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中岡祐子 ピアノリサイタル 聴衆からの言葉/音楽誌評
(2012年10月21日 宗次ホール)
■今日は素晴らしい演奏をありがとうございました。
中岡さんの演奏は、聴いた後にとても穏やかな心持になります。温厚なお人柄が演奏に現れて、安心して聴き入ることができます。

「古都」は、美しい曲ですね。
和の響きがピアノで奏でられると、音楽に静けさが加わって味わい深かったです。
数年前から俳句を始めたので、このところ寺院に出かける機会が増えました。
訪れた時の色々な情景を思い出しながら聴かせて頂きました。

T. クーラも、とても良い曲ですね。
プログラムノートから「シベリウスのお弟子さん」と知って、頷けました。
北欧の自然は優れた曲を生みますね。
他の作品も聴いてみたくなりました。
クーラのような曲は、中岡さんの表現力の豊かさが良く伝わると思いました。

ブラームスの大曲も終始落ち着いた演奏で、真摯に取組まれていらっしゃる事が伝わります。
全体をゆったりと雄大に弾き込まれて、時間的な長さを感じなかったです。
特に「緩」の第2、第4楽章は、叙情的で詩的な魅力に溢れて素敵でした。
(北区 K. A. )

■本日は素敵なリサイタルを有難うございました。いつもながら、安定した演奏、音色の豊かさに感激しておりました。
(名東区 Y. I. )

■とても素敵でした!
武野さんの作品は本当に美しく、自分が京都にいるかのような気分で聴かせていただきました。
ブラームスはクラリネットには晩年に書かれた曲ばかりなので、それらとはまた違った若々しさや情熱を感じます。
プログラムも大変変化に富んでいて本当に楽しませていただきました。
(M. K. )

■ブラームスが絶品でした。
全ての音に配慮が行きとどき、バランス、けっしてにごらないペダル、そして構成と,ブラームスの質感の音!感動。 ※そして何よりもやかましくないfフォルテ!
(千種区 R. H. )

■大変優雅な時間をいただきましてありがとうございました。
普段、セコセコと働いていますのでああした時間は本当に久しぶりでした。
あんなふうに弾けたら、さぞや楽しいだろうな〜と素人ながらに思いながら聴いていました。今後ともご活躍をお祈りしております。
(K. N. )

■前半、面白いプログラムでした、ピアノのツウではない私は、多分初めて聞いた曲ばかりです(初演曲は当然ですが)
「Sonata 古都」、いい現代曲でした和音の連打が、なるほどいきていますね。京男としては。古都を描いたあまり良い曲がない(知らないだけかもしれませんが)のを残念に思っていたので、こういう美しい曲を書いてもらえるとうれしいです。〔京都や長岡京市、奈良でもコンサートをやって紹介してもらいたいですね。桂にある小ホール青山バロックザールでやると、京都市長岡京市からアクセスがよろしいですよ〕
クーラの曲も、中岡さんの演奏とっても感じが出ていました。素晴らしかったと思います。参加できてよかったです。
ブラームス、若い時にこんな交響曲のようなソナタをかけた人だから、高年の活躍があったのだなぁと納得しました。2、4楽章にほっとすところ、ペダリング、長い広い音域の演奏、素晴らしかったです。アンコールのワルツ15番、最後に聴くと、本当に美しいですね!
プログラム:ブラームス解説の「ブルレスケ風」って、ちょっと解説しておいてもらえるとありがたかったです。
(緑区 K. I. )
《中部経済界》2012年12月号「中京音楽界〜コンサート&ステージ」欄所載
中岡祐子 ピアノ・リサイタル
二年ぶり10回目となるリサイタルのテーマは、「日本の美と、西洋のロマンに想いを寄せて」。中岡は毎回必ず日本人 作曲家の作品を取り上げている。特に前々回の矢代秋雄「ソナタ」は大変充実した演奏で、いまだに記憶に新しい。今回は武野晴子への委嘱新作とブラームスの ソナタが対極となるプログラミングであった。
武野の「Sonata 古都」は、「伽藍」「祈り」「息吹」の標題を持つ三つの楽章からなる佳品。作品に対する誠実な態度が持ち味の中岡らしく、奏出される音楽は曲名に相応しく奥ゆかしいものであった。
ただ、続いて取り上げたフィンランドの作曲家クーラの幾つかの小品は、前曲の余韻と微妙に競合した感じが拭いきれなかったのがちょっと残念であった。聴く機会を別にしたかったところだ。
後半のブラームス「ソナタ 作品5」は五つの楽章からなる長大なもの。例によって綿密に譜読みされた堅実な演奏で好感が持てた。欲を言えば、今一つ「はじける」場面があってもとも思ったが、これが中岡の持ち味かも知れない。

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中岡祐子 ピアノリサイタル 聴衆からの言葉/音楽誌評
(2010年7月25日 宗次ホール)
★もうすごいとしか言えません(笑)目をつむって弾いてるのに驚きました!それだけ曲に集中して感情をこめて弾いていたんじゃないかなと思いました。後はペダルの動きを見てました!早すぎてペダル踏んでたのが若干分からなかったです。でも音にはしっかり反映されてて音がキレイでした!! (三重県 A. N.)

★あまりなじみのない曲が多くて、すこし残念でしたが、指のなめらかな事、素晴らしかったです。
曲としては、バッハの曲、そしてアンコール曲が好きでした。59才にしてピアノに再挑戦しています。いい勉強になりました。 (無名氏)

★先日はすばらしいた演奏を聴かせて頂き有難うございました!!あらためて演奏者の音の美しさを実感しました。しっとりと柔らかく温かい音…… でもまあるい水滴が光を反射してキラッと光るような、まっすぐに進んでくる硬質な音…… 音色の変化が美しく魅了されました。そして前よりも軽やかになにか音と戯れるような自由な伸びやかさを感じ、この伸びやかな軽やかな音を手にされるまでに、どれ程の努力と精進された事だろうと思いを馳せておりました。知的で抑制がきいている演奏スタイルも好きです。そして、いつもながら、よく考えられた、そして「こんな曲知らないけど面白そう!きいてみたいな」と思わせるプログラムにも感心します。
ドビュッシーの「ピアノの為に」も、何かストーリー性を感じて面白かったし、バルトークのリズム感も素敵でしたね。 (名古屋市 M. Y.)

★悔いが残ったとのことでしたが…。
スポーツでも芝居や踊りもペース配分が難しいですね。まあ、本人に悔いが残るから次に繋がるんで、中々に完璧とは簡単に出来ないものかも?
現代曲を二曲より一曲に絞った方が、インパクトがあるかな?と個人的には思いました。
また近いうちに演奏をお聴きできるよう願ってます。 (額田郡 K. S.)

