中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【91】 『アークヒルズの桜』     2008.4.1

 桜の季節になりました。今年は、例年より開花時期が早まった所が多かったそうですね。
 先週、東京に行きました。前日にネットの開花情報で、ちょうど、僕の行くアークヒルズが《五分咲き》という情報を得た為、急いでカメラの電池を充電して準備しました。大きいカメラは重いので、小型のデジカメです。

 さすが、都会に咲くだけあって、どうやっても背景にビルが入る。どうせ入るならそれを生かして格好良い写真にしようと、その付近をカメラを抱えたままウロウロしました。天気もよく、時間は12時少し前でした。本当なら、この時間にいつも利用する食堂街に行けば、すぐにランチが食べられたのです。なぜなら、12時を過ぎると周りのオフィスビルから、「ドドーッ」と会社員が出てきて、このあたりの食堂があっという間に満員になってしまうからです。そうなってしまうと、長蛇の列に並んで随分長いこと待たされるのです。
 しかし……、12時を過ぎると、光の具合が変わってくるし、その時は本当にきれいに桜が輝いていたので、昼食は後にして写真に徹しよう、と考えました。

桜  いい写真が撮れました。時計を見ると写真撮影に1時間ほど費やしていました。
 これがそのときの写真です。

 さて、僕の昼食はというと……、1時少し前になっていたと言うのに、店の外の通路まで、まだ長い列でした。帰りの新幹線の指定も取ってあるし、待つことは不可能だったので、パン屋でサンドイッチを買って帰りの新幹線に乗り込みました。
 昼食を代償として、いい写真が撮れた日でした。

(H. N. )

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