中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集
【246】 『エストニア国立男声合唱団』 2018. 9.16

以前から聴きたいと思っていた、エストニア国立男声合唱団の演奏会に行きました。指揮はミック・ウレオヤ。会場は、開館20周年を迎えた豊田市コンサートホールです。

プログラムは、前半がメンデルスゾーン、ラフマニノフ、松下 耕、シューベルト、ボナート、後半はすべて北欧作品で、マンテュヤルヴィ、サール、トルミス。硬派で大変内容の濃い、素敵なプログラムでした。

前半の最後では、イタリアの現代作品ジョヴァンニ・ボナート〜チェロと男声合唱のための〜「大いなるしるし」が歌われました。指揮者、チェリストと総勢35名の団員がステージを降りて客席を囲むようにスタンバイ、数名がワイングラスを手に持ちグラスハーモニカ(ガラスのコップなどの縁を濡れた指でこすって発音させる)との共鳴を織り交ぜながらの、幻想的な響きでした。

アンコールには、この合唱団団員の日本人で、3週間前に天に旅立った西村氏の編曲「夕焼け小焼け」などが演奏されました。本プロ、アンコール含めすべての音楽が自然で力みがなく、その美しさに思わず涙がこぼれました。

なるほど今の時代はこうなんだ!と思ったのは、35名の演奏者のうち7〜8名が、舞台で手に持つ楽譜がiPadだったことです。エストニアといえば世界一のIT先進国、スカイプ発祥の地なので、当然かもしれませんね。
( H. N. & Y. N. )
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