中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【204】 『乗り換え奮闘記』  2014. 5. 31

現在、新幹線をICカードを使った場合、在来線との乗り換え時は、自動改札機にICカードとそこから先のIC乗車券(名古屋のマナカ等)を重ねてタッチする仕組みになっている。ところが先日のこと‥‥

新幹線で東京まで行き、山手線に乗り換えようとした時のことだ。マナカとICカードを重ねて自動改札を出ようとしたら、赤ランプにブザー、足元の扉もバタン! 変だなと思ったら他の改札機でも同じ状態。つまり大勢の人が改札を通れないでごった返している状態なのだ。皆、何度か改札機を変えたりして試している。うまくいった人もいたが、僕は何度やってもだめだった。仕方なく窓口に行くと、そこには同じように改札機を通れなかった人たちが数名並んでた。

さて事情を説明し、係員にマナカの入った僕の定期入れと、ICカードを渡した。係員は定期入れからマナカを取り出し自分でICカードと重ねて改札機にタッチした。しかしやはり駄目だった。すると今度はマナカを窓口の機械にタッチし残額を調べた。残高があるのを確認すると、今度はICカードの情報を確認。そしてこう言った。
「入場記録無し、となっています」
「?」
僕が、入場した時に発行される新幹線の座席カードを見せたら、パソコンを色々操作して、
「今、名古屋からですね‥‥ あれっ? 今、何度も改札機にタッチしましたか?もう改札出たことになってますよ」
「はい、改札機を変えて何度もやりました。どうやっても赤ランプとブザーで通れなかったので。」
係員は、大丈夫ですので行ってください、と早く行って下さいと促すように手を動かした。その手の先には、さっき渡した僕の定期入れがまだ握られていた。
「それ、返して下さい(笑)」
この数ヶ月前にできた便利な(ような)システムは時々不具合が発生するのか?係員からは何の説明も無かったが‥‥。
それにしても、ずらりと並んだ自動改札機が、軒並み赤いランプにブザー、そして改札機の中を人が進んだり後戻りしたり、という光景は、人が使った機械に反って人が振り回されているようにも思え、少し滑稽だった。

( H. N. )