★素晴らしい演奏を聴かせていただき、ありがとうございました。(私も最近演奏した)バッハはもちろんのこと、個人的にはブレとバルトークがおもしろかったです。男の方とは違う、女性らしい音色を聴かせていただき、夏の午後豊かな気持ちになりました。
いいホールですね。白い舞台に赤いドレスとピアノの黒がステキでした。 (藤枝市 S. H.)

★選曲が大変総合的ピアノ音楽会用になされていて感銘。吉松隆/尾高惇忠の作品を(むつかしい音もあったと思う)よく弾かれた。ブレ:OK、ドビュッシーあまり好きでない。バルトーク、OK、でもむつかしく作曲している。(名古屋市 H. K.)

★今日のコンサートで先生はバルトークがぴったり!と、思いました。バルトークって何かムチャクチャや、と思ってましたけどどこかで先生とピタッと合ったのだと思います。又、図らずも吉松隆さんの曲を聴くことができて、心から嬉しく思いました。有難うございます。(名古屋市 A. S.)

★吉松隆さん、色々日本の情景を思い出していました。ブレ、Fantasic! ドビュッシー、構築性を感じました。又 曲との距離のあり方も主観と客観のバランス良い。
尾高さんのバラード、内面の激しさも感じさせました。バッハ・緊張の持続感あり。ミクロコスモス、最後ということもあってか、余裕と自信あり。
全て暗譜で消化されていました。凄い!☆クリスタルな響きというにはピアノの楽器がちょっと新しすぎるのかな?でもこれはしかたないです。
これからもご活躍お祈りしています。 (東京都 T. O.)

★どの曲もきれいな響きで、久しぶりにピアノリサイタルに出かけましたが、本当に素敵な時間をいただきました。(名古屋市 A. S.)

★昨日は大変素晴しい演奏を聴くことができました。中岡さんが円熟に向って進まれていることがよく分る演奏であったと思います。吉松隆は特に中岡さんに合っているのかもしれませんね。ドビュッシーも柔らかい音でとても良かったです。全体に知的であるけれど、柔らかく暖かみのある演奏だと思いました。円熟と言いましたが、円熟とは私的なものを超えて、何か公的なものの為に弾いているという意識を持てることではないでしょうか。公的なものとはつきつめれば人類の平和のことです。中岡さんが名古屋の地で、そのような円熟に向かわれているのは、大変感動的なことです。引き続きの御精進をお祈りします。(名古屋市 H. Y.)

☆日常を離れてピアノの音色に心洗われ本当に良かったです。技術的なことは全くわかりませんが、中岡様に身体と心が弾かれているというのがよく伝わってきました。

すばらしい一時をお与え下さりありがとうございました。 (名古屋市 C. T.)

☆聴きごたえのある素敵な曲ばかりで、しかも素晴らしいペダリングに目が釘付けになりました。 (名古屋市 T. M.)

☆先日は素敵なコンサート、母と楽しく聴かせていただきました☆
吉松さんなど私はなかなか聴く機会がないのでとても勉強になりました。以前宗次で有名なピアニストのベートーヴェンを聴いたのですが、今回の演目の様な感じの曲目を聴いた方が柔らかく音が耳に入ってきて良かったです。すわる場所も関係しますが…。 (名古屋市 Y. T.)

☆知り合いの、あるご夫婦がコンサートに行かれ、大変感動されていました。ソロで演奏されているのに、まるでいくつもの楽器で奏でているように聞こえ、音の広がりをとても感じたとの事でした。奥様も開口一番、とても良かったとの事で喜んでおられました。私自身は残念ながら私用で行けませんでしたが、そのような話をお聞きして、自分の事のようにうれしく思いました。以上ご報告まで。 (日進市 S. N.)

☆とてもキレイな音で素敵でした!。私は、ドビュッシーの曲が好きです。 (名古屋市 A. M.)

☆2列目の左のほうで聴かせていただきました。響きがとてもよくてゆったり聴けるホ−ルでした。日本の作曲家の作品はとても新鮮で、和声が面白かったです。ドビュッシ−は学生時代に弾いたことがありましたが、こんなに、いい曲だったんだと、あらためて感動しました。音色がまろやかで聴き入ってしまいました。 (横浜市 K. H.)

☆お疲れ様でした。とてもよかったです。
ピアノという楽器は、楽器の王様といわれるだけあって、いつ聴いてもゴージャスな音がします。息子は “鳥のいる間奏曲” がよかったそうです。私はどれも面白く聴かせていただきました。 (愛西市 M. H.)

☆素敵なリサイタルで、心がリフレッシュされました。宗次ホールにも久々に出かけました。 (名古屋市 A. S.)

☆おめでとうございます。
後半だけを聴かせてもらい、仕事に戻ったので、すぐ失礼しました。力の抜けた感じで、音も良かったし、音楽に向き合ってる姿勢が自然なところが良かったです。いろんなことがんばってきて、達観されたのだと思いました。 (名古屋市 T. M.)

☆全身全霊ピアノに魂を込めた素晴らしい演奏を終えられ、今日は穏やかな朝を迎えられたことでしょう。
もし、ご自身の中では、もっとお気に入りの箇所が御有りだったとしても、それはそれで、素晴らしいことです。
ところで、私は、とても楽しみにしていたにもかかわらず、遅刻して、1部の《プレイアデス舞曲集》をモニターで拝見することになってしまいました。相変わらずの自分を悔やみましたが、アンコールでご演奏いただき、しみじみ良い曲だと思いました。
どの曲もそれぞれ個性があり素敵でしたが、吉松氏の作品は絵画や映画を見ているような趣がありました。また、6部のバルトークは、中岡さんの解説で、珍味を食す心持ちでお聴きした為か、ソルフェージの苦手な私も幾何学模様に目を回すことなく楽しめました。
まずは、ゆっくり休養いただき、次なる世界に向かって下さい。(大垣市 H. K.)

★プログラムにひかれて来ました。今年はショパンイヤーということもありピアノリサイタルといえばショパンばかり。もともとショパンの曲が苦手だったこともあり、今年はピアノリサイタルはあまり行く気がしませんでした。その点、今回の曲目は気持ちいいぐらい意欲的なプログラム。
「クリスタルな響きに魅せられて」というテーマに納得。ロマン派の曲のようにゴールに向かってドラマが進行するのではなく音そのものの動きを味わうコンサート。この点では、不思議なことにバッハもドビュッシーもバルトークも、同じでした。

美しい料理と同じで味わいながら楽しむ、決して全て終わってから振り返って評価するような音楽ではないですね。
日本人作曲家を取り上げてくれたことも感謝、もっといろんな人の曲が聴きたくなりました。
なんといってもバルトーク、今日は一番楽しみにしてました。 ホール全体を走り回る龍の如く、本当に楽しい音楽、こういう演奏はワクワクします。 (無名氏)

★バッハの細かいペダルに釘付けでした。吉松さんの曲は初めて聞きましたがとても素敵な響きでした。 (名古屋市 N. N.)

