中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【190】 『ポーランドの……』  2013. 8. 19

普段から私は、東欧の国々が何となく好きである。ハンガリー、スロヴァキア、チェコ、ルーマニア……、良さそうな街歩きの番組などがあると、録画して楽しんでいる。

最近見たのはポーランド、ワルシャワの街をゆっくり辿り、何気ない街角や、お店の看板、ハンガリーやオーストリアのと少し似ていて少し違うポーランド料理など、思わず行ってみたくなる店だった。
街の中心に向かうと、あちらこちらに綺麗な石造りのベンチがあり、そこにはちょっとした細工がしてあった。ベンチの端についているボタンを押すと、ワルシャワの誇る作曲家ショパンの曲(ベンチによって曲は様々)が聞こえるようになっていた。観光客を意識しているのだろう。

ベンチの説明をしてくれた20代の女性は学生さん、ヴァイオリンを持った彼女について行くと、由緒ある音楽大学の構内も案内してくれ、もうすぐオーディションだと言う曲を、練習室で聞かせてくれた。

レッスン棟に行くと、広い廊下を挟んで両側に防音のレッスン室がずらっと並んでいるのは日本と同じ。ただ,其処でピアノ科のレッスン順を待っている学生達が何をしているかと言うと、廊下にズラッ置いてあるデジタルピアノを、一心不乱に弾いているのだ。勿論各自ヘッドホン装着だから、皆忙しく指が動いているのに、シーーン。ちょっと不思議な光景だった。

デジタルピアノはアコースティックピアノ(若い人は “なまピアノ” と言うらしい?)に比べて、指先のタッチも耳に届く音の響きもかなり違う。なるほど廊下で大勢が同時に「無音」で練習出来て調律も不要、学校の経費の面では便利なのかもしれないが…。
“ピアノの詩人ショパン” の国でも、こんな所にデジタル化が進んでいるのはびっくり。ショパンも嘆いているかも。。。
( Y. N. )

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