする四重奏団があるようだが、そうしたものとは無縁のエレオノーレ弦楽四重奏団が紡ぎ出す「琴琵相和す」響きは得難く、貴重だと思う。

舟生素一【ジャーナリスト】

後期ベートーヴェン&シューベルト シリーズ一覧

◎ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲5曲を作曲年代順演奏。
 第6回のベートーヴェンは、不評だった Op.130 の終楽章を後年書き直した版による。
 第5回は、両作曲家の最後の弦楽四重奏曲を、第6回は同じく絶筆となった作品を配した。
第1回:2003年秋
※名古屋:11月26日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.127
シューベルト:弦楽四重奏曲 イ短調 D.804「ロザムンデ」
第2回:2004年6月
※名古屋: 6月20日
シューベルト:弦楽四重奏曲 ハ短調 D.703「断章」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 イ短調 Op.132
第3回:2004年秋
※名古屋:11月25日
シューベルト:弦楽四重奏曲 変ホ長調 D.87
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.130「大フーガ」
第4回:2005年6月
※名古屋: 6月24日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 嬰ハ短調 Op.131
シューベルト:弦楽四重奏曲 ニ短調 D.810「死と乙女」
第5回:2005年秋
※名古屋:11月25日
シューベルト:弦楽四重奏曲 ト長調 D.887
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.135
第6回:2006年春
※名古屋: 6月27日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.130
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956 ※【共演】山崎伸子(vc)

エレオノーレ弦楽四重奏団

 エレオノーレ弦楽四重奏団は、1993年に設立され、べートーヴェンの初恋の人といわれているエレオノーレ・フォン・ブロイニングに因んだ命名の通り、ベートーヴェンの作品研究発表に活動の重心を置き、2000年まで6年問に亘ってベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏シリーズを東京、津田ホールで開催し、室内楽ファンの高い支持を得る。1995年にはヨーロッパ公演を行い、べルリン、ウィーン、ボン、ブタペスト等各地で好評を博す。
 2002年からヴィオラが交代し、ヴァイオリン/岡山潔、服部芳子、ヴイオラ/川崎和憲、チェロ/北本秀樹というメンパーで活動を再開した。2005年にはポンのベートーヴェンハウスの招きで、再ぴヨーロッパ公潰を行う予定である。毎夏、山梨県小淵沢で行われる「リゾナーレ高原音楽祭」の中心アンサンプルとして活躍。また、長野県原村で毎春開かれている「原村室内楽セミナー」の講師として若手弦楽四重奏団の育成にも情熱を注いでいる。

岡山 潔(ヴァイオリン)

 東京藝術大学・同大学院修了。1968年ドイツ政府給費生としてハンブルグ音楽大学留学。同マスターコース修了。1970年ベルリンにてメンデルスゾーン・コンクール(弦楽四重奏の部)第一位。1971年より13年間ボン市ベートーヴェンハレ管弦楽団第一コンサートマスターを務める。1984年帰国、読売日本交響楽団首席コンサートマスターとして7年間活躍する。現在、東京藝術大学教授及び武蔵野音楽大学講師。

服部芳子(ヴァイオリン)

 東京藝術大学・同大学院修了。1968年ドイツ政府給費生としてハンブルグ音楽大学留学。同マスターコース修了。1970年ベルリンにてメンデルスゾーンコンクール(弦楽四重奏の部)第一位。ミュンヘンにて全西独音楽大学コンクール(ヴァイオリン部門)で優勝。1971年ブリュッセルにて岡山潔とのヴァイオリン・デュオでイザイメダル受賞。1984年帰国。現在、愛知県立勢術大学教授。

川崎和憲(ヴィオラ)

 東京藝術大学卒業在学中の1977年東京フイルハーモニー交響楽団に首席奏者として入団。同年・民音コンクール室内楽部門において1位なしの2位に入賞。1980年同大学院を修了し、ベルリン藝術大学に留学。帰国後NHK交響楽団に入団。1983年ゼフィルス弦楽四重奏団に参加、1991年までカザルスホールのレジデンスカルテットとして活躍。現在、NHK交響楽団首席奏者及び東京藝術大学講師。

北本秀樹(チェロ)

 桐朋学園音楽高等学校、同大学ディプロマコースを経て文化庁海外派遣研修生としてジュリアード音楽院に留学。チェロをハーヴィ・シャピロに、室内楽をロベルト・マンに師事。第42回日本音楽コンクール第2位。第15回東京国際音楽コンクール室内楽部門第1位。1996年まで21年間東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者を務める。東京藝術大学、桐朋学園大学及び同短大、日本大学芸術学部の講師も務める。サイトウ・キネン・オーケストラ・メンバー。


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