★大変癒されました。いつもながら、素敵でした。本当に、素敵なひとときをありがとうございました。 (日進市 Y. H.)

★昨日はリサイタルご成功おめでとうございました。素敵な演奏をありがとうございました。
演奏が始まる前、本当に暑い日だなぁと思っていたんが、吉松隆が始まってすぐにとても涼しい森の中にいるような気分になりました。前半も後半も作曲家それぞれ全く違う面白さを味わえて、とても勉強になりました。最後までの集中力を見て、自分の甘い部分を思い出して反省したりもしていました。あんなにたくさん弾き分けて本当に凄いです。また次のリサイタルを楽しみにしています。 (名古屋市 I. O.)

★素敵なコンサートをありがとうございました。吉松隆の舞曲集、特に印象に残りました。(無名氏)

★暑さをいいわけに、たるみ切った心と体に素晴らしい刺激を与えていただきました。
日本人の作曲家はあまり知りませんでしたが、美しい曲があるものだと感心いたしました。
音楽を楽しみながら、自分の事や家族の事など、次々に想われた貴重な時間となりました。
私はクラシックは詳しくありませんが、バッハが大好きです。機会がありましたらバッハの特集など企画していただければ嬉しゅうございます。 (刈谷市 M. U.)

★大きな音から小さな音までとってもきれいでとても素てきでした。 (無名氏)

★異常な暑さの中ながら意欲的なプログラムを拝聴させていただき、意欲を感じました。Bach以外の曲は個性が表れ、音も美しかったです。私はBachは好きなのでよく聴きますので「聴き慣れているものが好き」と言う嫌いはあるのですが、元々「ペダルのないクラヴィア曲」と思い込んでいるものですから、ペダルが少し気になりました。口はばったいことを申し上げてすみませんが、素人に免じてお許し下さい。 (日進市 N. K.)

★澄んだ音色を楽しめて元気になりました。バッハの曲がうれしかった。 (名古屋市 T. N.)

★とても良い音で幸せなひとときでした。 (弥富市 Y. S.)

★やっぱり、ずっと弾き続けてきた方は違いますねぇ・・・!
手の中だけで響く様なデリケートな音と、突き抜ける様な、力強い音とのコントラストが印象的でした。きっと、お宅でも、同じように弾かれているんだろうなぁ、と思わされるような安定感は、流石でした!
一曲一曲を、とても大切に思ってらっしゃるのも、とても伝わって来ました。 (岡崎市 C. T.)

★友達と二人で吉松隆の作品に特に深い感銘を受けました。アンコール曲も大変気に入りました。日本らしい感覚が随所にちりばめられていて、何だかホッとする気持ちにもなれました。 (小牧市 M. O.)

☆熱波の中のさわやかな一時を過ごすことがしできました。古いところから現代の音楽まで楽しむことができました。ホールが適切な広さでとても聴きやすかったです。(ライプチヒのMendelsshonの家のサロンもこの位だったと思います。)ご活躍をお祈りいたします。 (名古屋市 S. K.)

☆大変良かったです。(日進市 A. S.)

☆ステキでした。(J. S.)

☆ブレの後涙ぐんでいらした。感動して演奏なさったことがこちらへも伝わってきました。プレイアデス舞曲集 特にきれいでした。今度はベートーヴェンやショパンを聞かせて下さい。 (春日井市 H. S.)

☆懐かしいルンデ主催で すばらしい・・・etc でたいへん嬉しく思いました。ピアノだけの演奏も久しぶりで素晴しい演奏で楽しく拝聴できました。また、よろしくお願いいたします。 (ルンデの大ファン S. S.)

☆Brava!

仕事の都合で前半しか聴けませんでしたが、すばらしかったです。和音の推移が鮮やかでしかもなめらか、意味がない音は一つもなく客席の誰一人として、一瞬たりとも目も耳も集中がとぎれることがなかったのでは、と思います。(ピアノリサイタルでは眠そうな方が聞いていらっしゃいますが……)
Program Building もすてきでしたし‥、とにかく拍手!!です。美しい音楽でした。 (名古屋市 Y. H.)

☆主人と二人で楽しませていただきました。とても素敵なコンサートでした。
珍しい曲が多かった(そういう曲はついつい演奏ではなくて曲の中身を五線になぞりながら聴いてしまう悪い習性があるのですが・・)のも良かったのですが、なんといっても、中岡さんの出される音色が、円熟味を増して、というとまだ早いかもしれませんが、一つ一つの音がとても心に染みこんできて、心地よい時間を過ごせました。
やはり年齢や経験によって、音って変わるんだろうなあと実感しました。
中でもお気に入りは、バッハとバルトークで、バッハは整然とした音楽の中身に適度なしっとり感が加わって、優しい気持ちで聴けました。
バルトークは(今まであまり良いと思ったことはないのですが)中岡さんの真骨頂かと思われるほど、音楽が生き生きして、「ミクロコスモスって、こんな良い曲あったんだっけ」と感じ入ってしまいました。
同年齢なので、リサイタルをやるバイタリティーだけでも敬服してしまうのですが、(若い時とはきっと違っているであろう)優しい心と丁寧な音色に包まれた素敵な演奏に感動しました。
また機会があったら、是非聴かせていただきたいです。 (一宮市 H. T.)
《音楽の友》 2010年9月号「コンサートレヴュー〜名古屋の演奏会から」欄所載
中岡祐子 ピアノ・リサイタル
吉松隆《プレイアデス舞曲集》よりでは、その旋法強いメロディーと近代の拡張された和声感を、精妙なペダリングで表した。和声に組み込まれた旋律を浮き立たせる技術が絶妙で、その立体感のある音響世界は特筆できる。ブレ(1969〜)「ピアノ・ソナタ第4番 《ルネサンス》 」はカツァリスに献呈された楽曲。フランス現代音楽に特質的な旋法感のある無調語法にフィットして、旋律と音響のアピールのバランスが良く、はっきりとしている。ドビュッシー 《ピアノのために》 全3曲は、強調され、きっぱりとしたタッチが控えめなためか、メロディが埋もれがちだったことと、舞曲のリズムによる曲の躍動感が前面は出ずに響きを重視するアプローチが感じられた。これは今回のリサイタルの響きを重視するコンセプトであったのであろう。尾高惇忠 《ピアノのためのバラード》 もブレの曲と同質の語法が感じられる曲だが、演奏の親和性はこちらの方が高かった。この日本人作曲家との相性の良さは興味深い。バッハ「半音階的幻想曲とフーガ」は完成度が高い。最終にかけての盛り上がりが印象に残る。バルトーク 《ミクロコスモス》 より 〈ブルガリアのリズムによる6つの舞曲〉 でのリズムの躍動感にエネルギーがあり、それまでのコントロールされたアプローチと異なった印象を受けた。
   (7月25日・宗次ホール)
《中部経済界》 2010年9月号「中京音楽界〜コンサート&ステージ」欄所載
中岡祐子 ピアノ・リサイタル
7月、最も興味を持っていたコンサート。リサイタルとしては久し振りである。前回(2006年)は矢代秋雄のソナタが大変印象的だった。今回は「音のプリズム〜クリスタルな響きに魅せられて」と題して、現代作品を多く盛った大変凝った内容で臨んだ。
吉松隆の「プレイアデス舞曲」抜粋で始まったが、これは緊張感と集中力がうまく合致して、コンサートの副題を端的に具現した美しい演奏。持ち前の美しいタッチで続いたブレ「ソナタ第4番」とともに、高く評価される。ところが、ドビュッシー、尾高、バッハと弾き進むにつれ、ややペースダウンが感じられ、表現が淡泊になったのは意外であり残念だった。それでも最終のバルトーク「ブルガリアのリズムによる六つの舞曲」では見事に立ち直って心地良い幕切れとなり、長い休止からの完全復活を印象付けたのだった。
《ナゴヤ劇場ジャーナル》 2010年9月号所載
中岡祐子 ピアノ・リサイタル
プログラムには吉松隆「プレイアデス舞曲集」(抜粋)、ブレ「ソナタ4番」、尾高惇忠「バラード」などにドビュッシー、バルトークを加えた意欲的な曲目が並んだ。
わずか300席のコンパクトな同ホールでは、しばしば耳の痛くなるような大音響のピアノのピアノを聴かされるが、中岡は指のコントロールがよく、落ち着いた的確なタッチで、耳の肥えた音楽ファンを堪能させた。
現代音楽に混じって18世紀のバッハの曲「半音階的幻想曲とフーガ」が演奏された。このバロック期の名曲が、なんともモダンに聴こえたのが、私にとっては楽しい発見だった。

