中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【111】 『パンの食べ方も様々』  2009.6.16

ある人から聞いたドイツ留学中にあった面白い話……

先生のお宅で食事をする機会が何度かあったのだが、その時の先生のパンの食べ方が変わっていて、丸くてやや固いパンを、みかんを食べるときのようにめくって外側の固い部分だけを食べていた、そしてその先生の食べ終わった後には、パンの中心の柔らかいところだけが、いつも残る、というのだ。
日本では、食パンなど食べるときに【耳】を残す人がいるがそれとは全く正反対。確かにドイツではパンは堅くて重いものが好まれるし、日本では柔らかく《ふわ〜っ》としたパンが好まれる。しかし、わざわざ柔らかくて美味しいところ(これが典型的な日本的な考え方なのかもしれない)を残すというのは、さすが「ドイツ人!」と意味もなく思ってしまった。
話は変わるが、喫茶店などで切り落とした食パンの耳を袋詰めにし、自由に持ち帰る事ができるようにしているのを見かけることがある。先日も、お気に入りの喫茶店のレジの横に、「ご自由にお持ち帰りください」と書かれたメモと一緒に何やらぎっしり詰まった透明なビニール袋がおいてあった。パンの耳か?と思ったらそうではなく、その店で出しているケーキの、デコレーションする前のスポンジケーキ部分の切れ端だった。こんなものもあるのか?と思ったが、せっかくだから貰って帰った。
当然だが中々美味しかった。そのうえ、時々クリームがちょっとしみ込んでいる部分に出会ったりして何だか得した気分になった。

あ〜ぁ、もっと大きな人間になりたい〜っ!!
(H. N. )

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