中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【213】 『 暦と龜 』  2014.12.10

12月、いよいよキーンと寒くなって来ました。7日の日曜日には名古屋にも雪が舞いました。皆様お元気でお過ごしでしょうか?

季節感を大切にする茶の湯(茶道)についての本を眺めていたら、こんな事が書いてありました。“冬の季節には、お湯を沸かす炉の形もがらっと変わり、夏バージョンの「風炉」から冬バージョンの「炉」というものに変わり、そこでする「お手前」も変わります” お茶の世界では立冬から立夏の頃までが冬の季節だそうで、おおよそ11月7日頃から5月5日頃ということになります。

以前書いたことがありますが、我が家のお隣のお宅はペットとして”ケヅメリクガメ”という、体長60センチくらいの大きな亀を飼っています。砂漠やサバンナが原産地のリクガメのため酷暑にめっぽう強く、暑い程元気です。夏の間は元気に庭を闊歩しているので、私達の部屋からもその様子がよく見えて、毎年楽しませてもらっています。秋になって段々涼しく人間にとって快適な温度になると、少しずつ歩く距離が少なくなり餌を食べる量も減り、そして冬になると冬眠に入る為、お家の中の暖房のお部屋に「収納」されます。その収納の日にちがだいたい毎年文化の日、庭にデビューするのがこどもの日なのです。
カメさんの冬眠11月3日〜5月5日…茶の湯の炉の季節11月7日〜5月5日
そう!殆どピッタリなんです。
人間と違ってカレンダーも温度計も無いケヅメリクガメ、ちゃんと「体感」で暦を知ってるんですね。偉いなぁ。
( Y. N. )

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