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中岡秀彦 ピアノリサイタル 聴衆からの言葉
(2007年5月9日 電気文化会館ザ・コンサートホール)
★フェデリコ・モンポウの演奏は、あふれる抒情性を美しく表現され、感銘を受けました。
 シューマンもロマンティックな、内面の情熱の表現を感じることが出来、感動しました。
 今後のさらなるご活躍をお祈りしています。  (H. Y.)

★力強い演奏で楽しく聴かせていただきました。今後の精進を、期待しています。  (豊橋市 T.H.)

★「クライスレリアーナ」を全曲聴かせて頂けて最高でした!!  (無名氏)

★モンポウのピアノ曲、といわれても全然頭に浮かびませんでしたし、プログラムを読んでも「ピアノの余韻」を愉しむ音楽というのも、もうひとつ分かりませんでしたが、聴かせてもらったら、3曲とも、とても面白かったです。
 「プレリュード」では残響を効かせた響きが印象に残りました。「内なる印象」も佳曲ですね。1〜2曲など、弾けるようになったら弾いてみたい、などと考えてしまいました。「歌と踊り」も3曲ともとても良い曲でした。第6番の前半、美しいし、後半との対比が面白かったです。最後の第5番も美しかったです。
 前半の会心の演奏、この作曲家の曲の紹介として見事だったと思います。聴かせてもらってとても楽しく、得をした思いです。(ライブでないと楽しさの理解しにくい曲だったかもしれません。)
 クライスレリアーナ、久しぶりに聴きました。やはり、良い曲だ、演奏はむずかしいし、ピアニストがレパートリーにされるはずと、馬鹿みたいなことをあらためて感じました。とっても良い演奏でした!アンコールでまた、モンポウが聴け、シューマンとモンポウという組み合わせが、とても素晴らしいことを改めて感じました。
 とても気にいった終わり方でした(初めてみましたが)。  (緑区 K. I.)

★演奏者の表現されたい音色・イメージなどの内面がそのままスクリーンに写し出されるかのように、クリアにホールに響き渡る音楽、素晴らしいです。  (大垣市 S.O.)

★音が澄んだきれいな曲と思いました。 すっきりとききおわりました。  (千種区 T. H.)

★先日はリサイタルおめでとうございました。中岡さんの音楽の世界に普段の喧騒を忘れ、心安らかな一時を過ごしました。ぎりぎり迄の情熱そして静かに語りかけてくる優しい音楽に、もうすっかり忘れていた懐かしい不思議な感覚を覚えました。
音楽を言葉で説明するのは限界があります、とにかく感動致しました。お忙しいのにも関わらず何時も真摯に研鑽を重ねられ尊敬致します。今後もお元気にご活躍して頂きますようにお祈りしています。  (稲沢市 H. M.)

☆私は勉強不足で、モンポウという作曲家の存在すら知りませんでしたが、とても先生の雰囲気にマッチしていて聴いていて清々しい気持ちになりました。余韻もおもしろかったですし、その響きの中でも一つ一つの音色がクリアで彩やかに聴こえてきました。先生に合っているんだなぁと思いつつ、どうやったら情熱を持ちながら、あんなに綺麗な音が出せるんだろう、と驚きながら聴かせていただきました。
 後半のクライスレリアーナは本当に大曲なんですね。指を動かして弾くことだけでパニックになりそうです。複雑に絡み合う声部の中にクララへの一途な愛情を練り込むということ…、先生の演奏はとてもとても情熱的でした。ミスへの冷静な対処も忘れず、そのクライマックスへのもっていき方も潔さを感じました。
 先生は後で楽屋を訪れた時に何を話したか覚えていない、とおっしゃっていましたが、『傷は多かったけど、やりたいことは全部やった』とおっしゃっていました。私にはそれがすごく印象的でした。
 いつまでも新しいジャンルに挑んでいく先生を本当に尊敬します。いい演奏会を聴かせて下さり、ありがとうございました☆ (名古屋市 A. T.)

☆とても素敵な演奏会でした。先生の演奏を初めて拝聴しましたので感動しました。一音一音がとてもキレイで曲の終わりなどとても丁寧だなぁと思いました。先生がいつもご指導して下さったペダル使いなども勉強になりました。音のない休符の部分も大事な音楽なのだということを改めて感じました。アンコール後ピアノのふたを閉めるという先生の演出も楽しかったです♪
 これからもリサイタルがありましたら是非伺わせていただきます!ほんとうに素敵な時間をありがとうございました。♪ (員弁郡 A. M.)

