中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【175】 『金環日食 手作り装置で撮影』  2012. 6. 6

5月21日の朝、「金環日食」を見た。感動した。
それに先駆けて数日前、「日食グラス」を入手した。
「金環が見られる7時31分頃、太陽の位置は僅かに北よりの東、水平線から30度から35度位昇った所」
と、日食グラスの説明書に書かれていた。
そこで前日、同じ時間帯にウォーキングを兼ねて、太陽が見える場所を探す事にした。
すると、家の前の道路に立てば、ほぼ真正面に太陽が見える事が判明!

折角見られるなら、何とか写真に撮りたい!そう思った。しかし目にあてるグラスはあっても、カメラ用のは無い。普通にレンズを通して太陽に焦点を合わせれば、カメラ内部が焼けこげるのは分かっている。諦めるしかないか?

夜、ふと、小学生の頃の日食観測を思い出した。反射式天体望遠鏡を運動場に置き、接眼レンズの代わりに紙を置き、その紙に映り込んだ太陽の像を見たのだ。
「紙に映る像ならカメラで撮影出来る!」
しかし、天体望遠鏡は持っていない。やはり駄目か?
その時、脳裏にピンホールカメラ(ピンホール投影法)を思いついた。ピンホールを通過した光を、厚紙で受ければ何とかなるかもしれない。その像を横からカメラで撮影出来るかも!
原理は簡単なので、家にある材料で何とか作ってみる事にした。色々工夫し、夜遅くそれは完成した。とにかく手元にある材料のみで構造だけを考えて作ったので、見た目は「何コレ?」という感じ。しかし上手くいくかどうかは全く不明、リハーサル無しの本番になる。

いよいよ当日……、
紙に投影された直径約3センチの太陽の像を見た時は、「ヤッター!」と声が出てしまった。勿論、その像をカメラに収める事にも成功。
今回はその苦心して撮った写真を紹介します。ニュース等で見る素晴らしい写真とは比べものになりませんが……。

金環蝕 蝕の開始 木漏れ日も

因みに、撮影用に作ったピンホール投影装置の材料は、厚紙2枚(1枚はピンホール用、もう1枚は投影用)、黒いマジック、脚立、木片、玄関に置いてあるカエルの置物、という一読して「??」というものです。
( H. N. )

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