中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集
【235】 「【その何か】〜壊れた柱」 2017. 5.24

二ヶ月前、春休みを利用してちょっとしたモノを作った。正しく言えば、それがやっと最近完成した。日曜大工の経験を生かして制作したその過程を五回に亘り写真を交えながら紹介します。
きっかけは、玄関脇から庭に繋がる狭い通路の扉が柱諸共ぐらぐらしていたので、それを作り直そうとした事だった。
実はこの扉と柱、15年以上も前に僕が作ったものだ。
柱
柱には扉の丁番をつけるから、地面にしっかりと固定しなくてはならず、風雨に対しても耐久性が求められた。そのために僕が使ったのはウッドデッキ用の柱と固定金具だった。先端が尖っている金具の中に柱を入れ、そのまま地面に打ちつけると30センチほど埋まり固定できた。
僕はもっとしっかり固定させるために、埋めた周りの土を、セメントで固めた。こうした方が雨で土が柔らかくなって大丈夫と考えたからだ。
さて一方の扉だが、この扉も自作。広い面積の扉を作るのは大変なので、パンタグラフのような構造のウッドフェンスをホームセンターで買い、それを利用することにした。まず幅を固定している部分を外してばらばらにした。こうするとその構造上、幅の伸び縮みが自由になる。それを好きな幅にしたところで再び固定して出来上がり。その扉はこれまでに何度か作り替えたり、塗装し直したりしたが、柱だけは頑丈に作ってあったため、なんとか風雨に堪えてきた。
しかし三月頃、柱の根元がぐらぐら揺れているのを見つけた。扉が開く度にその柱には力が加わるのでもう限界に達しているのか?初めて地面を掘り返して様子を見た。セメントで回りを固められている固定金具は錆びており、そこに留めてある柱の部分は腐っていて、それがぐらつく原因だった。
再び同じように柱を立てるには新しく金具を固定しなければならないが、セメントを叩き壊さない限り錆びた金具を取り出す事が出来ない。簡単に柱だけを取り替えればいいと思っていただけに、突きつけられた現実を見て途方に暮れてしまった。
悩んだ結果、そのまま土をかけて埋め戻し平らに均した。そこに柱があった事は全くわからなくなった。何十年後かに何も知らずに掘った人は驚く事だろう。(最近似たようなニュースがあった、森友学園?)

さて扉、どうしたらいいだろうか?
(続く)
( H. N. )

ページの先頭へ