☆私にとって久しぶりのピアノリサイタルでした。 ですので、始まったとき、ピアノの音がこんなにも大きなものだったのかと驚いた次第です。
 (余談ですがここ2,3年はコンサートに行く機会が少なくやっと昨秋からウィーンフィルのライナーホーネック氏のヴァイオリンのおっかけを2度しました。あさって碧南にも聴きに行く予定でいます。)

 モンポウという名前もはじめて聞きましたが、上の方から体に降り注いでくるような音というか曲、そんなのは初めてでした。
 文才がないので表現が上手くできませんが、ある人が温泉で感じるような、ある人が森林浴で、ある人が、、、なのでしょうか。
 私の場合でいえば×××ストアの東側にある美容室「×××」でシャンプートリートメントをしてもらった時に感じるようないい感じがしました。こういうとますます分からないですね。
 新しいものに出会ってそれがすごく心地よいものだったときに感じるショックと同じ感じ。あまり書くと違ってくるかもしれないのでこの辺で。

最後に抜群のデザートもありがとうございました。もう一度前に戻って一口いただけておいしいコンサートでした。    (名古屋市 K. K.)

☆昨日はおめでとうございます。ご招待いただきましてありがとうございました。 仕事のきりがつかず、残念ながら後半しか聴くことができませんでしたが、楽しい時間をすごさせていただきました。
 休憩中、後ろに座ってらした男性が「今日かえりたくない、ずっと聴いていたい!」と仰っていたのできっと前半もすてきな演奏だったのだろうなと想像しております。   (N.)

★初めてモンポウという方を知りましたが「歌と踊り」が特に気に入りました!
きれいな和音や、ジャズっぽいように(?)聴こえるところがおもしろかったです。
あんなにたくさんの曲を弾ききってしまうことに感動しましたf(^_^;)   (名古屋市 H. O)

★昨日はコンサートにお誘いいただきありがとうございました。
素敵な音色を聴かせていただき、私の刺激にもなりました。また機会がありましたらよろしくお願いします。   (津島市 M. T.)

★モンポウという作曲家がいるのを、はじめて知りました。どんな曲なのかとてもワクワクして、この日を楽しみにしていました。゛余韻を愉しむ゛とプログラムノートに書いてあり、ホールに響く音が私の耳を通してどのように伝わってくるのか興味がありました。聴いてみて、なるほど。からだの中を、いや味な感じがなく、スーッと素直に入ってくるのは自然体でいられるのだと安堵しました。気どらず、こわばらずにこのひと時を過ごせたことに感謝します。シューマンも然り。和音が清らかで洗練されて、気持ちの良い響きでいっぱいです。
 テクニックにすぐれているのは当然のこの時代。音楽をどのように感じて表現し、そして聴き手に伝えられるか。人間性を高めるために、中岡先生の良いところを娘に学んでもらえたらと感じました。今後もご指導よろしくお願いします。   (瀬戸市 H.S.)

★素晴らしい演奏がきけてよかったです(*^^*)シューマンとても好きなのできけてうれしかったです。   (A. N.)

★コンサートお疲れさまでした!久々にピアノの演奏をゆっくりと聴かせてもらえて本当に幸せな時間でした。クライスレリアーナは大好きな曲だしキレイな部分がとても良かったです!アンコール曲は初めて聴いたんですが、美しくっていい曲ですね!
 終わりの合図?は先生らしくて爆笑でしたよ(^-^)   (不破郡 T. I.)

★楽屋に一度並んだのですが、あまりの人気で近づけませんでしたのでメールします。一緒に行った友達が前半は『ピアノってこんなに響く楽器なんだ〜。』後半は『途中で教会の鐘の音が聞こえたようでシューマンの時代に旅したようだった』と感激していました。(彼女は文学部なのです。)ありがとうございました、とのことです。
 私はモンポウは初めて聴きました。余韻というかピアノの響きがいろいろな雰囲気を次々に生み出しているみたいで綺麗でした〜(^^)
 ありがとうございましたm(__)m   (岩倉市 M. Y.)

★昨夜は有難うございました。実は私は、このところ私生活にやや疲れ気味でしたので、本当に癒されました。前半は心にゆったりと染み込む感じでした・後半は熱い想いが伝わり、たくさんのエネルギーをいただき、頑張ろうて気持ちになれました・本当に有難うございましたm(__)m   (N. N.)

★とてもいい演奏を聴かせていただき、しばし仕事の疲れも癒されました。 ありがとうございました。   (K. N.)

《音楽の友》 2007年7月号「名古屋の演奏会から」欄所載
中岡秀彦 ピアノ・リサイタル
 今回のソロ・リサイタルは、前半にモンポウ、後半にシューマンの作品が採り上げられた。モンポウの作品は、「プレリュード」第2と7番、《内なる印象》より6曲、《歌と踊り》から3曲が選ばれて、後半にシューマン作曲《クライスレリアーナ》作品16が演奏された。
 いつもながらの安定した技巧が聴かれたが、機能的なピアニスティックな面がまずは表に出るシューマンに比して、モンポウの響きを主体とした楽曲提示に、より親近感と共鳴が感じられた。特に静かに移ろいゆく情感を印象派的な響きの微妙さでじっくり描いたのは、その作品の狙いを十二分に捉えたものとして特筆できる。
 音楽の情感が素直に出ているこれらの作品に対して、この様に響きの細かな側面を掘り起こして提示することは、モンポウの作品の奥行きある再現として、欠くべからざる要素であることを改めて知らしめた演奏であった。
《中部経済界》 2007年7月号「コンサート&ステージ」欄所載
モンポウを弾いた中岡秀彦
 当地方を中心に堅実な活動を続けて居るピアニスト中岡秀彦のリサイタルでは、珍しくスペイン生まれの作曲家フェデリコ・モンポウが取り上げられた。モンポウはフォーレ等の影響を受けパリに学んだが、印象派とは一線を画す独自の作風を持っている。
 この夜演奏されたのは、いずれも組曲の構成を持つ曲集「プレリュード」「内なる印象」「歌と踊り」から抜粋された計11の小曲だった。
 中岡はそのプログラムノートの中で、モンポウを「ピアノの余韻を愉しむ」音楽と言っているが、確かにそれは冒頭に弾かれた「プレリュード」からの二曲ですでに如実に示された。そして周到に計算されたタッチとペダリングに支えられた演奏からは、中岡の繊細で鋭敏な感覚の一端を、窺い知ることが出来たと思う。続く「内なる印象」からの短いタイトルの付いた六曲によってこの作曲家の個性を充分堪能し、「歌と踊り」からの三曲ではカタルーニャの匂いを多少嗅いで前半を終わった。
 後半は年代を遡ってシューマンの「クライスレリアーナ」。作曲者の心情がより直接的に吐露されるかのようなこの作品は、前半とは対照的な響きで聴く者を楽しませてくれた。
 ここでの中岡は、前半のややリラックスした雰囲気をかなぐり捨てて一気に集中を高め、全曲をそれこそ息もつかせず弾ききったのは見事であった。
 前回(2005年)のフランス・プロと言い今回と言い、なかなか凝ったプログラミングが常に関心を引くが、特に今回はその思い入れの深さが演奏に強く表れ、その意味でも大変成功したコンサートであったと評価しよう。
      (5月9日 電気文化会館)
《名古屋モーツァルト協会通信》 2007年6月通算37号所載
中岡秀彦 ピアノ・リサイタル
 この人は演奏会を真剣勝負の場と心得、大変誠実に、緊張感を漂わせながら演奏に当たる。その気迫は当然に聞き手にも感じ取れるほどのものであり、ために、客席には終始張り詰めた雰囲気が漂う。
 その彼が音楽の中に「感覚的」「幻想的」なものを見るというモンポウとシューマンの作品から成る演奏会を開いた。それも、感覚的なものがどちらかといえば外向きなモンポウと内向きなシューマンという反対方向に向かう作曲家の作品だから面白い。
 演奏そのものはとことん磨き上げられた、精度の高いものであって、精進の成果が十分発揮されていた。その上で、私としてはモンポウよりシューマンの「クライスレリアーナ」の方が楽しく聴くことができた。全体に凝縮性に秀でていたが、特に気に入ったのは迸る情熱が直ちに強音とならず、音量と音色の素晴らしいコントロールのもとである“軽味”をもって表現されていた点だ。そのために終曲のト短調部分など、惚れ惚れするような美しさに満ちていた。こういうシューマンはめったに聴けないものだ。
 ただ、ひとつだけ指摘したいのだが、このプログラムでは演奏時間は60分強に過ぎない。この中堅にしてはあまりに短すぎないだろうか。こんなことを書くのも、最近、特に短いプログラムを組む演奏家が増えてきているからだ。聴き手にとっては折角気負いこんで出掛けても、「上品過ぎる日本料理」みたいで、腹八分目にも達しないのではなかろうか。

