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Concert  Re-view
2003

コンサートへの反響を紹介。



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2003年のコンサートから
和波孝禧&中野振一郎(12/14)    小山実稚恵(12/6)
佐藤俊介(12/2)    吉原すみれ&谷 篤(11/24)    アルテミス・カルテット(11/16)
クァルテット・エクセルシオ(11/11)   児玉麻里 ベートーヴェン〜1(11/3)
バルトーク弦楽四重奏団(10/24-26)   ジェラール・コセ(10/5)
オーケストラ・アンサンブル金沢 第19回名古屋定演(9/22)   鈴木理恵子・高橋悠治 デュオ(9/21)
金澤 攝(9/17)   ジュリアン・ブリス(9/15)   横坂 源(9/7)
原田綾子(8/20)   漆原啓子・朝子(8/9)   堀米ゆず子(7/13)
小山実稚恵(7/5)   オクトバス4(6/22)   寺谷千枝子(6/15)
プライ&グルダ(5/27)   クス・クァルテット(5/23)
ダヴィッド・ゲリンガス(5/11)   金澤 攝 キュイ(5/10)
堀米ゆず子&児玉 桃(4/13)   アンティゴーニ・ゴーニ(4/9)
菊池洋子(3/30)   御喜美江(3/9)   小山実稚恵(2/2)
佐藤豊彦(1/26)   ハレー・ストリング・クァルテット(1/20)   寺島夕紗子(1/19)

和波孝禧&中野振一郎 バロックヴァイオリンとチェンバロによるJ. S. バッハ 3
2003年12月14日 スタジオ・ルンデ
○一段と熱演で感銘しました。
 和波さんの自由な幅のある音色もすばらしかったし、前半の中野さんの抑制のとれた演奏も印象深かった。【千種区:M. M. 】
○和波さんのバロックヴァイオリンのお話とても興味深く聞かせていただきました。和波さんが演奏されるバロックヴァイオリンはとてもおだやかで安心した気分で聞くことが出来ました。ありがとうございました。【広島県:N. T. 】
○バッハは素晴らしい。和波さんも素晴らしい。生きている喜びを感じました。次回はバロックヴァイオリンで無伴奏をききたい。【無名氏】
○雑事にまぎれて忘れていた大事なことを思い出させていただいて感謝します。【北区:T. T. 】
○何年か前、小林さんのチェンバロの新年演奏会に来て以来ですが、生の演奏はやはり、いいです。大きな会場では味わえない、ぜいたくな気分を楽しみました。
 「シャコンヌ」……ヴァイオリンのすべてがあった。“和波さん”また、やってください。【無名氏】
○今年も素晴らしい和波さんと中野さんのデュオ・コンサートでルンデを締めくくれ幸せでした! 和波さんのピリオド楽器によるバッハは、昨年よりさらにみがきがかかり素晴らしかったです。以前の通常楽器によるアルミン・タールハイムさんのチェンバロのデュオも良かったのですが、今回のも、心に浸みました。聴きたいと思っていた和波さんのシャコンヌがまた聴け、本当に幸せです!【緑区:K. I. 】
○和波さんのコンサートに来るのは何回目になるのだろうか。いつも和波さんのトークがあり、暖かく誠実な人柄に接して心が洗われる気がするのだが、考えてみればそもそもこのコンサートのタイトルは「ヴァイオリンを語る」なので、単に和波さんの演奏を聞くだけではなく、和波さんのトークも重要な要素になっているのである。
 というわけで、まず和波さんのトークから始まった。バッハの音楽というのはいろんなところにいろんな工夫がしてあり、弾くたびに新しい発見があるということから始まり、これから演奏される第4番と第5番のソナタについての解説があった。これで演奏者と聴衆の間に何か絆ができたようであった。
 そして演奏になった。バロック・ヴァイオリンをバロックの弓で弾き、しかもヴィブラートを最低限にしての演奏なので、実にひなぴた感じの音楽であった。考えてみると、この音楽が作られたころというのは社会全体が今のように複雑でもないし騒々しい娯楽もなかったわけで、当時の人にとってはこのような音楽がまさにナウい音楽だったのだろう。現代の感覚からすると変化が多いとはいえない音楽であるが、目をつぶって聞いていると、当時の人たちがきらびやかな衣装を身にまとってこの音楽に耳を傾けている様が思い浮かび、タイムスリップしたような気持ちになった。古い音楽を古い楽器で演奏されるのを聴くときには自分をその時代に戻して聴くと味わいが出てくるのではないかと思う。そして実はルンデヘ来る前にデューラーの版画展を見てきたので、それと重ね合わせても聴いていた。デューラーは15世紀の人だからバッハよりさらに300年ぐらいさかのぽるわけだが、社会の雰囲気としてはバッハの時代にかなり近いのではないだろうか。そんなことを考えながら聴いていた。
 休憩の後のトークは、バロック・ヴァイオリンとモダン・ヴァイオリンの両方を弾く難しさからはじまり、最近障害者の施設で演奏されたときの話があった。そしてちゃんとした場でバロック・ヴァイオリンで“シャコンヌ”を弾くのは今日が初めてなので、実験に参加してくださいとのこと。バッハの音楽には、常に信仰が根底にあるという話もあった。実はデューラーの版画は九割がたは宗教画なので、デューラーを思い浮かべながらバッハを聴くのは間違いではなかったんだなあと思った。
 そしてシャコンヌが始まったが、これは意外とモダンな響きがした。思うに、和穣さんはこの曲をこれまでモダン・ヴァイオリンでずいぶんの回数演奏されてきているので、完全にバロックの演奏様式にはなりきれなかったのかもしれない。もっとも、聴いているほうはいつもの音楽が流れてくるので気楽であった。
 第6番のソナタが演奏された後、アンコールはソナタ第1番の第3楽章のアンダンテと、この日演奏されたソナタ第6番のフィナーレが演奏されたが、その前に、クリスマスというのは自分が今存在するのはすべてまわりの人のおかげだということを思い起こすよい機会だという話があった。これもまた感銘深かった。
 音楽の演奏というのは、単に指がまわればいいというものではないことはもちろんであるが、音楽の精神性について和波さんほど深く考え、そしてそれを一生懸命に聴衆に伝えようとしている方はいないのではないかと思う。音楽というものの存在価値、自分の人生への音楽の活かしかたについて指針をいただいたような気がしたのであった。【知立市:T. S. 】

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小山実稚恵 スクリャービンとラフマニノフ 3
2003年12月6日 スタジオ・ルンデ
○100点。【M. Y. 】
○小山さんのファンなので迫力ある演奏に感激しました。
(ルンデは)初めて来ましたが、こんなすばらしい、アットホームなスタジオだとは知りませんでした。【半田市:F. F. 】
○楽しませて頂きました。小山さんのこのシリーズを聴き始めてからスクリャービンがだんだん身近に感じられる様になり、好きな作曲家の仲間入りをしつつあります。
ソナタ第4番面白いですね。エスプリが感じられる様なジャズ風な……。少しガ−シュインに似ている感じもしました。が、ラフマニノフが始まるとやはり圧倒されてしまいました。ソナタの1番、今度是非大きなホールでも聴いてみたいと思いました。アンコールのラフマニノフの前奏曲、スクリャービンの左手のための……も素敵でした。しっとりと今日の幕を閉じてくれました。
(ルンデは)演奏家の方がご自分の演奏なさりたい曲を弾いて下さる機会を作って下さって、観客としても嬉しく思います。【東海市:T. Y. 】
○日本を代表する名ピアニストの名演奏を身近に感じながら楽しめました。東京でコンチェルトは何回か聴きましたが親近感が全くちがい大変良かったと思います。
(ルンデは)ピアノの音が他のコンサートホールと違って非常に生々しい。【港区:A. N. 】
○いつものことながら、素晴らしい演奏会でした! 小山さんの抜群のピアニズムで弾かれるスクリャービンとラフマニノフの曲、美しかったです。スクリャービンでは、練習曲のうち短調の2曲が特に好きです。また両ソナタも他の楽章が印象的でアンダンテがとても美しく響きました。ラフマニノフの大曲、すごい演奏で、あっという間に時間が過ぎました。
 それにしても、アンコールも力を抜かずいつも一杯にやってもらえ幸せです!【緑区:K. I. 】
○グングンと引きこまれて行く演奏でした。ラフマニノフの曲をもっと聞きたかった。【無名氏】
○今日は、フォルテの迫力もさることながら、デリカシーの極致とも云えるピアニッシモを十分味わうことが出来ました。これもルンデならではですね。【熱田区:D. H. 】
○このシリーズで、ラフマニノフの“24の前奏曲”と“音の絵”が是非聴きたかったがないようなので残念です。コンサートを追加して頂けるとうれしいです。又小山さんにはルンデでショパンの練習曲集も是非演奏して頂きたいです。【無名氏】
○小山実稚恵さんというピアニストは、その人が自分の目の前で演奏してくれるというだけで聴き手は感動してしまうタイプの演奏家だと思う。そういう感動を作り出す要因のひとつは、演奏者の、音楽に対する真摯な姿勢(あるいは謙虚さ)であり、もうひとつは聴衆への心配りである。もちろんこういったことはどの演奏家でも心がけていることではあるが、小山さんの場合、それが実に素直な形で出てくるので、聴衆は酔わされてしまうのである。
 3つの練習曲から始まったが、最初の作品2の1の曲が始まったとき、ああこの人のピアノは何といい音がするのだろうと思った。最近思うのだが、同じピアノを弾いても弾き手によって音色がずいぶん違う。これはタッチとかペダルの使い方とかいろんな要素があるのだと思うが、結局はセンスの間題で、持って生まれた天分によるところが大きいように思う。
 練習曲の後、一旦引っ込んですぐに出てこられ、ソナタの4番と3番をほとんど間をおかずに演奏された。この2曲については、来る前に楽譜を見ながらCDでちょっと「予習」をしたので、あの楽譜がどのように演奏されるのかということを主眼として聴くことになったが、聴きながらつくづく思ったのは、小山さんはこの複雑な曲を自分なりにちゃんと整理し、聴き手にそれを解き明かしているなあと言うことであった。どちらの曲も、楽譜を見た限りでは恐ろしげな音譜が連なっており、一体どの音譜を聴けばいいのかよくわからないのだが、小山さんの演奏を聴いているとなるほどなるほどと納得できるのである。つまり小山さんは音譜の連なりに過ぎない楽譜から絵を描き、それを聴衆に見せてくれているのだと思った。おかしな言い方だが、音楽が見えるという感覚をはじめて味わったのであった。
 休憩の後はラフマニノフのピアノ・ソナタ第1番。実はこれも予習をしようと思ってCDを探したのだが、全然知らない日本人演奏家の弾いたのが1枚あっただけなので、CDを買うのはやめにした。従って今回は予習が出来なかった。したがってどんな曲だろうという興味が先行したが、スクリアビンに比べるとかなりクラシックな響きがした。第3楽章が大変に長く、いろんな曲想が現れては消える。こういう曲は曲想が変わったときの気持ちの持ってゆき方が難しいだろうなあと思いながら聴いていた。意外に長い曲で、35分かかった。奥行きの深い曲のように思えたので、機会があったら勉強してみようと思う。
 小山さんのこのシリーズも後1回ということになったが、次回は来ることが出来ないので、自分にとってはこれが最終回ということになった。これまでの演奏を聴いたことで、スクリアビンという、ちょっととっつきにくい作曲家を理解する手がかりが出来たように思うし、ラフマニノフについては、ピアノ・ソロの曲がこんなにもいろいろあるんだということを教えられた。どちらの作曲家についてももっともっと聴いてみようという気持ちになっている。小山さんの素晴らしい個性とあいまって自分にとってとてもためになったシリーズだったと思う。小山さん本当にありがとうございました。【知立市:T. S. 】

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佐藤俊介 ヴァイオリン・リサイタル ※ルンデあしながクラブ推薦コンサート
2003年12月2日 スタジオ・ルンデ
○モーツァルトはしり上がりに良くなったと思います。鋭角的な感じのするモーツァルトでしたが、緩徐楽章の歌わせ方も上手だと思いました。オーリックの曲はピアノ曲しか聴いたことがないと思いますが、面白い曲で、演奏も素晴らしかったです。ピアノも細部まで丁寧で、好感を持ちました。
 後半バッハの無伴奏は、スケールの大きい演奏で、私は大好きです。アンコールも含め、人をひきつける魅力がありました! 高音が安定していて美音でした! こちらのピアノの伴奏も良かったので、今後も精進してもらってお二人に大成してもらいたいものです。【緑区:K. I. 】
○身体全体で若さを感じました。若いっていいなあとつくづく思い知らされ改めていい演奏会にきて良かったです。12月だからこそ心のゆとりを持って新しい年をむかえたいと思い出てきました。ありがとうございました。ルンデにいい事が一杯あることをお祈りします。本当に皆親切で好感の持てるいい場所です。【千種区:無名氏】
○バッハが特に素晴らしいでした。益々活躍されることと確信して、楽しみにしております。また聴かせて下さい。美しい音色がまたききたいです。【千種区:Y. H. 】
○この日は実にいろんな音楽を聞かせてもらった。モーツァルトに始まり、ちょっと珍しいオーリックのソナタ、そしてヴァイオリニストのバイブルともいえるバッハを弾いた後、小品をいくつか。そして最後はパガニーニという構成である。しかもどれもちゃんとさまになっていた。19歳にしてもうこれだけのレパートリーがこなせるというのはまさに驚きである。しかも演奏のときの風格がすっかりプロの雰囲気でありながら、若い人独特のすがすがしさもあり、たしかに成長株であると思った。
 印象に残った順番に感想を書くと、まずオーリックのソナタ。初めて聞いたが、叙情的な部分と、時に奇矯とも感じられる鋭い部分が入り混じり、変化に富んだ面白い曲であった。俊介君としてはこの日のプログラムの中でもっとも「聞いてほしい」曲だったのではないだろうか。曲想を自由自在に操り、縦横無尽に曲の持つ魅力を引き出しているという感じであった。なお、この曲はビアノ・パートがかなり難しそうで、佐藤卓史君の実力が十二分に発揮された。
 バッハはソナタの2番。これは無伴奏6曲の中では比較的演奏される機会の少ない曲である(なぜこれを選んだのか聞いてみたいものだ)。この曲ははじめの3つの曲(楽章)はどちらかといえばおとなしい感じであるが、第4曲で一挙にはじける。そのあたりのもってゆきかたはなかなかにうまく、若い人の陥りやすい「技術優先」とはまったく違って、大人の音楽を作っていた。
 モーツァルトのK.378は古今東西ありとあらゆるヴァイオリニストが弾いている曲で、そういう曲をプログラムの最初に持ってくるというのは、かなり勇気のいることである。そして聴いていて納得したのは、彼はこのポピュラーすぎる曲に「若さ」をいっぱいに吹き込んで演奏したということであった。それが彼のセールス・ポイントだったのだろう。全体としてこれまでわれわれが聴いている演奏とはかなり違って、十分すぎるほどの「活気」があった。なるほどこれが彼のモーツァルトなんだなあと思い、「私のモーツァルトを聴いてください」という彼の言葉が聞こえてくるようであった。
 バッハの後に演奏されたダンブロージオとクライスラーはどちらも気楽な曲で、演奏しているほうも自由にテンポを動かしたりして、いい意味で「遊んで」いる感じだった。それまでの3曲は、どちらかといえばあまり遊ぶ要素がなかったので、ここへきて演奏するほうも一種の開放感があったのではないかと思う。聴いていてもとても楽しかった。
 最後のパガニーニはとにかく超絶技巧のオンパレードで、まさに魔法にかかったような気分で聴いて(見て)いた。ところで実は自分はこういった曲芸的な曲は基本的にはあまり好きではない、というのはヴァイオリニストが苦労して弾いているのを見るのがいやだからである。ところが佐藤俊介君はどんな恐るべきパッセージでも、何の苦もなくやすやすと弾いてしまうので、聴いていてまったく抵抗がなかった。なるほどこの曲はこういうふうに弾くものなんだと感心した。パガニーニをこんなふうな感じで聴いたのははじめてであった。
 アンコールはクライスラーの「愛の悲しみ」をさらっとやっておしまいになった。
 ところでこの秋ヨーロッパヘ行って、ヨーロッパの音楽事情を知る機会があったが、そこでわかったことは、東洋の若い演奏家というのはちょっと物珍しいので興業主が好むということである。だから本当に価値が認められるのは、初期の「物珍しさ」が終わった後ということになる。佐藤俊介君はこの後も外国での演奏の予定がたくさんあるらしいが、「物珍しさ」で終わってしまわないようにマネージメントをしっかりやってほしいと思う。実力としては十分にあるのだから。【知立市:T. S. 】

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吉原すみれ with 谷 篤
2003年11月24日 スタジオ・ルンデ
○思いがけず歌の素晴らしさ、久しぶりにたんのうしました。打楽器ちょくちょく聞かせてください。【無名氏】
○前半、村松さんのヴィブラフォンの曲が、前半の楽章は俳句のせん細さを示しているかと思うものであったのに対し、第3楽章が強音のうなり、重なりを生かした超絶技巧に変わったのにビックリ。でも良い曲でした。
 後半、2曲、谷さんの歌が非常に良かったです。「骨のうたう」では、吉原さんのパーカッションは、骨箱の中の骨の動きを模したものかと思います。最後のチン、は仏壇のそれかも。高橋悠治さんの批判精神を感じました(小牧の自衛隊員が聴いてくれるとよかったのですが……)。
 林光さんの作曲については、最近オペラを見て、音楽がシンプルだけれど、とても良いのに気づきましたが、今日の太宰短編のモノオペラ化のような歌曲でも、バックのパーカッションはシンプルだけれど、とてもしっくり聴けました。
 素晴らしいコラボレーションでした! 【緑区:K. I. 】
○私も打楽器奏者を志したことがある位打ち込んだことがあるので今日の演奏は大変勉強になりました。吉原さんの演奏を生で聴いたのは初めてでしたが、吉原さんはすごいなと改めて感じました。
 ジェフスキーの『To the earth』はエヴェリン・グレニーの演奏を聴いたことがあったので面白かったです。ヴィブラホンソロの曲も良かったです。林光の曲は、J. S. バッハの『マタイ受難曲』などをヒントにしているのかなと思いました。曲の作り方がそんな感じがしました。それにしても高橋悠治はすごいですね。さすがといった感じでしょうか。また吉原さんの演奏会があったら行きたいと思います。谷篤さんもよかったです。 【天白区:H. I. 】
○いまさらながら、吉原さんのレパートリーの広さには舌を巻きます。この極めて限られた(と思われる)条件の中で、こんなにも多彩な作品をモノされているとは……。彼女あってこそ作曲家が創作意欲をかきたてられているのでしょう。とにかく、こんな面白いジャンルがあるとは、こたえられません。それにしても客が少ない。名古屋には打楽器関係者はいないのかしらん?【無名氏】

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アルテミス・カルテット
2003年11月16日 スタジオ・ルンデ
○音楽の秋。2003年の秋。私を通り過ぎた十数回の名演。その中でも今日のアルテミス・カルテットが No.1、最高でした。
 音の美しさ、きれ味、迫力、すばらしい演奏を間近で拝聴でき、とても幸せでした。選曲も私好み?とても解り易かったので楽しい時間になりました。
(ルンデは)私のユートピアです。【annoy】
○いわば音楽の「彫り」の深いアルテミスのこと、もちろん期待はしていましたし、魅力十分なプログラムでしたが、期待はうら切られませんでした!
 ピアソラの編曲も、響きがとても面白かったです。ヴィオラが第1ヴァイオリンとチェロの間に移ったのも効いていました。
 アルテミスのヤナーチェク、とてもドラマチックでした。
 「死と乙女」、冒頭から、独自の工夫が分り、とても独自性を感じる素晴らしい熱演でした。(それにしても、1年以内に子供を産んで、この演奏、外国の女性アーチストはたくましい!)【緑区:K. I. 】
○話題の“天使の組曲”本当に楽しかったです。ヴァイオリンはもちろんですが、ヴィオラやチェロが演奏の中で踊っているように感じました。
ルンデでさまざまな演奏者と曲に出会えるのがとても楽しみです。
(ルンデは)とっても身近でいいホールです。席が空いているのが残念です。みなさん聴きにおい出くださーい。【広島県:N. T. 】
○すばらしい。このカルテットと再会できて幸せです。どの曲の演奏もすばらしかった。ピアソラの演奏は流行りだったとかいうこととは無関係の、作曲者への深い共感に支えられていたと思うアンコールもおしゃれだった。もっと知られるべきグループだ。【瑞穂区:K. T. 】
○実にスケールの大きい演奏でした。鋭いリズムがぴったりきまって音楽を大きく深くほりさげます。「死と乙女」など初めて聴いた感動を思い出しました。この曲にかけたシューベルトの呼びが聞こえるようでした。
 ピアソラもまったく新しい曲のように聴きました。ヤナーチェクの曲の激しさにもびっくりしました。【中村区:M. I. 】
○すばらしかったです。今後の活躍をお祈りします。【千種区:K. K. 】
○はちきれんばかりの熱演見事でした。天使の組曲は切れ味するどく新鮮でした。【北区:H. T. 】
○驚異的なカルテットですね。ヤナーチェックの「内緒の手紙」は、あまりに素晴らしく只々呆然とするばかり。後にも先にもこんな奇蹟のような演奏を聴く機会はないのでは。1st と2nd ヴァイオリンが交替制をとられていますが、個人的な趣味を言えば、プリシュペンコさんが1stヴァイオリンを受け持った今回のスタイルの方が私は好きです。昨年の来演から今回の間にプリシュペンコさんは母になられたなんて! あっぱれですね。【北区:K. .A 】

