中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【23】 『辞書サーフィン』    2005.11.12

 『最近、辞書は「引く」ものから「押す」ものへ。普及進む電子辞書、売れ筋ランキングは…』と、インターネットニュースで見ました。そう言えば我が家も然り、引く派から押す派にシフトしつつあります。

 実は分厚くて重かった広辞苑は本棚から机まで出すのが億劫で、かつて出番が大変少なかったのですが、数年前に電子辞書を買ってからは、検索が身軽になって好きになりました。つい最近2冊目の電子辞書を買ってしまいました。

 第一に、多少目が悪くなってきても簡単に”引ける”、いえ”押せる”のが気に入っています。ペラペラめくって行き過ぎることもないし、画数の多い難しい漢字もコワクナイ。拡大機能で大きくしてじっくり眺めることが出来ますね。
 それから超便利で一番よく使うのが、ジャンプ機能。国語辞典にとどまらず、漢和、熟語、語学や、雑学までも、どんどん垣根を越えて簡単にジャンプ検索できるのは魅力ですね。今回音声機能のついたのを購入しましたが、外国語も予想したよりもなかなかいい発音で喋ってくれるのにびっくり。買ってから知りましたが例えば趣味の欄には、”日本で飲めるワイン2500本全データ”なんてのもはいっていて、詳しく検索できるんです。
 調べ物をするにはネットサーフィンも面白いですが、パソコンの前に座らなくてももっと気軽に出来る”辞書サーフィン”は、最近の楽しみに加わりました。

 イタリア食材で、卵を練りこんだ幅広パスタに、タリアテッレ伊語 tagliatelle があります。それをを伊和機能で調べてみました。その前後の単語を何気なく眺めていたら、語源はどうやら動詞 tagliareタリアーレ(切る、切り離す)から来ているのかな?と推測されます。そこでふと思いついて、仕立て屋さん(テーラー)英語 tailor を英和で見ていくと、tail(切る)+or(〜する人)で tailor、語源は14C後期ラテン語 taliare(切る)、と書いてありました。
 タリアテッレとテーラーが遠い親戚だった……。こんな取るに足らないことで「な〜るほど」と大喜びしてしまい、辞書サーフィンに、またまたハマってしまいそう。

(Y. N.)

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