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中岡祐子ピアノリサイタル 聴衆からの言葉
(2006年5月27日 電気文化会館ザ・コンサートホール)

■ベートーベンの30番は当然気に入っていますが、プログラムに邦人作品を入れたことは、大いに良かったと思います。(Y. K. )

■最後の矢代秋雄の曲は、キュービズムの絵をみているようです。
久しぶりに聞きましたが、迷宮に迷い込んだような気がする、おもしろい演奏でした。
アンコール曲は打って変わって、心が落ち着いておだやかな気分にさせてくれました。(無名氏)

■ジャック・イベールの最初の曲がとても綺麗だと思いました。 ミヨーやオネゲルも聴いてみたいと思いました。(豊田市 Y. I. )

■プログラムの、演奏者の言葉が非常によかった。(天白区 H. T. )

■すごく楽しめました! でも、最後の曲は、私には難しかったです。
HPのエッセイが、好きです。(日進市 H. O. )

■いろいろな楽器を聴いてきましたが、 ピアノの音色が一番好きです。 最後の曲は素敵でした。 日本人の作曲家にも素晴らしい人がいるんですね。(天白区 M. I. )

■よい解説でした。とても好きです。ただ、ベートーヴェンの名前はドイツ語読みにして、ルートヴィッヒのほうがよくなかったですか?
イベール:楽しい小品集ですね。実は原曲のピアノでの全曲を通して聴いたことはほとんどありません。良い響きで楽しませてもらいました。第7曲がちょっと変わっていて好きです。イベールは、ロバがちょこちょこ走っているような音列が好きなんですね!全曲を聴いて気づきました。表題がなくても、単に10の小品として聴いても面白いと思いました。第4曲は、あまり「はすっぱ」でもなかったです。
べートーヴェン 30番ソナタ:割合好きな曲です。楽しんで聴きました。(矢代さんが影響を受けた曲とは知りませんでした。) フォーレ:3曲とも思い入れのある丁寧な演奏で、とても良かったです。第3曲目が特に素晴らしいと思いました。
矢代:この曲を最後に選ばれた勇気に拍手します。生で全曲聴いたことはありません。素晴らしい現代曲ですね。(武満さんには感じない共感を、矢代さんには感じていた理由が何となく分かった気がします。) 3楽章ともすごいですが、特に第3楽章は傑作ですね。これをこの演奏で聴かせてもらえ感謝しています。
よいアンコールで、皆さん楽しく家路につけます。(緑区 K. I. )

■良い演奏を聴かせて戴いて有難うございましたm(__)m
ピアノのとっっっても綺麗な音に癒されました♪ 私も、頑張らなければと思いました(^O^)
私は実は今、体調を崩しています。最近、人生で2回目の胃カメラをのみました。ストレスです。そんな時ですから、昨日の演奏はすごく癒されたんです。感動しました(;_;) (久居市  C. S. )

■聴いたことのない曲もたくさん聴くことができ、また変わらぬ気負いのない音楽を拝聴し、ステージでの美しい立ち居振る舞いを拝見し、改めてバランス感覚の良さに感心しました。
ありがとうございました!
それでは、どうぞゆっくり休んでください。そしてまた素敵な演奏を聴かせて頂ける日を楽しみにしています☆ (名東区 M. I. )

■先日のリサイタル、準備期間も含めて大変でしたでしょうが、その分の達成感も又、大きく終了後に得られたのではないでしょうか? 羨ましい限りです。
ピアノの音についても、姿勢とか音のでかたのポイントが良かったのが、聴衆に心地よく耳に届いたのだと思います。当日友人と、「姿勢が安定しているね…、」と話題にしました.。
高い山に登るピアニストのサポーター(支援部隊)の1員で有りたいと今後も願っております。 (額田郡 K. S. )

■初めて耳にする曲が多く、特に矢代作品は音域もさることながら、とても興味深く拝聴しました。
アンコールの曲目、黒板に書いてありましたが、すっかり忘れてしまって・・・素敵な曲だったので、できれば楽譜を入手し、弾いてみたいなと思ったのですが、曲名など教えていただけますか?
衣装も、優しい感じの色使いが素敵でした。又聴かせてくださいね。 (日進市 H. N. )

■先日は、ありがとうございました。リサイタルの御成功おめでとうございます。
私好みのプログラムで、期待して出かけたらそれ以上の演奏で、客席の雰囲気もよく、幸福な気分になりました。
何よりいいと思ったのは、すべてに無理が無かったことです。中岡さんから自然に出てくる音楽で、集客にも無理が無くて、本当に感じのいいコンサートでした。
これからもがんばってください。(春日井市 N. M.)

