○素敵なもてなし有難う 【M. M. 】
 長い間素敵な音楽とおもてなしを有難う。
 高橋悠治さんのバッハのフーガの技法が聴きたくて、ずっとコンサート情報をみていました。残念ながらフーガの技法を聴くことはできませんでしたが、それを補って余りありすぎるほどの沢山の音楽を聴くことができました。
 他の演奏会では聴くことのできない曲や作曲家。何でも聴くという姿勢をもつことを教えていただきました。“自然界や世の中に人間の感覚にとって心地よい音、耳障りな音があるが、音楽そのものには美しい音も醜い音もない”というロストロポーヴィッチに倣い、これからも音楽聴き道?に励みます。

 PS 「尚休憩時間にはお茶のサーヴィスを一階で致します。毎度のお願いですが携帯電話・ポケベルの類はお切り下さい。」が聞けないと思うと淋しく感じられます。


○25年間御苦労様 【K. M. 】
 まずもって25年間御苦労様でした。そしてありがとうございました。
 RIM メンバー、そしてルンデの会員になって約20年。自分の居場所がなくなるようでとても寂しいです。大ホールにない、小ホールの親しみやすい雰囲気の中で、演奏を聴ける喜び! これからどうしたらいいのでしょうか? また再びこのルンデの会場でコンサートを聴ける日を楽しみにしております。

○「ルンデを楽しんだ聴衆の一人として」 【K. I.】
・1.会員になったきっかけは?
 会報 No.186へ寄稿していますが修正と追加が必要です。開館10周年の中村(現金澤)攝さんの記念例会に招待してもらったのを契機に入会だと思い込んでいたのですが、記憶はあてにならないもの、86年の5周年記念例会の方だったことが調べて分かりました。その2年前に、南日美奈子さんのピアノ・リサイタル(ルンデの会後援)に参加したのも確実ですので、飛び飛びに、少なくとも22年間ルンデで楽しませてもらったことになります。
 残したチケットから、計280回強(コンサート全参加数の三分の一位には相当)も訪れ、そのうち約200回は、定年退職後のこの6年間に集中と判明しました。(比較的多く参加できるようになったは、勤務先企業が「ノー残業デー」を設定した頃から、サイン会・写真撮影にも残れるようになったのは、時間短縮のはかれる地下鉄桜通線の開通後でしょう。)

・2.ある夜ピアノ・リサイタルに驚く!
 ピアノ音楽愛好家ではありませんでした。でも、入会してまもなくの91年11月、「時間があれば、(電話して)飛び入りでも例会参加を!」のような誘いに応じて、「Nordic Light(第3夜)スウェーデンの音楽を聴く」という例会にたまたま参加しました。マッツ・ヴィドルトさんというその地の若いピアニストが現代音楽を含めスウェーデン音楽を紹介されたと思います。聴衆は20名位だったでしょうか、そんなに参加者の少ないコンサートに参加したことがなかったのでビックリしました(その後、これが必ずしも例外ではないことを知り、もっとビックリしましたが)。
 紹介された音楽に予備知識はなかったのですが、ピアノ音楽も現代音楽も面白いものだと感じました。奏者の「変わらぬ」情熱にも大いに感じるところがありました。その後4回もその年は例会に集中参加しているので、この例会こそ、私がルンデという「聴く場」を認識した始まりなのでしょう。

