中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集 |
【88】 『携帯紛失未遂事件 その1』 2008.3.3
先日の夜、レストランから帰ってから携帯が無くなっている事に気が付いた。店の駐車場で車を降りる時に鞄から傘を出したので、その時に落としたのだろうと思った。と言うのは、最後に傘の入っている場所に携帯をしまった記憶があったからだ。 仕方なく、自分でもう一度その店に行くことにした。もう、9時を過ぎていたので閉店前に着くように急いで行った。店に入り、先程電話をした者だという事を店長に話し、もし見つかったら連絡くれるようにと電話番号を伝えた。その後、自分でも駐車場に探しに行った。駐車場には薄暗い明かりしかなかったので、自分の車のヘッドライトを、落とした場所だろうと思われる付近に当てて探していた。しばらくすると、店長が出てきて、一緒に探しましょう、といって探してくれた。しかし結局見つからなかった。
仕方ないので諦めて、店長に丁寧にお礼を言って店を出た。僕は、落としたのが本当にこの場所なら、車に踏まれてカケラ位ありそうなものだが、それも無かったので、もしかすると他の場所で落としたかもしれない……と思った。そこで最後に使った場所を必死で思い出そうとした。 「あった!!」 半ばあきらめていただけに、在ることが信じられなかった。地下鉄出口の隣にあるスーパーの、真っ青な立て看板の台座の上に、きちんと置いてあった。誰かが置いてくれたのだろう。落とした状態であの上に載るはずが無い。二つ折りタイプの携帯ではないので、押しボタンの上に水がたまっていた。急いでハンカチで拭いて電源を入れると、作動した。(良かった!) 帰宅後、レストランに電話を入れ、携帯が見つかったことを伝えた。
次の日、万が一を考え、携帯の電話帳をバックアップしておいたほうがいいと思い、パソコンと繋いで、現在の状態を保存することにした。この携帯を買ったときに一度保存したことがあったのでそれを上書きするつもりだった。 (H. N. )
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