■矢代秋雄のソナタは初めて聴いたけれど、すばらしかった。
Beethovenのソナタも当時はもちろん現代音楽だったんだから、私たちも現代の作品を敬遠しないでもっと聴いた方がいいかなと思いました。
それにしても、新たな領域に挑む開拓精神にはいつもながら感心しています。(名東区 M. O. )

■昨日はお疲れ様でした。すばらしいコンサートでしたね。
矢代さんの作品を聴きたいと思ったのですが、やはりこれがメインだったんですね。チラシでは2番目にあったものですから。それにしても凄い作品でした。しかもこれが彼の唯一のピアノソナタであったとは。そしてベートーヴェンもその流れから選曲されたことを初めて知りました。
演奏は大変だったと思います。でも聴いていると弾き手の大変さは全く気になりません。激しい部分がありますが、それでも全体としては柔らかく聴こえました。不思議な魅力のある作品だった印象があります。2度、7度なども違和感なく、むしろ美しいなあと思いました。
激しさの中に何か安らぎのようなものさえ感じることができました。聴けてよかったです。
それにしても演奏者は大変でしたね。鍵盤をフルに使って、しかも奏法がいろいろあり、、。これだけ弾いたら体力、精神力は限界だったのではないでしょうか。
矢代さんは確か「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の詩か台本の訳詩者で、10年ほど前の上演の際、夫人に来ていただいたことを覚えています。
寡作とありますが、全身全霊をこめると1曲しかできない、そんなことがわかるような気がする天才なんですね。
イベールも魅かれる作品ですね。物語とあったので、イストワールかなと思ってましたが予想通りでした。
こういう作品はピアノを聴くのが楽しみにさせてくれますね。特に1番は好きです。例えばFの上に、Aminorが乗る形の7度が好きで、随所にあった気がします。短調の中に、Fが響いている感じが好きなんです。
ベートーヴェンの時は、途中で意識不明になって正確に覚えていないんですが、何か普通のベートーヴェンとは違った気がします。矢代さんが評価する意味と関係あるのかどうかな、と思います。
ピアノには全くの門外漢ですが、気持ちよく楽しめたコンサートでした。
特に明るい響きには驚きました。ピアノ演奏はもっと重い感じがしていましたから。構成も自然に誘われる流れでしたね。いろいろ工夫されたんだと思います。 (天白区 E. E. )

《中部経済界》 2006年7月号「コンサート&ステージ」欄所載
中岡祐子 ピアノ・リサイタル
 愛知県立芸大の出身で、すでに二〇回を超えるソロ、デュオ・リサイタルを催し、中でも夫君とのデュオでは二度の名古屋市民芸術祭賞を受賞するなど、当地にあって活発な活動を続けているピアニストだ。
 今回注目されたのは、寡作で知られた故・矢代秋雄のソナタと、その作曲に当たって矢代自身が「ピアノ・ソナタの理想像として、精神的な影響を受けた」としているベートーヴェンの作品109を並べたプログラム構成であった。全体は、イベール「物語」とベートーヴェンを前半、フォーレの小品集と矢代を後半に配置し、これもまた誠に当を得たものだった。
 軽妙なイベールによって、演者も客席もリラックスした後のベートーヴェン、先月児玉麻里の深い情念に包まれたかのような素晴らしい演奏を聴いたのだが、ここでは、肩の力の抜けた入念な表現が、この曲の違った一面を見せてくれたように感じた。そこには、対比すべき矢代作品を控えての意識が自然に存在していたのかも知れない。特に終楽章を美しく感じた。
 後半、イベールに比べて内面的な要素に充ちたフォーレは、如何にも思い入れ深い入念な演奏で、矢代への恰好の序奏ともなった。
 矢代は生前「僕は鯛のほっぺたの肉でカマボコを造っているんだよ」と語っていたが、一つのジャンルに一曲しか書かなかった彼の作品は、非常に密度の高い書法に終始している。中岡はスコアを丹念に読み解き、深い共感を持って弾き進んだ如くであった。困難なパッセージの集まりではあるがテクニック的な不安を感じさせず、特に終楽章は圧巻で、この傑作の魅力を存分に知らしめてくれた。
 邦人の現代作品はとかく敬遠されがちのようだが、臆することなく挑戦した意欲を高く評価したい。
 今回のリサイタルは、率直に言って中岡の最近聴いた演奏の中では図抜けて強い印象を受けた。その手応えは、多分本人も感じているに違いないので、地道に活動する地元の中堅アーティストとして今後が益々楽しみである。   (5月27日 電気文化会館)
《音楽の友》 2006年8月号「名古屋の演奏会から」欄所載
中岡祐子 ピアノ・リサイタル
 8回目のソロ・リサイタルである。中岡秀彦・祐子のピアノ・デュオでは、2度の市民芸術祭賞を受賞するなど注目すべき成果を挙げているが、同時に様々なフォーマットでの活動をも継続している。
 イベールの〈物語〉全10曲、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第30番」、フォーレの「舟歌第1番」「ノクターン第5番」「即興曲第3番」、そして矢代秋雄の「ピアノ・ソナタ」(1961)というプログラム。
 正攻法で癖のないピアニズムがそれぞれの曲を丹念に描いている。それだけに、強さの表情は抑えられる傾向が感じられる場面もあるのだが、矢代秋雄の作品の演奏は、広い音域構成、打楽器的な動きと響き、移ろう和声感、空間を使った展開、どの要素でも外へ放射するエネルギーが十分に展開して生彩がある。作品への大きな共感がこのような演奏に繋がったのであろう。現代日本の作品がこのように内容高く再現されるのは日本人演奏家にとっては自然な事柄だろうが、やはり興味深く感じた。   (5月27日・電気文化会館)

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中岡秀彦ピアノリサイタル 聴衆からの言葉
(2005年5月25日 電気文化会館ザ・コンサートホール)

■私は、やはりラベルが、すごく印象に残りました。三枚の色合いの違う絵を見せていただいた気がします。
 何かプリズムを通していろんな方向から不思議な光をあてたような色彩の全く異なる絵。それをステージの上でていねいに描いている孤独な画家、というかんじでした。「スカルボ」はすごかったですね。「小人」というとかわいい感じがありますが、なにかもっと悪意とか憎しみとかをもった不気味な恐ろしいものを感じました。「夜のガスパール」の演奏を生で聴くのは初めてだったのですが、手が想像以上にすごいことになっているのですね!!手首から先が別の生き物のように見えてそれこそ魔物のようでした。お疲れ様でした!!
《名古屋市 M. Y.》

■今日は大変楽しい一時を過ごさせて頂きました。
 ミヨーの洒脱、ラヴェルの色彩も良かったですが、私はプーランクの伸びやかな「うた」に魅せられました。
 それぞれとても面白かったです。 
《名古屋市 英語教師》

■きのうのコンサートは、肩に力の入らない、リラックスできて、良いコンサートでした。ご自身が音と楽しんで戯れていらっしゃる感じがとても良かったです。曲目も私の好きなプーランク中心なのも、よかったです。一見、とてもまじめそうな?(失礼かしら)方が、アンコールでポロリと三枚目?なお人柄を露出されて、Goodでした。
《一宮市 H. T.》

■昨日はありがとうございました!
 最近リサイタルになかなか行っていなかったので、何ヶ月ぶりかに本格的に聞けて、とてもよかったです。友人も同じように言ってました。最近指もなまってきているので、「あんなに指って動くんだ」と思って、聞きながらすぐにでも弾きたい気分になりました。実際今日弾いて、やっぱりそんなうまくいくわけないな、と思いながら・・・指も感覚も。(笑)
 8月にまたコンサートがあるんですね! 昨日入っていたチラシで確認しました。楽しみにしています! 
《日進市 Y. F.》

