中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【96】 『本当に地球に優しいか エコバッグ』     2008.6.2 新聞

 ※僕の意見が、6月2日付け朝日新聞朝刊「声」欄に掲載されたので、今回はその原文を紹介します。
 因みに新聞上では、題が「エコバッグは家にある物で」と変更され、文章も多少変わっています。


 スーパーのレジ袋をやめ自分のバッグを持って買い物に行こう、という運動が盛んだ。それは結構な事だが、この運動が始まった頃には無かった新たな社会現象が起きている。
 あちこちで「エコバッグ」と称される商品が販売されているのである。この新たな商品を作るのに、どれだけ多くの人が関わり、また石油が使われているのだろうか?
 1人が1年間で消費するレジ袋は200枚以上と言われている。その製造段階でのエネルギー消費を、エコバッグを使えば抑えられる、というのは分かる。ただその為には、エコバッグを購入した人が半永久的にその製品を使い続ける事が必要になってこないだろうか? 現在、あれだけカラフルなデザインのエコバッグが街中に溢れていれば、そうも言えまい。年間を通して見た場合、レジ袋使用の方がエコになっていたとしたら本末転倒だ。
 そもそも、「レジ袋不使用」と謳いだした頃は、このような「エコバッグ」なる商品が出てくる事は予想していなかったと思う。何故、それを買うのか? わざわざ買うのではなく、家にあるもので代用することが本当のエコではないだろうか?

(H. N. )

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