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クァルテット・エクセルシオ ※ルンデあしながクラブ推薦コンサート
2003年11月11日 スタジオ・ルンデ
○たくさん(「いろいろ」ではありません)聴いたなあ、というのが全体を通じての印象です。
 弦楽四重奏団の演奏というと、一般には「各パートの緊密な絡み合いが形成する美の結晶」、「均質な音の重ね合わせが生み出す堅牢な構造物」「最も純粋な響きが作り出す音楽的思考の究極の表現」というあたりが聴きどころとなり、さもなくば(「古いスタイル」という人もいますが)「第一ヴァイオリンに主導された親密な語らい」を主眼にした愉しみ方もあるでしょう。
 ところが、今回聴いた限りでは、エクセシオール四重奏団の演奏は、そのどれとも違っていたように感じました。シューベルトであれば、特に前半の2楽章で、ぎこちなさが目立ちましたし、ベートーヴェンであれば、ある箇所はもっと音を厚く響かせてほしい、また深遠、崇高な表現がなければ、という思いもあって、正直のところ戸惑いも感じました。それに、これは曲のせいもあるのですが、全体にこの曲種に求められることの多い凝縮力が弱く、特にベートーヴェンでは晦渋な要素がそのまま出たところもありました。
 それでいて、聴き終わってみると、ほとんど同じ時期(1825年前後)に作曲されたにもかかわらず対蹠的にとらえられることの多いふたりの音楽から非常に近いものをしっかり受け取ることができ、大きな聴き応えを感じました。
 では、この時期のふたりの音楽に共通しており、そしてこの日の演奏を通じて受け取れるものとは何かというと、喜び、悲しみ、怒りという感情の高まりとも、魅惑的な旋律や圧倒的に豊かな音の洪水に身を任せる陶酔感とも異なる、「生きている」ということそれ自体の厳粛な実感だと思います。
 こうした実感というのは、これは歳時記的に聴いてしまっているのかもしれませんが、ちょうどこの季節であれば、初冬の重苦しい雲が垂れ込め、時雨をともなった冷たい風が秋の名残にわずかに残った草花を震わせて通り過ぎたすぐ後で、雲が途切れ、その切れ間からかなり傾いた日差しがいくつかの帯を描いて放射状に地上に降り立つ情景に出会った時などに感じ取ることがあります。西洋ではこうした光の帯を「ヤコブの梯子」と呼ぶと聞きましたが、その言葉の持つどこかしら神秘的な響きよりは、もっと地上的な恩寵の感覚、…垣間見ることのできる空の高さと、なおほとんどの空を蔽う暗い雲と、透明な光に照らされた小さな花、…遠景から目の前の光景にいたるすべての情景と、風と雨の音、枯草の匂い、日差しの温かみまでも含めて伝わってくる「生の実感」です。
 それを特に感じさせてくれたのは、シューベルトのメヌエット楽章。もともとこの日の曲目で一番好きな楽章ということもありますが、演奏もこのあたりから奥行きをぐんと増し「乗ってきた」との印象です。「メヌエット」と呼ぶには微妙極まりない、陰と光が交錯し、冷たさと暖かさが入り混じり、可憐と孤高を隣合わせて揺れ動く、シューベルトの音楽の持つ空気感をこの時確かに身に浴び、呼吸していました。【桑名市:M. H. 】
○素晴らしいですね。1stヴァイオリンの西野さんは一音一音とても丁寧に弾かれる方で、このクァルテットの持つ重厚な響きに心地良い味付けをされていると感じました。以前にこのクァルテットの演奏を大きなホールで聴いた時には、演奏の特徴や良さがあまりよく伝わって来ませんでしたが、今日は充分楽しめました。「ラボ・エクセルシオ 世界めぐり」など、彼らの取り組んでいるプログラムはとても面白く注目しています。邦人の若手弦楽四重奏団の活躍だから殊更嬉しく感じます。今後もずっと活動を続けて欲しいです。【北区:K. A. 】
○この日のプログラムは、アンコールの時に第1ヴァイオリンの西野さんが「今日はちょっとマニアックなプログラムで……」と言っていたが、たしかにあまり演奏会では取り上げられない曲が二つ並んだ。しかしもちろん二曲とも名曲であり、あえて言えば隠れた名曲とでもいうのだろうか。そういう曲をあえて選んだところにこの団体の心意気が見えるような感じがして、その姿勢に好感が持てた。
 演奏技術的については自分のような素人がとやかく言うべきではない。四人の技術がそれぞれにしっかりしていたし、弦楽四重奏でもっとも大切な「気持ちを合わせる」ことについてもまったく間題はなかった。それも、「合わせる」ということを特に意識してやらなくても、いってみれば阿吽の呼吸でぴったり合ってしまう(実際には綿密なリハーサルをやっているのだとは思うが)ように見えた。そういうこともあって、聴いていると実に音楽が素直に流れているという感じで、まさに四人がひとつになって音楽を作り上げているという印象を受けた。
 ただ、考えてみると、それはこの団体の長所でもあり、短所でもあるようだ鳴四人が一体になって完壁な音楽を作り出しているという点ではすばらしいのだが、小人数の室内楽というのは合奏であると同時に、ソリスティックな部分も多分にあるわけで、そういうところが時々ちらちらと見えてこないと、本当の面白さは生まれない。この団体がコンクールで1位なしの2位になったのはまさにそういう理由からなのではないだろうか。もちろん合奏をすべてに優先させるという主義には立派な存在価値があるし、これはまったく趣味の問題であるが、この団体の今後の課題を強いて見つけるとすればそんなところではないだろうかと思った。
 ところでこの日の曲目であるが、シューベルトの曲はいうまでもなく美しい旋律が中心で、旋律対伴奏というパターンが基本になっているのに対し、ベートーヴェンの曲は基本的には音の重なりが中心で、しかもその響きはシューベルトとはまったく違う。この日の演奏で感心したのは、こういったまったく種類の違う二つの曲をちゃんと弾き分けていたことで、楽器の鳴らせ方がまったく違っていた。こういうこともこの団体の潜在能力の高さを示すものだと思う。
 この団体には次の機会には、バルトークとかスメタナとかヤナーチェクのような(この日よりもっとマニアックな)ものを聞かせてほしい。あるいは現代作品でもよい。この団体の実力ならそういったものでも十分に演奏できると思う。【知立市:T. S. 】
○マニアックなプログラムなどとはけっして思いません。極めて正統的で、ファンを楽しませてくれるものと信じています。
 エクセルシオを聴いて一番強く感じたのは、4弦の重なった響きの美しさです。シューベルトらしさ、ベートーヴェンらしさも強く感じました。またボロディン、チャイコフスキーの曲などが聴きたくなるクァルテットでした!【緑区:K. I. 】
○一度県芸術劇場で聴いて、すばらしいカルテットだと驚きました。今日の演奏もすばらしかったです。特にベートーヴェンの変奏曲のキャラクターの弾き分けは見事でした。どうぞ、末永く活動を続けて下さいますように。【瑞穂区:K. T. 】
○ロザムンデはとても甘さひかえ目でさわやかでした。ベートーヴェンは第二楽章の前半が印象に残りました。【北区:H. T. 】

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児玉麻里 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏第1回
2003年11月3日 スタジオ・ルンデ
○すばらしかったです。名古屋にこのような演奏会があるのは楽しみです。【昭和区:N. K. 】
○児玉桃さんのピアノが好きで、何度もコンサートに足を運びましたが、麻里さんは初めてで、とても楽しみに参りました。やはり、素晴らしく説得力があり、細部まで考えられ、またそれを実行できる技量に感動しました。同じピアノを弾く者として、大きな目標となる演奏だと思います。次回も是非、参りたいと思います。【岐阜市:H. Y. 】
○「悲愴」のしょっぱなから、個性的なベートーヴェンと思いました。音の響かせ方に独自の感性を持っておられるのでしょうか。聴きなれている弾き方とはひどく違う感じがします。(プロフィールを読んでも、その理由がよく分りませんでした。)「ワルトシュタイン」とアンコールのスメタナが一番演奏スタイルには合っているようにも思いました。今後4年間で、どう変わっていかれるのか、あるいはこのスタイルの演奏が続くのか、続くとしたら、今までのいわれる名曲はどう響くのか、楽しみのようなちょっと心配のような……。今日、急速に音を閉じるときのペダリングも違和感を持ちました。【緑区:K. I. 】
○すばらしい構築性と鳴りっぷりの良さがふたつながら味わえた演奏でした。
 第4番は、当初この曲に抱いていた春の日差しのような優しいイメージ(かつて、ミケランジェリのLPレコードが愛聴盤でした)からすると、随分光のまぶしい、「鳴りっぷり」の良さに意表を衝かれました。あわせて、その音楽の創る空間の広大さにも。それを聞きながら、「これこそ、ベートーヴェン初期作品の魅力だ」と感じました。感受性の鋭敏さと、その感受性を通して世界を知ろうとする覇気がないまぜになった時代の所産であることをまじまじと感じさせる音楽。……もの思いにふけり、感傷に満ちながら、眼差しはひたむきに、より「完成」された未来に注がれている時代、つまりは「青春」真っ只中の若いピアノの名手ベートーヴェン(当時は、後年の肖像画とは異なり、彼もきっと颯爽としていたのではないでしょうか。)その人の音楽を聴いた、という感じです。これを聴きながら、同時に、私の最も好きなベートーベンの交響曲である第2交響曲が頭にこだましていました。
 第21番「ワルトシュタイン」は、これに対して「中期」の音楽であり、であれば、その構築性が云々されるわけですが、この時代の曲には、ともすればクライマックスの設定というところに目が行き過ぎ、どのような終わりを迎えるか、そこで大きく盛り上がれば満足、みたいな面もあって、一気呵成になだれ込むような演奏であれば、ただただすごい、と思ってしまう時も結構あります。
 ピアノソナタの場合にもうひとつ加わる事情は、「ピアノフォルテ」という名の楽器の特性を生かしてピアノとフォルテをいかに効果的に使いながらそのクライマックスが用意されるということで、例えば、「熱情」ソナタ第1楽章の爆発的なコーダの前、例の「運命」交響曲に似たモティーフを弱音でしかもゆっくり弾かれれば、聴く当方としては、わかっていても「来るぞ、来るぞ」と次の局面へのひたすら期待が高まるのです。
 ただ、そうした演奏では、ピアノの部分がフォルテの露払いみたいになる、もっといえば「終わり良ければすべて良し」に陥ってしまうところもありますが、「ワルトシュタイン」となると、なかなかそれだけではいかず、曲全体を見とおした均衡の持つ輝きがいかに生まれているか、で充実度も異なってきます。
 児玉さんの演奏では、ここでも楽器を「ピアノからフォルテまで」素晴らしく良く鳴らしていましたが、その根底にものすごく周到な心配りがあったという感を強く受けました。
 ルンデに来る前は、「ブレンデルの薫陶を受けた」ということで(これはブレンデルのごくわずかの演奏会と20数枚のCDのみ……自分としては、これでも結構買い集めた演奏家でした……を聴いた限りの偏見です)「ものすごくよく考え抜かれ、細かいところまで意識が及んでいるけれども、慎重すぎて音楽の流れが停滞した演奏」になりはしないかと少々危惧していましたが、いいところは吸収しながら、もっと積極的で豊かな音楽を聴くことができ、大満足、しっかり堪能しました。【桑名市:M. H. 】
○無性にベートーヴェンを聴きたくなって来ました。大変満足しました。fとpのはっきりした「悲愴」と「ワルトシュタイン」にベートーヴェンのやはり名曲である所似を感じました。4番のソナタは残念ながら少し眠くなった。【中区:T. F. 】
○ベートーヴェンのピアノ・ソナタについては、だいぶ前にバックハウスの全曲版のCDを買い、楽譜と首っ引きで一通りは聴いた。ただし、それ以来は系統的に聴くこともなかったが、今回児玉麻里さんが全曲を演奏されるというのでこの機会に改めて聴きなおすことにした。今回演奏された4曲のうち、「悲愴」と「ワルトシュタイン」は耳に親しいのでざっと聴き、あとの2曲をちょっと念入りに聴いた。そうやって改めて聞いてみての印象は、べ一トーヴェンのピアノ・ソナタは意外とあっさりしているなあというものであった。もうちょっと強烈に迫ってくる音楽だという気がしていたのである。
 ところがこの日の児玉さんの演奏を聴いて、やはりベートーヴェンの音楽は強烈だと思った,バックハウスのCDとはかなり違う。そして考えてみると、この違いの理由は二つあるようだ。一つはバックハウスの録音は彼がかなり歳をとってからのものだということである。いわぱ枯淡の境地にある人の演奏と、児玉さんのようにいままさに最盛期にある人の演奏とでは、迫力や精気が違うのは当然である。もう一つは、CDではナマ演奏の迫力は決して伝えられないということである。特にベートーヴェン特有の、フォルティッシモでの和音の、容赦なく聴き手に迫ってくるような響きは、決してCDでは再現できないのである。この日の児玉さんの演奏は、まさに若さに満ち溢れた力強いものだったし、それがまさに目の前のピアノからほとばしってくるということで、迫力は何倍にも増幅されたのであった。
 当日演奏された4曲の中では、やはり最後に演奏された「ワルトシュタイン」が抜群だったと思う。ハ長調という、下手をすればどうにもならない調性の曲であるが、その調性を逆手にとって目の覚めるような演奏をされた。またこの曲では、Introduzione と題された第2楽章から、ロンドの第3楽章へ移り変わるあたりがひとつの聴かせどころ(感性のみせどころ)だと思うが、そこも実にうまく弾いた。このあたりは単に指がよく回るだけのピアニストではないことを証明しているかのようであった。そのほかの曲では、あまり演奏されない第4番がなかなかいい演奏だった。この曲は作品番号は若いがなかなかの力作であり、楽章も4つあって、ピアニストとしてもちょっと心構えが必要な曲だと思うが、最初から最後までゆるみがなく、感動的だった。逆に「悲槍」は、こっちの耳が慣らされているせいもあって「児玉らしさ」がいまいち出ていなかったように思われた。こういうポピュラーな曲は弾きにくいのではないかと思う。第22番は曲そのものがやや変則的で、こういう曲は演奏者としては気持ちのもってゆきかたが難しいと思うが、第2楽章の無窮動のような16分音符の粒の揃っているのに感心したし、コーダの Piu allegro になってから一気に終結まで持って行くテンポの作り方も見事であった。
 なお、この日はペダルがよく見える席だったので、ペダリングをちょっと注意して見てみたが、実に細かくペダルを使っておられるので(弱音ペダルも時々使っておられた)、こういう隠れたテクニックが演奏の善し悪しにかなり影響するのだろうと思った。このあたりはさすがに一流のプロの技である。アンコールはスメタナのポルカであった。実はそれまでベートーヴェンの「圧力」に押されっぱなしでちょっと息が詰まりそうだったので、こういう気楽な曲を聞かせてもらってありがたかった。こってりした食事の後のさっぱりしたデザートという感じであった。児玉さんも楽しんで弾いておられるようであった。【知立市:T. S. 】

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バルトーク弦楽四重奏団 演奏会と公開レッスン
2003年10月24〜26日 スタジオ・ルンデ
◎3日間を通して
○バルトーク弦楽四重奏団が2年に1回恒例にしている名古屋公演。東京に帰ってからもできる限り聴きに来ている演奏会である。この超一流四重奏団をこんな間近で味わえる贅沢は東京では考えられないからである。しかも公開レッスンというお楽しみもある。今回も至福の休暇を過ごさせてもらった。
 古典からバルトークまで多彩なプログラムだったが、特に印象的だったのは、1日目のチャイコフスキーの2番と3日目のドホナーニのピアノ五重奏だろう。いずれもCDでは聴けても実演となると極めて希にしか演奏されない作品である。生もCDも含め相当沢山の作品を聴いた自負のある所謂「オタク」の私であるが、チャイコフスキーは全く初めて、ドホナーニは20年ほど前にFMで聴いて以来の経験である。
 どちらも素晴らしい作品だった。チャイコフスキーはまるでバレエで、緩徐楽章はほとんどパ・ドゥ・ドゥを思わせる艶麗な音楽、終楽章はフーガに発展する豪華なポロネーズもである。もし生きていればバランシンにでも振り付けさせたくなった。ドホナーニは昔聴いた印象ではブラームス2世みたいに思ったが、改めて聴いてみるとより世代の近いラフマニノフとの共通性を感じる。循環形式を用いた大作でピアノも豪快な響きが聴き応え十分だ。
 と、曲のことばかり書いたが、それも全て、聴きなれない曲でも印象深く聴かせてしまうバルトーク・ボーイズならびに若林さんの力量のなせる技である。
 公開レッスンは一つ一つの的を射た、厳しい、しかしユーモアを忘れないコメントが面白かったが、全体を通して感じたのは、音楽を演奏するにも教養が必要であるということと、古典でも20世紀の曲でもかりそめにも西洋音楽である以上、共通の文法を前提として曲が作られ、演奏が行われるのだということを発見したことである。
 例えば、バルトークの曲のレッスンでは、この曲の古典的構造を学ばせてもらった。不協和な響きに幻惑されて、通して聴くと見失いがちなこの曲の仕組みが手にとるようにわかった。
 また、ハイドンの「皇帝」では展開部の5度のドローンに関して、農民の踊りで用いるバグ・パイプの音楽の模倣である旨の教示が受講者に行われた。楽譜だけがたよりの若い受講者たちはそれが農民の踊りの音楽という認識をもっていなかったようだ。そういった部分は、楽譜を離れて歴史や地理や作曲者の伝記の本を読んだり、当時の別の音楽を聴いたり、あるいは農村風景を描いた古い絵画を見たりして知ることができるわけで、一種の教養といえるものだろう。バルトークの面々の指導のあと高校生と思われる彼女ら受講生のハイドンがいかに生き生きとした踊りを奏でるようになったことか。
 また2年後にも達者で西洋音楽の王道を伝えてもらいたい万年青年たちである。【東京都:M. A. 】

◎演奏会第1日
○バルトークSQの最大の魅力は、どの曲を弾いてもいつも音色に温かみがあって、演奏に気品のあるところだと思います。特筆すべきはセカンド・ヴァイオリンのハルギタイさんの躍動感溢れる音楽性ですね。彼はこの四重奏団を極上へとぐいぐい導いて、聴き手の心をつかみます。バルトークSQの演奏を聴く時、弦楽四重奏を活かすも殺すもセカンド・ヴァイオリン次第といつも感じます。
 バルトークSQの弾くバルトークが何よりも好きで聴きたかったので、今回第2番が聴けたのはとても嬉しかった。第2楽章が特に素晴らしかったです。チャイコフスキーの第2番とアンコールのアンダンテ・カンタービレも本当に美しく、コムロッシュさんの艶やかな音色も堪能できて満足!幸せです。
【北区:K. A 】
○バルトークは良かった。3つの楽章それぞれからハンガリーのいなか、今はもう失われてしまったなつかしい昔の風景がうかんできます。2楽章は村の人たちのダンスのつどい、そして3楽章は静かな団らんの風景、名曲です。
 チャイコフスキーは、初めて聴きました。4人が忙しくひいているのになかなか広がりと深まりができてきません。ときどきチャイコフスキーらしいメロディもきこえてはくるのですが、やはり、失敗作ではないでしょうか。終結部のフガートなどはモーツァルトの「音楽の冗談」を思い出してしまいました。【中村区:M. I. 】
○今のバルトークの皆さんの演奏、今までにも増してすごかった。特にバルトーク2番!  ぜひぜひ、全曲聴きたいです。【anonym. 】
○すばらしい。アンコールの“アンダンテ・カンタービレ”だけでも来た価値があった。プログラム中ではやはりバルトーク!! すべての部分に意味があり、魂がある。チャイコフスキーのコムローシュさんのヴァイオリンがすばらしい!! こんなヴァイオリニスト、めったにいない!! 世界中のソリストは何をやっているのか?? バルトークQ、ベートーヴェン後期はやらないんですか?【瑞穂区:K. T. 】
○心が浄化される思いだった。演奏者の心の調和が生み出す音楽のすばらしさに時を忘れた。すべての曲目を明快に演奏し、チャイコフスキーの“アンダンテ・カンタービレ”のすぐれて哀愁に満ちた、それでいて明るい音でしめくくったのは、まさに円熟の境地を示すものだろう。【anonym. 】
○演奏者もお元気で、こちらの健康状態もよく、また「至福の三日間」をむかえられて幸せです。聴き出すとすぐ、音色になつかしさを感じるのはやはりバルトークSQを何度も聴いてきたからでしょう。とにかく、どの曲も、その曲の最良のものをひきだして演奏してもらっていることを強く感じました。バルトークの第2番は、ちょっと他の演奏が考えられないし、珍しいチャイコフスキーの第2番のバルトークSQ流「チャイコ節」も素晴らしかったです。【瑞穂区:K. I. 】

