中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【84】 『過剰な車内放送』  2008.1.14

 皆様、2008年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 今年最初のエッセイです。


 よく利用する地下鉄の車内放送、 その内容は多岐に亘るが、それらはすべて必要な事柄だろうか。
 いったい何がアナウンスされているのか、数日間その放送をしっかりと聴いてみた。

まず、駅を発車する際…

 次の停車駅の駅名、そしてその駅に接続する路線名と乗り換えの案内。
 その駅で降りると便利なデパートの名前、そこへ行くために便利なのはどの階段か。
 時々、車内での携帯電話使用の禁止、自転車の路上放置の禁止、座席はお互い譲り合って使用すること、等が録音されたアナウンスで流れる。
 その後、車掌の肉声で、市営地下鉄を利用したことに対する感謝の言葉、続いて次の駅名と乗り換え案内(さっき聞いたところ)、そして地下鉄利用の際の注意事項(これもさっき聞いた事柄を含む)が流れる。その他、追加事項として(全て禁止事項なのだが)、
 ★発車前の駆け込み乗車は危険だからやめる
 ★足を組むと他のお客に迷惑だから、足は組まない
 ★入り口ドア付近に座らない
 ★車内での食事の禁止
 ★車内でのお化粧の禁止

 等が、その時その時で、色々組み合わされアナウンスされる。 
 ここまでは、発車してからの放送。

 次の駅に近づくと…

 今度は到着の車内放送だ。録音されたアナウンスで、次の駅の名、そしての乗り換え案内(発車の際に聞いた)。そしてここでもまた、同じ内容を繰り返す車掌の出番が来るのだ。

 さて、伏見を発車して名古屋に向かう場合、名古屋駅は接続する路線やデパートが多いので全てをアナウンスし終わるまでに結構時間がかかる。そして、アナウンス後、すぐ名古屋に着くので、間髪を容れずに到着アナウンスが流れる。録音されたアナウンスの後、車掌の出番が回って来るのはいつもと同じ。
 ここでは日本語の放送の後、同じ内容が、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、の五ヶ国語で乗り換え案内が流れる。(さすが国際都市・名古屋!?)。愛知万博開催時からなのだが、万博が終わってもそのまま流れている。
 日本を訪問するこれらの国の人々にとっては便利なような気もするが、この場所でこの案内は必要だろうか?彼らは次が名古屋駅、という事くらい分かっているはず。乗り換え案内などは車内放送で聞くより、駅のインフォメーションで尋ねた方ががよっぽど分かりやすいと思う。それに彼らは、名古屋駅近くの案内よりも、すこし離れた場所からどうやって名古屋駅に通じる地下鉄に乗るか、を知りたいはずだ。 

 さて、それらのアナウンス全部終わらないうちに名古屋駅のホームに到着する。
 ドアが開くと、今度は大きな音量でホームのアナウンスだ。

 「名古屋ァ〜、名古屋ァ〜、……」

(H. N. )

ページの先頭へ