中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集 |
【120】 『録音機の変遷』 2009.9.7 「レッスンを録音してもいいですか?」 ある学生が、レッスン前に質問してきた。こちらが了解すると鞄から小さなレコーダーを取り出した。
以前からそのような学生はいた。ただ、時代とともにレコーダーが随分変わってきた。随分前、生徒が持ってくるレコーダーはカセットテープレコーダーだった。オープンリールテープの時代からカセットテープに変わり、それで変遷は終了したと思っていた。しかし、長い間小型レコーダーの頂上に君臨していたカセットテープレコーダーも、数年前、MDレコーダーにその座を奪われた。と、思ったらあっと言う間に、ICレコーダに変わった。そして現在の録音媒体は、小型のハードディスクやSDカード。だんだん小さくなると同時に録音可能時間も長くなり使い勝手が良くなった。テープの時代には、音質も悪く、小さな音は「シャー」というノイズに埋もれたりしていたが、今はそんな事はない。僕は学生時代、オーディオマニアだったが、今のこの変化の早さには、ついていけない……。
(H. N. )
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