◎室内楽公開レッスン
○公開レッスンを聴くのははじめてでしたが、とても楽しくかつ刺激的でした。バルトークカルテットの講師の熱い指導に感動いたしました。また聴きにきたいです。
(ルンデは)とても感じの良い所です。なんか懐かしい場所のような気がします。【大阪市:会社員】
○このえ弦楽四重奏のバルトークの第6番をとても楽しみにしていました。何より感動的だったのは、コムロッシュ氏の「あなたたちは私たちの同僚」という冒頭の言葉でした。バルトークSQが「このえ」をアマチュアという垣根を取りはらって一弦楽四重奏団として厳しいアドヴァイスをされたことは、「このえ」にとって非常に名誉なことだと思います。その演奏は、この難曲にどれほど真摯に取り組んでこられたかがひしひしと伝わる熱演で、それに応えてバルトークSQが熱意と愛情を持って指導するレッスンは大変聴き応えのあるものでした。
 高校生の制服姿で現れたユジュモリ・クァルテットの「皇帝」は、堂々としていてとても清々しかったです。まだ高校生なのにクァルテットとしてのまとまりが良くて今後も是非続けていって欲しいと思いました。【北区:K. A. 】
○聴衆も多かったし、バルトークボーイズの指導は例の如く熱の入ったものだし、面白い話が一杯入り今回のレッスンもとても面白かったです。
 ミューズ・トリオの馬力のある演奏がミューズにふさわしくなっていくところ、ユジュモリ高校もカルテットが若い力でどんどん吸収していくところ、プリンセスSQでは名曲「死と乙女」の出来上がっていくところなどが特に面白かった。このえSQでは、バルトークの難曲のバルトークボーイズ解釈もきけました。
 全体を通じ、ボーイズの耳の良さ(あたり前でしょうが)と、音楽家としての誠実さをあらためて感じました。【緑区:K. I. 】

◎演奏会第2日
○すばらしいです。さすが世界一流ですね。バルトークSQは、初めてきいたプロの外タレです。約30年前。こんなにも長くつづけてくれてうれしいです。【西宮市:T. N. 】
○前半の2曲、弦楽四重奏曲演奏の極致として聴いていました! 本当に素晴らしい演奏でした。(数えてみると、もう参加した演奏会は、かつての厳本真理SQや、名古屋のアピアスSQより多くなって、名古屋モーツァルトSQなみになりました。)
 後半のドホナーニ、もちろん初めて聴きましたが美しいピアノ五重奏曲でした。ほとんど奏者を休ませない徹底した「五重奏」であることにもビックリ。バルトークボーイズの演奏もさすがに見事ですが、若林さんが室内楽にも抜群の相性で、そちらの方もビックリです。
 素晴らしく、また楽しい時間でした!【緑区:K. I. 】
○初めて聴いたドホナーニがすばらしい演奏でした。曲はブラームスの時代の精神を反映しているのでしょうか。開始の数音で音楽に引き込まれました。ピアノが加わってすばらしい合奏にたんのうしました。ベートーヴェンの4番も含めて、やわらかい秋の日にふさわしいプログラムでした。【中村区:M. I. 】
○すばらしい音色でした。とてもぜいたくな時間。四つの楽器がそれぞれ響き合って本当に幸せな気分で聞かせていただきました。みなさんの演奏されるお顔が素敵でした。又、ピアノ五重奏は違った感じで五人の方の心一つに結ばれて、今日の秋の空へ昇っていく感じで広く力強く楽しく聞きました。【広島県:N. T. 】
○金曜の演奏会もすばらしかったが、今日の出来も一体何が起きたのか? 一体目の前で何が起きているのか、にわかには理解できない、ライヴの奇跡のようなものが起きていた。それにしてもすばらしいベートーヴェンだった。そしてドホナーニ!! カルテットとピアノは今まで「不幸な出会い」しか見たことがなかった。しかし今日は実に「幸福な出会い」だった。
 それにしても客席に音楽家がいないのはなぜ? 彼ら彼女らは音楽を楽しまないのか?バルトークカルテットの足許にも及ぶことができないとはいえ、「良いもの」を知らなければ我々はどちらへ向かっていったらいいかも分らないではないか!!【瑞穂区:K. T. 】
○久しぶりにコンサートに来られました。とてもうれしい。
 家庭の雑事に追われる毎日で、日常から離れた時間を持ちたくて来ました。またバルトークはルンデで聞いた初めてのコンサートでしたので(寒い寒い冬の日でした)……。
 日頃音楽とほど遠い生活をしていますが今日はたっぷり音楽にひたりました。バルトーククァルテットはいいですね。
(ルンデは)広さがいいですね。演奏家の息づかいが感じられて、音楽に包まれて。【東海市:H. W. 】
○何時どうなるか分らない、大正生まれの私としては、生きているうちに聴いておかなければという気持ちで、連日、豊橋から通いました。お陰様で、至福の時を造させて戴きました。バルトークSQの人達のひたむきな音楽への打ち込みようには頭が下がります。
 然しいつものこと乍ら、聴衆の数の少ないことには心が痛みます。赤字を承知で低料金を貫く主催者に敬意を表します。【豊橋市:Y. S. 】
○先日、豊田コンサートホールでの若林顕リサイタルを聴きのがしたので、きょうはラッキーでした。
 前半そよ風が湧き上がるような4人の音のオーラに心地よさを感じていたのですが、後半その風にとてもよくマッチングした形で、ピアノの音に惹きつけられていました。深い呼吸から生まれてくる音のエナジーたち……。とてもリラックスしました。すばらしい!…【天白区:Y. K. 】
○ドホナーニのピアノ五重奏曲が圧巻でした。以前この曲を聴いた時、ドホナーニが18歳の頃に作曲したことを知り驚きました。若々しく情熱的でその上威厳もあって曲そのものも好きですが、今回バルトークSQと若林さんの熱演を聴くことができて無上の喜びです。
 ベートーヴェンの第4番も素晴らしかった。もっとたくさんの人たちに聴いて欲しかったです。
 バルトークSQは昨年結成45周年を迎えられたのですね。1987年以来のファンですので現在のメンバーしか知りませんが、どのパートも「この人以外には考えられない」というベストメンバーだと思います。まだまだこれからも美感に富んだバルトークサウンドを聴かせて欲しいです。
 バルトークSQとルンデに心から感謝。ありがとうございました!【北区:K. A. 】

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ジェラール・コセ 無伴奏ヴィオラ・リサイタル
2003年10月5日 スタジオ・ルンデ
○バッハの“無伴奏組曲1番ト長調”を一気に演奏した。いかにも慣れたヴィオラさばきに感動した。“無伴奏パルティータ”ではヴィオラの壮厳な音にヴァイオリンとちがったすごみを感じた。【中区:S. H. 】
○バッハ“無伴奏組曲第1番”:無理のない流れるような演奏で、ヴィオラ版も素晴らしいと思いました。
 ヒンデミット:超絶技巧の早い楽章からおそい楽章に移るところ、非常に美しく聴きました。
 デュサパン:まさに一期一会の演奏という気がしました。現代曲ながら、繊細な味わいのある面白いヴィオラ曲でした。
 バッハ“無伴奏パルティータ第2番”:ヴィオラで聴くこのヴァイオリンの名曲も格別でした。こちらも本当に自然な音楽に聴えます。とびきりの名手の演奏とはこういうものかとあらためて思いました。良かったです!【緑区:K. I. 】
○正直に書けば、今日の演奏は技巧的には完璧、とは言えない。はっきり言えば、かなり大雑把な演奏だった(彼は相当なテクニシャンであるにもかかわらず)。しかし、各曲、各楽章の性格がこれほど強烈に伝わってくる演奏は滅多にないだろう。他のどんな演奏者とも違う、もっと言えば彼自身の録音でも聴けない演奏を私たちは聴いた。表現の為に正確さは犠牲となったかもしれないが、私たちはサービスで見にきたのでも、計算問題を正確に解く様子を見に来たのでもないと思う。【瑞穂区:K. T. 】
○とても輝かしい音色で、ヴィオラは決して地味な楽器ではないと思いました。チェロでなじんだ曲がちがう曲のように聴こえました。
 ヒンデミットとても激しい曲で、強い感情表現が迫ってきます。ライブでなくては聴けない曲でした。デュサパンの曲はバッハ250年の曲とのことですが、第2楽章がずうっと弱音でひっそりひかれてバッハの鎮魂の曲のように思いました。
 アンコールでもチェロの組曲、ヴィオラのしみじみとした音色がとってもよかったです。【中村区:M. I. 】
○ルンデの会は初めてです。大変すばらしかったです。【anonym. 】
○この演奏会で一番印象に残ったのは、楽器の音色である。とにかくいい音がした。1560年製のガスパロ・ダ・サロという楽器だそうで、楽器のせいもあるだろうが、もちろん弾き手が上手だからよく鳴るのだろう。ヴィオラで鳴りにくいA線も実にいい音がした。ほかの弦も惚れ惚れするような音がして、4本の弦がほとんど同じような音色でよく鳴った。ヴィオラ音楽の魅力のひとつはその音色だと思うが、その意味ではまったく言うことなしであった。
 この奏者についてはまったく予備知識がなかったが、チラシを見ると、バシュメットやツィンマーマンに影響を与えたとあるので、ヨーロッパのヴィオラ界の指導的立場にある人らしい、構えたところのない人で、最初のバッハなどは、舞台に出てきて軽く音を出し始めたのでチューニングをしているのかと思ったらもう曲が始まっているのであった。そしてたちまちにその柔らかで深みのある音色に引き込まれてしまった。演奏のほうは全体的にあまり起伏をつけない演奏であった。この曲(無伴奏チェロ組曲第1番)は自分でも何とか弾けるぐらいで、技巧的にはむしろやさしい部類に属することもあって、とにかくらくらくと音楽がつむぎだされてくる感じであった。次のヒンデミットはヴィオラ弾きなら必ず弾く曲のひとっである。事前に今井信子さんのCDを聞いていったが、全体的にかなり激しい感情のほとぱしる曲だというイメージを持っていた。しかし、コセ氏が弾き始めたとき、意外と穏やかに聞こえてくるので、おやおやと思った。これは楽器の音色のせいもあるだろうが、どうもこの奏者はどちらかというと控えめな感情表現を得意とするようだ。もっとも、C線がわんわんと鳴り響く例の楽章などはまさしく楽譜に書いてあるように「音色の美しさは二の次」の演奏で、強烈にアピールした。それにしてもあの難しい曲をいともやすやすと弾いてしまうのには驚嘆した。
 休憩の後のデュサパン“イン・ノミネ”というのは音の幻覚が繋がっているような曲であった。前半は急激な音の高まりと減衰が特徴的であった。後半はこれはまた打って変わって最弱音の連続で、しかもフラジオレットが多く、かすかな音がほのかに聞こえてくるシーンが多かった。かなりの部分は大きな会場ではほとんど聞こえないだろうと思われた。こういうところはルンデの強みである。
 最後のバッバの“ヴァイオリン・パルティータ第2番”はもちろん有名な“シャコンヌ”のある曲だが、譜面台を3つ並べて、楽譜を絵巻物みたいに広げてあったのでいったいどういうことだろうと思っていたら、シャコンヌの楽譜を横につないであるのだった。当然全曲暗譜で演奏されると思っていたのでちょっと意外だったが(ヒンデミットも楽譜を見ながらの演奏だった)、結果的にいい演奏ができればいいという主義らしい。演奏はこれまた全曲が気持ちよく流れてゆき、ヴィオラで演奏されているということを時々忘れそうになった。シャコンヌはヴァイオリンで弾いても指使いが難しいと思うのだが、何の苦もなく音楽が流れていった。
 アンコールはチェロ組曲第2番の第1曲が演奏された。短い小曲でも演奏されるかと思っていたが、無伴奏ということになると適当な曲がないということかもしれない。全体としてプログラミングにも特にひねったところがなく、サービス満点だったし、演奏も癖がなくて耳に快く響いた。音色についてははじめに書いたとおりである。すっきりとした演奏会で、いい意味での「すごい職人」の演奏を聴かせてもらった感じがした。【知立市:T. S. 】

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オーケストラ・アンサンブル金沢 第19回名古屋定期公演
2003年9月22日 愛知県芸術劇場コンサートホール
○「エグモント序曲」:勝利のクライマックスのところが良かった。暗→陽へ変わり聴いていてワクワク元気が出るようで好きです。
 「チャイコフスキー ヴァイオリンコンチェルト Op.35」:ミラさんのヴァイオリンが透明感があって綺麗な音色の演奏でした。
 第1楽章、ピウモッソ・ストリンジェントのテンポが大いに盛り上がって良かった。
 第2楽章、切ないメロディーが良かった。
 第3楽章、アレグロ・ヴィヴァチシモの“快活に”にふさわしいラスト。オケ、ソロ、オケ、ソロのところ華麗に盛り上がって良かった。駆けぬけて終わる感じが素晴らしい。
 今夜はチャイコンが聴きたかった。満足のゆく演奏が聴けて良かった。ブラボー。また名古屋でチャイコンして下さい。【安城市:K. M. 】
○ゲオルキエヴァのヴァイオリン、まず、そのすぐれた技巧に驚かされた。第二に、具体的に表現することはできないが、彼女独自の曲の解釈がある−−−という印象を受け、いままで知らなかったチャイコフスキーを聴いたように感じました。
 系図、文句なしに楽しく面白く、美しかった。音楽詩という形式の表現は私にとって初めてのものだが、ヴァイオリンやピアノの協奏曲があるのだから「ことば協奏曲」とでも呼んでみたくなりました。【名東区:M. K. 】
○たぶん協賛企業の方だと思うが、大勢ならんでいて異様な感じがした。なんとなく客席も妙な雰囲気であまりステージに集中できなかった。なんだか、会社行事につきあわされている感じで、あまりいい気分てはない。支援していただけるのはありがたいが、もう少しなにか考えてほしい。演奏はとてもよかった。【anonym. 】
○ずっと、このオーケストラの演奏を聴きたいと思いながらなかなか来れませんでした。が、やっと念願かなって来れました。とてもすばらしい演奏でした。【緑区:M. M. 】
○チャイコフスキー“ヴァイオリンコンチェルト”非常に良く満足しました。有難うございます。この3ヶ月色々のCDを聞いて予習をしてきました。岩城さんの金沢はとっても素晴らしいチャイコフスキーを聞かせて下さいました。また、また次を期待しております。
 武満徹の“レクイエム”、本当に素晴らしくジンと来ました。【緑区:N. H. 】
○吉行和子さんの詩の朗読と楽器の演奏という組み合わせは面白かった。【千種区:T. S. 】
○今年、最高の音楽会でした。“系図”が、思わず涙が出ました。また、良い音楽会を企画して下さい。ありがとう。【H. Y. 】
○楽員の方一人一人の懸命の演奏に心打たれました。パートの構成は小規模でもこれだけのハーモニーに感動し、興奮しました。一人一人が楽団を支えている気持ちに涙が出て来ます。末永い楽団の栄達を祈ります。【M.A. 】
○ヴァイオリンのシャープな音色は大変ここち良い演奏でした。
 街の雑踏から少し離れた都心のコンサートは秋の夜、自然界での昆虫達の音楽にも似て人間の声に実にとけこんで聞こえる演奏会でありました。
 楽団員の一層の精進を期待するものであります。【金沢市:anonym. 】
○しらかわホールでO.E.Kの演奏会はずっと聴かせて頂いているが、岩城氏指揮の元で磨きのかかった演奏にいつもながら感動を与えてもらい、感謝しています。また、ゲオルキエヴァ氏の研ぎ澄まされたヴァイオリンの音色もすばらしい。グッチのドレスも似合っていた。【昭和区:T. O. 】
○出てくる音楽の姿がなかなかしっとりとして繊細で落ちつきがある。小じんまりとしたオケで音の粒のようなものが見通せるとこが良い。
 チャイコフスキーでは明瞭すぎて、情感に不足するようにも感じるが、「系図」は本当にすばらしい曲、過去と現在が交錯していく。【不破郡:M. K.】
○荘重な「エグモント」序曲の演奏とミラ・ゲオルキエヴァさんの素晴らしい技巧によるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴くことができ、満足して帰れます。音楽は、特にオーケストラは素晴らしい。【小牧市:H. M. 】
○ナレーションは私にとって初めて。良かった。【昭和区:Y. O. 】
○チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト、きれいな美しい音色に感心しました。【Y. H. 】
○音がきれいで、とてもよかった。習っているものの参考にもなりました。【天白区:K. G. 】
○曲目が全て良かったです。それぞれに感動しました。武満徹の曲は、演奏会で初めて聴きましたが、素晴らしかったです。また聴きたいと思う演奏ばかりでした。【瑞穂区:K. N. 】
○懐かしい日本の風景に再会したようなコンサートでした。【千種区:H. O. 】
○毎回ソリストが楽しみなO.E.Kの演奏会ですが、ミラ嬢のヴァイオリンは新鮮でよかったです。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をO.E.Kで聴けたというのが一番うれしかったです。
 後半、武満さんのプログラム「系図」はほんとにきれいな詩のサウンドって感じでした。【H. W. 】
○武満徹の作品がとても良かった。ただ少し、語りの声が聞きとりづらかった。【一宮市:T. W. 】
○心が休まりいやされ、励まされ、音楽の真髄をたんのういたしました。本当にすばらしい時間を心から感謝いたします。次回を楽しみにしております。【安八郡:R. T. 】
○今日、初めてオーケストラを聴きに来て、今までCDでしか聴いてなかったので、音の深さとスケールの大きさに感動した。【西区:T. O. 】
○武満徹作曲、岩城宏之編曲の「ファミリー・トゥリー」はベートーヴェンもチャイコフスキーも吹きとんでしまった程すばらしかった。世界の名曲になるでしょう。英語圏では英語で、ドイツではドイツ語でフランスではフランス語で世界中の人に感動と暖かさを与えて下さい。【anonym. 】
○小編成のオーケストラらしい演奏で良かったと思います。
 武満作品はなかなか聴けないので聴けてよかったです。吉行和子さんの語りは意外とあっさりとしていました。遠野さんの語りが印象に強いので違和感がありましたが、語りの人で曲や詩の内容の設定が変わってしまうんだなと感じました。また聴きに行こうと思います。【天白区:H. Y. 】
○私たちは結婚して24年になりますが映画などは良く見ますが、オーケストラとなると何か近寄りがたいように思え、今回が始めててでした。途中で飽きてくるのではと心配していましたが、最後まで心の高まりの中で聴くことができ感動しました。特にミラ・ゲオルギエヴァさんのバイオリンはすばらしかったと思います。
 ありがとうございました。【T. Y. 】
○生で「エグモント」序曲を聴くのは久しぶりでしたが、それだけにこの曲のもつ力が強烈に伝わってきました。各パートが自発性をもって演奏されているので、簡素な素材から堂々たる構造物が築き上げられていくのが手にとるようにわかりました。時代は変わってもベートーヴェンはやはり偉大なのですね。
 チャイコフスキーのVn協は20日に飯森範親指揮N響とチェボタリョーワの独奏を聴いたばかりですが、演奏の独特さではゲオルギエヴァの方が面白く聴けました。独奏が、まるでホールの響きをじっくり味わうように、一音一音聞こえるよう演奏していました。あまりていねいすぎてオケのトゥッティの部分とテンポが変わってしまうところもありましたが。なお、カラフルながらさりげないデザインのドレスがなんとシャネルで驚きました。
 武満「弦楽のためのレクイエム」はこの人たちの18番。小編成だとこの曲の張り詰めた緊張感が際立ちます。同じ作曲家の「系図」はこの日の呼び物です。岩城さんが室内オーケストラ用に編曲したもので、私は去年この版が浜離宮で初演されたとき聴き逃したので大いに期待していました。なんでも武満さんの令嬢、真樹さんが原作よりいいと言ったとか。
 オリジナルを聴いたときは遠野凪子さんの少女らしい朗読でしたが、今回はベテラン吉行和子さんの朗読。まさか少女風に読むと思ったらさにあらずで、いかにも吉行さんと同世代の女性が少女の詩を、作為を加えずなかば棒読みのように読む演技でしたが、これは成功で、変な抑揚をつけないだけ、かえってテクストの言葉が一つ一つ正確につたわり、かつ聴く者の想像力を刺激していました。編曲はオリジナルの雰囲気は少しも損なわれず、演奏は愛に満ちたものでした。この曲は調性感が明確で長調のわかりやすいメロディが支配しています。特にオリジナルどおりアコーディオン・ソロが入るところは泣かされました。
 アンコールなしというのもこの曲にはふさわしいものでした。ちなみに、前日、違う曲目で行われた東京公演のアンコールはなんと「六甲おろし」でした。【東京都:M. A. 】

