○ルンデの自主公演終了に思う 【T. F. 】
(編集注:2006年6月25日例会のアンケートに続いて)
 さて、ルンデの自主公演は、今日で終わりということで鈴木詢さんとの古いつきあいを、回顧する。彼と私は名大管弦楽団の同期生である。当時、発足したばかりの名大オケは、珍事、変事の連続だったが、音楽的質を落とさないように頑張った。
 鈴木さんが指揮術をマスターし、翌年、私が打楽器パートを受け持った。鈴木さんの芸術的良心はレベルの高いもので、私も「フィンランディア」でシンバルのリピートを落としたり、屋外演奏で、大太鼓のバチを忘れてしまった時は「こぶしで叩け」という厳しいものであった。
 あの頃スクリャービンのピアノ曲を好んで、休憩時間に弾いていたが、私は一昨年、上原彩子の演奏会で、はじめて、スクリャービンの夢幻的な凄さを知り、鈴木さんの「早熟」さと、私の「おくて」を思い知らされた。
 「エグモント」のティンパニーで、はじめて鈴木さんから「女性のアンケートでティンパニーが素晴らしい、と書いてあるよ」と、言われて、喜んだ。素気なく有頂天にさせてくれる才能は、鈴木さんをカリスマと呼ぶほかない。

○関西から「御苦労様」 【Y. K. 】
 ルンデが25年の活動を終わって、あそこでもう素晴らしい音楽家の方々の演奏が聞けなくなるのはとても残念ですが、個人の力でこれだけの歳月を、レベルの高い演奏会をつづけてこられたことに、改めて感動しています。
 私は関西に住んでいるので、特別に聞きたい人の演奏会でないとなかなか行けませんが、今思い出して一番印象に残っているのは、1997年でしたか6月にバルトーク四重奏団を聞きに行ったときです。
 私はバルトークの曲を理解できるかなあと少し心配してましたが、室内楽の演奏にもっともふさわしい、あの空間で、バルトークをレパートリーとして演奏されるのを真近で見聞きして、あらためてバルトークがすばらしい作曲家であることと、この作曲家の曲をレパートリーとして聞かせてくださったグループと、開催してくださったルンデの鈴木先生にとても感謝しています。特にあの日は、オーナーの方のか出演者の一人でしたか忘れましたが、その人の為にと、アンコールでハピー・パースデイを10回もの変奏曲にアレンジしたのを演奏して、会場のみんなを大喜びさせてくださったことです。
 私の大好きなハープの吉野さんのコンサートにもみな行きましたし、最後のころに8年ぶりという舘野さんのピアノ独奏も一番前で、はく息、吸う息も聞こえる席で、聞くことが出来て感動でした。今後も、ルンデでもし素敵な演奏会があったら、是非ゆきたいものです。
 長い間、選りすぐりの演奏を提供してくださって、本当にありがとうございました。

 思い出したことがもう一つあります。  長い間「弦楽四重奏」というものは、退屈で居眠りしたくなるもの、とおもいこんでましたが、ルンデのような空間は、これにもっともふさわしい、そして、とても聞き心地のよい音楽ジャンルだということを発見したのも、ルンデで聞いてからです。今はこのジャンルが大好きです。


○『感謝!!』 【K. I.】
 私が初めてルンデのホールにうかがったのは、1994年の潮田益子さんの無伴奏ヴァイオリンの演奏会でした。若い時代にレコードで聴いたシベリウスの協奏曲の潮田さんを直接聴きたくてうかがったのですが、真近かに演奏を聴き、しかもお話しまでさせていただいて、びっくりしながらその幸運を喜んでおりました。
 私は音楽のことについて殆ど何も知りません。そんな私がこんな場所に、こんな席にいていいのだろうか、と思いながら、スタッフの皆様の暖かい笑顔に甘えて、以後沢山の素晴しい演奏を聴くことができました。
 本当にありがとうございました。
 今、プログラムを眺めていますと、最後に聴かせていただいた潮田益子さんと佐々木京子さんの演奏会、和波孝禧さんの暖かい、優しい語りとヴァイオリン、土屋美寧子さんの優雅なそして熱いピアノ、そしていつもCDで聴いている曲とは思えなかった小山実稚恵さんのロマンティックなバッハ平均律の演奏会など、次々に思い出されてきます。
 あらためて、真近に著名な演奏家の素晴しい演奏を、素晴しいホールで聴くことが出来た幸せを感じております。
 鈴木代表を始めスタッフの皆様に心からお礼申し上げますと共に、これからの皆様のご健勝をお祈り申し上げます。