中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【165】 『 Рйхтер 』  2011. 10. 10

最近、必要に迫られて初めてロシア語辞典を買った、勿論ロシア語の知識は皆無である……。

中学生の頃に親に買ってもらって今も大切にしているLPがある。ジャケットには

プロ表紙

『 Святослав Теофйлович Рйхтер 』
とチンプンカンプンな文字が並んでいる。最後の『Рйхтер』の文字が、旧ソ連のピアニスト「リヒテル」に相当するらしい……とは推測しつつも、現在に至る迄「アルファベートの P はやっぱりピーとしか読めないでしょ、どう頑張ってもピクテプだァ」と、長年やけくそになっていた代物である。

ロシア語はキリル文字という33文字のアルファベートで出来ている。K〔ク〕のように普通のアルファベートと同じ形で同じ読み方をするものもあれば、英語等で刷り込まれた今迄の思い込みに全く反するものもあるのだ。
例えば、P が〔る(巻き舌の)〕、ホチキスの針みたいな П が〔プ〕、И が〔イ〕、Х が〔ほ(喉奥からの)〕、H が〔ヌ〕、裏返し? 写植ミス? と思うような文字 Я は〔ヤー〕、いかにもロシア語っぽい出立ち Ф は〔フ(唇を軽くかむ)〕ってな具合である。

先ほどのややこしいジャケットの文字も、ゆっく〜りひと文字づつ当てはめて行くと、
スビ…ヤート…スラヴ テオフィー…ロヴィチ リふ…ィテル
と何とか読むことができた。全くの自己満足だが、長年の謎が解けて目出たし目出たしである。

辞典


★さてここで、ロシア語なぞなぞです。
『 Икра 』 は何と読むでしょう?
(ヒント: И はイ、к はク、р は巻き舌「る」、а はアと読みます)
答えは……「イクラー」でした。意味は、、、そう、お寿司に乗っているあの美味しいアレです。ロシア語がそのまま日本語になってたんですね!
(Y. N.)

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