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鈴木理恵子&高橋悠治 デュオ
2003年9月21日 スタジオ・ルンデ
○ヴァイオリンの音が“出ている”のではなくて“鳴っている”という感じがしました。
 鈴木さんはきれいな方ですね。また聴きに行きます。【天白区:H. Y. 】
○テレマンの曲は、さわやかなヴァイオリンの音色とよく調和していたと思います。
 後半の曲は、アンコールも含めどれも良い曲で演奏も素晴らしかったです。
 シュニトケはチェンバロがぴったりでしたし、武満曲のたたみかけるようなところ、高橋曲の味わい、ブロッホ曲のヴァイオリンの音色の素晴らしさ、アンコール曲の楽しさ、良いデュオコンサートでした。ブラームスの“雨”はピアノの古典調律が生きているのかどうか、私には疑問が残りました。【緑区:K. I. 】
○鈴木さんのヴァイオリンにとても力強さを感じました。ヴァイオリン自身に自然の音があるのなら、そんな音を感じました。
 高橋さんのピアノは、音がとがってなくてふわんとおだやかで、広い海(?)のような感じを受けました。ピアノを弾いておられる表情がとても良かったです。
 又、チェンバロとヴァイオリンの音が響き合ってとてもいい感じでした。チェンバロは、あまり聞く機会がないので楽しませていただきました。【広島県:N. T. 】
○何を思ったか、って実にいろいろなことを思いながら聴いていました。
 まず、トランソニック時代の高橋悠治は若かったなあ、とか。あの頃は当然私も若かった。15,6才そこそこ。当時ぼくはショパンなんか弾けない、って言ってた高橋悠治のブラームス。……とってもやわらかくて優しかった。
 なんだかわかんないけど、受付とかステージとかの裏方さんは大地を耕すひと、で演奏家は種まくひと、で、芽がふいてそれを豊かに育てていくのは聴き手の偉大な力なのだ、と演奏会の後半で、わけもなくそう思っていました。
 演奏は瞑想することだ、近ごろ思いはじめている。聴き手の前で瞑想する意味はなにか、Museの種をまく……、そのことに集中する。あとは聴き手の無限大の可能性なのだ、と。
 ―― そんなことを思わしめた二人の演奏。……地に足のついた音楽の原初的なものを感じました。【天白区:Y. K. 】

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金澤 攝 ピアノ・リサイタル「若き日のラヴィーナ」
2003年9月17日 スタジオ・ルンデ
○久しぶりに明るく粋な音楽を堪能できて幸せな気分になりました。
 練習曲が一曲ごとにピアノ奏法の主旨がわかりやすく、興味深く感じました。
 これからも今日のような知られざる、きらっと光る小品を、ルンデならではの響きで聴けることをたのしみにしています。【中区:K. T. 】
○攝さんのリサイタルとは信じられないような(?)分り易い作曲家でした。
 どこかで聴いたことがあったかという、いわば耳のデジャブ(仮視感)がありました。後半の優雅なロンド、三つのカプリースの第1曲は特に名曲と思います(後者の交響曲的響きがすごい!)。むずかしい曲をうまく紹介してもらった攝さんに感謝します。【緑区:K. I. 】
○素晴らしかったです。
 また寄らせて下さい。【岩倉市:T. I. 】
○以前にもきいたラヴィーナですが前よりも透明な気が……。【anonym. 】

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ジュリアン・ブリス クラリネット・リサイタル ※ルンデあしながクラブ推薦コンサート
2003年9月15日 スタジオ・ルンデ
○コンサートは、演奏者の指使いがよく見えるほど近くで観られて、とても楽しいものでした。私はクラシック音楽に詳しいわけではないので、彼がどれほど上手なのかさっぱりわかりませんが、演奏を気持ちよく聴かれたのは、やはり、彼の演奏が素晴らしかったからだと思います。
 高校1年(15歳)の息子と一緒に観に行きました。息子を連れていったのには、理由がありました。彼は音楽科でクラリネットを専攻しているので、彼に「ジュリアン・ブリス」を体験させたかったからでした。息子もジュリアンの演奏を真剣に観ていました。いつか、息子もこんなふうに、ルンデで演奏できたらすてきだろうな……と夢を見ながら聞いていました(親バカですみません)。
 演奏後には、息子の生徒手帳にサインをしていただき、また、何処のクラリネットを使用しているのか、(私のへんてこな英語にもかかわらず)答えていただけました。
 帰りの電車の中で、親子で色々おしゃべりしながら楽しく帰ってきました。演奏者と演奏後に楽しい時間が持てるのは、とても嬉しく思いました。ジュースも美味しくいただきました。ありがとうございました。【江南市:A. M. 】
○管楽器のリサイタルにはめったに来ないのだが、この演奏家にはルンデの鈴木さんがかなり入れ込んでいるようなので期待して聴きに行った。
 ところでこの日のプログラムは実に意欲的なものであった。
 まずシューマンの幻想小曲集(何と先週横坂君がチェロで弾いたのと同じ曲)、そしてバーンスタイン、マルティヌーその他の近代の曲が並び、最後がブラームスのクラリネット・ソナタ(ヴィオラ・ソナタ)で締めくくるという、まさにクラリネットのすべてをお聞かせしますといわんばかりのプログラムであった(先週の横坂君のコンサートのプログラミングとよく似ていた。やはり若い人のコンサートはこういうことになるのだろう)。
 シューマンが始まった。ただこれは先週、チェロでまったく同じ曲を聴いているので、どうもそのイメージが残っていて、ちょっと違和感があった。それに、弱音での演奏が多かったが、弱音の演奏ということになると管楽器はどうしても弦楽器にはかなわない。自分は管楽器の演奏のことには疎いので、この日の弱音の演奏が技術的に見てどう評価されるのかはわからないが、少しかすれ気味のようなところもあり、クラリネットの真価が出ていないような気がした。ところが次のバーンスタインの曲になって、これは一転した。こういう音楽をどう分類すればいいのかわからないが、しいて言えばクラシック・ジャズとでもいうのだろうか、ジャズのリズムに乗って軽快でウイットに富んだフレーズが次から次へと現れ、これはまさにクリネットの音楽であった。なお、この曲はピアノが大変に難しそうだったが、クェンティン氏は見事な指さばき(?)で鮮やかに弾いてのけた。次のマルティヌーの曲も、まさにクラリネットのためのフレーズが縦横無尽に駆け回り、ブリス君はそれをまったく自分の手中に入れた感じで自在に吹きまくった。前半最後のメサージュのコンクール用の曲はまことに技巧的な曲で、それをいともやすやすと(もっとも演奏しているほうは大変なのだろうが)演奏してしまうので、半ばはあっけにとられて聴いていた。
 休憩後のフランセの変奏曲は、曲想が千変万化で、ユーモアとウイットにあふれ、それをまたブリス君は軽妙に演奏した。ベールマンのアダージョは文字通りゆっくりと歌う曲で、それまでが軽妙な曲が多かったので、こういうしんみりした曲もちゃんと演奏できますよといったところだったろうか。最後のブラームスのソナタはヴィオラの演奏で耳に親しい曲であるが、クラリネットで聴いても違和感がなかった。やはりもともとクラリネットとヴィオラの両方を意識して書かれた曲だからであろう。そしてここでブリス君はとても14歳とは思えない、深みのある演奏を聞かせてくれた。ちょっと思い入れが過ぎるかなあと思うところもあったが、この曲のロマンティックな面を強調した演奏で、訴える力があった。こういうのを聴くと、14歳でここまで来てしまったのでは、これからがかえって難しいのではないだろうかと余計なことを考えてしまうほどであった。
 この前横坂君の演奏会のときにも感じたのだが、技術的に完壁な若い人の演奏は実に気持ちがよい。音楽は技術だけではないことは無論だが、若い人の演奏はとにかく迷いなく技術が前面に出てくるので、聴いているほうもその点に絞って集中することになり、気分がすっきりする。先週に引き続いて若い力のすばらしさを感じたのであった。【知立市:T. S. 】
○繊細にして力強く、また若々しく爽やかな演奏は“すばらしい!”の一言です。目をつむって聴いていると、とても14才の少年の演奏とは思えませんでした。これからのますますのご活躍を心より祈念いたしています。
(ルンデは)いつも気持ちよく参加させていただいています。ありがとうございました。【Y. S .】
○14才とは思えない演奏でした。これからもどんどん上手になっていくんだろうと思います。
(ルンデは)大きすぎなくていいホールだと思いました。【anonym. 】
○本当に14才ですか?と聞きたくなる位、感動しました。また是非演奏を聞かせて下さい。私もクラリネットがんばろうと、いい音楽をしようと思いました。【19才:学生】
○楽しかったです。フランセ「主題と変奏」は面白かったです。10年後に是非……。【Mu】
○とてもすばらしかったです。スタジオなのでどんなふうに聞こえるのか気になってたのですが、とてもバランスもよくここちよく聞けてとても良かったです。演奏は文句なしでとてもすばらしかったです。【M. N. 】
○若々しい演奏で、新鮮に聴けました。テクニックがあり、これからが、とても期待できる存在だと思います。
 やはり、バーンスタインが一番素晴らしかったと私は思います。【愛知郡:Y. S. 】
○とても礼儀正しく、堂々と、大人顔負けですね。
 大人が、見習いたいと思います。さすが、すべてに、立派という感じです。
すばらしかったです。とてもよかった。感動しました。次回、又、将来が楽しみです。【anonym. 】
○40年以上前、Clを吹いていた時の事を思い出しました。練習時間が長くなると右手親指が痛くなりほっぺたの筋肉がしまらなくなったものです。メサージュはCl独特の面白さがいっぱいでとても楽しく聴きました。【anonym. 】
○クラリネットが好きなのでききにきました。とてもよかったです。
(ルンデは)室内楽をたのしむにはとてもよいホールだと思いました。スタッフの方たちも感じよかったです。【豊川市:M. O. 】
○たかが一本の管楽器、されど、独立した楽器として堂々たる主張。若き奏者による可能性ある音色に魅せられる。
 先週のチェロといい、若い演奏者が育っていることが楽しみだ。何年か先に成長ぶりを耳にしたいものだ。
(ルンデは)演奏家がより眼近に位置し、息づかいも伝わる。小ホールならではの雰囲気だ。【anonym. 】
○クラリネットも素敵でしたがピアノもよかったです。出来たら肉声が聞きたかったです。
(ルンデは)お客のマナーも良く気持ちよく演奏が聞けました。【千種区:Y. K. 】
○なかなかに、しっかりした演奏なので感心しました。【anonym. 】
○いい音色が聴けて、クラリネットの魅力をまた、知りました。
 (ベールマン)アダージョと、ブラームスの曲がとても心地よかったです。
 これから更に、腕を磨いて下さい。伴奏の方がとても上手でいい合奏でした。
(ルンデは)温かい雰囲気づくりをしてもてなして下さり、心地よかったです。【anonym. 】
○若いのに似合わず、見事なコントロールで多さいな曲を聴かせてくれました。バーンスタイン、マルティヌー、フランセ、ベールマン等、初めての曲だが、それぞれ特色があって楽しめた。最後のブラームスも良かった。【熱田区:D. H. 】
○とても楽しい時間を過ごせました。【西区:T. S. 】
○クラリネットの演奏を初めて体験しました。ピアノに負けない音で、新たな発見でした。【A. K. 】

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横坂 源 チェロ・リサイタル ※ルンデあしながクラブ推薦コンサート
2003年9月7日 スタジオ・ルンデ
○素晴らしい演奏会で日曜日を送ることができました。横坂氏、伊藤さんのコンビのリサイタル、感動しました。
 芸術に年齢は関係なし。あれだけの曲を全て暗譜、才能があるにしても、お稽古は相当のものと想像します。
 最後の「鳥」には、思わず涙。感動しました。ピアノ、チェロ――音があいまって、死ぬときにはこうした音楽を聞きながらこの世が去れたらと思いました。そのためには、毎日悔いなく生活しなくてはと。
 ありがとうございました。【西区:T. K. 】
○この演奏会は二つの点で特徴付けられる。
 ひとつは独奏者がまだ高校2年だということで、チェロという、どちらかといえば「成人向き」の楽器を、まだ社会経験も十分でない青年がどう弾くかということ。もうひとつは共演者が何と伊藤恵という、すでに声価の定まっている一流の演奏家だったことで、この二つの要素がどのようにかみ合うのかがまさに聴き所であった。
 ところでこの日のプログラムはシューマンに始まり、ベートーヴェン、カサド(無伴奏)ときて、最後がショスタコヴィッチという、まことにヴァラエティに富んだもので、横坂君にしてみれば、自分のすべてを聴いてくださいという気持ちだったろう。実に内容の詰まった演奏会で、3時に始まったのだが、アンコールの終わったのは5時15分であった。しかもその間少しの緩みもなく、緊張が途切れなかったのはさすがに若さである。
 ただ、前半と後半ではかなり様子が違ったように思う。
 前半はシューマンとベートーヴェンという、いわば古典の大家の作品だったので、横坂君としては、とにかくこの誰でも知っている曲を「標準的に」弾こうという意識があったのではないだろうか。もちろん演奏は立派で、風格すらあり、このままどこへ出しても通用する演奏だったと思うが、「これが横坂だ」というのが出てこなかった。それに、ピアノが何しろ伊藤さんなので、どうしてもピアノを意識せざるを得なかったのではないかと思う。やや窮屈な感じがした。
 ところが休憩の後で最初に演奏されたカサドの無伴奏組曲ではかなり様子が違った。「合わせ」に気を使う必要がなくなっただけ、まさに自分を縦横無尽に出し尽くしている感じで、これには感動した。テクニックとしてもありとあらゆるものが使われているがほとんど危なげがなかった。特にフラジオレットをきれいに演奏していた。そして最後はショスタコヴィッチ。聴くのははじめてであったが、作品番号が40になっており、交響曲第4番が作品43、交響曲第5番が作品47だから、まさにショスタコヴィッチの全盛期の作品であろう(おなじみのタンタタのモチーフが繰り返し聞こえた)。実にさまざまな曲想が入り乱れ、絢欄豪華といってもいいような曲だったが、ここへ来てまさに伊藤さんの「値打ち」が十二分に発揮された。横坂君の演奏をしっかりと受け止めながら、実に変幻自在なピアノを弾いた。技術的にも決してやさしくはないように見えたが、どんなパッセージも何の苦もなく弾いてしまうので、なるほどこれが一流のピアニストというものだとほとほと感心した。横坂君のチェロも決してそれに負けておらず、堂々と「対抗」したのは立派であった。
 アンコールは、まずフォーレの「エレジー」だったが、ここで横坂君は、このような超ポピュラーな曲でもちゃんと聴衆を納得させる演奏が出来ることを証明した。そして最後はカザルスの「鳥の歌」。これはちょっとほろりとした。感動的な演奏会であった。
 いつも思うのだが、レコードやCDで聴く音楽はあくまでも代用品である。自分の目の前で演奏家が全身全霊を振り絞って演奏するのに接するのは何にも代えられない。【知立市:T. S. 】
○素晴らしかったです。鳥の唄が聴けてよかったです。
 これからも影ながら応援します。頑張って下さい。チェロは私が最も好きな楽器です。チェロの響きには心を揺さぶる何かがある様に思えます。【稲沢市:H. M. 】
○正直、重量級のプログラムで満腹になってしまう程、充実した演奏を聴かせて頂きました。
 カサドの“無伴奏チェロ組曲”、そして食わず嫌いでこれ迄避けていたショスタコービッチの“チェロ・ソナタ”が実に面白い曲であることが解りました。【熱田区:D. H. 】
○「若いチェロ奏者のリサイタル・デビュー」とだけ理解して参加しましたが、第1曲シューマン小曲集の出だしからもうビックリ! 技量、表現力、音楽性、プログラムの多彩さ、演奏態度の落ち着きなど、もうすでに完成された奏者のように思います。前半の曲だけでも、過去に聴いた幾多の巨匠と比べても、けっして劣らないし、そのパワーはむしろ今日の演奏の方が優れている、とさえ思いました。伊藤恵さんが「押しかけ」伴奏されたのもなる程と思いました。デュオとしても素晴らしかったです!
 後半のカサドの無伴奏もとびきり、ショスタコーヴィッチのソナタも本当にショスタコの良さが出ていて素晴らしい! アンコール2曲も何という音楽性の素晴らしさ!
 今後が本当に楽しみな奏者です! 伊藤さんの名サポートにも拍手!【緑区:K. I. 】
○すんだ音色、時にあまく、時にダイナミックに演奏され、やさしさの中に情熱があふれこれからますます活躍されます様に、本当に楽しい音楽を聞かせて頂き、幸せな時を得ました。ありがとう!【中区:R. S. 】
○平常、チェロとピアノの合奏など聞く機会が少ないので、今日は良い時間を「与えて頂いて」良かった。【anonym. 】
○チェロの豊かな音色、ピアノがまたすばらしくかけあいの美しさに感動いたしました。またぜひ聴かせていただきたいです。
(ルンデは)小ホールならではのアットホームな雰囲気に本当にゆったりといい時間をすごすことができました。また伺いたいです。【東海市:S. F. 】
○素敵な演奏に魅せられました。チェロとピアノの演奏が一体となって演奏者の思いが伝わってきたように感じました。【中区:S. H. 】
○ありがとうございました。若い方の演奏で驚いています。今後のご活躍を心より期待しております。頑張って下さいね。ありがとう。
(ルンデは)初めて来たのですが、広さと音響がとても気に入りました。【千種区:M. M. 】
○横坂さんの感性に感動しました。ありがとうございます。
(ルンデは)かわいいコンサートホール、初めてその存在を知りました。気軽に、それも上質な音楽を楽しめる、これからは時々のぞいてみようと思います。【西区:R. M. 】
○横坂源さんの若々しく力づよいチェロ演奏、感激しながら聴かせていただきました。これからの増々のご活躍心よりお祈りしております。最后のアンコールの演奏もすばらしかったです。
(ルンデは)小さな会場で演奏者を間近かに聴くこうしたコンサート、非常に親しみを感じます。【日進市:T. A. 】
○とってもよかった。後半に音がでてきた。今後を期待します。【anonym. 】

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原田綾子 ピアノ・リサイタル ※ルンデあしながクラブ推薦コンサート
2003年8月20日 スタジオ・ルンデ
○スクリャービンで聴かせた精神性の高さはお若いのに見事でした。円熟したA.ガブリーロフを聴いている様でした。【anonym. 】
○小さな体で迫力ある演奏によいしれました。9月からのハンガリーでの勉強が一段と磨きがかかって来るのではないでしょうか。これからが楽しみの演奏である。【千種区:M. A. 】
○大変清潔感に満ちた演奏でした。優しさの中にも、力強さも加わり、気持ちよく聴かせていただきました。ハンガリーでは、御身体に気をつけて、レッスンに励んで下さい。ご帰国後の演奏を楽しみにしています。ハンガリーの人々はとりわけ日本人には親切とのこと、安心してレッスンに励んで下さい。【Y. S. 】
○とにかくすごい! 良かったです。あまりクラシックを聞かないので曲目を知りませんが、個人的には1部の、ブラームス:「パガニーニの主題による変奏曲」が鳥肌立ちました。原田さんの帰国後の演奏が楽しみです。【T. O. 】
○ルンデでのコンサートには毎回楽しみにしながら聴きにきます。今回もそうなんですが、知り合いの方や、学校の先輩、先生方が出演されることが多いので、いつか私もこのルンデでリサイタルができたらいいなぁと思いながら、毎日練習に励んでいます。今日は久々に原田さんのピアノの音が聴けてとっても幸せな時間でした。【東郷町:Y. K. 】
○以前より、この頃、タッチは軽く聞こえて参ります。“あっ”良い傾向だなァー!!と感じました!! それと来年、帰国されてからが楽しみになって参りました!!天分に花が咲くと、どうなって行くか……。証明役の使命も御座居ますね!! 頑張って楽しく練習して来て下さいませ!!(今日のコンサートで力強さも出て来ましたね。)【千種区:A. S. 】
○ステキでした。原田綾子嬢とは、4年程前にご縁があり大学の学生合唱団で伴奏をして頂きました。それ以来のファンですが、演奏会を聴きに来たのはまだ2回目です(汗)。私は彼女のだす音が好き(音色が好き?)です。初めて聴いた時からちょっと他の人とはちがうと思ってました。
 う〜ん今日の感想……。やっぱり後半の方が印象に残りました。そしてやっぱり綾子嬢は総合的に見てステキな方です。(もっとはやく知っていたら大学の子達も連れてきたんですが……。)【中区:M. A. 】
○かねてより一度ホールにうかがいたく思っておりましたがチャンスに恵まれました。演奏者に身近なコンサートで期待した通りでした。これからもよい演奏があれば来たいものです。
 本日、私にとってはちょっと残念でした。力強さはあるのですがセンサイさと美しいメロディを美しくすることに欠けているように思われました。これから人生のキャリアを積んでみがかれるのでしょうね。【anonym. 】
○音楽が生き物のようにすばらしかったです。留学後の演奏会とても楽しみです。【anonym. 】
○室内楽や協奏曲を聴いて来た彼女の、初めてのソロ・リサイタル。やはり相当のプレッシャーを感じていたようで、特に前半はご本人も不満足だったのではないでしょうか。ただ、“ラフマニノフ”のいくつかの変奏では、彼女らしさが随所に聴かれました。「大きくなって帰ってきます」と頼もしい言葉を残して、二日後にはハンガリーへ飛び立つそうですが、留学の成果に期待しましょう。【O. R. 】