■リサイタル本当にお疲れ様でした!
少し遅れましたが、HPに遊びに来ました♪ 写真が鮮やかで、気分もスカッと晴れ渡るようなページですね〜^^演奏も聴けちゃったりして、とても楽しいです☆
 私は今とにかく9月の演奏会が恐ろしくて、どうやって乗り切るか、自分との闘い中であります。私は少なくとも海王星までは行く自信があるのです。
 ここにもまた遊びにきます♪♪♪ 
《春日井市 M. T.》

■こんばんは。昨日はとっても素敵な夜を過ごさせていただきありがとうございました。
 正直、昨日は前日にパーティなどもありちょっと疲れていたのでもしかしたら寝ちゃうかも、なんて思っていたですが、そんな暇ありませんでした(笑)。
 妻が、指が見れるところがいい、というのでそういう席に陣取ったのですが、あの指の早さは人間業とは思えないほどで、思わず凝視しておりました(笑)。
 「悲しい鳥」で終わると思いきや、最後は「ブタ飼いの踊り」で楽しい気分で聞き終えることができ、素人のぼくもホントに楽しませていただきました。
《名古屋市 K. N.》

■大変に斬新な、そして意欲的なプログラミングで、楽しく聴かせていただきました。
 こういうプログラムであると、入場者も少なくなるのはやむを得ないのでしょうか。……しかし、私達のように熱心な音楽愛好者が足を運んだのも事実です。
 ただ、前のほうの席に人が少ないためか、ピアノの音がうまく吸収されずに、金属的な響きが、ときおりみられたのは、とても残念です。
 まことに僭越ですが、少し感想を述べさせていただきます。
 まず、ミヨーの「ブラジルの郷愁」ですが、とにかくこれを最初に取り上げた、その積極性、意欲に私自身もワクワクしました。
 偶然2週間程前に、バレエ音楽「世界の創造」のCDを購入して聴き入っていましたが、この「郷愁」も、ブラジルのリズムやジャズのイディオムをとり入れ、遠慮がちな不協和音と合わせて、心地よく機智に富んだ曲となっています。しかし、最初にとりあげ、緊張感もあって、調子に乗れないのか、リズムが固く自然に流れないのか、大変残念でした。(またいつか奥様といっしょに「スカラムーシュ」などリラックスした中で、聴かせていただけたら大変うれしいです。)
 次に「夜のガスパール」ですが、ラヴェルのピアノ曲の中で「ソナチネ」と共に、私の一番好きな曲です。
 幻想的な中にも、ラヴェルのもつ伝統的音楽形式へのあこがれが垣間見える傑作だと私は思います。「オンディーヌ」の速いパッセージに少し濁りが感ぜられましたが、「絞首台」の演奏には感動しました。フレーズとフレーズの間の、絶妙な間のとりかた、そしてその音色。見事な演奏で、貴殿も中堅の域を脱したのかなあ…という印象をもちました。ただ「スカルボ」は、もっと強弱をつけたほうが生き生きした音楽となったような気がします。(私の好みかもしれません。)
 後半のプーランクは、まさに貴殿のおハコといった趣で理くつ抜きで楽しむことができました。「無窮動」の素朴な美しさ、それに「インプロヴィゼイション」 これは、私は初めて聴きましたがプーランクの演奏にふさわしく、単純明快な響きをともなって、いい意味で緊張感のとれたリラックスした演奏となっていました。そのテクニックの高さもあって、ユトリすら感ぜられました。
 最近グリーグの「抒情小曲集」でピアノの美しさを味わっていますが、このプーランクの曲もぜひ愛聴盤に入れたいです。CDは発売されているのでしょうか? それくらい音楽(ピアノ)の真の美しさを味わせてくれる演奏でした。
《名古屋市 N. T.》

■さて、演奏会の余韻が我が家でも漂っていますが、さぞホッとなさっていることでしょう。新年会での「暗譜」についてのトークが妙に印象に残っていたのですが、そんな苦労を感じさせない貫禄ある演奏で、やはり凄いなぁ〜と思いました。
 特に後半の乗りにのっていたプーランクが見事で、それぞれの曲のキャラクターの違いを表現しきった飽きさせない演奏でした。そんな演奏を聴きながらプーランクのバイオリンソナタもピッタリだな…と感じたのですが、ご存知ですか?これは私の好きな曲の一つです。厳しい背景を持った曲ですが多分この曲との相性はバッチリだと思いますよ!
あと感じたのは、やはりラヴェルとドビュッシーは違うということ。自分も常々意識はしてますが、一昨日のラヴェルを聴いて改めて実感しました!
《名古屋市 S. U.》

■昨日は本当にお疲れさまでした☆☆☆忙しい中、自分の練習があそこまでできるなんて、本当に凄いとしか言えないです!
 全部良かったですが、特にプーランクの時、自分の世界という感じがしました。センスがすごく良くて、うっとりしました(*^_^*)
アンコールもとても素敵でした☆
《名古屋市 A. O.》

《中部経済界》 2005年7月号「コンサート&ステージ」欄所載
中岡秀彦 ピアノ・リサイタル
 中岡は、ともすれば夫人・祐子とのデュオでの活動がクローズアップされ勝ちではあるが、ほぼ同じペースでソロ・リサイタルも行っていることは注目さるべきである。そして今回はフランス近現代にこだわったプログラミングであった。
 冒頭はハバネラ風のリズムが中心のミヨー「ブラジルの郷愁」抜粋。一般にコンサートを始めるにあたっての第一曲は甚だ難しいものである。どうしてもステージと客席の「探り合い」的雰囲気を免れ得ず、その意味で奏者にかかる精神的な負担は大きい。反面、そこで主導権を握れば、以後の展開は極めて有利となる。そんな意味で、この選曲は当を得ていたと言えよう。つまり奏者に纏わり付いていた固さを、曲がカモフラージュした、といっては過ぎようか。ともあれ客席の気分は間違いなくほぐれた。
 果たしてラヴェル「夜のガスパール」では「絞首台」と「スカルボ」でその効果が如実に表れて、まず満足すべき演奏を得ていた。
 ところで、意地の悪い見方をすると、休憩を挟んだ後半というのは、通常二つの型に分かれるよう。一つは新進に多い「前半で力尽きる」タイプ、いま一つは「リラックスして本来の力量を発揮する」もの。当夜はまさに後者の典型であった。プーランクの「三つの無窮動」と「十五の即興曲」で、中岡は、何より自身、存分に自己の世界を繰り広げてみせたという実感を得たのでは無かろうか。
 やはり、デュオはもとよりソロでも目の離せない存在である。
     (5月25日 電気文化会館)

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