・3.ジャンルが広がる
 その後、全ての例会に参加したいと長年思っていました。2000年に早期退職し、その機会が巡ってきました。
 そのずっと前、93年の新年例会で多分初めてチェンバロ生演奏を聴きましたし(小林道夫さんのニューイヤー恒例ゴルトベルク変奏曲)、94年には御喜美江さんのクラシック・アコーディオンと佐藤豊彦さんのリュートを、また95年には崎元譲さんのクロマチック・ハーモニカを、いずれもその楽器の生演奏としては初めて聴きました。全て名手だったことは実に幸せなことでした。この他、コントラバス、ヴィオラ、オーボエも、初めてソロ楽器として聴いたと思います。
 ほぼ全例会に参加し、初めて主宰者・鈴木さんの紹介される室内楽、また奏者の全貌を知ったことになります。ピアノは言うに及ばず、聴きたい楽器と音楽のジャンルがぐんと広がりました。現代曲にも全然抵抗がなくなりました。とにかく奏者の質の高い演奏でいろんな曲が質の高い聴衆と共に聴け、楽しかったです。ピアノ音楽、特に、長い本格的な曲への興味の点では、98年10月のシュテファン・ヴラダーさんのゴルトベルクの例会も影響が大きかったと思います。
 弦楽四重奏でのジャズ、というのもプラハのアポロン弦楽四重奏団の演奏で触れ、98年には、会報No.197−199に寄稿したように、同団の演奏を名古屋とプラハで同じ年に続けて聴いた世界で一人の聴衆になりました。
 前から聴いていたアマチュア奏者の演奏を本格的に聴くようになったのも、ルンデでのバルトーク弦楽四重奏団の公開講座を97年5月に聴いてからだと思います。その後も何度かこの公開講座を聴衆として聴きましたが、愛好家として得るところが多くありました。(もっとも自分自身が楽器までやり始めることになろうとは、その頃は思いもよりませんでしたが)。

・4.初演経験は数えきれず!
 「その時奏者の一番やりたいことをやってもらう」というルンデのポリシーは、多くの現代曲の初演を呼びました。私も数え切れません。(金澤攝さんの演奏は、恐らく「ほとんど初演のようなもの」なので、これだけでも、またおびただしい数になります。)
 もちろん、1回の経験では評価の難しすぎるものもありましたが、概ね、非常に楽しく聴けたのは幸いでした。こんなに初演を聴いたホールはもちろん他にはありません。参加されなかった気の毒な方に一つだけ珍しいものを紹介するとすれば、御喜さんが夫のシェンクさんとデュオ曲初演をされたときは、通常客席になるフロアー中央で、ピアノの演奏と共にシェンクさんがピアノと踊られました(95年3月。ヘスポス作曲の「ピアル」)。ピアノと抱き合うピアニストはなかなか見られないと思います。

・5.何が印象に残ったか?
 登場奏者に裏切られたことがない、というのが一番です。とにかく来訪演奏家は皆さん真の演奏者と感じました。
 それと重なりますが、例会のあと残ってサインを貰ったり写真を一緒にとって貰ったりする中で、奏者の人柄が本当に素晴らしく、そのことを知り得たのも幸せなことでした。それまでの経験(特に地元の奏者について)は必ずしもそうではありませんでしたので。
 05年10月に、マンハッタン弦楽四重奏団のショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全曲演奏を朝から晩まで一緒に聴いた人が30人以上もあるように、「仲間」として、会員を始めとする熱心な聴衆と知り合えたことも終生忘れられないでしょう。その方々の会報感想は、顔を浮かべつつ、またあらためていつか読んでみたいと思っています。

 私は、その昔、厳本真理弦楽四重奏団の故・厳本真理さんが、アマチュアの感想を興味を持って読んでおられる(評論家の評以上に重視!)と聞き、聴いたものには拙いながらもその場で何らか感想を記すよう努めてきました。ただ、貴重な会報紙面を駄文(会員さんから記憶違いも多く指摘されました)で占めることが多かったのは申し訳ないことでした。

 本格的に例会参加したのが遅く、あの人もあの団体も聴き逃した、として挙げると両の手指の数を軽く超えますが、故ニコライエーヴァさん(ピアノ)やバルトーク弦楽四重奏団を最後まで聴けたこと、最愛好ジャンルの弦楽四重奏でもアルテミス、パシフィカ、クスのような飛び切りの若い団体を知り得たこと、それ以外にも超一流演奏家の多くを何度も聴けたこと等で、むしろ良しとしたいと思っています。

 主宰者の鈴木さん(夫妻)、歴代スタッフの方々、本当に長い間お世話さまでした。一番多く楽しませてもらった聴衆の一人として、心より厚くお礼申しあげます。