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漆原啓子&漆原朝子 ヴァイオリン・デュオ
2003年8月9日 スタジオ・ルンデ
○ヴァイオリンのデュオもめったに聴けませんが、今日の演奏は、二つのVnの音色が溶け合うところ、また陰になったり日なたになったりするところが素晴らしかったです。
 イベール、シュポアの各楽章のようにメロディの美しいところあり、またアンコール3曲目も含め、ヘンデルから武満までの広いレパートリーあり、ぐっと聴きやすくなるピアノの入ったトリオあり、と安定した技量の名手姉妹の素晴らしいリサイタルでした!  名器の音色も十分に楽しめました!【緑区:K. I. 】
○武満徹:「揺れる鏡の夜明け」は、素晴らしい演奏でした。イベールの曲も印象に残りました。【天白区:S. S. 】
○デュオの中のデュオでした。1、4曲目が特に良かったです。感動の連続でした!【岡崎市:O. O. 】
○啓子さんは昨年の加藤知子さんの代演と本年5月の碧南市エメラルドホールでの演奏会に次いで3度目。朝子さんも以前のルンデでの演奏会以来ですので久しぶりです。お二人のデュオは未経験でしたので、とっても素晴らしかったです。ストラディバリウスとガルネリウスの音で奏される調べは天国的な美しさです。本当にありがとうございました。今後も独奏、デュオでも再演よろしくお願いします。
(ルンデは)室内楽ホールとしては最高!【天白区:H. M. 】
○名古屋、初の姉妹協演、大変すばらしい演奏でした。又、定期的にコンサート開いて下さい。
(ルンデは)小さくても音の響きが良い。一流の演奏が身近に感じられて素晴らしいと思います。【港区:A. N. 】
○啓子さんのVnは張りがあってつややか、対して朝子さんのVnは控え目な音色ながら温か味があり、安らぎを感じさせてくれました。啓子さんがハレーSQで素晴らしい音楽を聴かせてくれることを考えると朝子さんがSQで演奏したら、とても興味深い演奏会になると思います。
 元々啓子さんのファンですが、今日の演奏を聴いて朝子さんのファンにもなりました。音色からするとシューマンはぴったりだと思いましたのでそのCDを求めさせていただきました。【南区:S. Y. 】
○楽しく又、感動しました。三人共すばらしかった。又、アンコールも、楽しくすばらしかった。二人の笑顔もすばらしかったです。又、次回を楽しみにしています。【anonym. 】
○姉妹で素晴らしい、色の合った演奏でした。外見と同じく、お姉さんの方が音色が華やかで、妹はやや地味ですね。武満さんの曲は、やや芸風が合わない感じでした。【T. K. 】
○とても素晴らしいコンサートありがとうございました。2台ということでとても迫力がありひきつけられましてピアノが入るとまるでオーケストラの演奏をきいているような気分になりました。3人の思いもピッタリでいつまでもきいていたい、このまま、時がとまればと思いました。素晴らしい企画ありがとうございました。【anonym. 】
○ソロとはちがって二つのヴァイオリンは音が重なって拡がってそれはきれいな音色でした。とてもせん細な感じを受けました。
(ルンデは)指先、顔の表情、息づかいが伝わって来るホールです。【広島県:N. T. 】
○奈良県大和高田でのお2人のリサイタル以来です。啓子さんは情熱的で厳しい。朝子さんは、厳しいけれども優しい。どちらが上というわけではなく、個性的なお2人は音だけで区別がつきます。また聴きに行きます。私も頑張ります。【天白区:H. Y. 】
○すばらしい企画ありがとうございます。三人のひたむきな音楽への情熱が伝わって、とても感動いたしました。又、この3人の企画をお願い致します。
(ルンデは)音楽を楽しんでいる皆様とアットホームな感じがよかった。このような活動が輪のように広がり音楽をとおして平和が築かれますように。【anonym. 】
○漆原姉妹というのはどちらも自分の好きな演奏家である。今回は二人そろっての来演という、願ってもない機会なので、実はこの日は市民オケのリハーサルがあったのだが、そちらのほうは言い訳をしてルンデヘ来たのであった。
 ご両人の登場。最初のルクレールのソナタは通奏低音がつくかと思っていたらそれはなしで、お二人だけ。緩一急一緩一急の典型的な古典ソナタであったが、実に楽しい曲であった。それにいまさらいうまでもないがお二人は技術的にはもう何も言うことはないので、まさに楽しい曲を楽しく演奏したというところで、聴いているこっちもとても楽しかった。大変興味深かったのはお二人の音楽の作り方がほとんど同じだったことである。デュオの場合、一人一人が自分の音楽性に従って演奏するということと、デュオとして音楽を作るということの両面性があるので、特にこのお二人のようにそれぞれが一流のソリストである場合、その間の折り合いをどうつけるかというのは考えようによっては難しい問題だが、この二人は何しろ姉妹だし、音楽の世界でもかなり共有している部分があるらしいから、何も考えなくてもそれができてしまうのかもしれない。
 続いて武満さんの「揺れる鏡の夜明け」。どの曲もたゆたうような曲想が現れては消え、またどこかでふっと聞こえてくるといった感じであった。ただし正直に言うと、かなり集中して聴かないと曲の良さがわかりにくいような気がした。こういう曲は、曲の成立過程とか聴く上でのポイントのようなものを事前にちょっと話していただいたほうがよかったかもしれないと思った。次のイベールの間奏曲でピアニストの津田氏が登場。ちょっと驚いたのは大変に若い人だったことだが、もちろんピアノの腕は確かなもので、演奏が始まればそんなハンディキャップは微塵も感じさせなかった。この2曲はなかなかに機知に富んだ軽妙な曲で、武満氏の曲でやや下を向いた気分がぐっと持ち上がって休憩になった。
 休憩の後の最初はシュポアの二重奏曲であったが、これも大変に音楽がいっぱいに入っている曲で、しかもお二人の息がぴったりなのでまことに気持ちがよかった。お二人は「合わせる」ということが特に意識をせずとも実に自然にできてしまうという感じで、したがって音楽の流れがまことに自然であった。
 最後は再び津田氏が加わってモシュコフスキーの「組曲」。これまでの曲がどちらかといえば「小品」っぽい感じだったのに比べ、これは実に堂々とした大作で、聞き応えがあった。
 アンコールははじめにショスタコヴィッチの「三つの小品」からガヴォット。これは可愛い曲(ところどころでショスタコ節が聞こえた)。次は何を弾くかと思ったらサラサーテのナヴァラという曲で、これはまたヴァイオリンの超絶技巧のオンパレードで、この日のメーンのプログラムの曲にはなかった名人芸を十二分に聴かせてもらった。そして最後はヘンデルのヴァイオリン二重奏曲の第8番でしんみりと終わった。なお、アンコールの紹介はお二人が交替でされたが、とても親しみやすい感じの話し振りで、これまたとてもうれしかった。
 ヴァイオリン二重奏ばかりの演奏会ということで、どうなるのかなあと思ったのだったが、大変に実りのあった演奏会であった。これはやはりお二人の人柄によるところが大きいと思う。いつも思うのだが、演奏を聴くというのは演奏を通じて演奏者の人柄を感じているということなのである。【知立市:S. T. 】

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堀米ゆず子 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
2003年7月13日 スタジオ・ルンデ
○私はバッハが好きなので、そのエピソードを一つ。初めてバッハのヴァイオリンソナタを聴いたのは堀米さんの演奏でした。今はCDが手に入らないのですごく残念です。ぜひ再録音を。今日は素晴らしい演奏会でした。【天白区:C. I. 】
○バルトークが聴きたくて参りました。実演は三回目ですが感銘深く聴きました。他のヴァイオリニストで再演を。(もちろん堀米さんの再演も)【瀬戸市:H. S. 】
○これほどの音色にあったことがありません。次回またお聞きしたいです。【天白区:井上眞知子】
○バッハの無伴奏、迫力があり、とても良かった。バッハの他の曲も聴きたい。
 ここは聴衆のマナーもよく、気に入っている。【千種区:K. I. 】
○よく聴かされる冷たいバッハではなく温もりのあるバッハ。重なり合った音の響きや、弱音部のきれいさで“パルティータ”の方が好きです。バルトークは繊細かつ鋭い高音とピチカートが印象的でした。アンコールも茶目っ気たっぷりでよかった。【天白区:S. U. 】
○バルトークのソナタがバッハの延長上で聴こえてきます。めったに聴かない曲ですがやはりすばらしいです。バッハもあの時代では前衛だったのでしょう。新しいものを創り出そうとする精神が人を感動させるのですね。13年ぶりの演奏という堀米さんに拍手。【中村区:M. I. 】
○堀米さんの無伴奏は聴くのは初めてと思いますが、バッハは「聴き易かった」です。あまり肩ひじをはらずに楽しく名曲が聴けました。バルトークは久しぶりですが、素晴らしい演奏でした。第3楽章、まさしく砂漠の中のオアシス! アンコール2曲も楽しかったです!【緑区:K. I. 】
○なんか楽々と弾いていました。こんな天気なのでどんな音が鳴るのだろうかと思いましたが、とてもきれいでした。【千種区:M. Y.】
○この日はバッハの“無伴奏ソナタ3番”と“無伴奏パルティータ2番”、それにバルトークの“無伴奏ソナタ”が演奏されるというので、この機会にバルトークをちょっと勉強することにし、CDと楽譜を買い込んで何回か聴いた。バッハのほうは“パルティータ2番”はよく演奏されるので、“ソナタ3番”を二回ばかり聴いた。
 しかし当日会場へ行ったら、バッハは“ソナタ2番”と“パルティータ2番”に変更になっていた。そして演奏順は休憩の前にバッハ二曲、休憩後にバルトークということだった。そしてこれは結果論だが、全体を通じての印象は、とにかくバルトークが目玉で、バッハはその前座(ずいぶん重い前座だが)という感じであった。
 恒例のイントロに続いて堀米さん登場。実になんでもない様子でちょっと微笑をうかべながら出てこられ、すぐに弾きはじめた。これは次のパルティータも同じであったが、とにかくどこにも力が入っておらず、実に自然に音楽が紡ぎだされてゆくという感じであった。これを聴きながら、以前に聴いた戸田弥生さんの演奏を思い出していた。戸田さんの演奏はとにかくテンションが高く、大げさな言い方をするならば、時に鬼気迫るものがあったが、それに比べるとこの日の堀米さんの演奏は大変にまろやかで、聴いているほうも余裕を持って聴くことができた。決して演奏がやさしい曲ではないはずなのだが、堀米さんの手に掛かると難しさがまったく感じられない。なるほどバツハをこういうふうに演奏することもできるんだなあと感心した。
 休憩の後はバルトーク。この曲は、楽譜を見たとき、ああこれは大変な曲だなあと思い、堀米さんはこの難曲をどのように弾くのだろうと思っていた。しかし堀米さんは特に構えたような様子もなく、すっと弾きはじめた。そしてとんでもなく難しいところも何の苦もなく弾いてしまう。これにはまったく驚いた。まあ一流のヴァイオリニストであればこれぐらいは弾けて当たり前なのかもしれないが、それにしてもすごい腕前である。そしてさらに感動したのは、単に楽譜を音にするというだけでなく、劇的な要素に満ちているこの曲の真髄をしっかりと聴衆に伝えようという意気込みがひしひしと伝わってきたことで、これは演奏者と聴衆が同じ空間を共有しないかぎり絶対に起きないことである。まさに堀米さんの発するオーラが飛んでくるようであった。ただ欲を言えば、この日は湿度のせいかフラジオレットがあまり響かず、ちょっと欲求不満であった。フィナーレの例の四分の一音のところはどう演奏されるのかなあと思っていたが、どうやら通常の音程で演奏されたようであった。まあいずれにしても熱演・力演だった。
 若い人の力一杯の演奏もいいが、堀米さんのような経験豊かな演奏家が、自分の音楽をしっかりと伝えてくる演奏は確かな感触があり、充実感があった。【知立市:T. S. 】

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小山実稚恵 スクリャービンとラフマニノフ 2
2003年7月5日 スタジオ・ルンデ
○名古屋まで来た甲斐がありました。ラフマニノフの前奏曲を聴いて、泣いてしまった……。周りのお客さん、鼻ぐずぐずさせてうるさくしてスミマセンでした。なんかもう、大阪に帰りたくないと言うか、現実に戻りたくないと言うか……。ステージが客席からすごく近いのでドキドキしました。スクリャービンでは何回も鳥肌が立ちました。
(ルンデは)アットホームでいいですねぇ……あったかくって。なんだか名古屋に移り住みたくなりました。関西で(小山さんを)聴くより、なんかどっかいいです。【大阪市:K. A. 】
○一つ一つの音にすごく色があってとても楽しく聴かせて頂きました。低音部と他の音とのバランスなど、とても興味深く聴かせて頂きました。【大阪市:A. K. 】
○ラフマニノフをよく知っているわけではありませんが、とても楽しみに来ました。私が知っている曲は少なかったのですが、小山さんのピアノは優しくて澄んだ音色でした。ホールいっぱいにピアノの音が響き満足なひとときを過ごさせていただきました。(ルンデは)とても美しい音色に聞こえます。【広島県:N. T. 】
○スゥーッとした顔で弾かれているのにすごい迫力に驚きました。大きな強い音の固まりも小さな弱い音もとてもきれいでびっくりしました。ラフマニノフはもちろんの事とても素晴らしかったですが、日頃余り耳にしないスクリャービンも曲の表情がとても良く出ていて大変良かったです。素晴らしい演奏を有難うございました。次回も是非聴かせていただきたいと思います。【吹田市:N. T. 】
○ただただ「素晴らしい!!」のひとことです。最弱音から、最強音迄、美しく、力強く、心にひびきピアノの音楽の素晴らしさを改めて味わうことが出来ました。12月にぜひ又、来たいと思っています。【豊中市:K. O. 】
○初めてこんな真近で小山さんにお目にかかれました。感動です。又是非お会いしたいものです。(ルンデは)いい音環境のホールですね。【天白区:K. K. 】
○この様な素晴らしい演奏を、こんなに近くで生で聴けてとてもよかったです。【天白区:E. K. 】
○『ピアノ音楽を生で聴く楽しみ』を満喫しました!プログラムの中では前半最後の“前奏曲ト短調”だけが、従来聴いた記憶の残っている曲ですが、こんな演奏は聴いたこともありません。感銘を受けました! 小山さん、いつもすごい演奏を聴かせてくれますが、今夜の全曲も本当に素晴らしかったです。次回がまた楽しみです!【緑区:K. I. 】
○今回は予習として、スクリャービンのソナタの第一番と第七番は、前もって楽譜を見ながら何回もCDを聞いたのだが、楽譜を見たときその複雑極まることに仰天し、いったいこんな楽譜をどうやって音にするのだろう、どうやって暗記するのだろう、こんなものをちゃんと演奏できないとピアニストとして認められないとは、ピアニストというのはなんという大変な職業なのだろう、とひそかに同情の念さえ覚えたのであった。
 さてそれはさておき、前半はラフマニノフである。最初の「リラの花」と「ひなぎく」はちょつと音の重なるところもあったがまずは可愛い感じの曲で、ピアノの音がとても澄んでいて美しかった。後半のスクリャービンと対比させるために、ラフマニノフはやさしい感じの曲ばかり選ばれたのかなあと思った。ところがそれは間違いであった。続いて演奏された「楽興の時」三曲、「前奏曲」四曲とも、重い音が強烈に重なり、圧倒的な迫力で聞き手に迫ってきた。最前列に座っていたのでまさにその音圧で吹き飛ばされそうであった。
 それにしても、小山さんという人はステージに出てきたときは、実にやさしい感じの人なのに、いったん弾きはじめると、何かが乗り移ったようになって強烈な自分の音楽の世界を作り上げ、そこに有無をいわさず聴衆を引っ張り込んでしまう。もちろんそれは完壁な技術の裏付けがあってできることではあるが、それに加えてコンサートピアニストとしての天性を持っておられるかただと思った。
 休憩の後はいよいよスクリャービン。第一番はCDについていた英語の解説を苦労して読んだところでは、ピアノを弾きすぎて右手を痛め、治癒不可能と宣告されたあとで作曲されたとのことで、第四楽章は葬送行進曲になっている。しかしこの日の小山さんの演奏は決して後向きではなく、非常に感情豊かにめりはりをつけての演奏で、どちらかといえば「困難に打ち勝ってみせるぞ」という気概のようなものが聞えてくるようであった。第七番については、これは後で反省したのだが、あの複雑怪奇な楽譜をどうやって演奏するのかにばかり注意が向いてしまい、小山さんの音楽をあまり聞き取ることができなかった。なまじっか楽譜なんか見ないほうがよかったと思った。
それにしても、この日の一時間半の演奏のために、小山さんが費やした時間と努力は大変なものだったと思う。これらの曲を以前からレパートリーとして持っておられたのかどうかは知らないが、いずれにしても並みの努力では決して演奏できない曲ばかりである。改めて小山さんという人のすごさを感じるとともに、常にこういった前向きの姿勢をたもっておられるからこそいつまでも第一級の演奏家として存在し得るのだとつくづく思ったのであった。【知立市:T. S. 】
○小山さんの演奏は何度聴いても「素晴らしい」の一語に尽きます。ロシアものと小山さんとの相性は最高だと思うのですが、特にスクリャービン:“ソナタ第7番「白ミサ」”とラフマニノフ:“楽興の時”の迫力は素晴らしかったです。そうかと思うと前半の小品2曲も愛らしく、小山さんの表現力の幅の広さを改めて実感させられました。早速次回の予約をしましたが、今から12月が楽しみです。
PS.演奏前に「小山さんにとって我が家の様な………」と云う司会のコメントがありましたが、近しい関係の演奏者と聴衆とが、共同で音楽を創り上げるというのが小ホール・室内楽の魅力なんだな……と再認識した1日でした。【千種区:J. I. 】
○当日は雨模様でしたが、今回のプログラムはそれに相応しい雰囲気の曲だったかもしれません。この日の小山さんは不調だったのか、前半のラフマニノフはミスタッチが気になり、ちょっと生彩を欠いている印象。後半のスクリャービンは、ラフマニノフとはうって変わって最初から激しい音の乱舞で始まり、目まぐるしい不協和音に翻弄されているうちに終わってしまったというのが正直なところ。ピアニストに強靭な体力を要求する曲ですが、それは聴く方も同様で「いいかげんな聴き方は許さん!」という迫力がありました。ソナタ7番「白ミサ」の執拗な繰り返しに、J. アランの「連祷」を連想してしまいました。アンコールの2曲は静かな曲で、スクリャ−ビンの後のちょうど良いデザートという感じでほっとしました。【熱田区:D. H. 】

