中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【72】 『楽しかった室内楽の演奏会』  2007.6.17

 皆さんこんにちは、梅雨に入りましたね……。
 エッセイ、しばらくサボっていました。夫のリサイタル、私のトリオ、と忙しく、今日はある場所でバリトンの方の日本歌曲の伴奏が終わり、、、少しほっとして久しぶりに書いています。

 5月20日は、知的障害者施設、ヨナワールドで、また5月23日は東郷町民会館ホールのステージで、室内楽を演奏して来ました。

 ヨナワールドでは、普段は生徒さん達が使っている食堂(新しいビルの5階で、三方向が大きな窓)のテーブルをすべて外に運び出して、椅子を60ほど並べて下さり、とても明るくて気分のよい場所でした。親御さんやスタッフの方の行き届いた気配りのお陰で、何の不自由もなく、スムーズに会が進み、本当に気持ちのよいコンサートになりました。
 この会の世話役をして下さっている著名なピアニストでもあるF先生は、なんと私の為に、当日ご自宅からスタンウェイのボックス型のピアノ椅子(1メートル運ぶにも大変な、スゴイ重さなんです!!)を会場まで運んできて下って……恐縮しました。

 ハンディキャップのある生徒さんたちも、受付の切符切りや茶話会のケーキ作りなど精一杯のお手伝いをして下さり、演奏終了後には、私たち一人ずつに、素敵な笑顔でお花を渡して下さったり……。
 こちらも感激してちょっとうウルウルしてしまった程でした。

 東郷町民会館では、恒例のミニレクチャーコンサート。ステージの下手に演奏者の私達(上手に向かって演奏します)、そしてお客様も全員同じステージ上に乗って(下手から上手を向いて60席ぐらい)同じ目線で聴けるという、なかなか楽しい企画です。

 曲の成り立ちや、その時代の国の背景など、演奏前に少しお話をしましたが、ちょっとした作品のエピソードにも、すぐに反応が返って来て、驚いたり、微笑んだり、ほぉ〜っと頷いたり……。
 聴いて下さっている人がかなり常連のような雰囲気で、皆さん、とても楽しそうにリラックスしていらしたのが、印象に残りました。

 今回、4月と5月の1ヶ月ちょっとの間に、あのチャイコフスキーの長いトリオを、4つの異なった会場で演奏することが出来たのは、とてもありがたい経験でした。
 私のポケットの中の宝物が、”ひとつ”増えた気がしています。。。

(Y. N. )

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