中岡秀彦/中岡祐子 エッセイ集

【10】 『どっちが健康的?』    2005.8.6

 少し前、エアコンが急に壊れた。リモコンでスイッチを入れると、動くそぶりのランプだけは点滅する。しかし、室外機は時々ブーンと言うのだが、肝心の室内機は、シーン…、忘れた頃に冷気噴出し口から生暖かい風が、やんわりと降りかかってくる…。全くダメだ。
 見てもらうと、どうも一番肝心のコンピューター部分の基盤が駄目になったらしい。取り寄せまで少なくとも数日間とのことだった。日中の外気温は毎日35度以上なので、考えただけでうんざりするが、壊れたものは仕方がない。
 ひたすら、扇風機をフル回転して過ごすこととなった。

 猛暑のときに、1日中24時間エアコンをかけない生活、考えてみたら久しぶりだ。やってみると、暑いには暑いが、(覚悟して腹をくくったせいなのか?)、2日目には体も気持ちも慣れて、結構涼しく感じるようになってきた。驚くことに3日目には、適度な暑さで少し汗をかき、心地よくさえ感じるようになった。電気を使わないし、本当はこれが人間の体にはいいのかもしれない。きっと、そうに違いない!と思った。

 しかし困ったことが起こった。クーラーなしの自宅から、一旦外出すると、いつも丁度よく感じていたはずの地下鉄や仕事場や、入って慣れているはずのいつもの喫茶店が、やけに寒く感じた、体が冷えて調子が悪くなってしまったりしたのである。今まで冷えたと感じたことが一度もなかった場所で、である。

 ということは、どこに行ってもクーラーの効いている現代では、家でもある程度エアコンに体を慣らしておくほうが、両方の温度差がなくて体に良いのか…?などと考えてみる。
 エアコンをつけずに自然な暑さで過ごすのが体にいいのか? エアコンかけて他の場所とのギャップを作らないのが体にいいのか?
 一体どっちがいいんだろうか!?

(H. N.)

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