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オクトバス・フォー
2003年6月22日 スタジオ・ルンデ
○ユニークなサウンドで音楽の楽しみ方もほんとうにいろいろあることがよくわかりました。オーケストラの後ろではいつも同じことをしているように見えるベースも、ひとりひとり個性があり、それをあわせれば、こんなにも多彩な音楽ができあがることにすっかり感心しました。楽しい音楽がいつまでも続くといいなと名残を惜しむ気持ちに応えてアンコールもたくさん。楽しいパフォーマンスと語りで会場を沸かせてくれました。【中村区:M. I. 】
○ベースがチェロに見える大男4人の演奏に、開演前の雨もすっ飛んでしまいました。長くルンデで聴いていますが、演奏中に指を鳴らしたのは初めてです。【天白区:S. I. 】
○大変楽しく素晴らしいコンサートで、感動でした。コントラバスの四重奏ははじめてですのでどんなものかと思いましたが、こんなに楽しい時間を過ごせて大変嬉しく、また是非来たいです。その技術の卓越したこと、一人一人の人柄のよさも伝わってきて、そのユーモアに引き込まれました。又来て下さい。【江南市:A. Y. 】
○感動……。ホールが小さくていいとおもった。【中村区:M. T. 】
○梅雨空の「うつ」を吹き飛ばす、ハチャメチャに楽しいコンサートでした。イタリア人の音楽性、エンタティナー性はすごい。コントラバスの超絶技巧だけでなく、作曲、編曲、歌唱もみんな素晴らしかった!【緑区:K. I. 】
○本当にすごかった。弓の速さやピチカートの速さに驚いた。【岩倉市:K. A. 】
○“ピンクパンサー”の最後がパトカーのサイレン(ちゃんとドップラー効果も入っている!)になって、全員楽器を放り出してステージから逃げ出してしまう演出など秀逸だった。テクニックも音楽もしっかりした連中の遊び心溢れたステージは「これぞ音楽!」。そしてナマ演奏は、サンプルのライブ・テープやCDでは全然感じられない生き生きした生命感に溢れるもの。おかげですっかり元気と明るさを貰って、「癒し」の本質とはこれなのだ、としみじみ思った。【Oyaji】

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寺谷千枝子 メッツォソプラノ・リサイタル
2003年6月15日 スタジオ・ルンデ
○様々な歌曲が聞けて良かったです。1曲目が特に素敵でした。作品の解説が楽しかったです。ルンデは音がクリアでよいスタジオだと思いました。【長久手町:C. O. 】
○歌に加え小林さんのお話も聞けて、とても良かったです。来たかいがありました。【長久手町:W. O. 】
○ベートーヴェンの歌曲が異色(?)な曲で楽しかったです。ヴォルフは初めて聴きましたが、微妙な陰影が何とも言えません。マーラーの「私はこの世に忘れられ」は、何かこう世捨て人の感じがよく出ていて、好きになりました。【熱田区:D. H. 】 ○素晴らしく深味のある、表現力の豊かなメッツォ・ソプラノでした!
 前半、ヘンデルの「涙の流れるままに」が大好きですが、寺谷さんの歌唱は心に浸みました。各曲に、思いもよらない小林さんの解説があり、楽しさ倍増でした。
 後半のヴォルフ、マーラーも、全曲、またアンコールのヘンデル「オンブラ・マイフ」も素晴らしかった。ミニョンがピアノもこんなに良い曲だと知ったのは初めてです。
 若いころ聴いていなかったので、小林さんのピアノ伴奏で歌曲を一度は聴いてみたかったのですが、今日はとびきりのヴォルフも聴け最高でした。楽しかったです!【緑区:K. I. 】
○メッツォというのは、レパートリーも地味になってしまうが、しっとりと味わい深い響きには、ソプラノの華やかさとは全く異質の良さがあって、心の底から感動出来た。寺谷は日本を代表する優れた歌手であることを実感した。またピアノの小林も、流石に名伴奏者としての手腕にはゆるぎないものがある。例えようもない満足感を与えられた、忘れられない演奏会になった。【anonym. 】
○寺谷さんのメッツォ・ソプラノの快いい〜い歌声を聞かせてもらって幸せなひとときでした。作曲者のこと、詞のことを小林さんから紹介され、又その紹介の仕方が楽しくユーモアに富んでいて良かったし、楽しく歌を聞けました。【広島県千代田町:N. T. 】
○小林道夫さんが久し振りにルンデへ「ピアノを弾きに来ました」とニコニコ。実はヴァイオリンの岡山潔さんがドイツ時代からの寺谷さんの「オッカケ」だそうで、彼に強引に連れられて行った彼女のリサイタルでのピアニスト(ドイツ人の女性)「より僕の方がうまいや」と押しかけ伴奏者に名乗り出たとのこと。9月の横坂源クンへの伊藤恵さんのように、優れたパートナーが向こうからやって来てくれるなど、「ソリスト冥利」につきると言えるのでは……。【Oyaji】

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新たな世代へのデュオ〜フローリアン・プライ&リコ・グルダ
2003年5月27日 スタジオ・ルンデ
○細い顔の人が出て来られたので、これは…と心配したのですが、歌い出しから美声で安心しました。プライさんのバリトン、感情表現が上手だなと思いました。グルダさんのピアノ・ソロはダイナミックレンジが広く、美しいピアノでした。伴奏も、転調するところなど、美しかったです。
 後半のバリトン、リートからアリアに変わったこともあり、一層声がのびて素晴らしかったです(パパゲーノはちょっと真面目過ぎかもしれませんが)。
 ジャズっぽいグルダ曲のピアノも面白かったです。なにか一夜で2倍得をした気になりました。こういう二代目さん、大歓迎!【緑区:K. I. 】
○端正な容姿と、とても軽やかに謡い上げるので、とても魅力的だった。特に高音部は透明感溢れて素晴らしかった。ピアノはとてもボリューム感があって楽しかった。【名東区:K. K. 】
○透明感があり爽やかで素敵でした。ブラームスの「日曜日」は、母が持っていた楽譜で「祈ればよかった」の題名を思い出しました。なつかしい感激の時間がもてました。
 ルンデは演奏者との親近感がとても良い。【千種区:Y. K. 】
○F. プライさん、第一声からはりのあるつやのあるバリトンで夢中になりました。第一部最後の「日曜日」は、子供の頃祖母がよくうたっていたので特になつかしく聴きました。
 グルダさん、モーツァルトソナタ、グルダ流の遊びが処々はいってたのしかった。「リコのために」…とても楽しい曲で、こんな曲をもってる人はシアワセですね。【東大阪市:Y. K. 】
○すばらしい才能のキャリアのスタートに立ち会えたすてきなコンサートでした。トム・クルーズを思わせる風貌から父プライゆずりの力のある歌声で会場を圧倒しました。ブラームスやシューマンの若々しく、ロマン的な歌が気に入りましたが、きっとオペラの舞台でも映えるだろうと、今後の活躍が楽しみです。
 リコ・グルダの伴奏も歌を支えていて音楽がよく分かり、つくっていくことができる演奏家と思いました。「リコのために」初めて聴きましたが、しゃれていて、新しい感覚で、世代が変わったことを得心しました。【中村区:M. I. 】

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クス・クァルテット(ベルリン)
2003年5月23日 スタジオ・ルンデ
○恐ろしい。このようなすばらしいグループが次々でてくるとは。  「テクニックの完璧な四人の奏者が揃った」というのはこのグループのほんの一部分しか紹介したことにならない。問題はそのすばらしい音楽だ。ルンデといういれものがびりびりふるえるような爆音にも驚かされた。そして聴衆全員が焼死するような熱い音楽。
 彼らの今後から目が離せない。彼らの「成長」ではない。すでに個性的で完成された音楽家だ。今後あるのは「変化」でしかない。
 弦楽器奏者のはしくれとして自らを厳しく省みざるを得ない。【K. T. 】
○品格のある音色に大満足。アドルノの小品の熱演が印象に残りました。聴きなれたブラームスのなんと新鮮で躍動感あふれる演奏であったことか。
 音楽は見て楽しむものだという『観音』の境地を体感出来た今宵でした。【北区:H. T. 】
○弦の充実した、独特の音の厚みのある、しかもシャープな切れ味もあるクァルテットと思いました。ハイドンは、そういう点から新しい曲の魅力を感じました。アドルノは曲の魅力そのものには、一度聴いただけでは迫れませんでしたが、いい演奏でした。
 後半のブラームスとアンコールのメンデルスゾーン、まさに「若いエネルギーの塊」という演奏でした。
 21世紀のクァルテット!という感じです。どういう風にさらに成長していかれるのか、楽しみです。【緑区:K. I. 】
○3年ぶりに東京単身赴任より帰還しました。室内楽コンサートは、名古屋はまだまだ少ないと思います。その中で「ルンデ」の頑張りは特等に値します。
 クス・クァルテットのようにすばらしい室内楽、ソロをこれからもお願いします。勤務の許す限りルンデに来たいと思います。【港区:A. N. 】
○心地良く聞かせていただきました。【春日井市:M. K. 】
○ビオラのソフトな音にビックリ。チェロの音(ひびき)が体感。生きの良い迫力。【J. F. 】
○見事でした。ハイドンの「ベネツイアの競艇」は始めて聴きました。3拍子の軽い感じから始まって、第二楽章の2拍子になると調も変わり3連符がエネルギッシュで交互に出てくるフォルテとピアノが躍動感に溢れ、しっかりした技術に裏打ちされた演奏に聞きほれました。フィナーレではヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのメロディの受け渡しが見事で四人の息がぴったり合っていると感心しました。
 アドルノの作品はかれの経歴を読み興味津々でした。夫々の音が不協和音の様な感じを受けたのに妙にハモッていて他の方の感想も聞きたいととても楽しみにしています。
 ブラームスの作品51−2は、特に第三楽章のメヌエット、ヴィヴァーチェとメヌエットが入れ替わり演奏される所がよかったです。
 アンコールのメンデルスゾーン「カプリチョ」見事でした。
 最後まで力溢れる若々しい演奏とハンサムで美女のクァルテット今後のますますのご活躍を期待しています。そしてCDが出たら是非買いたいと思っています。本当にこんな良い演奏に出会えてよかった! 【宝塚市:K. Y. 】
○国際コンクールで優勝したクァルテットだということで、こういうのはかならず聴きごたえがあると思って出掛けた。予想に違わぬ力一杯の熱演であった。
開演前のトークが終わるとすぐに四人が入ってきた。どうやら入り口で待っていたらしい。そして着席するとチューニングもせずにいきなり弾きはじめた。これは気持ちがよかった。そしてすぐに感じられたのは、四人ともまさに演奏に没入しているということであった。まさに息がつまるような雰囲気の中で演奏が進行した。ポディ・アクションも結構大きく、特にヴィオラのコールマンさんは大きく体を動かすので、あんなに動いて弓がうまく弦をとらえることができるのだろうかと思えるほどだったが、もちろん余分な音はひとつも聞こえてこなかった。全体的にやや早めのテンポでぐいぐいと進行し、特にフィナーレはすごいスピードで走ったが、合奏に一分の乱れもなかったのは見事だった。日頃の猛練習が目に見えるようであった。
 続いてアドルノの曲。十二音だというので奇妙な響きがするのかと思っていたら意外に耳に快い音楽で、まったく違和感がなかった。もっとも、演奏テクニックに関しては超のうえにまた超のつきそうな大変な難曲で、あとで休憩時間に楽譜を見せてもらったが、あんな楽譜を読んで音にするだけでも大変なのに、それを四人で合奏するというのだからこれはもう超人的としかいいようがない。もっとも四人についてきていた係の女性に言わせると「演奏中はほとんど楽譜なんか見ていないらしいですよ」とのことであった。演奏はとにかくエネルギーの塊がぶつかりあうような激しいもので、聴いているほうとしては爽快な高揚感を味わった。しかしそれにしてもこのような曲が弾けないと一流の仲間に入れてもらえないというのは大変な世界である。
 休憩後はプラームス。ところでこの曲の演奏が始まったときおやっと思ったのは、第一ヴァイオリンの音が合奏のなかに埋もれてしまってあまり聞こえてこないことであった。実はハイドンとアドルノを聴いているとき、この四重奏団は四人がほとんど同じような比重で合奏に参加しているなと思っていた。ただし、ハイドンの場合はそもそも第一ヴァイオリンが主に聞こえるように書かれているので、四人が同じようにがんばってもそれで音楽になるし、アドルノの場合は今度はまったく逆にそもそも四人がまったく対等に演奏するように書かれているのでそれでよかったのだが、プラームスでは各声部がかなり部厚く書かれてはいるが、その中でも主旋律とでもいうべきものがあり、それが明確に聞こえてこなければいけない。だからそういうところでは四人が同じようにがんばってしまってはいけないわけである。これはこの四重奏団の今後の課題であろう。
 まあそういったことはあったが演奏そのものは最初から最後まで緊張感が途切れることがなく、最前列で聴いていたこともあって演奏者の緊張感が押し寄せてくるようで、こわいみたいであった。特にフィナーレで冒頭の第一ヴァイオリンの鋭い音が空間を切り裂いてきたとき、うわっと思った。
 アンコールはメンデルスゾーンのカプリッチョで、これはヴィレさんがやっとこさの日本語で曲の紹介をしたのがおかしかった。ただし曲のほうは穏やかなものかと思っていたらそうではなく、特に後半のフーガは大げさにいえば四つの楽器が秘術をつくして渡り合うという感じで、緊張の連続であった。この団体はやはりこういうものを得意としているようだ。若い団体にふさわしく、熱気と緊張感にあふれた演奏会で、快い興奮のうちに終わったが、欲をいえば、プラームスのところでちょつと触れたように、四人全体としての音楽作りにもうちょつと気を使ってほしかったし、とにかく緊張感一点張りで気持ちのほぐれるときがなく、ちょつとしんどかった。音楽のなかにある「やすらぎ」の要素をもう少ししみじみと聴かせる場面があってもよかったと思う。まあしかしすべてはこれからである。【知立市:T. S. 】

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ダヴィッド・ゲリンガス 無伴奏チェロ・リサイタル
2003年5月11日 スタジオ・ルンデ
○バッハと現代曲と交互に演奏されても少しも違和感がない。チェロ一本がつくり出す音楽は、ずい分大きく広いことを実感。またバッハの先見性に感心しました。
 ヴァスクス曲の声とチェロが交じりあってつくり出す部分ではチェロが人間の声に近いことがよく分かりました。初演の曲でもまだまだチェロの表現の可能性について考えさせられました。【中村区:M. I. 】
○バッハ(1番、5番)の無伴奏は大変よかったです。
 ルンデはもっとせまいホールかなと思っていたのですが思ったより広く、よくきけました。【春日井市:Y. A. 】
○大変楽しく、美味しいコンサートでした。【尾張旭市:N. A. 】
○バッハの5番のガボットとショスタコービッチのカデンツァがすばらしかったです。神戸から聞きに来たのですが、遠いところから来た価値が充分にあったすばらしいコンサートでした。
 このように小さなホールでこそ室内楽の本当のひびきを聞くことができると思います。すごく良いと思います。【神戸市:H. T. 】
○とてもよかった、その一言です。小じんまりとしたホールで、演奏者との距離も近くよい雰囲気。【伊勢市:Y. O. 】
○ドキドキしてかつ涙がでそうになりました。【千種区:T. T. 】
○すばらしいチェリスト。ついに生で聴けました。あたたかく深い音色(ときにざらざらした低音が印象的)と音楽を堪能しました。【K. T. 】
○レパートリー的にも、演奏技術的にも、最弱音までしっかりきけるルンデでゲリンガスさんが聴けて、文字通り「有り難かった」。
ヴァスクス曲で、奏者のヴォーカルがチェロの音に溶け込んだのには驚きました! バッハは、さらっとひかれた第1番の方が好みでした。アンコールの「鳥の歌」のソロ・バージョンも興味深かった。【緑区:K. I. 】
○音楽の楽しみ方というものをよく知らなくて、眠ってしまう私だったのですが(笑)今回、すごく気持ちよくて頭のこりがきえてとても気持ち良く聞き終えることができました。他の方もきっとこんな風に聞いていたんだ、と思うと、とても良いコンサートに参加できてとても嬉しかったです。【津島市:A. T. 】 ○バッハの無伴奏チェロ組曲を生で聴きたいと思いチケットをとりましたが、ゲリンガス氏の男性的な力強いチェロに圧倒されました。
 特にヴァスクス「フォルティッシモ」男性の叫び、闘い。「ピアニッシモ」女性のすすり泣き、遠い波のむこうから。感情表現が豊かですね。現代音楽はなじみがなく感覚でしかわかりませんでしたが・・・。やはり最後の鳥の歌は感動です。【S. S. 】
○演奏を間近で聴くことができ指が楽器をこする音、息使いが感じられて感動しました。何度も聞いている古典とサンドイッチされた現代的な曲が非常に新鮮でした。ダヴィット・ゲリンガスさんすばらしい。ますます活躍されるでしょう。【知多市:M. S. 】
○現代曲は聞く側からすると、あまりおもしろくないが、ヴァスクスはとてもおもしろかった。曲も美しいしテクニックもふんだんに入っており、指盤をたたくのと声が特におもしろかった。現代曲とバッハの無伴奏というのがよかった。アンコール曲も含め、どの曲もとてもすばらしかった。【東海市:T. O. 】
○リゲッティでは少々技巧的に衰えたかなと思いましたが、ヴァスクスは流石と感心しました。バッハは彼がバロック的に弾こうとしているのか現代的に弾こうとしているのかとまどいました。【天白区:K. S. 】
○昨年のクラレット以来久しぶりにチェロの無伴奏を聴きましたが、やっぱり弦の無伴奏はいいですね。バッハが素晴らしいのは勿論ですが、現代曲を聴けるのはルンデならではの楽しみです。特に曲の途中で女性のような幻想的な声が聞こえてきた時には何が起きたのか一瞬わからずびっくりさせられました。【千種区:J. I. 】

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金澤 攝 「セザール・キュイ名作選」
2003年5月10日 スタジオ・ルンデ
○「どんな演奏会になるのかな」と予想もできないくらいで出かけるコンサートも楽しい。この日は大当たりでした。ドビュッシーのような音色を楽しんでいると突然、複雑で手の込んだリズムが乱入してくる。それでいて全体は不思議に透明。なるほど演奏者には大変な負担がかかることも納得できました。【中村区:M. I. 】
○前半の三つのワルツ、とても良い曲でした。ミニアチュール第3集の6曲もカワイイ曲。後半の「アルジャントーにて」は、なかなかすごい曲集と思いました。「展覧会の絵」と同様、もっと演奏されてよい曲と思いました。
 金澤のプログラム・ノートは分かりやすく、解説も作曲と演奏との関係等、非常に参考になりました。まだ数回しか聞いていませんが、演奏を含め、もっとも金澤さんに共感をおぼえたコンサートでした。【Anonym.】
○「アルジャントーにて」は曲、演奏とも感銘をうけました。Op.29も初めてきけた貴重な機会だった。以前に比べ余裕すら感じる金澤さんのピアノは深い響きで全く比較がない。聴けてラッキーだった。
 ルンデは目の前で見れる素晴らしいホールです!【神戸市:H. T. 】
○これまで何度も来演されているのに、何故か都合が付かず聴きに行くことができませんした。今回は6年目の正直です。
 キュイの曲を聴いたのは初めてだったのですが、全然違和感もなくどれも素晴らしい曲だと思いました。金澤さんの弾かれている様子を見ると、非常に弾きにくそうで大変だなという感じはしましたが、他のコンポーザーピアニストにはない独特の曲の流れと和音の響きが印象的でした。演奏者にとっては難行苦行かと思いますが、もっと弾かれる機会があってもいい作曲家だと感じました。【千種区:J. I. 】

