中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【92】 『Wii』     2008.4.11

 知人が、人気の体感ゲーム《Wii》を持っているので、この春休みに遊びに行った。CMでしか見たことが無いその体感ゲームは、実際にはどんなものか知らなかったので楽しみだった。
 それは、バーチャルリアリティーを利用して実際には不可能な事が可能になるゲームで、ヘルスメーターのようなボードに乗った足の動きや、手に持ったコントローラーの動きから体の動きを感知し、自分の動きをTVに写し出すものだった。

 サッカーゲームでは、相手が蹴ってくるボールをヘディングする、というもの。ボールがまっすぐ自分に向かって飛んでくる場合は易しいが、左右に振られたボールは、自分が体重移動してそちらに行かなくてはいけない。ボールは物凄いスピードで飛んでくるので中々当たらない。その上、何故か、ボールに混ざって、靴、ぞうり、パンダ(白黒で丸まっているのでボールと見間違いやすい!)、なども飛んで来るので、それらは、避けないとペナルティーになる。

 綱渡りゲーム…これこそは実際にはとても体験できない、2棟のビルの屋上にロープを渡し、そこを歩いて渡るもの。反対側からは、時々化け物のような物がこちらに向かって進んでくるので、タイミングよくその場でジャンプして、やり過ごさなければいけない。上級編では、強風も吹けば、鳥の大群が目の前を横切る、落ち葉は舞うし、目の前に雲が現れ視界がさえぎられる。しかしそれらに注意していると、バランスを崩しまっ逆さまに落ちていく。やっている本人は必死なのに、上手くやれないと、見ている周りの人から野次や悲鳴が飛び、結構うるさい。 

 友人が「ヨガ」のゲームをやった。女性のインストラクターの動きに合わせて同じポーズをやるだけだが、ふらつかずにゆっくりと体を動かすのは結構つらい。途中で、
 「あぁ〜出来ない、止めた!」
と言ってボードから下りた。すると、

【途中でサボらないでください。
 私一人がやるなんて、むなしいじゃないですか】
と字幕が出た。これには参加者全員大笑いした。
 それにしても、普段使わない筋肉、感覚などを総動員して、楽しい時間を過ごした。
(H. N. )

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