中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【159】 『福田繁雄大回顧展』  2011. 8. 12

日本の先駆者的グラフィックデザイナー福田繁雄さん(1932〜2009)、その大回顧展が開催されると新聞で知った。過去に無い規模のたくさんの作品が集められていると聞き、わくわく……。ちょっと遠いがせっかく夏休みなので、三重県立美術館(津市)まで久しぶりのドライブを兼ねて出掛けてみた。
折しも外は猛暑、入道雲がモクモクと沸き出す空を眺め、休憩を取りつつ運転。途中立ち寄った御在所SAは最近新しくなったのか、まるで空港ビルのような綺麗さと快適さに感心した。
初めて訪れた美術館は、津の市街地にありながらまわりを美しい緑に囲まれていた。賑やかな街中にある愛知県美術館と比べると、羨ましいような素敵な雰囲気である。

夫は以前から福田ファン、学生時代には美術学部の先生として福田氏が大学にいらしたそうだ。「福田繁雄展」で「夏休み」、その上「新聞で紹介」されたばかり、、、。さぞ混み合ってあっているだろうな〜、との想像は裏切られ、とても空いていたのは愛知県と三重県の人口の違いかも。
ポスター
様々な商品の宣伝イラストとその習作や、東京オリンピックや大阪万博などの昔懐かしいポスターの原版、ミロのヴィーナスの彫刻のパロディ、鏡に映った錯視の世界、そして見る方向を90度変えると全く異なった作品に見えるオブジェ等、たくさんの展示を見ることが出来た。当時としては奇想天外とも思える自由な発想、細かい観察力、そして人間の眼の持つ既成概念を愉しく騙してくれるトリックアートの世界……。
すっぽりと福田ワールドにはまってしまい、あっという間に時間が過ぎた。見終わった頃には、美術館に到着する迄に暑くて少々疲れた事もすっかり吹っ飛んでいた。

帰り道に立ち寄った亀山SAでは、亀山ロウソク直営キャンドルショップでお土産を買った。そう、今でこそ亀山と言えば「液晶」、だが、私達の子供の頃は亀山と言えば「ロウソク」だったのだ。SAの青果コーナーで鮮度抜群のトウモロコシと大玉スイカも買い、それが飛び抜けて美味しかったのも得した気分でした!
(Y. N.)

ページの先頭へ

as_nakaoka_index