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堀米ゆず子&児玉桃 モーツァルト・シリーズ(1)
2003年4月13日 スタジオ・ルンデ
○大好きなモーツァルトの、ヴァイオリン・ソナタは今までほとんど聞いたことがなかったんですが、実際聞いてみるとどの曲も大変すばらしく、お二人の息の合ったすばらしい演奏とともに、今後のツィクルスを大変楽しみにしております。
(ルンデは)家庭的で、気楽に音楽を楽しめる雰囲気がとてもすばらしいと思います。今後のご繁栄をお祈りいたします。【豊田市:O. M. 】
○モーツァルトのピアノとヴァイオリンのソナタばかりのコンサートがきけて幸いでした。たのしかったです。色々な演奏もきいて予習してきました。桃さんのメシアンすてきでした。堀米さんは存じ上げていてもはじめてきくことができ凄くうれしいです。【名東区:S. M. 】
○前半、生き生きした素晴らしいソナタ演奏でした。後半の変奏曲、芯の堅固なヴァイオリンから特徴のある変奏がくり出され、ピアノもここでもみごとで、とても美しかったです。美しい重音より、ヴァイオリン・ソロのリサイタルも楽しみです。【緑区:K. I. 】
○演奏はよかった。
 観客にもう一点、注意を促す必要があると思ったのは、ビニール袋(スーパー・本屋などの買物袋)の音がないようにすること。【千種区:K. I. 】
○いうまでもなくモーツァルトの作品は小さいころからすべて完成されているがプログラムの進行の中で音楽がどんどん熟していくことがよく分かりました。
 前日の冷たい雨の日とちがって、今日は本当に春を実感する曲であり演奏でした。このコンビのモーツァルトシリーズ楽しみです。【中村区:M. I. 】
○あと3回のコンサートがとても楽しみです。すばらしかったです。【昭和区:N. T. 】
○十何年ぶりで堀米さん聞きました。やはり演奏はすばらしかった。【名東区:Y. K. 】
○雨あがりの若葉が目にしみるように、すばらしいモーツァルトが全身に流れ込んでくるようでした。見事な二人の演奏に陶酔しているうちに終わってしまいましたが、もう来春の2回目が待ち遠しい思いです。暗いニュースばかりの毎日でしたが、今日のモーツァルトは心が洗われる思いでしたし、大きな元気をいただきました。【岐阜県安八郡:A. M. 】
○29番30番は初めて聞きましたが、堀米さんと児玉さんコンビがピッタリですので聞いていて大変素晴らしいのでウットリしました。【中川区:S. A. 】
○K.305、306、481などなかなか聴けない選曲でとてもよかった。ルンデはとても良い雰囲気。【豊橋市:E. Y. 】
○K.305、306、481など、とても力強く、モーツァルトのこれらのソナタを初めて聴きました。感動です。【豊橋市:I. S. 】
 ルンデでは先日菊池洋子さんのピアノを聴き、その若くみずみずしい感性に感銘を受けたが、今回はすでに声価の定まっている演奏家のリサイタルで、その違いを聴いてみようと思っていた。
 時間になってお二人が登場。実に気軽な感じで出てこられた。ドレスも堀米さんは茶色を主体としたシックなもの、児玉さんも色こそ緋色だが派手なところのないワンピース風のもので、お二人とも構えたところがまったくなく、さすがであった。
 チューニングなしでいきなり K.305 の演奏が始まったが、おやっと思ったのは、かなり感情移入の感じられる演奏だったことで、音色も少し暗めのように聞えた。見ていると弓の下半分を使って演奏されることが多く、そのせいだったかもしれないが、モーツァルトの曲(しかもイ長調という、普通なら明るく響いて当たり前の調性)でも、弾き方によってはこんなふうに聞えるんだということを教えてもらったような気がした。
 モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは一般的にピアノの比重が大きく、この曲もかなりピアノの比重が大きいが、自分の席からは児玉さんが堀米さんの陰になっていたせいもあって、ヴァイオリンが前面に出ていた演奏のように思った。このあたりはやはり貫禄の違いというものだろうか。 次の K.306 でもこの感じは同じだったが、特に印象に残ったのは第二楽章で実に美しい叙情的な演奏を聞かせてもらったことであった。あとでプログラムを見たら、この楽章は Andante cantabile と書いてあったので、やはりそうだったかと納得した。
 休憩の後は変奏曲が一曲演奏された後 K.481 が演奏されたが、この曲では espressivo をたっぷりと聞かせてもらった。ヴァイオリンの比重も増しており、このあたりになってくるとたとえばベートーヴェンの初期のヴァイオリン・ソナタとあまり変わらない。竹澤恭子さんのべートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏がいま進行中で、第二回が来月にあるので、今日の演奏を耳に残しておいて比べてみようと思った。
 アンコールは「予告編でーす」ということで、 K.526 の第一楽章が演奏され、鳴り止まぬ拍手にこたえて、K.304 の第二楽章が再び演奏された。ところで堀米さんが言葉を発したのはこの二曲の曲名を言ったときだけだったが、この日のような曲目ではもっともらしい「解説」は必要ないということだったろうし、お二人とも舞台上で取り澄ましたようなところがまったくなかったこともあって、聴いている我々もお二人との一体感があり、とってつけたような「トーク」がなくても何だかお二人と言葉をかわしているような雰囲気を感じたのであった。
 この日の演奏を聴いていると、まさに「練達」という言葉がぴったりであった。とにかく音楽を完全に自分の手のうちに納めている感じで、聴いているほうも余分なことを考えずに音楽に没入できた。ヴァイオリニストにとって、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタというのはある意味では弾きにくいのではないかと思っていたが、この日の演奏を聴くと、すぐれた音楽家というものはどんな音楽でもちゃんとそれを自分のものにしてしまうのだということがよくわかったのであった。次は一年後ということであるが、もっと早くやってほしい気がした。【知立市:T. S. 】

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アンティゴーニ・ゴーニ ギター・リサイタルI
2003年4月9日 スタジオ・ルンデ
○すごくよかったです。自分の練習している曲をアンコールでやってくれたのでうれしかったです。もう一度ききたいです。いいコンサートがみれてよかったです。
 難曲ばかりでしたが、ミスもなく素晴らしい演奏でした。パーフェクトな演奏と美しい音色に感動しました。
 演奏者が間近に見れて感激です。【緑区:T. W. 】
○後半、私の気持ちと一体となり素晴らしかった。【天白区:E. S. 】
○興味深い選曲だった。ルンデはカジュアルで家庭的な雰囲気。【千種区:M. O. 】
○一本のギターから生み出される、なんと濃密な音楽!ホールを埋めつくして息苦しくなる程でした。【天白区:S. U. 】
○こんなに席数の少ないコンサートは初めてで曲目もすごい。【浜松市:K. A. 】
○2年ぶりのルンデですが、思わぬ盛況ぶり(失礼!?)と、店主の孤軍奮闘ぶりに感動しました。ルンデをはじめられた時の初心がずっと貫かれているのを拝見して、自分もがんばらねばと思いました。
 最後の「ヒナステラ:ソナタ Op.47」が一番印象に残りました。なにか、古くて新しくて、異国の風の様で、なつかしいふるさとのにおいの様で、不思議な演奏だった。楽しい一夜でした。また、うかがいたいと思います。【春日井市:H. Y. 】
○今までのギターコンサートの中で最高に良かったです。自分もギターを長年やっておりますが、何とも言えない気分です。この一時をズートズート、保ちつづけたいです。【豊橋市:N. K. 】
○いや〜素晴らしいギター・リサイタルでした! ゴーニさん、技術的にもすごいと思いますが、それは完全に音楽に奉仕しているという感じで。プログラムには知っている曲はなかったけれど、ギターのあたたかい音色にマッチした曲が多く、後半にはロマンチックな曲もあって楽しめましたむ。アンコールに、さらりと名曲の名演奏というのも心にくい!【緑区:K. I. 】
○久しぶりのルンデ、女性のギターはじめて聞きました。せんさいで美しい音色でしみじみ楽しい時を過しました。有がとう。聞きながら、ふと昔、サクソンのヘンゲストの陣にいて、たてごとを弾いた妹のロウイナ、赤い衣のロウイナを思い出しました。そのあでやかさで。その音色で。
 若い人が沢山いて、嬉しかった。ルンデ健在なり。コーヒーおいしかった。ごちそうさま。【中区:S. O. 】

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菊池洋子 ピアノ・リサイタルI
2003年3月30日 スタジオ・ルンデ
○菊池さんの演奏は、力強さはもちろん、mp・p・ppの音がとてもきれいで、一音一音に心のこもったプロの音色だと思いました。また菊池さんがコンサートをされる時には、絶対に聴きに来たいと思います。【anonym. 】
○菊池さんの演奏、モーツァルトもショパンも、これぞその人の曲、という感じがよく出ていて、聴いていて楽しかったです。
 高音が綺麗で、音符の混んだところと、まばらなところの弾き分けが見事でした。とてもリッチな気分になれた日曜日の演奏会でした。【緑区:K. I. 】
○モーツァルト:非常に落ち着いた重厚な雰囲気で楽しめました。それ以上に気迫のこもったショパンは大変聴き応えがあり、演奏者の力の入れ方が伝わってきて感動した。【守山区:M. I. 】
○ショパン:モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」変奏曲は初めて聞きましたが、大変素晴らしい曲でした。後半のショパンは、変化に富んだ大変素晴らしい曲でした。全体を通して大変素晴らしい曲でした。ありがとうございました。【中川区:S. A. 】
○繊細でとても表情豊かなモーツァルトでした。特にペダルの使いがよかったと思いました。粋な雰囲気が感じられました。次ぎはどんなレパートリーを披露されるか、楽しみに待っています。【中区:K. T. 】
○力強いタッチに圧倒されました。【anonym. 】
○目下イタリア在住の菊池さんは、いかにもその雰囲気に包まれた、とてもチャーミングなピアニストでした。とても今回がソロ・デビューだとは思えない堂々としたステージ態度、そしてそのはじける様な笑顔には、お客様も無条件に嬉しくなってしまう……。
 高く澄んだその音色に「今日のピアノは何か特別な調整をしたの?」とか「ピアノを聴いて、涙が出たのは初めて」の声も聞こえました。
 特にショパンの「12のエチュード」を恰も一つの「交響詩」のように弾いてのけたには……曲間の「間」が何とも言えず、一気に聴かされてしまった。拍手!
 久し振りに、端正で美しいモーツァルトと情感溢れるショパンに出会えた。彼女にこっそり聞いたところ身長は170センチ超だとか、これも素晴らしい。【おやじ】
○実力のある、若くて溌刺とした演奏家の魅力を十分に堪能した演奏会であった。まずステージに出てこられたとき、体格が立派なのにぴっくりした。しかも見るからにソリストだという雰囲気であった。ステージで演奏する演奏家の場合、目で見た印象というのはかなり大切な要素だと思う。
 さりげなくモーツァルトの第三番のソナタを弾きはじめたが、タッチが実に柔らかく、指が鍵盤のうえを滑るように移動してゆくのを見ていると心がすーっと洗われてゆくような気がした。モーツァルトにしてはちょつと強弱を誇張しすぎかなあと思うところもあったが、とにかく自分の音楽がしっかりと作られており、それをためらいなく素直に前面に出してくるので聴いていてとても気持ちがよかった。それにこの人は演奏中の自分の感情を顔の表情や体の動作に自然に出してくる。実はこれはやりすぎると「いやらしい」のだが、この人はそれが実に自然なので、聴いて(見て)いるほうも演奏者と一緒になって音楽に入ってゆける感じがした。次に同じくモーツァルトの変奏曲が二曲演奏された(この日は何と全五曲のうち三曲が変奏曲であった)。変奏曲の場合、変奏ごとにがらっと気分が変わるわけだが、それを自分なりにちゃんと処理して演奏しているのがよくわかり、納得であった。もっともこういった変奏曲は(あとで菊池さんご自身も言っておられたが)いわば座興の音楽なので、あまりしかつめらしい気分で聴くべきではないのだろうが、そのあたりもちゃんとわきまえた演奏であった。
 そしてモーツァルトとショパンの「つなぎ」というわけで、ドン・ジョバンニのアリアをショパンが変奏曲にしたものが演奏されたが、これはもうまったくショパンそのものであった。意外と長い曲で、しかも技巧的にもかなり難しそうで、指が鍵盤のうえを縦横無尽に走り回ったが、どんなややこしいパッセージになってもいともやすやすと弾いてしまうので、とにかくその演奏の見事さに見とれていた。見方によっては粗削りだともいえるが、とにかくこういう演奏は、実力と若さ(つまり「馬力」)がないとできない。実に快感であった。
 なお、この日はピアノの音がとてもきれいに聞こえたので休憩時間に鈴木さんにその話をしたが「いつもと一緒ですよ」とのことで、これはやはり演奏者のタッチについての心配りのせいであろう。実はこの日は特にペダルの使い方に注目して聴いて(見て)みたのだが、実に細かく微妙にペダルを使っておられたので、あるいはそのせいだったかもしれない。
 休憩後はショパンの作品二十五の練習曲全曲。ショパンの練習曲は、指使いの練習と芸術としての音楽が潭然一体になっていると思うが、この日の演奏はどちらかといえばテクニツクに重点が置かれているように思った。この十二曲の演奏上の難しさはわかっていたつもりだが、難しさをまったく感じさせずに、あれよあれよという間にぐいぐいと弾きこなされてゆくので、なかば呆然として聴いているうちに終わってしまった。これぞ第一線の実力派若手の演奏だという見本のようなものであった。若いうちはやはりこういう演奏をしなければならない。
 アンコールの最初はショパンの有名な変ホ長調のワルツだったが、細かなところに微妙なニュアンスをつけて弾いておられたのが印象に残った。アンコールの二曲目はロツシー二の小さなカプリースで、これはユーモアとエスプリにあふれた軽妙な曲。そして最後にモーツァルトの小さなジーグが可愛らしく演奏されて終わった。
 とにかく演奏者の実力に裏付けられた気迫が最初から最後まではりつめていて、大変に気持ちのいい、そして充実した演奏会であった。機会があったら、ほかのレパートリーもぜひ聴いてみたい。また、協奏曲の予定もだいぶあるようなのでそれも聴いてみたい。こんなすばらしいピアニストがいることはもっともっと知られてよいと思う。【知立市:T. S. 】

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御喜美江 ファンタスティック・アコーディオン XVIII
2003年3月9日 スタジオ・ルンデ
○20回目のルンデ出演だそうだが、自分としては二回目である。実は前回(つまり初めて)聴いたとき、もっぱらテクニックにばかり感心してしまい、あまり音楽を聴かなかったような気がするので、今回は音楽を聴こうと心を決めて出掛けた。
 ところがこの日はまたいつもとちょつと違った感想を持つことになった。というのは、御喜さんがホームページに連載した短文を集めた「たんぽぽ畑 II」というのを買う羽目になり、読んでみたら、これがなかなかのもので、一気に読んでしまった。そしてこれまであまり馴染みのなかった御喜美江さんという人に対してとても親近感を持つようになり、演奏に対する感じ方がちょつと変わってしまったのであった。実は演奏を聴いてから本を読んだので、いわば後追いだったわけだが、あとで当日の演奏をいろいろと思い出しながら本に書いてあったことと混ぜてみると、なるほどなるほどということも沢山にあり、音楽会を二度楽しんだような気になった。いつも思うのだが、音楽を聴くということは、音楽を通じて演奏者と交流しているということであり、それをより深めるためには、たとえば演奏者に話をしてもらうという方法もあるし、この日のように書いたものを読むという方法もある。音楽会の楽しみ方生かし方を教えてもらったような気がした。
 ところで今回は20回記念ということで、プログラミングもそれにちなんだものであった。最初のスカルラッティは、御喜さんが初めての公開演奏会で最初に弾いた曲だということだったし、次のバッハは自分の音楽についての意識ができはじめた頃に弾いた曲だということであった。この二曲はいわばセレモニアルな選曲。次のグリーグの曲はまさにアコーディオンの魅力がフルに発揮された、楽しく、かつ非常に印象的な曲の集まりであった。うっとりとして聴いた。前半の最後に演奏された江村さんの新曲は、御喜さんが演奏の前に「たいへん奇妙な曲ですから…」と警告を発してから演奏に入った。たしかに非常に奇妙な曲ではあったが、実はこの日はここへ来る前に現代美術の展覧会を見たので、奇妙なものに対する「耐性」ができていたと見え、あまり驚きもせず、暗い天空にさまざまなものが浮かんでは消えるというイメージで聴いたら結構ぴったりであった。ただし、御喜さんはまことに大変そうで、同情した。
 休憩のあとは、サティのいつものような機知に富んだ曲、そしてこれぞ極め付けとでもいうべきピアソラを楽しんだあと、御喜さんがドルトムンドで教えているという太田智美さんが加わって、デュオの新曲が二曲演奏された。太田さんの演奏には初めて接したわけだが、なかなかしっかりしており、優等生ではないかと思った。最初のクシャノフスキーの曲はかなり現代っぽい作品で、二人が舞台の端と端に別れて演奏するというもの。次の野村さんの曲(これは和声などはごく普通)は逆に一枚の楽譜を二人でのぞきこむようにして演奏した。野村さんの曲は最後はアコーディオンの空気抜きの音だけになり、最後に二人で「はっ」といって終わるのであった。アンコールはヴィヴァルディの「四季」から「春」が演奏された。とにかくいろんな種類の音楽を一晩で聴かせてもらって堪能したと同時に、アコーディオンという楽器の表現力の広さ深さを改めて認識したのであった。
 なおこの日は、御喜さんと鈴木さんの「対話」があり、内容はともかく、演奏者とマネージメントが公開の場で対話をするというのは滅多にないことなので、試みそのものが面白かった。
 クラシックのアコーディオンが音楽界に占めるウエイトは決して大きいものではないと思うが、「たんぽぽ畑 II」を読むと、着実に地歩を固めつつあるようだ。多様性は文明の証だとはよくいわれることであるが、その意味で御喜さんにはもっともっと頑張ってほしいものである。【知立市:T. S. 】
○一言で言って「よかった」です。初めてアコーディオンの本格的な演奏を聴きましたが、この楽器の魅力を知りました。やっぱり特に感情がグーっと表現されるような曲がすてきです。
 サティの「かぶと」もおもしろくてよかった。近くで聴けてとてもよかった。お話も人柄が伝わりよかった。【南知多町:A. T. 】
○ヨーロッパに何度か行ったことがあります。ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー……。地下鉄で大道芸のアコーディオン弾きがいますが、その方たちと比べものにならないほどすばらしい演奏でした。比べること自体失礼かもしれませんが。
 とにかく、アコーディオンのすばらしさをたんのうさせてくれるいいコンサートでした。【南知多町:H. T. 】
○とても楽しい、またあたたかいコンサートでした。また、御喜さんのお話を興味を持って聞きました。
 スカルラッティの“ソナタ”は、まるでアコーディオンの為に作曲された曲のように、しっくりしていました。またバッハの、御喜さんには「易しすぎる」ような曲を入れておられる理由も、よく分りました。グリーグやピアソラは、もはやポピュラーの曲のように耳に入ってきます。
 江村さんの曲、「鍵盤の上を歩くネコ」(冗談)が題かとも思われるような曲ですが、アコーディオンをよく生かしていて違和感はありません。終わり方が少しものたりません。演奏を楽譜どおりやられるのが、むしろ大変、また聴いている方も、ここが間違っている、と分らないのが欠点かもしれませんが。“エコー”は本当にエコーでした。野村さんの曲は、なかなか面白く、終わり方が野村さん(ちょっと知っています)らしかったです。
 出かける前、新しいレコード・プレーヤーで、古いLPのイ・ムジチを聞いてきたら、何とアンコールは「四季」、こういうこともあるのですね。楽しかったです。途中の「トークショー」には思わず涙が出てしまいました!【緑区:K. I. 】
○楽しかったです。とっても気持ちの良いアコーディオン2台の音をたのしめました。
 “月を見ながら歌をうたうか“について、ガラスの玉が空中でパリンとわれてこなごなにくだけちっていく美しさといった感じでしょうか? …あいまいですが…。【昭和区:M. M. 】
○アコーディオンのコンサートは、今日が初めてです。今日のプログラムの前半は、バロック音楽がメインだったので、それにひかれて来たんですが、実際きいてみましたら、アンジェイ・クシャノフスキー:“エコー”がいちばん気にいりました。
 野村誠:“FとI”はなんだか感情の移り変わりの早さを感じました。たんたんとしながらも、なにか奥深いような印象でした。【長久手町:Y. Y. 】

