中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【102】 『町長の女装?』     2008.10.2

 学生時代にせっせとFM放送のエアチェックをして、クラシックのいろんなジャンルの音楽をカセットテープに録音して溜めていた。レコードを買えば2000〜3000円したから、出費は抑えられるし、FM雑誌等で演奏者名もきちんと分かっていたので不都合はなかった。クラシック番組は、民放のFM局も含め今より随分多かったから、集めたカセットは多い時は200本はあった。どの曲がどのテープに入っているかがすぐ分かるようにするため、図書館のようにすべてのテープに番号をふり、作曲家ごとのインデックス帳を作って整理していた。

 時が経つにつれ、もう聴かなくなった録音と、昔の演奏家の貴重な記録、のような形で自然淘汰され、大分本数は減ってきた。が、テープは磁気なので、巻き取ったままにしておくと必ず転写が起こる。最初の音が聞こえる前に、1〜2度、同じものが小さく聞こえるのだ。将来のことも考え、昨年と今年の夏休みの2年越しで、すべてのカセットテープの記録をPCを使って自分でCD化することにした。それが最近、やっと終了した。
 はっきり言って根気の要る作業だった。そのやり方をここで詳しく説明すると大変なので省略するが、その途中で曲名と演奏家の名前を入力する作業があった。

 大分疲れてくる頃にその入力作業をやるのだが、ここで誰でも経験あるような、PCならではの面白い《文字の変換》が度々起こった。コンピューターがバカなアタマを駆使して苦し紛れに出して来る“珍”変換、意外にも日本語として成立している?のもあり、暑さを忘れる楽しいひと時だった。  今回はそれを少しばかり紹介します。ただ、すべてを覚えていないのが残念! はじめからエッセイに書くつもりなら、記録しておいたのだが……。ちなみに以前、ある変奏曲の解説を書いていた時、こんな“珍”変換もあった事を思い出した。

  【初めに町長の女装があり、そのあと次々と変装が続きます】

正しくは

  【初めに長調の序奏があり、そのあと次々と変奏が続きます】

♪さぁ、小手しらべに、曲名です。

 【警戒】 リストのピアノ曲【軽快】 難曲だから「警戒」も必要か?
 【大根サーとワルツ】 グラズノフの【大コンサートワルツ】 可愛いらしい映像が見えて来ませんか?
 【舟唄】 ショパンなどの【舟歌】 《唄》 ではちょっとね……。

♪次は、有名な指揮者です。分かりますか?

【餡たる銅鑼ティ】  【村瓶スキー】  【ジャン丸ティノン】
【アレクサンドルが浮く】  【ズデニェック戸主らー】
【オ威厳ヨッフム】

♪有名なピアニストです。誰でしょう……?

【団体損】  【丸太ある毛立地】  【食らうディオ洗う】
【三毛ランジェリ】  【黒むランク】  【部連デル】
【凝るトー】  【フリーどりっひグルだ】
【餡奴隷がぶりー炉不】  【ウィルヘルム賢婦】

 さあ、どうでしたか?

(H. N. )

ページの先頭へ