中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【68】 『4月14日のコンサート』  2007.4.17

 個人のお宅の音楽室での夕べ……個性的な旧東ドイツのピアノ、ブリュートナーを囲んでのこじんまりとした演奏会です。夫は来月のリサイタルと同じプログラムでフェデリコ・モンポウ、私はチャイコフスキーのピアノトリオでした。

 本番前日の朝、トリオのリハーサルをしていました。今回のトリオはそれぞれの楽器がヤルことが多い(!)上に、50分弱という恐ろしい(?)長さの作品でもあるためか、休憩時間になると、「本番のテンションとリラックスについて」が、誰が言い出したという訳でもなく、3人の話題になりました。
 「超緊張状態の中で集中にはいること、そして雑念なくその集中を続けるにはどうしたらいいのだろうか……?」という問題です。

 スポーツ選手のメンタルトレーニングやら、将棋の羽生名人の話、あるピアニストのエッセイで読んだ話……などなど、話は尽きません。さまざまな分野の“トップ”で活躍する人たちは、試行錯誤の末、“自分なりの”真理(方法)を持っているからです。
 結局、答えは出ませんでしたが、簡単に言えば「どこかで失敗してもその事をくよくよせず、先を弾く事だけに全力で取り組むのがいいんだ……ろう」と、”頭では”わかっています!

 「平常心で、淡々と、前向きに!」
っと、3人で確認し合い、前日の練習を終わりました。

 本番当日の昼下がり、会場に着くと、オーナーが日本茶を入れて下さいました。その場所は名古屋より少し気温が低いのでまだ散り初めの庭の桜を眺めつつ、いただきました。本当においしいお茶でした。淹れ方もよくお茶の葉もよく、その上、井戸からおいしい水を汲んでいるので一層おいしいんです。
( ^^) _旦~~

 「練習でのどが渇いたら、あとはそこにあるお茶の葉を足して自由に飲んで下さいね」と、言って下さいました。リハーサルの後で気が付きましたが、そのお茶の葉の名前は何と、【平常心】でした!
 オーナーの優しい気配りでしょうが、昨日の話題とあまりにぴったりで、、、、、(笑)

 デモ。平常心 は難しいです。
又……がんばります。

(Y. N. )

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