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小山実稚恵 スクリャービンとラフマニノフ
2003年2月2日 スタジオ・ルンデ
○スクリャービンはアンコールの時くらいしか聴いた事がなかったので、今回じっくり向かい合って楽しませて頂きました。ラフマニノフと比べると数学的というか、計算して作ってあるような印象を受けました。
 ラフマニノフでは、ヴァリエーションが好きでした(お恥ずかし乍ら初めて聴いた曲でした)。テーマをじっくり弾いて下さったので、それがとても心に残り、次々と出てくる変奏がとても面白かったです。ロマン派の作曲家の手にかかるとこうも派手になるものか…?という感じ、今にもオケが後ろから入ってくるんじゃないかと思う瞬間もありましたし…(コンチェルトと似てますか?)。
 スクリャービンとラフマニノフはお互いに意識していたのでしょうか?  アンコールの前奏曲には感激でした。私がラフマニノフ好きになったきっかけの曲です☆。続シリーズに期待しております。6〜7年後にはシューマン、ショパンも是非!
(ルンデは)雰囲気の良い会場で、アットホームな演奏会。いつも楽しませて頂いておりますが……プログラム(曲の解説等)載せて頂く事は出来ないでしょうか? ご一考下さいませ。【東海市:T. Y. 】
○初めて本格的なピアノコンサートを聴けてとてもすばらしく感動しました。音楽について知識はなくても、楽しめ、普段味わう事のない時間が過ごせてとても充実した休日になりました。
 ルンデはお客さんとの距離が身近で、とても親しみやすい雰囲気でした。見知らぬ人どうしが少しだけでも会話をしたり、お互いの感じたことを話しているのを見て、こういう場がいろんな所にあればいいなと思いました。【津島市:E. Y. 】
○生の演奏を聞くのは初めてで、とても不思議な気分です。ピアノだけの音楽のジャンルを聞くことはあまりないですが、やはり演奏は生で聞くのがよいと知りました。新しい発見をありがとう。
 音がとても良かったです。広さも大きすぎす、狭すぎず。今日はありがとうございました。【土岐市:M. K.】
○スクリャービンの「3つの小品」の出だしで、あたかも水がゆっくりと綿に染み込むようにピアノの響きがゆっくりと広がったのを聴いて、今日はいい独奏会になると直感しました。その期待は最後まで裏切られませんでしたが、とりわけスクリャービンをまろやかでまるで弦合奏のような音色で表現し、ラフマニノフを金管を強化した大編成の管弦楽のような重量感ある響きで聴かせたあたり、小山さんの並々ならぬ感性の豊かさを感じました。特に感動したのはスクリャービンの8番での神秘性と官能美、ラフマニノフの変奏曲でのピアノの性能を生かしきった感覚的喜びでした。同時代のロシア人といってもやはり多様な個性があったわけです。アンコールのラフマニノフの前奏曲2曲は故ホロヴィッツも得意でしたが、日本に彼にひけをとらない表現者がいることは誇りに思ってよいと思います。【世田谷区:M. A. 】
○いつも、リサイタルの曲をどんどん意欲的にかえていく(△△スパイラルに陥らない)見事なとりくみ、プログラムの広さ、深さ、変化に……すばらしい!! 又、きます。【津市:H. K.】
○スクリャービンの曲で、1、2番の曲は静かな曲で、3番目は春の曲でおどりたくなる様な曲でした。4番目の曲は、大変変化に富んだ曲で良かったでした。ラフマニノフの曲は大変気性の荒い、大変変化に富んだ素晴らしい曲でした。【中川区:S. A. 】
○大ホールのコンサートとちがい、迫力のある素晴らしさを身近に聞かせていただき素晴らしかった。小山さんのひびきの素晴らしさは、小山さんが東京山葉ホールで毎日コンクールの本選に出られたときからのファンです。
(ルンデは)名前は伺って居りましたが、初めて伺って今後は時々伺いたい、と思っています。【一宮市:T. S. 】
○コンサートホールとは全く違った空間で、こんなにもうるわしい音を聴くことができてほんとうに幸せでした。一つ一つの音に神経がゆきわたり、余韻もまた極めて味わい深く、しみじみとしたものを感じることができました。
 小山さんのリサイタルは3度目ですが、今回のこのルンデでの演奏は格別のものと感じました(もちろん毎回すばらしく、大満足しております)。また、岐阜の方へも是非おこし頂きたいと思っております(サラマンカホール等)。
(ルンデは)すばらしい音楽空間を演出していただきありがとうございます。また是非うかがいたいと思っております。【各務原市:R. O. 】
○スクリャービン、はじめて聴きました。小山実稚恵さん、やっぱり素晴らしいです。ショパンコンクール以来気にかけているピアニストです。
 年3〜5回のコンサートへ出掛けるのみですが、中日誌で目にとまったのはラッキーでした。ずーっとソロで聴きたかったのです。念願がかないました。明日からのエネルギーいただきました。
(ルンデは)とても感じがよいです。サービスも心がこもって、今日はハッピーです。ありがとうございました。【T. A. 】
○前半スクリャービン:素人目にもとびきり演奏がむずかしそうですが、またソナタ8番は曲自身もとてもむずかしいと思いましたが、小山さんのピアノ、実にみごとでした。この作曲家の一生の作品が楽しめました。
 後半:ロマンチックなラフマニノフの聴けたサロン小品集、よく聴き慣れた主題の美しくダイナミックな変奏曲、共に楽しめました。小山さんのピアノ、残響を美しく利用して、本当にみごと、いつもながらの力を抜かないアンコールもすごい!【緑区:K. I. 】
○スクリャービンは難しいイメージがあったのですが、今日のコンサートでメロディーの美しさに魅了されました。小山さんの演奏は超絶技巧の曲なのに気負ったところがなくとてもリラックスして聴けました。スラブの響きを満喫出来た一ときをありがとうございました。【中区:K. T. 】
○ピアノがとても楽しく聴けました。是非又、小山さんのコンサート期待しています。【大阪府守口市:K. K. 】
○とても意欲的なプログラムを聴かせて頂けて、とても幸せな時間でした。ルンデはとてもこじんまりとした、いいホールだと思いました。【大阪府鶴見区:A. K. 】
○小山実稚恵さんのファンのひとりです。初めてショパンコンクールでお目にかかって(?)からずっとずっとCDを聴かせて頂いています。コンサートも数度です。一度、京都八幡市の市民会館で娘がはなたばをお渡ししたこともあります!
 今日、力強いスクリャービンをこんなに近くで聴くことができて、私はまた生き返ったような幸せな力を与えられました。ありがとうございました。これからもどうぞどうぞいい音楽を聴かせて下さいますよう、お願いします【千種区:E. N. 】
○小山さんは、大好きなピアニストの一人で、これまでにも何度かコンサートでお目にかかりましたが、こんなに身近なところですばらしい演奏を聞くことができて大変幸せでした。次回のコンサートを楽しみにしています。
 久しぶりにおじゃましましたが、気軽に聞ける雰囲気がとてもすばらしいことだということを改めて感じました。今後の更なるご発展を期待しています。【豊田市:O. M. 】
○初めてこのルンデに来ました。音の響き、特に小さい音が綺麗なことにおどろきました。演奏もとても良かったです。【小牧市:F. H. 】
○とてもよかった。 ppの音もとてもよく。スクリャービンの8番、やはりこういったきれいな音で聴くと、鳥肌が立ちます。コレルリのヴァリエーションとヴァリエーションの間の緊張、迫力、感激しました。【熱田区:E. N. 】
○小山実稚恵さんの演奏は、すばらしかったです。色彩感豊かな多彩な音色や、特にスクリアビンの、その神秘的な響きが大変印象的でした。瞬間あらわれる響き、もっとそこにいたいと思っているうちにまた次の響きへと移り変わるソナタ第8番は圧巻でした。もちろんラフマニノフはいつもながら、独特の美しい響き、スケール大きなその音楽の中に引き込まれました。
 このようなロシアのピアノ音楽のコンサート自体が、名古屋ではめったに開かれません。(チャイコフスキーやラフマニノフのコンチェルトは別として。) この方面で大変すぐれた演奏家である小山さんの演奏が、自宅から最も近いサロンで聴くことができ大変よかったです。
 ルンデについて:音響がよいし、演奏者と一体となって音楽に浸ることのできる空間。かすかな響きを最後まで味わえるすぐれたサロンでした。【西区:Y. A.】
○開演十分前に会場へ入ったら座席はもう九分どおり埋まっていた。スクリアビンとラフマニノフという、まことに玄人向きのプログラムなのにこれだけの客が来るというのは、小山さんの個人的人気のなせる業であろうか。
 時間になって小山さん登場。そして舞台に登場したその時から、見事にプロのピアニストの雰囲気があるのは不思議なものである。この日のプログラムは前半がスクリアビン、後半がラフマニノフで統一されていた。まずスクリアビンの三つの小品。作品二というから、ごく初期の作品だろう。まだスクリアビンが自分の音楽を作り上げる前に書かれたもののようで、曲想も平明である。三曲目の「マズルカ形式の即興曲」などは、ショパンのマズルカだといっても通るだろう。小山さんは変に細工をせず、曲の持っている率直な雰囲気をそのまま出しておられた。
 そしてスクリアビンのソナタ第二番と第八番(なおこの日は前半後半とも小山さんは途中では一度も楽屋に引っ込まず、舞台の上でお辞儀をしてすぐに次の曲に移った。これは多分、楽屋に引っ込むと気持ちが途切れるからだろう)。第二番でもすでにスクリアビンの書法がほぼできている感じを受けたが、続けて第八番を聴くと、自分の音楽が一層鮮明に意識されてきているのがよくわかる。ところでスクリアビンのピアノソナタは以前にちよつと勉強したことがあり、楽譜があるので事前に見ていったのだが、スクリアビン特有のややこしいもので、特に第八番はところどころ楽譜が三段や四段になっている。いったいこんな楽譜をどうやって弾くのだろうと思ったのだったが、さすがに小山さんはどちらの曲も複雑にからまっている糸を解きほぐすように演奏され、曲が短く感じられた。ただ見事な演奏を聴きながらつくづく思ったのは、こういった曲になると、作曲者が曲のどの部分にどんなメツセージを入れているのかを読み取るのが大変だろうということであった。その意味では第二番は比較的わかりやすいが、第八番は実にいろんな楽想が入り乱れているのでそれを読み解くのは容易ではないだろう。しかし、説得力のある演奏にするためには作曲者のメッセージを理解することがどうしても必要であり、それができるかどうかがピアニストの実力というものかもしれないと思った。
 休憩後はラフマニノフであったが、最初のサロン小品集は軽い調子の音楽で、直前にスクリアビンのソナタを聴いたせいか、まったく違った世界に連れてゆかれたような気がした。ピアノ音楽を聴くとどうしてもショパンの音楽を思い浮べてしまうが、この曲などはまさにショパンの音楽の延長線上にあるという感じで、スクリアビンとは違った意味で、ピアノ音楽の本流だといってもいいのではないかと思った。つづいて演奏された、ラ・フオリアに基づく変奏曲はいかにもラフマニノフらしく、ときに繊細、ときにユーモラス、ときに愛らしく、そしてときに雄大な曲想が展開され、ずいぶん長い曲であった。変奏曲の場合、ひとつの決め手は曲ごとに気分をどう切り替えるかだと思うのだが、小山さんはさすがにその点はぬかりなく、切り替えが見事であった。
 それにしても小山さんというひとは「絵になる」演奏家である。演奏の前後に見せるすこしはにかんだような表情と、演奏中のまさに真剣勝負といった表情の対比が何ともいえないし、ピアノを弾く姿も音楽に没入していてとても美しい。まさに全身で音楽を表現している感じで、これは同じ空間を共有しないかぎり決して味わえない。これこそ演奏会の醍醐味というものである。
 小山さんはいうまでもなくショパン・コンクールで世に出た人であり、一時期はショパン弾きということになっていた。おそらくそれだけでも音楽家として十分にやってゆける人だと思うが、決してそれに満足せず、この前のバッハや今回のスクリアビン/ラフマニノフのような、同じくピアノ音楽ではあってもまったく違った領域のものにつぎつぎと挑戦してゆくというのはまったく見上げたものである。おそらくそういったチャレンジ精神が音楽の隅々にまで満ちているから、高い人気を保っているのだと思う。音楽家とはこうあらねぱならないという見本のようなもので、疑いもなく第一級のピアニストである。 【知立市:T. S. 】

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佐藤豊彦 ふしぎな楽器テオルボのための音楽
2003年1月26日 スタジオ・ルンデ
○とても良かった。解説していただき勉強になったし、何より演奏が良かった。ただ、大きなセキをするひとが前方の席におられたのは残念でした。
 ルンデは約5年ぶり……変わらぬアットホームな雰囲気を楽しめました。【新潟市:S. Y. 】
○冬の澄んだ夜空に輝く星を見る思いで聞くことができ、満足だった。皆川達夫先生に音楽を習われたということだが、皆川先生のように、深く広い内容の話には、いつも感銘をうける。語りと音楽のハーモニーに、イラク、北朝鮮を忘れる一時だった。【守山区:N. N. 】
○前半と後半で時代と国の違いが出て面白かった。どちらかというと前半の方がアルペジオの時のあたたかく柔らかい響きがよかったです。それと最後の曲が高音と低音のコントラストがよくて素敵でした。【天白区:S. U. 】
○何年か前に一度佐藤さんのコンサートをきいたが、今日またよい心持ちできかせていただいた。【anonym. 】
○いや〜、佐藤豊彦さんはいい。久しぶりに聞けて満足です。【豊田市:H. K. 】
○何とも心地良い響きであり、音楽でした! 最後のド・ヴィゼーの音楽はとりわけ楽しく聴けました。佐藤さんの演奏とお話、いつもながら大満足です。【緑区:K. I. 】

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ハレー・ストリング・クァルテット 第4回名古屋演奏会
2003年1月20日 電気文化会館ザ・コンサートホール
○四人の方の息がひったり合っていて、感動的でした。バルトークの弦楽四重奏曲第2番では、演奏の迫力に圧倒されました。ラヴェルの弦楽四重奏曲の第2楽章は、足でリズムをとりたくなるような、心から楽しめる演奏でした。素敵な時間を有難うございました。【anonym. 】
○ベートーヴェン、バルトーク、ラヴェル、どれもすばらしく、耳が洗われるようでした。【anonym. 】
○四重奏になじみが薄く、はじめてじっくりと鑑賞しました。これからチャンスを見つけて聞きたいと思います。【anonym. 】
○ファンの仲間うちでは、名手ぞろいなのに、仲々満足させてくれないストリング・クァルテットだね、とうわさしつつ名古屋定期を聴き続けて来ましたが、聴き続けてきたかいがあろう、というものです! 今夜は実力爆発と思います。アンサンブルに大いに満足です! 今後も、是非ともずっとこの状態(以上の状態)で聴き続けたいものです。【緑区:K. I. 】
○どの曲もきれいでした。特にラヴェルがよかったです。皆さんの音がとてもきれいに調和してステキでした。【昭和区:S. N. 】
○ベートーヴェンとバルトークは対称的な曲だと思いますが質の高い演奏だなと感じました。元々漆原さんのVnの音色が好きで、第3回のコンサートを聴き、ルンデのリサイタルも楽しむことができました。でも前回(第3回)の時に、向山さんのVcの音色にも心を動かされました。お二人の音色が見事にマッチしていて聴きごたえがありました。ラヴェルの透明感が印象に残りました。アンコールの1楽章だけとはいえ、ベートーヴェンが2曲も聴くことができて最高でした。
第5回も期待しています。【南区:S. Y. 】
○良かったです。特にバルトークが気に入りました。【西区:Y. T. 】
○バルトークはすばらしかった。すごい迫力があった。将来、バルトークチクルスを催していただきたい。【anonym. 】
○息の合った素晴らしい演奏で、ぜいたくな時間を過すことが出来ました。日本一のクァルテット! と感じました。【名東区:H. A. 】
○とびきり上等なアンサンブルを聴くことができて今夜は本当に幸せでした。是非同じ曲目でCDを!【名東区:T. A. 】
○生の弦楽四重奏は初めてでした。本当に素晴らしい音でよかったです。曲目も本当によく、ひきこまれて、最後まで聞きました。ありがとうございました。【anonym. 】

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寺島夕紗子 ソプラノ・リサイタル
2003年1月19日 スタジオ・ルンデ
○直接声を聴き、とても良かった。また、歌手が歌の解説をして、とてもわかりやすく好感がもてた。ピアノ伴奏の演奏も歌手とぴったり合っていてすばらしかった。音響もすばらしく、充分に音楽を楽しめた。やさしそうで美しい歌手の顔を見てのびのびした歌を聴いたら明るい気分になった。
(ルンデは)ワイン・ドリンクのサービス等とても良く、こまかな心配りに感動した。とても良い雰囲気だった。【稲沢市:. K. 】
○すばらしいソプラノの歌声で日頃のストレスを一時忘れ楽しい時間を過す事が出来ました。マイクを使わない歌の良さが充分わかりました。特に“さとうきび畑”と“ソルヴェーグ”の歌が大変良かったです。ピアノも大変良かったので感動しました。
 ただ、前列中央にいた男の人が始めから終わりまでたえず首をふっていて集中できず困りました。周りの人達に迷惑をかけている事、本人は知らないと思いますが、注意も出来ずどうにもなりませんでした。
(ルンデは)名古屋にこのような小ホールがある事を知りませんでした。大変良いホールと思いました。又来たいと思います。【長野県:M. S. 】
○寺島親子の歌の心を私達に伝えていただき、ただただ感激いたしました。NHKラジオで一昨日生放送を聞かせていただき、今日の日を待ち望み、たのしみにしてきました。寺島さんの歌唱力、声量のすばらしさ、一点のくもりもなく、完璧のレベルで最高でした。原語で歌われ、完全に他国語を包みこんでしまわれる力に、ただただおどろきです。エネルギッシュなうたをありがとうございました。ピアノ演奏も素晴らしかったです。
(ルンデは)さすが日本最初の(専用)ホールで、貫禄を感じました。【刈谷市:S. I.】
○芸術を暖かく身近に感じさせていただき、とても至福の時でした。寺島さんの歌の説明などわかりやすく品良く暖かくあり、素人の私にでも楽しめました。
(ルンデは) 小じんまりして普段着で高い芸術を楽しめます。ブレイク時間にこちらのメンバーの方によいお話をうかがえてうれしかったです。【大府市:Y. H. 】
○人……年をかさねて、こんなコンサート、初めてでした。素敵なものですね! 心に感ずる寺島さんの曲でした。
(ルンデは)こんな感じの会場初めてです。とても素敵な所です。【大府市:K. N. 】
○1月16日NHKラジオで親子のお話を聞きとても感動いたし暖かい家族の方々だと思いました。今日歌を聞かせていただき感謝し幸せに思っています。本当に嬉しく思いました。有難うございました。
(ルンデは)レンガ作りでとても暖かくて素晴らしいです。【春日井市:S. K. 】
○金曜日の夕方、仕事からの帰宅途中で、ラジオでの寺島さん父娘のトークを聞きました。それまで残念ながら、お名前も「さとうきび畑」も知りませんでした。ただ「ザワワ、ザワワ」のメロディーには聞き憶えが有り、歌を改めて聞きたいと思いながら、そのラジオでは聞けずに、我が家に到着してしまい、「さとうきび畑」をキーワードに今日のリサイタルの情報をインターネットでしらべました(ラジオでリサイタルの話があった)。
 私も父が戦死したということもあり、どのような歌か是非聴きたいと思った訳です。来て良かったと思っています。「さとうきび畑」だけで帰る積りが、最後まで聴いてしまいました。【桑名市:K. N. 】
○日本のうたをふり出しに世界のすばらしい歌曲を楽しみました。どの曲も原語で歌われたので、たいへんみたいに思うのだが、そこは若さの特権でしょう。どんどん自分のものにできるのでしょう。有名な曲をはさんで、これまでなじみのない曲を身近に感ずることができました。
 初めて知ったのですが、さとうきび畑の作曲家の娘さんで、CDの解説の中でさとうきび畑の原風景、今は平和の礎になっていることを知り、沖縄を旅したことを思い出し感無量です。この歌が、長くうたいつがれることを願っています。【中村区:M. I. 】
○大変素敵なコンサートをありがとう。感動しました。先日のNHKラジオで、父子出演の後でもあり、一層の興味にひかれました。さとうきび畑をはじめ、素晴らしいと思いました。又、外国ものの前に短い解説をしてもらい、より楽しく聴くことができました。
(ルンデは)初めて来ましたが、小じんまりとした良いホールと思いました。本日は運良くワインもいただきありがとう。これからも来たいと思っています。【昭和区:Y. A. 】
○主人に連れられてまいりまして、風邪ぎみでせきが出ると困りますので一部で退帰のつもりでしたが、何も解らない私ですがていねいに解説をしていただき、とても素晴らしかったものですから、最後まで聞かせて頂きました。新年早々とても楽しい時間を本当に有難うございました。
(ルンデは)しっとりと落ち着いた部屋で素敵でした。【桑名市:Y. N. 】
○とてもきれいな声なので、とてもいやされます。リストラ社会にとても重要なエネルギーになります。
(ルンデは)ワインも2杯もいただき、気持ち良く聞けました。【T. O. 】
○今回、ここ2〜3年ご無沙汰していたルンデの例会に参加しました。今回のソプラノリサイタルは、歌によるちょっとした観光旅行といった趣のプログラムを楽しむことが出来ました。私にとっては殆ど未知の曲ばかりでしたが、寺島さんの愉快な説明で歌のイメージがさっと思い浮かび、歌詞を知らなくても面白く聴けました。団伊玖磨の「抒情歌」は初めて聴きましたが、しみじみと語りかける曲調が印象的でした。「さとうきび畑」はNHKの「みんなの歌」で聴いたことがある程度で11番まで歌があるとは知りませんでしたが、やはり感動的な曲で目頭が熱くなります。それでも、彼女の本領はその後のプログラムにあったと思いますが、意味深長なシベリウス、愛情溢れるグリーグ、激しくスペイン色豊かなトゥリーナ、そして希代のメロディーメーカーであるドヴォルザークのジプシーの歌は本当にききものでした。【熱田区:D. H 】
○日本語の歌:言葉が明瞭で、情感にあふれ、素晴らしかったです。
 シベリウス、グリーグの歌:適切な解説のおかげで、原語でしたが魅力倍増で、特に久しぶりに「ソルヴェーグの歌」を楽しみました!
 後半もパワーと情感にあふれる曲々、素晴らしかったです。アンコールも気がきいてました。【緑区:K. I. 】

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